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世界は私に優しく
世界对我很友善

第1稿(2024/11/22)
第一稿(2024/11/22)

井上博貴
井上弘树

【登場人物】
[人物]

千葉瑠璃主人公。優秀な公立高校で成績優秀であったが、母親・雪の借金が膨らみ、経済状況が悪くなり中退してしまう。貧しく嘘が苦手で「正直は最善の策」をモットーに生きて来た。
千叶琉璃……主角。虽然他以优异的成绩就读于一所优秀的公立高中,但他的母亲由希的债务堆积如山,他的经济状况恶化,导致他辍学。他出身贫寒,不喜欢谎言,并以“诚实是上策”为座右铭生活。

その後母親の借金の保証人になっている為に
此后,他成为母亲债务的担保人。

返済するべく、アルバイトに勤しむ。
为了偿还债务,他兼职打工。

星野勇輝注目を集めるFinTechのスタートアップ企業の社長。家業を継がずに、起業し成功。瑠璃と運命的な出会いを果たす。
星野由纪……备受瞩目的金融科技创业公司社长。他没有继承家族生意,而是自己创业并取得了成功。他与瑠璃有着命运般的邂逅。

千葉雪瑠璃の母親。元々男にだらしない毒親であったが、ホストにハマって多額の借金を抱えてしまい、担当ホスト・ 葉山海の言われるがままに娘の瑠璃を利用して稼ぎ、ツケを払おうとしている。
千叶由希……瑠璃的母亲。本来,她是一个对男人懒惰的有毒父母,但她沉迷于主持,最终负债累累,正如主持主持人叶山凯告诉她的那样,她利用女儿Ruri来赚钱,尝试支付账单。

高木川誠哉星野の後輩。積極的な星野に遠慮しながらも瑠璃に淡く好意的な気持ちを抱いてしまい、星野の嫉妬の対象となる。星野の企業の役員でもあり、会社に出入りしている。
高川圣也……星野的后辈。虽然他对咄咄逼人的星野有所保留,但他却对瑠璃产生了模糊的感情,并成为星野嫉妒的对象。他也是星野公司的高管,经常进出公司。

葉山海雪がハマってしまったホスト。雪にツケの支払いをさせる為に若い瑠璃をキャバクラ、風俗、高級デートクラブなどで働かせようとしている。狡猾であらゆる手を尽くして女を追い詰める。
叶山介... Yuki沉迷的主持人。为了让 Yuki 支付账单,他试图让年轻的 Ruri 去歌舞俱乐部、性行业或高级约会俱乐部工作。他很狡猾,想尽一切办法来逼迫女人。

星野玲花…源の母親。星野家が創業した化学工業会社の社長。
星野丽香……源的母亲。星野家族创办的化学工业公司社长。

グローバル展開が成功し、海外勤務をしていた。
他的全球扩张取得了成功,并且在海外工作。

梅原真子.…星野源の会社に勤務。家族ぐるみで星野家との付き合いもあり、良家の生まれ。昔から星野源を尊敬しに想いを寄せている為、星野の会社に入社。
梅原真子...在星野源的公司工作。他的家族与星野家有联系,出生在一个良好的家庭。她加入星野源的公司是因为她一直仰慕他并对他产生感情。

青木高大…青木財閥の会長。瑠璃の実の祖父。
青木贵宏……青木财阀会长。瑠璃的亲生祖父。

青木明哲…青木グループ会長の次男。素行の悪さから業績の低い
青木名铁...青木集团会长的次子。不良行为导致绩效不佳

グループ企業に勤務させられていたが、父が退き、
我被分配到一家集团公司工作,但我父亲退休了,

実兄が亡くなった今社長の座を奪おうとしている。
现在他的哥哥去世了,他又想篡夺总统的位置。

石原奈々…瑠璃のバイト先の友人。自身がやり始めた投資を瑠璃に見せると思わぬ才能が開花し、手伝ってもらって、運用がうまくいく。その利益から瑠璃に手伝い賃を渡している。
石原奈奈……琉璃打工时的朋友。当他向瑠璃展示他已经开始的投资时,他意外的才华绽放,在她的帮助下,投资进展顺利。他从利润中给瑠璃提供帮助费。

1−1 飲み屋(夜)
1-1 酒吧(夜间)

瑠璃は、葉山海の紹介で始めたキャバクラの仕事で、男性客に酒を一気させられ、無理矢理飲まされている。
经叶山凯介绍,瑠璃开始在一家歌舞俱乐部工作,并被男顾客强迫喝酒。

男1 「はいはい、もうちょっと!飲んで飲んで!」
男1:“对对对,再喝一点,再喝一点!”

瑠璃はなんとか酒を飲み切る。
瑠璃终于喝完了她的酒。

男2 「なんだかんだ強いじゃーん。」
男人2:“他有点坚强。”

      瑠璃は苦しそうに息をしている。
琉璃呼吸粗重。

男1 「じゃあ次!」
男1:“那么下一个!”

瑠璃 「いや…。もう…。」
瑠璃:“不……已经……”

男2 「まだまだいけるっしょ!」
男2:“你还可以继续!”

男たちは瑠璃とゲームをしては負かせるような仕掛けをし、罰ゲームとして酒を一気させようとしている。再び、瑠璃が負ける。
男人们与瑠璃玩游戏,试图让她输掉,作为惩罚,他们试图让她一次性喝完酒。瑠璃再一次输了。

男1 「はーい、もう一杯!」
男1:“好吧,再来一杯!”

瑠璃 「もうほんとに…。」
瑠璃:“真是……”

男2 「負けは負けだしなー。」
男人2:“损失就是损失。”

男1 「この後アフター行ってくれるなら飲まなくていいんだけど(瑠璃の耳元で言う)。」
男人1:“如果你要追求这个(在Ruri的耳边),我就不必喝酒。”

      男2は男1の発言を聞いてニヤリとする。
当男人 2 听到男人 1 的评论时,他笑了。

瑠璃 「わかりました(項垂れながら)。」
瑠璃:“我明白了(低着头)。”

1−2 道(夜)
1-2路(夜间)

泥酔した瑠璃を介抱するふりをして、体を触り、
假装照顾醉酒的琉璃,触摸她的身体,

ホテルに連れて行こうとしている。
我想带你去一家旅馆。

男1 「マジで大丈夫??」
男1:“你真的没事吗?”

瑠璃 「いや、ほんと一人で帰れるんで…(足元が覚束ない)」
瑠璃:“不,我真的可以自己回家……(我不知道该去哪里)”

男2 「大丈夫じゃないじゃん!フラフラしちゃってヤバいよ」
男2:“不行!头晕很危险。”

男1 「絶対どっかで休んで行った方がいいって。」
男1:“我想你确实该去休息一下了。”

瑠璃 「やめてください!
瑠璃:“请停下!

男2 「何もしないから行こうよ。」
男2:“我什么都没做,那我们走吧。”

強引に瑠璃を連れて行こうとする二人。
两人试图强行带走琉璃。

瑠璃 「もうやめて!」
瑠璃:“住手!”

星野 「おい。」
星野:“喂。”

男2人が振り返るとそこに少し酔った星野勇輝と高木川誠哉がいる。
两人回头的时候,看到了微醉的星野由纪和高川圣哉。

星野 「その子、嫌がってるじゃん(少しふらついている)。」
星野:“那孩子不喜欢(有点不稳定)。”

男1 「お前らに関係ないだろ。」
男1:“这与你们无关。”

星野 「自分らが何やってんのかわかってないのか?」
星野:“他们不知道自己在做什么吗?”

高木川「ちょっと大丈夫っすか(酔っている星野を見ながら)?」
高川:“你没事吧?(看着喝醉的星野)

男2 「なんだぁ。」
男2:“什么?”

星野、ニヤリと笑う。
星野咧嘴一笑。

高木はそんな星野を見る。
高木看着星野。

高木川「(男2人に)まあ穏便に、君ら大人しく帰ろうか。」
高木川:(对两个人)好吧,我们平静地回家吧,你们。

男1 「お前らこそ帰れよ。」
男1:“你们该回家了。”

      男1、2は星野に向かってくる。
男子1和男子2正前往星野。

      すると星野は男1に胸ぐらを掴まれるが、
然后,星野被一号男子抓住了胸口,

その手を引き離し投げ飛ばす。
他把手抽开并扔掉。

瑠璃はその光景を目の当たりにし、
瑠璃亲眼目睹了这一幕,

星野を勇姿を心打たれる。
我被星野的勇敢所感动。

高木川「(それを見ながら)酔ってても大丈夫か。」
高木川:(一边看着)喝醉了可以吗?

      男2も同様に星野にやられる。
Man 2同样被星野击败。

      酔っている二人は反撃する余力はない。
两人都喝醉了,根本没有还手的力气。

      星野は二人を倒し、自慢げな表情をする。
星野打败了两人,一脸得意。

高木川「だから帰った方がいいって言ったんじゃん。」
高川:“所以我说还是回家比较好。”

星野 「(瑠璃に近寄り)大丈夫?」
星野:(靠近瑠璃)你还好吗?

