エゴイスト達のティザーフィルム 自我主义者们的预告片
「作られていない、こんなに美しくて幸せそうな誰かの顔が撮れるなんて、初めてなんだよ」
「从未见过,能捕捉到如此美丽幸福的面容,这还是第一次」
オフのお仕事でどこかのハイブラのアンバサダーとしてプロモーション撮影をするseisの話
关于 seis 在休息日作为某高端品牌的代言人进行宣传拍摄的工作
※注意事項 ※注意事项
・何でも許せる方向けです。閲覧は自己責任にてお願いします。
・内容可能包含敏感话题,请谨慎阅读。阅读责任自负。
・レ・アールにて冴潔が同チームに所属しています。 ・冴潔在レ・アール队中与同队成员互动。
・濃い目のモブががっつり出演&よくしゃべります。 ・有较多戏份的配角频繁登场并活跃对话。
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穏やかで距離は近くて、でもまだサッカーだけでいい、みたいなseisを書いてみたい人生だった……。
我曾想过一种平静而亲近,但仍只专注于足球的生活,就像写一个 seis 那样……。
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ロビーでの撮影に使えるのは一時間という短い時間。チェックインが増える時間帯を避け、撮影の間、ロビーに一般の客が入らないよう規制をかけるためだった。
大堂的拍摄时间只有短短一小时。为了避免入住高峰时段,并确保拍摄期间普通客人不得进入大堂,采取了相应的管制措施。
ほぼ一発撮りが望ましい、少々タイトなスケジュールだったが、冴と潔は揃ってこの撮影を難なく終えた。
几乎一镜到底是最理想的,虽然时间安排稍显紧张,但冴和洁还是顺利完成了这次拍摄。
カメラマンが撮影しようとしていたのは、ブランドロゴが入った色違いのスーツケースを引きロビーを歩く2人の姿。艶のある大理石の床に、天井には品の良いシャンデリア。グリーンを基調としたアンティーク家具が並ぶ空間を、ラフなジャケット姿の2人が並んで会話しつつ進んでいく。
摄影师想要捕捉的是,两人拖着印有品牌标志的彩色行李箱在酒店大堂行走的画面。光滑的大理石地板上,天花板悬挂着精致的吊灯。以绿色为主调的古董家具排列的空间里,穿着休闲夹克的两人并肩而行,边交谈边前进。
写真の中では冴も潔も、ごく自然体な様子でありつつ表情はキリッと旅慣れた風に整えている。微笑を浮かべて話す姿には大人びた余裕が感じられ、どこかスポーツ選手らしい、人を寄せ付けない怜悧な雰囲気も併せ持っていた。
照片中的冴和洁,既保持着极其自然的姿态,又表情严肃,显得经验丰富。他们微笑着交谈的样子,透露出成熟从容的气息,同时又带着一种运动员特有的、令人难以接近的聪慧氛围。
「本職のモデルより様になってる」 「比专业模特还像样呢」
ノートパソコンを操作しながらカメラマンは感心したように呟いた。
摄影师一边操作笔记本电脑,一边赞叹地喃喃自语。
「遠征が多いからかな? 立ち姿がすごく綺麗だよ」 「是因为经常出差吗?站姿非常漂亮哦」
確かに、プロでサッカーをやる以上冴も潔も移動は多い。代表への招集も常連である故に、スーツケースを持っての旅も慣れたものだ。いちいち人に話しかけられても面倒なので移動中は軽い変装も怠らないし、あまり気を抜くこともない。端的に言えば、話しかけるなオーラを出すのは慣れている、という話だ。特に冴の場合は元の気質もあってその傾向は強い。
确实,作为职业足球运动员,冴和洁的行程都很繁忙。由于经常被国家队征召,他们早已习惯了拖着行李箱四处奔波。为了避免在旅途中频繁被人搭话,他们还会进行轻度伪装,不会轻易放松警惕。简而言之,他们已经习惯了散发出一种‘别来搭话’的气场。尤其是冴,原本的性格也使得这种倾向更加明显。
「冴は撮られるのも慣れてるもんな。空港とかで」 「冴已经习惯了被拍吧,在机场之类的场合。」
潔はニヤリと口角を上げた。 洁微微扬起嘴角,露出一丝笑意。
日本への凱旋、またはアウェーの国への到着時。飛行機を降りた瞬間、メディアやファンが発する大量のフラッシュに襲われたことは数知れない。一瞬頭の中にあの騒がしい空間が思い出され、冴はぐっと眉を顰めた。
回到日本,或是抵达客场国家时。走下飞机的那一刻,无数媒体和粉丝的闪光灯扑面而来,这样的场景已数不胜数。一瞬间,脑海中浮现出那喧嚣的空间,冴不禁皱起了眉头。
