彼氏気取りの潔くん、凛に抱かれる 装酷耍帅的洁君,被凛紧紧拥抱着
どっちも自分が彼氏(攻め)だと思い込んでいた2人だったがー!?
两人都深信自己是男朋友(攻方)——!?
【追記】 【追记】
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『鎌倉にフクロウカフェあるんだって!凛行ったことある?』
『听说镰仓有家猫头鹰咖啡馆!凛你去过吗?』
『ない』 『没有』
『行こうよ!』 『一起去吧!』
潔からの誘いに、凛は了承のメッセージを送ってその日のやり取りを終えた。
凛收到洁的邀请后,发送了同意的消息,结束了当天的交流。
毎回デートに誘うのは潔からで、凛がそれに了承して約束が取り付けられる。
每次都是洁主动邀请约会,凛同意后才定下约定。
サッカーしか知らない凛は、積極的な潔に任せっぱなしだ。
只懂足球的凛,完全依赖于积极主动的洁。
凛には適切なデートというものがわからなかったし、アクティブで人付き合いのいい潔がアクションを起こしてくれるので、それにかまけて何もしない。
凛不知道什么是合适的约会,而活泼且善于交际的洁会主动采取行动,所以凛就任由他安排,自己什么都不做。
潔から提案される場所はだいたい鎌倉周辺で、凛は潔に頼まれて観光地を何度か案内してやった。
洁提议的地方大多在镰仓附近,凛被洁拜托过几次,带他参观了一些景点。
趣のわからない凛には、大仏や滝を眺めるなんてジジくせぇと興味がなかったが、潔はそれなりに文化に関心をもっているらしかった。
对情趣一窍不通的凛对看大佛和瀑布这种老气横秋的事情毫无兴趣,但洁似乎对文化有一定的兴趣。
海が見たいと潔が言うものだから、由比ヶ浜に連れて行ってやると、潔はトンビにコロッケを奪われていた。
洁说想看海,于是我带她去了由比滨,结果洁的可乐饼被老鹰抢走了。
呑気な観光客は狙われるのだ。 悠闲的游客总是被盯上的目标。
子どもの頃さんざんやられた凛は、潔の隣でしっかりと最後のひとくちまでコロッケを完食した。
小时候被欺负惯了的凛,在洁旁边把可乐饼吃得干干净净,连最后一口都没剩下。
あまりの衝撃に驚き怯えていた潔だが、帰り際には楽しい笑い話に変わっていた。
面对突如其来的冲击,洁惊恐不已,但临走时却已化作愉快的笑谈。
潔のそういう飾り気なく素直なところが、凛は嫌いじゃなかった。
凛并不讨厌洁那种不加修饰的坦率之处。
会話の中で凛がフクロウ好きと気づいたのだろう、潔が今回提案してきたのはフクロウと触れ合えるカフェだった。
或许是在对话中察觉到凛喜欢猫头鹰,这次洁提议的是一家可以与猫头鹰亲密接触的咖啡馆。
そこには10羽ほどのフクロウとミミズクがいて、入店した途端潔が「わぁ」と歓声をあげる。
那里有大约十只猫头鹰和雕鸮,洁一进门就发出“哇”的欢呼声。
「手袋つけると手に留まってもらえるんだって」 “戴上手套就能让它们停在手上。”
潔は店員と和やかに話して、名前や特徴を教えてもらっていた。
洁和店员愉快地交谈着,询问着它们的名字和特点。
時折凛にも話を振ってきて、凛は頷いたり首を振ったりしていた。
偶尔也会和凛搭话,凛则点头或摇头回应。
潔は動物を飼ったことはないが、嫌いではないらしい。
洁虽然没有养过动物,但似乎并不讨厌。
トンビに襲われてパニックになっていた潔だが、飼育されている猛禽類には怯えたりはしなかった。
虽然洁被老鹰袭击而陷入恐慌,但他并没有对饲养的猛禽感到害怕。
初めて触ったけど、意外と可愛いな、とへらへらしている。
第一次接触,没想到还挺可爱的,忍不住笑了起来。
凛はせっかくだからと勧められ、フクロウと写真を撮った。
凛被劝说难得的机会,于是和猫头鹰拍了照片。
ミミズクを手に留まらせている潔を、勝手に写真に撮ったりもした。
还擅自拍下了让猫头鹰停留在手上的洁的照片。
大きいものは3キロあるらしく、意外と重たい。 据说大的有三公斤重,意外地很沉。
「俺も撮って!」 「我也来拍!」
凛はどっちも目がでかいなと思いながら、カメラのシャッターを切った。