      瑠璃は近寄ってきた星野にふらついて抱きつく。
当星野接近她时,瑠璃摇摇晃晃地拥抱着她。

瑠璃 「ありがとうございます。こんな男性もいるんですね。」
瑠璃:“谢谢,也有这样的男人。”

高木川「えっ??」
高木川:“啊??”

星野 「世の中そんな悪い男ばっかじゃないと思うけど…(まんざらでもない表情)。」
星野:“我不认为这个世界上只有这么多坏人……(不是完全无辜的表情)。”

瑠璃 「助けてもらえて嬉しいです!」
瑠璃:“很高兴你帮了我!”

      高木川は抱き合う二人を不思議そうに見ている。
高川好奇地看着拥抱在一起的两人。

1−3 星野の家・寝室 (夜)
1-3 星野家/卧室(晚上)

瑠璃が目を覚ますと、酔いが残っていて頭が痛く感じる。そして次第に自身が知らない家のベッドの中で寝ていることに気づく。ふと横を見ると上半身服を着ていない星野が横にいることに気づく。そして自身も服を着ていないことに気づく。
瑠璃醒来时,仍处于醉酒状态,并且头疼。然后,他逐渐意识到自己正睡在一个陌生房子的床上。当她猛然侧头看去时,发现星野一丝不挂地站在自己身边。然后他发现自己连衣服都没穿。

瑠璃「えっ…。」
瑠璃:“呃……”

2−1 星野の家・寝室 (朝)
2-1 星野家/卧室(上午)

瑠璃は上半身服を着ずに寝ている星野の横で何があったのか思い出そうとする。
瑠璃试图回想起在赤身裸体睡觉的星野身边发生的事情。

2−2 星野の家・玄関 回想 (夜)
2-2 星野家/入口闪回(夜晚)

瑠璃は星野に連れられて、玄関に入ってくる。
瑠璃在星野的带领下走进前门。

そのままフラついてしまった瑠璃を星野はさっと支える。
当瑠璃走开时,星野赶紧扶住她。

星野 「大丈夫?」
星野:“你还好吗?”

瑠璃 「ありがとうございます。」
瑠璃:“谢谢。”

星野は足元おぼつかない瑠璃を姫様抱っこする。
星野把脚步不稳的瑠璃像公主一样抱在怀里。

瑠璃「えっ…(嬉しそう)。」
瑠璃:“呃……(看起来很高兴)。”

二人、楽しげな雰囲気になる。
你们两个将会有一个有趣的气氛。

2−3 星野の家・寝室 回想 (夜)
2-3 星野家/卧室闪回(夜晚)

星野は抱えた瑠璃をベッドに寝かせる。
星野将瑠璃抱在床上。

お互いのアウターが絡み合い、なかなか近距離から
他们的外套交织在一起,从很近的距离就能看到他们。

離れられない。ふと思わず目が合い、そのまま見つめあってしまう。そして二人はキスをする。
我不能离开。突然,我们的目光相遇了,我们就这样凝视着对方。并且两人接吻。

2−4 星野の家・寝室  (朝)
2-4 星野家/卧室(上午)

思いがけず浮かれていた自身を断片的に思い出す。
我记得自己的点点滴滴,意外地兴奋。

布団の中の自身の姿を確認する。
检查一下你在蒲团下的仪表。

瑠璃 「それ以上も…?」
瑠璃:“还不止这些……?”

瑠璃はベッドから出る。熟睡している星野は気づかない。
瑠璃起床。睡熟的星野没有注意到。

   ×     ×   ×     ×

服を着た瑠璃は、ドア付近で熟睡する星野を見て、
瑠璃穿好衣服,看到星野在门口熟睡。

迷った挙句何も言わず出ていく。
犹豫了一下,我什么也没说就走了。

2−5 道  (朝)
2-5路(上午)

    

酔いが残っている瑠璃は昨晩のことを考えながら
琉璃仍然喝醉了,想着昨晚的事情。

ゆっくり歩く。自身のアクセサリーを忘れたことに気づくが引き返さず、そのまま歩く。
彳亍。她意识到自己忘记带配饰了,但她没有回头继续走。

2−6 瑠璃の家・玄関 (朝)
2-6 瑠璃家/入口(上午)

瑠璃が帰宅すると葉山の靴がある。
当瑠璃回到家时,叶山的鞋子还在。

2−7 瑠璃の家・リビング (朝)
2-7 瑠璃的家/客厅(上午)

瑠璃が部屋に入ると瑠璃の母・雪と、
当Ruri进入房间时,她看到了Ruri的母亲Yuki,

雪が入れ込んでいるホスト・葉山海が朝食を
主持人叶山凯和 Yuki 一起吃早餐。

食べている。
吃。

葉山 「おかえり。」
叶山:“欢迎回来。”

瑠璃は葉山を睨みつける。
瑠璃瞪着叶山。

雪も瑠璃を睨む。
由希也瞪了瑠璃一眼。




3−1 瑠璃の家・リビング (朝)
3-1 瑠璃的家/客厅(上午)

瑠璃が部屋に入ってくる。
瑠璃走进房间。

瑠璃が早めに挨拶をせず別室に行こうとする。
瑠璃没有提前打招呼就试图去另一个房间。

雪  「朝帰りって、どこ行ってたんだよ。」
Yuki:“今天早上你回家后去哪儿了?”

葉山 「瑠璃ちゃんにもそういう男がいるんだぁ。」
叶山:“琉璃酱也有这样的男人。”

瑠璃 「関係ないでしょ。」
瑠璃:“没关系。”

雪  「あんた、昨日の夜何したの?」
佑希:“你昨晚做了什么?”

瑠璃 「えっ?」
瑠璃:“嗯?”

葉山 「店長から連絡あって常連に怪我させたんだって?」
叶山:“店长联系我,说你伤害了一位老顾客?”

瑠璃 「いやそれは、」
瑠璃:“不,就是这样。”

雪  「なんで海くんの顔に泥塗るのようなことするの?せっかくいい仕事紹介してくれたのに?」
由希:“你为什么要在海君的脸上抹泥这种事啊?你费尽心思给我介绍一份好工作吗?”

瑠璃 「いい仕事なんかじゃない!強引にホテルに連れ込まれそうになったんだから。」」
瑠璃:“这可不是什么好工作!我差点就被迫带你去酒店了。”

葉山 「えっ、もう一軒誘おうと思ったら変な男たちに絡まれたって言ってけど?」
叶山:“什么,你说当我试图邀请你去另一所房子时,你就和一些奇怪的男人勾搭上了?”

瑠璃 「違う!」
瑠璃:“不!”

葉山 「でもさ、ママのツケ払ってもらうためにはいろんな手を使ってさ、いっぱい客つけて稼いでもらわないと。」
叶山:“但是,为了让妈妈付帐,我必须使用各种方法来吸引很多顾客并赚钱。”

3−2 ホストクラブ (夜)
3-2 主持俱乐部(晚上)

雪はホストに酒を注がれ、葉山に煽られ、酒を一気する。
由希被主人倒了清酒,在叶山的鼓励下,她一口气喝完了清酒。

葉山 「追加いっちゃう?」
叶山:“你还想补充吗?”

雪  「ええっー、もうお金ないよ(泥酔状態)。」
Yuki:“好吧,我没有钱了~ (喝醉了的状态)。”

葉山 「そっかぁ。ちょっと待ってて。」
叶山:“原来如此。请稍等一下。”

雪  「(海の腕を掴み)他の客に行くんでしょう?」
Yuki:(抓住 Umi 的手臂)你要去拜访另一个顾客,对吗?

葉山 「えっ(ニヤニヤしている)」
叶山:“嗯?”

雪  「海くんがそんなに言うなら頼んじゃおうっかなぁー。」
由希:“海君说了这么多,我想我应该问问他。”

      葉山を見つめる雪。
由纪盯着叶山。

葉山は高い酒を追加注文をする。
叶山点了更贵的清酒。

3−3 瑠璃の家・リビング (朝)
3-3 瑠璃的家/客厅(上午)

瑠璃は雪を悲しげに見る。
瑠璃悲伤地看着由希。

雪  「慣れてくれば楽しくなるよ。」
Yuki:“一旦习惯了,就会很有趣。”

瑠璃 「本気で言ってんの?」
瑠璃:“你是认真的吗?”

葉山 「雪ちゃんは間違ってないよ。なんでもポジティブに考えてやれば楽しくなるじゃん!あとその助けてくれた男とヤるくらいなら、客とヤッた方が金になるんだから、もっと合理的に考えていこうね。」
叶山:“小由希说得没错。如果你凡事都往积极的方向想,那就更有趣了!而且,与顾客发生关系比与帮助你的男人发生关系更有利可图,所以我们考虑一下吧。 ”。

      葉山の言葉に動揺する瑠璃。
瑠璃被叶山的话震撼了。

瑠璃 「最低…。」
瑠璃:“这是最糟糕的……”

瑠璃は部屋(家)を出ていく。
瑠璃离开房间(房子)。

    葉山 「雪ちゃん、瑠璃ちゃんの顔見た?
叶山:“由希酱,你看到琉璃酱的脸了吗?