なまじ顔が良いと言われる冴は、昔からサッカー以外の部分でも好奇の目に晒されることが多かった。弟の凛も似たようなものだが、プレーではなくファッションがなんだイケメンだなんだと、撮ったものをワイドショーのネタにされることは少なくない。
因为长相出众,冴从以前开始就经常在足球之外的部分受到好奇的目光。弟弟凛也是如此,但不同的是,他更多的是因为时尚而非比赛表现,被拍下的照片常常成为综艺节目的话题。
「暇な奴が多いだけだろ」 「只是闲人太多罢了」
「でもそういう時の写真って、やたらかっこ良かったりするだろ? 俺結構好きだよ? 昔から。冴って有名人だったし、テレビとかでたまに見かけて、実はちょっと憧れてた」
「但那种时候的照片,不是会特别帅气吗?我挺喜欢的,从小就喜欢。冴以前是名人,偶尔在电视上看到,其实有点憧憬呢。」
潔は口にし、少しだらしなく頬を緩める。冴は妙にくすぐったい気持ちになって、ついついふいっとそっぽを向いた。
洁说着,稍显松懈地放松了脸颊。冴感到一种莫名的痒痒,不由自主地扭过头去。
そんな2人の会話を聞きながら、カメラマンは納得したようにうんうんと深い頷きを繰り返す。
听着两人的对话,摄影师像是理解了什么似的,频频点头。
「なるほど。こういうシーンはある種、プロのサッカー選手らしい場面ってことだね。プライベート色が絶対的に薄いし、ちゃんと雰囲気も出てるよ」
「原来如此。这种场景可以说是职业足球运动员特有的场面吧。私生活色彩绝对淡薄,氛围也很好地表现出来了。」
「それ、褒めてくれてるでいいんですよね?」 「那是在夸奖我吧?」
「もちろん。このシーンでは人を寄せ付けない冷たさが欲しかったんだ。だからこれで間違いなく正解。むしろオレの想像以上に、キミたちは上手くコンセプトを体現してくれた」
「当然。这个场景需要一种拒人于千里之外的冷酷感。所以这绝对是正确的。甚至比我想象的还要好,你们很好地体现了这个概念。」
「仕事としては満足してる」と彼は微笑む。そしてまたパソコンの画面を動かし始めた。
「作为工作,我很满意。」他微笑着说道,然后又开始操作电脑屏幕。
「けど、キミたちらしいって意味なら、オレはこっちの写真だと思う」
「但如果说是像你们的话,我觉得是这张照片。」
促され、2人はそっと画面を覗いた。 在催促下,两人轻轻地窥视了屏幕。
カメラマンがピックした写真には、片手をポケットに入れ堂々と進む冴の姿が映っている。視線はカメラの正面を外して流し目気味に。しかし口角は普段よりも微かに柔らかく上がっており、フットボーラー・糸師冴のイメージと比較すると、不思議と親しみやすい印象があった。
摄影师捕捉到的照片中,冴一手插兜,昂首阔步。视线略微偏离镜头,带着几分漫不经心。然而嘴角比平时微微上扬,显得柔和,与足球运动员糸师冴的形象相比,竟意外地给人一种亲近感。
写真を見た冴は額に手を当て呆れ交じりに肩を落とす。つい昼寝の時にした潔との会話を思い出した。
看到照片的冴,无奈地扶额,肩膀微微下垂。他不禁想起午睡时与洁的对话。
表情が緩んでいるのは俺も同じか。 表情放松的,我也是一样吧。
自分自身に苦笑していると、カメラマンは潔に対して問いかける。
苦笑着自嘲,摄影师向洁问道。
「どう、イサギ? こっちのサエは、イサギのお眼鏡に叶うかい?」
「怎么样,伊佐木?这边的沙惠,能入得了伊佐木的法眼吗?」
潔は目をぱちぱちと瞬かせ、一つ大きな頷きを返した。
洁眨了眨眼,重重地点了点头。
「良いです。自然! ナイスショット!」 「太好了。自然!漂亮的一击!」
「あはは、ありがとう。後でこっちのデータもあげるよ」
「哈哈,谢谢。回头我把这边的数据也给你。」
「マジで?! ありがとうございます!」 「真的?!太感谢了!」
潔はそう言ってニコリと笑う。 洁笑着说道。
別に写真くらい特別なことではないだろうに。そうは思いつつ、冴は写真の中で青い瞳を輝かせる潔の姿から目が離せなかった。悔しいが、これが欲しいのは冴も同じだ。
明明拍张照片也不是什么特别的事。尽管如此,冴还是无法将目光从照片中闪耀着蓝色瞳孔的洁身上移开。虽然不甘心,但冴也想要这张照片。
「おいカメラマン」 「喂,摄影师」
「ん? どうかした?」 「嗯?怎么了?」
「……俺にもよこせ」 「……也给我来一份」
冴が口にした端的な指令に、潔はプッと大きく吹き出す。カメラマンにもニヤニヤとした顔を向けられ、冴は首の後ろを強く掻いた。
冴简洁的指令让洁不禁噗嗤一声大笑出来。摄影师也露出了笑意,冴则用力挠了挠后颈。
不本意な反応だが、仕方がないと諦める。だって背に腹は変えられない。
虽然不是本意,但也只能无奈接受。毕竟背比腹更重要。