もしかした図星なのかもね(笑いながら)。」
也许这只是一个明星(笑)。 ”

3−3 星野の家・寝室 (朝)
3-3 星野家/卧室(上午)

目を覚ました星野はベッドに落ちている瑠璃の
星野醒来,发现瑠璃躺在床上。

ちぎれたアクセサリーを見つけて手にし、見つめる。
我找到一个破损的配件,握住它,盯着它看。

4−1 星野の会社 (朝)
4-1 星野公司(上午)

星野と高木川は向き合っている。
星野和高川面对面。

高木川「マジっすか?」
高川:“你是认真的吗?”

星野 「声、大きいって。」
星野:“你的声音很大。”

高木川「ちゃんと合意の上でってことですよね?」
高川:“你的意思是经过适当的同意,对吗?”

星野 「当たり前だろ。」
星野:“当然。”

高木川「じゃあなんでいなくなるんですか?」
高川:“那你为什么失踪了?”

星野 「俺が知りたいよ。」
星野:“我想知道。”

高木川「連絡先の交換とかまったくしてないんですか?」
高川:“你们根本没有交换联系方式吗?”

星野 「(頷く)彼女の忘れ物はあるんだけど。」
星野:(点头)她忘记了什么。

高木川「なんすか、それ。」
高川:“那是什么?”

星野 「しょうがないだろ、忽然と消えてたわけだから。」
星野:“没办法,突然就消失了。”

      そこにコーヒーを持った真子がやってくる。
马科带着咖啡来了。

真子 「なにか探し物ですか?」
马可:“你在找什么吗?”

星野 「いや、なんにも。」 
星野:“没有,没什么。”

高木川「うん。」
高木川:“嗯。”

真子 「二日酔いですか?」
Mako:“你宿醉了吗?”

星野 「えっ?」
星野:“嗯?”

真子 「まだ匂いますよ。」
Mako:“我还能闻到。”

星野は真子と目が合ってやや動揺し、
星野看着真子的眼睛有些不安。

その後高木川と目を合わせる。
随后,他与高木川进行了眼神交流。

4−2 瑠璃のバイト先 (昼)
4-2 瑠璃的打工(白天)

1ヶ月後
1个月后

瑠璃がスマホを見ていると、配達バッグを持った
瑠璃一边看着智能手机,一边拿起了一个送货包。

石原がやってくる。
石原来了。

石原 「お疲れ〜。」
石原:“谢谢你的努力。”

瑠璃 「お疲れ様。」
瑠璃:“谢谢你的辛苦。”

石原 「最近見なかったから、なんかあったのかと思っちゃってた。」
石原:“我最近没看到,所以我以为发生了什么事情。”

瑠璃 「ちょっとバタバタしてて。」
瑠璃:“我有点忙。”

石原は自身のウエストポーチから封筒を取り出して、瑠璃に差し出す。
石原从腰包里拿出一个信封,递给瑠璃。

石原 「はい、先月分。」
石原:“是的,上个月。”

瑠璃 「ありがとう!助かる。」
瑠璃:“谢谢你!”

石原 「私こそ!瑠璃に手伝ってもらい出してから、めっちゃ調子良いよ。」
石原:“是我!自从瑠璃帮助我之后,我就表现得很好了。”

瑠璃 「よかった。」
瑠璃:“好。”

石原 「もうすぐ配達?」
石原:“快发货了?”

瑠璃 「もう少しかかりそうみたい。」
瑠璃:“看来还需要一点时间。”

石原 「ちょっと見てもらってもいい?」
石原:“我可以看一下吗?”

瑠璃 「うん!」
瑠璃:“是啊!”

石原はスマホを取り出して、証券取引のアプリを開き、瑠璃に渡す。瑠璃は真剣に画面を見つめる。
石原拿出智能手机,打开股票交易应用程序,并将其交给瑠璃。瑠璃认真地盯着屏幕。


4−4 星野の家 (夜)
4-4 星野家(夜)

瑠璃は配達バッグを持って歩いてくる。
瑠璃拎着送货袋走进来。

インターフォンを押すもしばらく反応がない。
我按了对讲机,却半晌没有任何反应。

瑠璃 「すいませんー、〇〇デリバリーです。」
瑠璃:“对不起,〇〇送货。”

どうすべきか戸惑った瑠璃は何度かインターフォンを鳴らす。しばらくしてドアが開く。
瑠璃不知道该怎么办,按响了对讲机几次。过了一会儿门打开了。

星野 「すいません!うたた寝しちゃって!」
星野:“对不起,我睡着了!”

瑠璃は星野が出てきて、驚く。

星野も瑠璃を見て驚く。

瑠璃は思わず、顔を伏せる。

5−1 星野の家・玄関前 (夜)

星野は顔を伏せた瑠璃をじっと見る。

瑠璃は顔を上げずに

瑠璃 「やっぱり…(小声で)。」

5−2 星野の家前付近  回想 (夜)

瑠璃は見覚えのある星野が住むマンションに家の前に来てしまう。

瑠璃 「ちょっと配達変わってくれない?」

石原 「どうしたの?」

瑠璃 「ちょっと気まずい知り合いのところの配達かもしれななくて…。」

石原 「私も今忙しくてさ。」

瑠璃 「そっかぁ。」

石原 「まだその相手ってわかったわけじゃないんでしょ?」

瑠璃 「うん…。」

石原 「じゃあ行ってみるしかないよ。念の為帽子深くかぶっていけばじゃいいじゃん。」

5−1 星野の家・玄関前 (夜)

星野は顔を伏せた瑠璃をじっと見る。
星野盯着脸朝下的琉璃。

瑠璃は声を
琉璃

瑠璃 「あっ、こちら(料理)をどう…。」
琉璃:“哦,这个(食物)怎么样......”

星野 「あっ、ちょっと!」
星野:“哎呀!

瑠璃 「代金はクレジットでお済みですけど。」
琉璃:“我已经赊账了。

星野は一旦部屋に入り、また戻ってくる。
星野进入房间,又回来了。

星野 「これ、忘れ物じゃない?」
星野:“这不是你忘了吗?

瑠璃はアクセサリーを見て、反応してしまう。
琉璃看着这个配件并做出了反应。

星野 「やっぱり!」
星野:“当然!

瑠璃 「いや、あの…。」
琉璃:“不,那个......”

星野 「これ、見つけた時にはちぎれちゃってて、弁償させてもらえるかな?」
星野:“我找到的时候已经撕掉了,你能赔偿我吗?

瑠璃 「弁償なんて、安物だし大丈夫です。」
琉璃:“付钱也没关系,因为它很便宜。

星野 「でも、」
星野:“但是......”

星野のスマホに高木川から電話がかかってくる。
星野的智能手机接到了高木川打来的电话。

星野 「ちょっと失礼。」
星野:“对不起。

瑠璃 「はい…。」
琉璃:“是的......”

星野 「もしもし。」
星野:“你好。

高木川の声「すいません!打ち合わせの後に先方に会食誘われちゃって、星野さんちで飯、キャンセルさせてもらえませんか?」
高木川的声音:“对不起,会议结束后被对方请来吃饭,你能取消星野先生的晚餐吗?

瑠璃 「(商品を置いて)ありがとうございました。」 
琉璃:“非常感谢你(提供产品)。

星野 「あっ、ちょっと。」
星野:“哦,有一点。

     立ち止まる瑠璃。
琉璃停了下来。

高木川の声「えっ、どうしたんですか?」
高木川的声音:“怎么了?

星野 「すごいことが起こってるんだ。」
星野:“神奇的事情正在发生。

高木川の声「えっ?」
高木川的声音:“什么?

星野 「あの子が俺たちの食事を配達してくれたんだ。」
星野:“她给我们送饭。

高木川の声「色々端折ってるから話わかんない。」
高木川的声音:“我不知道我在说什么,因为我打破了很多东西。

星野 「いやだから、あの子が配達の仕事をしてて、うちに注文したもの持ってきてくれたんだよ。」
星野:“不,所以她才做送货员,给我们送来我们点的东西。

高木川の声「マジっすか?!凄すぎ!」
高木川的声音:“真的吗?!

星野 「そうだよな。」
星野: 是的。

高木川の声「彼女はどんな反応なんですか?」
高木川的声音:“她是什么反应?

星野 「帰ろうとしてる。」
星野:“我要回家了。

高木川の声「なにしてるんですか?」
高吉川的声音:“你在干什么?

星野 「お前が電話してくるから。」
星野:“你要打电话给我。

高木川の声「ちょっと彼女に代わってください。」
高木川的声音:“请坐一会儿。

星野 「えっ?」
星野:“什么?

高木川の声「いいから代わってください」
高吉川的声音:“请代替我。

星野 「あの、代わってくれって。」
星野:“好吧,请代替我。

瑠璃 「えっ?」
琉璃:“什么?

星野 「あの夜、俺と一緒にいた奴なんだけど。」
星野:“他就是那天晚上和我在一起的那个人。

瑠璃 「あっ(ふと記憶が蘇るような表情)。」
琉璃:“哦(表情好像回忆突然回来了)。

5−2 街、星野の家・玄関前 (夜)

高木川はスマホを手に話している。

画面、上下で2分割になる。

高木川「あの、星野さんはあれからどうしたら君とまた会えるかマジで考えてて。」 

瑠璃 「…。」

       

5−3 星野の会社 回想 (昼)

星野は高木にネックレスを瑠璃の千切れたネックレス見せながら、話をしている。

5−4 街、星野の家・玄関前 (夜)

高木川はスマホを手に話している。

画面、上下で2分割になる。

高木川「この後まだ配達ですか?」

瑠璃 「いや、まあ…。」

高木川「この後時間あったら、星野さんと一緒に飯食べてもらえませんか?」

瑠璃 「えっ?」

星野、瑠璃の反応を見入る。

高木川「俺、今日星野さんちに行って一緒に飯食べる約束してたんだけど、行けなくなって。君が配達してきた食事が一人分あるから、一緒に食事しながら星野さんの話を聞いてやってほしいんだ。」

瑠璃は高木川の話を聞いながら、ゆっくりと星野を見る。

星野もそんな瑠璃を見る。

5−5 星野の家・リビング (夜)

星野は瑠璃をリビングに連れてくる。

星野 「ごめんね、後輩が強引な話しちゃって。」

遠慮がちに中に入ってきた瑠璃は、灯りの付いているリビングは、この前逃げ出した時とは雰囲気が違って素敵な空間に思え、思わず見渡す。

6−1 星野の家・リビング (夜)

瑠璃は中に入ってリッチな空間の星野の家に思わず見惚れる。

星野 「どうしたの?」

瑠璃 「あっ、この前帰る時と雰囲気違うと思って。」

星野 「帰り、ちょっと暗かったからじゃないかな。」

瑠璃 「ああっ…。」

星野 「座ってて、ちょっと用意するから。」

瑠璃 「あっ、なにか手伝います。」

星野 「大丈夫大丈夫、これ(瑠璃が配達してきた料理)を皿に出すだけだから。」

星野はキッチンに向かう。

所在なさげに立っている瑠璃。

6−2 星野の家・リビング (夜)

星野と瑠璃は向き合って食事をしている。

瑠璃は一口食べて美味しく感じる。

星野 「おいしい?」

瑠璃 「はい、配達はしてるけど、ここの料理初めて食べるから。」

星野 「そっかぁ。もう配達のバイトは長いの?」

瑠璃 「はい。」

星野 「ちょっと立ち入ったこと聞いちゃうけど。この前の男たちは知り合い?」

瑠璃 「違います…。」

星野 「あっ、答えづらい質問だよね。」

瑠璃 「別にそんなことないです…。」

星野 「無理しなくても。」

瑠璃 「キャバクラでバイトしてたんです…。」

6−3 瑠璃の家・リビング 回想 (朝)

葉山が瑠璃に向かって話す。

葉山 「ママのツケ払ってもらうためにはいろんな手を使ってさ、いっぱい客つけて稼いでもらわないと。」

6−4 星野の家・リビング (夜)

星野と瑠璃は向き合っている。

瑠璃 「まだ続けるかもだけど…。」

星野 「そう。」

星野は瑠璃を見つめる。

見つめられた瑠璃は振る舞いに困り、

グラスに注がれているワインを飲む。

その味が美味しく思わず微笑む。

星野 「美味しい?」

瑠璃 「はい。」

星野は瑠璃のグラスにワインを注ぐ。

瑠璃 「この前は黙って返っちゃってごめんなさい。」

星野 「ああー、朝起きたらいなくなってるからびっくりしたけど。」

瑠璃 「何があったのかあんまり思い出せなくて、どうしていいかわかんなくなっちゃって…。」

星野 「無理やりってことは、」

瑠璃 「ああっ、それはなんとなく覚えてるんで。大丈夫です…。」

星野は安堵の表情を浮かべ、瑠璃は恥ずかしそうにし、グラスの酒を飲み干す。

×       ×      ×

二人は楽しく会話し、酒が進んでいく。

×       ×      ×

テーブルには空いているワインボトルが

3本ほど置いてある。

瑠璃 「すいません。なんだか長居しちゃって…。」

星野 「いや全然。」

瑠璃 「料理もお酒もおいしかったです。ご馳走さまでした。」

星野 「よかったら、また。」

瑠璃 「あっ、えっ(少し迷っている)。」

星野 「じゃあ、なんか困った時に連絡して。」

瑠璃 「えっ?」

星野 「ちょっと、スマホ借りてもいい?」

瑠璃 「あっ、えっ(少し迷っている)。」

瑠璃が持っているスマホをやや強引に渡してもらい、自身の番号を登録して、再び瑠璃に返す。

星野 「キャバクラ続けるかもしれないんでしょう。助けが必要かもじゃん。」

スマホを受け取った後に星野に見つめられていることに気づき、恥ずかしくなる。

瑠璃 「あっ、はい。今日はありがとうございました。」

瑠璃が恥ずかしくなつて、その場から素早く去ろうとするも、やや酔っていた瑠璃はふらついてしまう。

星野はそんな瑠璃を素早く支え、瑠璃は思わず星野の目を見て、二人は見つめ合ってしまう。

テーブルには先日瑠璃が忘れていった千切れたネックレスがある。

7−1 星野の家・リビング (夜)

酔ってふらついた瑠璃は星野に支えられ、二人は見つめあっている。

星野 「この前もこんな感じだった気がする。」

瑠璃 「そうかも…。」

星野はキスしそうになるも自制心が働く。

瑠璃はその紳士的な振る舞いにいささか驚く。

星野 「そんなつもりで誘ってないから。」

瑠璃は少し笑う。

星野 「えっ、何?」

瑠璃 「だって今日は後輩さんが誘ってくれたから。」

星野 「あっ、今日はあいつのおかげだった。

星野はキスしそうになるも自制心が働く。

7−2 道 (夜)

瑠璃は幸せそうな表情で自転車を押している。

7−3 瑠璃の家 (夜)

瑠璃が帰宅すると安酒を飲んでいる雪がだらしなく泥酔している。

雪  「どこ行ってたんだよ。」

瑠璃 「バイト。」

雪  「なんでせっかく海くんが紹介してくれた仕事やんないの?」

瑠璃 「お客にひどいことされたんだよ。行こうと思っても行けない。」

雪  「店長からすごい連絡来るって、海くんすごい困ってんだよ。」

瑠璃 「なんで私があいつのために行かなきゃいけないの?」

雪  「あいつって誰のこと言ってんだよ。」

瑠璃 「母さんがあいつと切れるなら、私が頑張って借金払おうと思うけど、違うじゃん。」

雪  「海くんのことあいつ呼ばわりするんじゃないよ。」

瑠璃 「何回言えばわかるの!あいつは私たちから金をムシり取ろうとしてるだけじゃん。」

 雪は包丁を持ち出し、瑠璃に向ける。

雪  「ふざけたこと言うな!親切であんたも稼げる仕事紹介してくれてんだよ。なんでそうなふうに考えんだよ。」

瑠璃 「なんでなの?あいつといたら幸せになれる訳ないのわかんないの?」

雪は瑠璃の言葉に怒りが高まり、包丁を持って瑠璃に向かってくる。

瑠璃はそれをかわして、外に出る。

7−4 道 (夜)

瑠璃は泣きながら歩いているが、酒のせいか次第に気分が悪くなる。そしてスマホを取り出して立ち止まり、登録された星野の番号を見た後、電話をする。ふらふらと歩いていたが立っていられなくなってしまい、スマホを落とし倒れる。

ようやく星野が出る。

星野の声「もしもし。(間)もしもーし。(間)もしもし。」

倒れている瑠璃を見かけた通行人が近づいてくる。

通行人「大丈夫ですか?」

瑠璃は通行人に声をかけれるも反応しない。

スマホからは星野の声が聞こえてくる。

8−1 道 (夜)

倒れている瑠璃にそばで通行人が付き添ってくれている。

そこに星野がやってくる。

星野 「ありがとうございます!」

通行人「電話の?」

星野 「はい。」

      星野は瑠璃のそばに近寄る。

星野 「大丈夫?」

      瑠璃は反応しない。

通行人「ずっとこんな感じで…。」

星野は瑠璃を見つめる。

8−2 星野の家・リビング (夜)

星野はぐったりしている瑠璃をお姫様抱っこしながら入ってくる。

8−3 星野の家・寝室 (夜)

星野は瑠璃をベッドに寝かせる。

そして何かにうなされているような表情をしている瑠璃の顔を見つめて頬を触る。瑠璃は無意識に安心したのか穏やかな顔になり、星野の手を握る

×     ×     ×     ×

瑠璃は目を覚ます。そばで寝ていた星野は瑠璃が目覚めたことに気づき、近づき。

星野 「大丈夫?」

瑠璃 「私…?」

星野 「俺に電話くれた後、倒れたんだよ。」

瑠璃 「あっ…(倒れる時を思い出す)。」

星野 「全然。通りがかりの人が電話拾って繋いでくれて。」

瑠璃 「迷惑かけちゃって、ごめんなさい。」

星野 「全然。無事でよかったよ。」

瑠璃 「…。」

星野 「帰り、そんなに酔ってるようには見えなかったけど。」

瑠璃、悲痛な表情となり、涙を流す。

星野 「どうしたの?」

瑠璃 「なんでもないです。」

星野 「なんでもないことないだろ。」

瑠璃 「(間)大丈夫です…。」

星野 「いいから話してみて。」

瑠璃、俯いたまま涙が止まらない。

瑠璃 「お母さんが私を刺そうとして…。」

星野 「えっ?」

8−4 瑠璃の家 (夜)

だらしなく泥酔している雪が包丁を持ち出し、瑠璃に向ける。

雪  「ふざけたこと言うな!」

包丁を持って瑠璃に向かってくる。

8−5 星野の家・寝室 (夜)

星野は泣いている瑠璃を見た後、肩に手を置く。

星野 「今日はウチでゆっくりしていったらいい。」

優しい言葉をかけられた瑠璃は星野を見つめる。



9−1 星野の家・リビング (朝)

瑠璃が目を覚ましてリビングにやってくると

星野が朝食を手際良く作っている。

星野 「おはよう。」

瑠璃 「おはようございます。」

星野 「気分どう?」

瑠璃 「体調もだいぶん良いです。」

星野 「よかった。朝食食べられそう?」

瑠璃 「はい。」

星野は調理を手際良く続ける。

9−2 星野の家・リビング (朝)

瑠璃は星野が作った料理を美味しく食べている。

瑠璃 「すごく美味しいです。」

星野 「よかった。」

瑠璃 「なんでもできるんですね?」

星野 「えっ?」

瑠璃 「喧嘩も強かったし、こんなうちに住んで、料理まで上手って、すごいです。」

星野 「いやっ、そんなことないけど。」

瑠璃 「こんな風に女性に朝ごはん作ること結構あるんですか?」

星野 「えっ、俺のこと、どんな男だと思ってるの?」

瑠璃 「だってモテそうだから。」

星野 「いいなって思う女性しか家には連れてこないから。」

瑠璃は星野の言葉に反応して見つめていると、

気持ちが悪くなってくる。

瑠璃 「ちょっとすいません(口を押さえて)。」

      瑠璃はトイレに向かう。

トイレの閉まる音。嘔吐の音が聞こえ、

星野は心配そうに見る。

9−3 星野の家・トイレ (朝)

瑠璃は自身の体調不良を不可解に思う。

瑠璃 「なんだろ…。」

9−4 星野の家・リビング (朝)

心配そうに待つ星野。

瑠璃がスッキリしたような表情トイレから出てくる。

瑠璃 「すいません。せっかく作ってもらったのに。」

星野 「全然気にしなくていいだけど、体調大丈夫?」

瑠璃 「朝ごはんおいしくて調子に乗って食べすぎたかな。」

星野は瑠璃が気を使わせないように振る舞っているのがわかり、その気持ちを尊重する。

9−5 星野の家・リビング (朝)

帰り支度をし終えた瑠璃は星野と向き合う。

瑠璃 「色々お世話になっちゃって、ほんとにありがとうございました。」

星野 「本当に大丈夫?」

瑠璃 「はい。大丈夫です。」

星野 「お母さんのことも大丈夫なの?」

瑠璃 「昨日はちょっと精神的に弱ってて…、変な話してすいません。」

星野 「なんかあったらいつでも連絡して。」

星野は瑠璃の手を取り、強く握る。

瑠璃はその行動を一瞬驚くも、星野の優しさを感じ、柔らかな表情になる。

9−7 道 (昼)

瑠璃が歩いていると雪から電話があり迷った挙句電話に出る。

雪の声「もしもし。」

瑠璃 「なに

雪の声「昨日はごめんね…。」

瑠璃 「えっ…。」

雪の声「ほんとに酷いことしたと思ってる…。」

瑠璃 「なにしたかわかってるの?」

雪の声「申し訳ないと思ってるから、だから帰ってきて。」

瑠璃 「…。」

9−8 瑠璃の家 (昼)

電話をしてる雪の前に冷たく笑う葉山がいる。

10−1 瑠璃の家 (昼)

瑠璃が帰宅し、中に入ると雪のそばに葉山もいる。

葉山 「おかえり。」

瑠璃は葉山の顔を見て出ていこうとする。

葉山 「ごめんね、俺が雪ちゃんにキツくツケの支払いを頼んだじゃったから、瑠璃ちゃんに酷いことしちゃったみたいで。」

瑠璃 「さっきの電話はなに?この人に頼まれたの?」

雪  「違うよ。」

葉山 「そんなこと言っちゃ雪ちゃんかわいそうだよ。瑠璃ちゃんがちゃんと俺が紹介した店で働いてたら家庭円満だど思うんだけどなぁ」

瑠璃 「何勝手なこと言ってんの?」

葉山 「だいぶん支払い滞ってるんだけどなぁ。」

瑠璃は雪を見る。

葉山 「このままいくと二人ともやばいからさ、ここいらで一気に稼いじゃおうよ。」

雪  「海くんがもっと効率良く稼げる仕事紹介してくれるって。」

呼び鈴が鳴る。

葉山 「おっ、店長来たかな。」

葉山は雪を見る。

雪が玄関に行く。

葉山 「ママのためにひと肌脱いじゃおうか。」

瑠璃 「えっ…?」

雪がイカつい男(風俗店・スカウト)を部屋に連れてきた時に

瑠璃は別のドアから部屋を出て、そのまま玄関に行き、家を飛び出す。

葉山 「おい!」

雪  「瑠璃!」

葉山 「どう?」
叶山:“你觉得怎么样?

スカウト「いい子じゃん。稼げそう。」
侦察兵:“你是个好女孩,你可以赚钱。

葉山 「じゃあ追うか〜。」

スカウト、頷く。
侦察兵点点头。

二人は部屋を飛び出す。
他们两个跑出了房间。

10−2 道 (昼)

雪は走って逃げるも追いかけてくる葉山とスカウトに距離を縮められ、追いつかれる。瑠璃を捕まえる葉山。

葉山 「マジでもう待てねぇんだよ。きっちり金入れてもらわないと。」

瑠璃 「でも紹介される仕事はできない!」

葉山 「自分の母親だけ風俗で働かせんのか?」

瑠璃 「えっ…。」

瑠璃はスカウトを見る。

葉山 「もう雪ちゃんは腹括ってんだよ。二人で稼げばあっという間に返済できんだから。なぁ」

スカウト「ああ。」

葉山 「瑠璃ちゃんがキャバクラでしっかり稼いでたら、こんなことにならなくて済んだんだけどなぁ。」

瑠璃 「なんで…。」

星野 「ちょっといいかな。」

瑠璃が振り向くと星野が立っている。

星野 「昨日、お母さんの話聞いたから心配になって、倒れてた辺りが家かなと思って来ちゃった…。」

11−1 道 (昼)

瑠璃はゆっくり近づいてくる星野をいささか驚きながら見ている。葉山たちも星野の登場に驚いている。

葉山 「瑠璃ちゃんのストーカー?」

瑠璃は首を振る。

星野 「そう思われなくてよかったぁ。瑠璃ちゃんのまだ友人(瑠璃を見る)?」

瑠璃は頷く。

星野 「です(葉山を鋭く見る)。」

瑠璃 「星野さん(心配そうに)。」

星野 「あっ、大丈夫。平和的な解決を提案するだけだから。」

葉山 「(瑠璃に)面白い友達だな。」

星野 「ちょっと君の話が聞こえちゃったんだけど、要するに瑠璃ちゃんに借金があるんだよね?」

葉山 「正確に言うと瑠璃ちゃんの母親にだな。」

星野 「それ、俺が肩代わりするから、瑠璃ちゃんになにかさせるのはやめさせて欲しい。」

瑠璃 「勝手なこと言わないでください。」

葉山は星野の服装などを一通り見る。

葉山 「いいなぁ、瑠璃ちゃん、お金持ちに見そめられて。」

瑠璃 「その話、お断りします。」

葉山 「勝手に断らないでよ。ママ連れて行っちゃうよ。」

瑠璃 「…。」

星野 「瑠璃ちゃん、大丈夫だから。」

葉山 「(スカウトに)せっかくきてもらったのに申し訳ない。」

スカウト「いや、なんかあったらいつでも待ってるから。」

星野は俯く瑠璃を見る。

11−2 道 (昼)
11-2 路(白天)

星野と瑠璃は歩く。

星野 「ちょっと出過ぎたことしちゃったけど、あの場を納める方法が他に思いつかなくて。」

瑠璃 「支払って頂いたお金はしっかり返済しますから。」

星野 「うん。でもゆっくりでいいから。」

瑠璃 「変なことに巻き込んじゃって、本当にすいません。」

星野 「そんな気にしないでよ。俺はむしろ瑠璃ちゃんの役に立てて嬉しいんだ。」

瑠璃 「…。」

星野 「あっ、ごめん。嬉しそうにして不謹慎だったね。」

瑠璃 「星野さんからしたら、ホストにハマる母親なんて見たことない世界ですよね。」

星野 「いやまあ。瑠璃ちゃんが生活を立て直せるように何か相談乗れないかな。」

瑠璃 「もうこれ以上、甘えられません。ありがとうございました。」

瑠璃は星野から離れて歩き出す。

星野は瑠璃の後ろ姿を見る。

11−3 バイト先 (昼)

石原がスマホを見ながら配達の品を待っている時に、瑠璃がやってくる。

瑠璃 「お疲れ様〜。

石原 「お疲れ。瑠璃に見て欲しくって待ってたんだよ。」

瑠璃 「あっ、うん。」

石原が近づいてスマホを渡そうとすると、瑠璃は突然気分が悪くなる。

瑠璃 「ちょっとごめん。」

瑠璃はトイレに向かう。

石原 「大丈夫??」

12−1 公園 トイレ (昼)
12-1 公园洗手间(日间)

瑠璃は妊娠検査薬を手に持ち、困惑している。
琉璃手里拿着验孕棒,一头雾水。

12−2 公園 ベンチ (昼)
12-2 公园长凳(白天)

瑠璃は俯き、思い悩む。
琉璃低下头思考。

12−3 バイト先 回想 (昼)
提前 12-3 字节 Reminiscence (白天)

瑠璃と石原は並んで座っている。
琉璃和石原并排坐着。

石原 「それ、もしかしたら…、妊娠かもしれない。」
石原:“也许是怀孕了。

瑠璃 「えっ?」
琉璃:“什么?

石原 「いや、いくつかの可能性の一つだけど。」
石原: 不,这只是几种可能性中的一种。

12−4 公園 ベンチ (昼)
12−4 公园长凳(白天)

瑠璃が思い悩んでいると
当 Ruri 感到担忧时

やってくる。
来。

高木川「こんちにはー。」
高木川:“你好。

瑠璃は突然声をかけられて驚く。
琉璃对突然被叫出来感到惊讶。

高木川「ごめん、驚かせて。」
高木川:“对不起,我让你大吃一惊。

瑠璃 「いえ。」
琉璃:“没有。

高木川「まさかと思ったけど、もしかしたらと思って。」
高木川:“我不这么认为,但我觉得可能是。

瑠璃は高木川をぼんやりとしか覚えておらず、
琉璃只模糊地记得高木川,

対応に困っている。
我无法响应。

高木川「あの、君が酔ってる時に助けた先輩と一緒にいた。」
高木川:“嗯,我和你喝醉了时帮你的前辈在一起。

瑠璃 「ああ。」
琉璃:“是的。

×      ×     ×   ×

高木川は瑠璃に飲み物を渡す。
高木川给琉璃喝了一杯。

高木川「なんか深刻そうな顔してたけど、大丈夫?」
高木川:“你看起来很严肃,还好吗?

瑠璃 「えっ?」
琉璃:“什么?

高木川「ちょっと遠くから観察しちゃった(微笑みながら)。」
高木川:“我从远处观察它(微笑)。

困惑する瑠璃。
琉璃感到困惑。

高木川「星野さん、どう?」
高木川:“星野先生,你觉得怎么样?

瑠璃 「どうって…。」
琉璃:“我不知道......”

高木川「会社でも君の話よくしてるよ。」
高木川:“我在工作中经常谈论你。

瑠璃 「えっ…。」
琉璃:“什么......”

高木川「相手のことを色々考えちゃう出会い方だけど、信用できる男だからさ。」
高木川:“这是一种结识经常为他人着想的人的方式,但他是一个值得信赖的人。

瑠璃は高木川を見つめる。
琉璃盯着高木川。

12−4 道 (昼)

瑠璃は星野に電話をしている。

瑠璃 「もしもし。」

星野 「もしもし。」

瑠璃 「あの…。「

星野 「どうしたの?」

瑠璃 「ちょっとお話ししたいことがあります。」

13−1 星野の家・リビング (昼か夜)

瑠璃は神妙な面持ちで星野と向き合っている。

瑠璃 「急にすいません。「

星野 「いや嬉しいよ、また連絡もらえて。」

瑠璃 「私…、妊娠してるかもしれないです。」

星野 「えっ。」

瑠璃 「多分…。」

星野 「あの時のあれって…。」
星野:“那是那个时候......”

星野は朝食の時の瑠璃の様子を思い出す。
星野记得琉璃在早餐时的样子。

13−2 星野の家・リビング 回想 (朝)
13-2 星野家和客厅回忆(上午)

瑠璃は気分が悪くなりトイレに駆け込む。
琉璃感到不舒服,跑去洗手间。

それを見ている星野
星野看

13−3 星野の家・リビング (昼か夜)
13-3 星野家和客厅(白天和晚上)

星野は瑠璃を見つめ、瑠璃は頷く。
星野盯着琉璃,琉璃点了点头。

星野 「あの一夜だけで?」
星野:“就那天晚上吗?

瑠璃 「みたいです…。」
琉璃:“看起来好像......”

星野 「そうかぁ…。」
星野:“我明白了......”

瑠璃は星野の表情をじっと見ると、
琉璃盯着星野的表情。

なにか考えを巡らせているように見える。
他看起来好像在想什么。

瑠璃 「まだはっきりと結論は出してないですけど、せっかく授かった命だから、産もうって考えてます。」
琉璃:“我还没有得出明确的结论,但我正在考虑生孩子,因为这是我被赋予的生活。

星野 「えっ?」
星野:“什么?

瑠璃 「私と関わったばかりに色んなことが起こって迷惑かけちゃって…。星野さんに頼らないで一人で育てますから。」
琉璃:“自从你和我交往以来,发生了很多事情,我要自己抚养你,不依赖星野先生。

星野 「それはないんじゃない。」
星野:“我不这么认为。

瑠璃 「えっ?」
琉璃:“什么?

星野 「なんで一人なの?」
星野:“你怎么一个人?

瑠璃 「…。」

星野 「俺の子でもある訳でしょ。」
星野:“这也是我的孩子,不是吗?

瑠璃 「あの夜に出来たって思ってないんじゃ…。」
琉璃:“我没想到那天晚上我能做到......”

星野 「そんなことないよ!びっくりはしたけど。」
星野:“那不是真的!

瑠璃 「そう…。」
琉璃:“对了......”

星野 「君こそ俺の子を孕って、嬉しくないって思ってない?」
星野:“你不觉得你怀上我的孩子不高兴吗?

瑠璃 「そんなことないです。」
琉璃:“没有。

星野 「じゃあ、元気な子が産まれるように俺にサポートさせて欲しい。」
星野:“那我希望你支持我,这样我才能生出一个健康的孩子。

瑠璃 「でも、私と星野さんじゃ釣り合わないから。」
琉璃:“但是我和星野先生并不匹配。

星野 「変なこと言うなぁ。俺は全くそう思わないけど。」
星野:“别说什么奇怪的,我一点也不这么觉得。

瑠璃 「星野さんの家族は誰も祝福しないんじゃ…。」
琉璃:“星野家里没有人祝贺你......”

星野 「だとしても、俺は全然構わない。」
星野:“即便如此,我一点也不介意。

瑠璃 「…。」

星野 「瑠璃ちゃんと結婚して、一緒に暮らせるなら。」
星野:“如果我能嫁给琉璃酱,和她一起生活就好了。

瑠璃は星野の言葉に心揺さぶられ、嬉しそうな表情をする。
琉璃被星野的话打动了,露出了幸福的表情。

13−4 星野の家・リビング (昼か夜)
13-4 星野的房子和客厅(白天和晚上)

星野は嬉しそうに婚姻届を広げ、サインをする。
星野高兴地展开结婚登记并签字。

瑠璃 「ほんとにいいの…?」
琉璃:“真的好吗......?

星野 「ああ、」
星野:“哦。

瑠璃は星野を見た後、少し緊張しながらペンを握り自身の名前を書く。
琉璃看了一眼星野后,她拿起笔,有点紧张地写下了自己的名字。

14−1 星野の家・リビング (夜)
14-1 星野的房子和客厅(晚上)

星野は高木川を家に呼び、瑠璃と共に向き合う。
星野将高木川叫到他家,并与琉璃对峙。

高木川「ええっー。」
高木川:“嗯。

星野 「声大きいよ。」
星野:“声音很大。

高木川「そりゃなるでしょ。ちょっと展開早すぎでしょ。」
高木川: 是的,现在有点太早了,不是吗?

星野 「まあ色々あって。」
星野: 嗯,有很多事情。

高木川「えっ?」
高木川:“什么?

星野 「子供を授かってさ。」
星野:“我要生个孩子了。

高木川「そうなんすか?」
高木川:“真的吗?

瑠璃 「実は高木川さんに声かけられた時、妊娠してることがわかってどうしようか色々考えてて。」
琉璃:“其实,当高木川先生找到我时,我发现我怀孕了,我一直在想该怎么做。

14−2 公園 ベンチ 回想 (昼)
14-2 公园长椅回忆(白天)

高木川は瑠璃に飲み物を渡す。
高木川给琉璃喝了一杯。

高木川「星野さん、どう?」
高木川:“星野先生,你觉得怎么样?

瑠璃 「どうって…。」
琉璃:“我不知道......”

高木川「会社でも君の話よくしてるよ。」
高木川:“我在工作中经常谈论你。

瑠璃 「えっ…。」
琉璃:“什么......”

高木川「相手のことを色々考えちゃう出会い方だけど、信用できる男だからさ。」
高木川:“这是一种结识经常为他人着想的人的方式,但他是一个值得信赖的人。

瑠璃は高木川を見つめる。
琉璃盯着高木川。

14−3 星野の家・リビング (夜)
14-3 星野家和客厅(晚上)

星野、瑠璃は高木川と向き合う。
星野和琉璃面对高木川。

瑠璃 「高木川さんに星野さんのことを聞いて、正直に話してみようと思えたの。」
琉璃:“当我问高木川先生关于星野先生的事情时,我想我会试着对他诚实。

高木川「タイミング良かったわけだ。」
高木川:“时机很好。

瑠璃 「はい。」
琉璃:“是的。

星野 「ありがとう。」
星野:“谢谢你。

高木川「この家にある一番いい酒で乾杯しますか?」
高木川:“你想用这家最好的清酒来敬酒吗?

瑠璃は笑う。
琉璃笑着说。

×       ×       ×

     星野、高木川は酒の入ったグラス、瑠璃はソフトドリンクが入ったグラスを持ち、乾杯する。
星野和高木川端着一杯清酒,琉璃端着一杯软饮料敬酒。

14−4 瑠璃の家 (夜)
14−4 琉璃的房子(夜)

葉山が雪と酒を飲んでいる。
叶山正在喝雪和清酒。

葉山 「ツケ払ってもらえないかと思ってヒヤヒヤしたよ。」
叶山:“我很害怕,因为我认为他们会付钱给我。

雪  「ほんとにごめんね…。」
斯诺:“我真的很抱歉......”

葉山 「もうツケ無くなったんだから、また店に遊びにおいでよ。」
叶山:“我没钱了,我们再去逛逛商店吧。

葉山は雪を見つめる。
叶山盯着雪。

雪  「うん…。」
斯诺:“是的......”

15−1 星野の家・リビング (夜)
15-1 星野的房子和客厅(晚上)

瑠璃と星野は高木川は食後に酒を飲みながら話している。
琉璃和星野在聊天,而高木川在晚饭后喝清酒。

高木川「そういえば、もう瑠璃ちゃんの親御さんには挨拶行ったの?」
高柳川:“说起来,你已经去跟琉璃的父母打个招呼了吗?

星野 「あっ、いやっ…。」
星野:“哦,不......”

高木川「えっ、まだなんすか?」
高木川:“什么,还是什么?

星野 「うん。もちろん考えてはいるけど。」
星野: 是的,我当然在考虑。

瑠璃 「いいんです、そんなの。うちの親変わってるんで。」
琉璃:“没关系,没错,我爸妈变了。

高木川「えっ?」
高木川:“什么?

瑠璃 「私、洗い物しちゃおうかな。二人でゆっくり飲んでてください。」
琉璃:“我去洗漱了,请和你们两个慢慢喝。

瑠璃は自身のグラスを持って奥のキッチンに向かう。
琉璃拿着自己的玻璃杯走向后面的厨房。

高木川「なんか変なこと言っちゃいましたね。」
高木川:“你说的很奇怪。

星野 「いや…。」
星野:“不......”

15−2 瑠璃の家 (夜)
15-2 琉璃的房子(夜)

葉山が雪と酒を飲んでいる。
叶山正在喝雪和清酒。

葉山 「雪ちゃん、いい男捕まえたよね。」
叶山:“Yuki-chan,你抓到了一个好人。

雪  「えっ?」
斯诺:“什么?

葉山 「ツケ肩代わりした男、なかなかの奴だぞ。」
叶山:“接手账单的那个男人,他是个不错的人。

雪  「えっ…?」
斯诺:“什么......?

葉山 「あの男に金を振り込んでもらった時に、もしかしたらなんかわかるかもと思って名前検索してみたんだよ。」
叶山:“我让那个人把钱转过来的时候,我觉得我可能知道什么,所以我搜索了他的名字。

15−1 星野の家・リビング (夜)
15-1 星野的房子和客厅(晚上)

星野と高木川は酒を飲んでいる。
星野和高木川正在喝酒。

高木川「瑠璃ちゃん、そんな事情があるんだぁ。」
高木川:“琉璃酱,有这样的情况。

星野 「ああ。」
星野:“是的。

高木川「でもなんかそんなことを感じさせない雰囲気がありますよね。」
高木川:“但是有一种氛围不会让你有那种感觉。

15−1 星野の家・寝室 (夜)

ベッドで寝ている瑠璃に近づいていく。
他走近睡在床上的琉璃。

星野 「まず、君のお母さんに挨拶に行きたくて。」
星野:“首先,我想去跟妈打个招呼。

瑠璃 「えっ?」
琉璃:“什么?

星野 「色々あるかもしれないけど、一度ちゃんと話はしておきたいな。」
星野:“事情可能很多,但我想好好谈谈一次。

瑠璃 「うちの母親よりも勇輝さんのお母さんに挨拶をしないと。」
琉璃:“我得跟 Yuki 的妈妈打招呼,多跟我妈妈打招呼。

星野 「うちの母親、今海外にいるから、帰ってきてからで大丈夫。」
星野:“我妈妈现在在海外,所以她回来也没关系。

瑠璃 「…。」
琉璃:“......”

星野 「心配しなくて大丈夫だから。それが終わってから婚姻届出しに行こう。」
星野:“别担心,之后我们去结婚吧。

瑠璃は不安な表情を浮かべる。
琉璃脸上露出焦虑的表情。

16−1 瑠璃の家 (昼)
16-1 琉璃之家(白天)

瑠璃と星野は雪と向き合っている。
琉璃和星野正面临降雪。

星野 「これ、つまらないものですが。」
星野:“这很无聊。

土産の菓子を差し出す。
提供纪念品糖果。

雪  「お菓子よりお酒の方が良かったな。」
斯诺:“酒精比甜食好。

瑠璃 「やめてよ、恥ずかしい。」
琉璃:“住手,我很尴尬。

雪  「冗談じゃん!」
斯诺:“你在开玩笑!

星野 「じゃあ今度はお酒を。」
星野:“那我们这次来喝一杯吧。

雪  「今度?」
斯诺:“下次?

星野 「はい。」
星野: 是的。

雪  「瑠璃から大事な話があるって聞いたけど。」
斯诺:“我听说琉璃有件事要告诉你。

星野 「本日はお時間作って頂いてありがとうございます。」
星野:“感谢您今天抽出时间与我们交谈。

雪  「なんだろう。」
斯诺:“我想知道那是什么。

瑠璃 「まず、お礼言ってよ。お金立て替えてくれたの勇輝さんなんだよ。」
琉璃:“首先,谢谢你,是由纪先生给了我钱。

雪  「えっ、先に言ってよ。その節は有難うございました。」
斯诺:“嗯,先告诉我,谢谢你的那部分。

星野 「いえ、お役に立てたなら嬉しいです。」
星野:“不,如果我能帮你,我很高兴。

雪  「でも、なんでそんなことしてくれたんですか?」
斯诺:“但你为什么要这样做呢?

星野 「実は瑠璃さんと結婚させて頂こうと思ってまして。」
星野:“其实,我本来想嫁给琉璃同学的。

雪  「えっ?随分急じゃない。」
斯诺:“嗯,不是很陡。

瑠璃 「お母さんに話して、どうなるの?」
琉璃:“告诉妈,会发生什么事?

雪  「ひどいのはどっちよ。」
斯诺:“哪个更糟糕?

星野 「お母さんにはこれからの私たちを温かく見守っていただけたらと思ってます。」
星野:“我希望妈以后能温暖地照顾我们。

雪  「見守るものなにも、そんな急に言われて一人娘の結婚を喜べると思う?」
斯诺:“你觉得你这么突然就知道你唯一的女儿结婚了,你能感到高兴吗?

星野 「そうですよね…、失礼しました。もっとプロセスを踏んでご挨拶すべきでした。急に結婚を決めさせて頂いたのは瑠璃さんが妊娠したことが分かりまして、すぐにでも一緒ににいたいと思いまして。」
星野:“对了,对不起,我应该多走个程序来迎接你。 我突然决定结婚,因为我发现琉璃怀孕了,我想尽快和她在一起。

雪  「えっ?」
斯诺:“什么?

16−2 瑠璃の家・別室 (昼)
16-2 琉璃之家 / 独立房间(白天)

葉山は聞こえてくる話をニヤニヤしながら聞いている。
叶山听着他听到的声音得意地笑着。

17−1 瑠璃の家(昼)
17-1 琉璃之家(白天)

雪  「どういうつもりでうちの子孕ませたの?」
斯诺:“你说的让我的孩子受孕是什么意思?

瑠璃 「そんな言い方やめて。」
琉璃:“别这么说了。

雪  「あんた孕ませられて、何のんきなこと言ってんの?」
斯诺:“你受孕的时候在说什么?

瑠璃 「ちょっと、失礼すぎる!」
琉璃:“嘿,这太粗鲁了!

星野 「お母さんが怒るのもは無理ないよ。」
星野:“难怪妈生气。

瑠璃 「でも。」
琉璃:“但是。

星野 「色々急すぎましたけど、今は瑠璃さんが元気な子供が産めるようにしっかりサポートしたいんです。必ず幸せにしますので私たちの結婚を認めて頂きたく思います。」
星野:“太草率了,但现在我想支持琉璃,让她能生一个健康的孩子。

雪  「いきなり来て、娘が妊娠させたって言われても信用していい男かわかんないなぁ。」
斯诺:“我不知道我是不是个可以信任的男人,就算他突然来了,说他的女儿怀孕了。

瑠璃 「結婚しようって言ってくれてるんだよ。」
琉璃:“他告诉我他要娶我。

雪  「今はそう言ってるけど、すぐに捨てられるかもしれないじゃん。あんたのために言ってんだよ。」
斯诺:“我现在就这么说,但我可能很快就会被扔掉,我是为你说的。

瑠璃 「今まで私のこと考えてくれたことなかったくせに今更なに?」
琉璃:“你以前从来没有想过我,所以现在怎么了?

雪  「それにお母さんを一人にする気なの?」
斯诺:“你打算让妈一个人呆着吗?

瑠璃 「せっかく来てもらったのにごめんなさい、行きましょう。」
琉璃:“对不起,你大老远来了,我们走吧。

星野 「でも…。」
星野:“但是......”

瑠璃立ち上がる。
琉璃站起来。

葉山 「こういうのはどうかな?」
叶山:“像这样怎么样?

葉山が部屋に入ってきて、瑠璃は睨む。
叶山走进房间,琉璃瞪了他一眼。

葉山 「(瑠璃をみながら)そんな恐い顔で見ないでよ。瑠璃ちゃん、この方どういう人か知ってるの?」
叶山:“(看着琉璃)别用这么可怕的脸看着我,琉璃酱,你知道这个人是什么样的人吗?

瑠璃 「えっ?」
琉璃:“什么?

葉山 「嘘でしょう?そんなんで結婚しようとしてたの?」
叶山:“这是谎言,不是吗?

星野 「これから説明しようと思ってたけど、まずはご挨拶かと思って。」
星野:“我本来想跟你解释的,但我想先打个招呼吧。

葉山 「そりゃ、雪ちゃんが心配するのも無理ないよなぁ。」
叶山:“嗯,难怪 Yuki-chan 会担心。

瑠璃 「あなたに関係ないでしょ。」
琉璃:“这跟你没关系。

葉山 「この人のこと検索したらビジネス界で有望な若手起業家って記事が出てきてさ。」
叶山:“当我搜索这个人时,我发现了一篇关于商界一位有前途的年轻企业家的文章。

瑠璃 「えっ?」
琉璃:“什么?

葉山 「そんな人が二十歳そこそこの女の子を孕ませちゃって、このことが知れ渡ったら世間はどう思うんだろうね。」
叶山:“我想知道,如果这样的人让一个 20 岁左右的女孩怀孕,然后这件事被人知道了,全世界会怎么想。

瑠璃 「何企んでるの?」
琉璃:“你打算做什么?

葉山 「別に変な噂流したりしないよ。」
叶山:“我不散布奇怪的谣言。

瑠璃 「やめて!」
琉璃:“住手!

葉山 「多分雪ちゃんはこの人の誠意を知りたいんだと思う。」
叶山:“我觉得 Yuki-chan 想知道这个人的诚意。

瑠璃 「お母さんのツケ、立て替えてくれたんだよ。それ以上何望むの?」
琉璃:“妈付了钱,你还想要什么?

雪  「それとこれは別だよ。例えばそれを結納金で示してくれたら分かりやすいんだけど。」
斯诺:“那不是一回事,比如说,如果你在嫁妆里展示出来就更容易理解了。

葉山 「あっ、それ分かりやすい。」
叶山:“哦,这很容易理解。

瑠璃 「最低なこと言うのやめて。」
琉璃:“别再说最坏的了。

星野 「おいくらくらいご希望ですか?」
星野:“你想要多少钱?

瑠璃 「勇輝さんもやめて!この前のでもう十分なの。」
琉璃:“Yuki-san,请停下来!

雪  「これまでこの子にかかった金額をもらえたら、誠意が十分伝わりそうな気がする。」
斯诺:“如果我能拿到到目前为止花在这个孩子身上的钱,我想这就足以表达我的诚意了。

葉山 「いい発想だね!」
叶山:“这是个好主意!

星野 「分かりました。」
星野:“我明白了。

瑠璃 「そんなお金、勇輝さんが払う必要ない。」
琉璃:“你不用付那么多钱。

18−1 道(昼)
18-1 路(白天)

瑠璃、星野歩いている。
琉璃,星野正在走路。

星野 「こどもがいる体でどうやって働くの。無理に働かなくていいだからさ。」
星野:“你怎么在有孩子的身体里工作,因为你不必强迫自己工作?

瑠璃 「もうこれ以上、勇輝さんに甘えられない。」
琉璃:“我不能再被 Yuki-san 宠坏了。

18−2 瑠璃の家 回想 (昼)
18-2 琉璃屋回忆录 (白天)

瑠璃は雪や葉山に向かって話している。
琉璃正在与雪和叶山交谈。

そばで見ている星野
星野在一旁观看

葉山 「瑠璃ちゃん、星野さんと彼の会社のイメージのためにもお金を支払ってもらった方がいい気がするんだよなぁ。」
叶山:“琉璃酱,我觉得你应该为星野先生和他的公司的形象买单。

瑠璃 「そんなにお金が欲しいなら私が働いて支払うから。」
琉璃:“如果你想要这么多钱,我就工作并付钱。

雪  「あんたからもらいたいわけじゃない。」
斯诺:“我不想从你那里得到它。

葉山 「ひとまずいいじゃないの。瑠璃ちゃんが家にお金入れてくれるって言ってんだし、雪ちゃん助かるじゃん。」
叶山:“暂时没事,琉璃酱说她会把钱放在房子里,Yuki-chan 就会得救。

雪  「私は星野さんの誠意が見たいんだよ。」
斯诺:“我想看看星野先生的诚意。

瑠璃 「ツケの立て替えで十分だって言ってるでしょ。」
琉璃:“你是说付钱就够了。

葉山 「だれがどう支払うかは二人に任せるから1ヶ月以内に雪ちゃんが言ってる金額を入れてもらうのはどう?
叶山:“谁付钱怎么付,谁付钱,怎么付,你为什么不在一个月内把由纪酱说的金额付进来呢?

瑠璃ちゃんはこう言ってるけど、
琉璃酱说:

星野さんの問題でもあるわけだし。」
这也是星野先生的问题。

18−3 道(昼)
18-3 路 (中午)

瑠璃、星野歩いている。
琉璃,星野正在走路。

星野 「もう瑠璃ちゃんだけの問題じゃないからさ。」
星野:“这已经不仅仅是琉璃酱的问题了。

瑠璃 「でもこれ以上甘えられない。まだ働けない時期じゃないし、バイトしながら、しっかり給料のもらえる仕事を探そうと思う。」
琉璃:“但我不能再放纵了,现在还不是我不能工作的时候,所以我要找一份薪水高的工作,同时兼职工作。

星野 「いや、でも配達のバイトは体に良くないよ…。」
星野:“不,但打工送货对你的健康不好......”

瑠璃 「でも少しでも稼ぐために仕事見つける間も今のバイトは続けないといけないから。」
琉璃:“但我必须继续做我现在的兼职工作,同时找一份工作赚点钱。

瑠璃は足早に星野のもとから去っていく。
琉璃很快就离开了星野。

星野 「ちょっと!」
星野:“嘿!

18−4 バイト先(昼)
提前 18−4 字节(白天)

奈々がスマホを見ていると瑠璃がやってくる。
当 Ruri 到达时,Nana 正在看她的智能手机。

瑠璃 「お疲れ様。」
琉璃:“谢谢你的辛勤工作。

奈々 「お疲れ〜。お金持ってきたよ。最近の手伝ってくれた分。」
娜娜:“我累了,我带了一些钱。 感谢你最近的帮助。

奈々はウエストポーチから金の入った封筒を出し、
娜娜从腰袋里掏出一个装着金子的信封,

瑠璃に渡す。瑠璃はその封筒を見つめる。
把它交给琉璃。 琉璃盯着信封。

星野は遠目で瑠璃が封筒を受け取るのを目にする。
星野从远处看着琉璃收到信封。