凛一边想着两边眼睛都很大啊,一边按下了相机的快门。
サッカー以外のことに時間を費やすのは無駄だと思っていたが、最近はこんな時間も悪くないと思う。
我一直认为把时间花在足球以外的事情上是浪费,但最近觉得这样的时光也不错。
店内が混雑してきたので、2人はカフェから退店した。
店内开始拥挤起来,于是两人离开了咖啡馆。
まだ日が暮れるには少し早い。 天色尚早,离日落还有些时间。
夕飯は潔が選んだレストランに行くことになっている。
晚饭决定去洁选的餐厅。
潔が任せて!と意気込むものだから、凛はあとについて行くことにした。
洁兴致勃勃地说交给他吧,于是凛决定跟在后面。
店名を聞いても凛の知らない場所だったし、潔が調べてきているのならまぁいいかと思ったのだ。
即使问了店名,凛也不知道那个地方,既然洁已经查过了,那就好吧。
それから歩いて15分ほど。 然后步行约 15 分钟。
最初は「こんなところにスポーツ用品店あるんだな」とか、路上での弾き語りをを見て「あ、この曲知ってる」と雑談をしながら歩いていた。
起初还说着「这种地方居然有体育用品店啊」,或是看到路边弹唱时说「啊,这首歌我知道」之类的闲聊,边走边聊。
「凛はどんな曲聴くの?」 「凛喜欢听什么歌?」
「King Gnuとか」 「King Gnu 之类的」
「俺音楽疎くてさぁ、おすすめの曲ある?」 「我对音乐不太了解,有什么推荐的曲子吗?」
凛がいくつかタイトルをあげると、潔はその場でアプリのプレイリストに追加した。
凛列举了几首歌名,洁当场就把它们加到了应用的播放列表里。
そういうところで素直さと行動力を発揮する潔に、凛は感心してしまう。
在那种地方展现出坦率和行动力的洁,让凛不禁感到佩服。
「これ聴くたびに凛のこと思い出しそう」 「每次听到这个都会想起凛」
そうやって凛を驚かせることを、なんてことのないように言う潔に、凛は振り回されっぱなしだ。
洁总是这样轻描淡写地说出让凛惊讶的话,凛总是被他牵着鼻子走。
見慣れた街だって、潔と歩けば新鮮な発見ばかりで、まるで別の場所のようだ。
即使是熟悉的街道,和洁一起走的话,总能发现新鲜的事物,简直像是另一个地方一样。
凛は浮かれている自分に気づいて、舌打ちしたいような気持ちになった。
凛察觉到自己兴奋的心情,不禁有种想咂舌的感觉。
「んん〜?あれぇ?」 「嗯嗯~?咦?」
雲行きが怪しくなってきたのは、歩き始めてから20分が経過した頃だった。
天空开始变得阴沉,是在出发后大约 20 分钟的时候。
「あれー?こっちのはずなんだけどなぁ」 「咦?应该是这条路才对啊……」
公園で立ち止まり、潔がGoogleマップと睨めっこする。
在公园停下脚步,洁与 Google 地图对视着。
やはりというべきか、潔は凛を連れて迷子になっていた。
果然,洁带着凛迷路了。
潔があちこち見て楽しそうに話しているものだから、それに気をとられて確認を怠った凛のミスでもある。
因为洁在四处张望,兴高采烈地说话,凛被吸引了注意力,疏忽了确认方向,这也是凛的失误。
「駅ってこっちじゃないの?」 「车站不是在这边吗?」
「っ、全然ちげーよ!」 「才、才不是呢!」
潔が凛にマップを見せると、今まで逆方向に歩いてきたことが発覚した。
洁给凛看地图时,才发现他们一直走反了方向。
潔に任せていては夜があける。 要是依赖洁,恐怕天都要亮了。
凛は潔のスマホをふんだくって場所を確認すると、歩き始めた。
凛抢过洁的手机确认地点后,开始迈步前行。
潔が慌てて小走りでついてくる。 洁慌忙小跑着跟了上去。
「駅はこっちだ」 「车站在这边」
「ごめんって〜!」 「对不起嘛~!」
江ノ電に揺られて次の目的地に向かう。 乘坐江之电摇摇晃晃地前往下一个目的地。
休日の夕方ということもあってか、車内はそこそこ混んでいた。
或许是假日傍晚的缘故,车厢里相当拥挤。
「凛、ここ座って」 「凛,坐这儿」
潔は当然のように椅子を勧めてきた。 洁理所当然地推荐了椅子。
その場には一席分しか空いていない。 那里只空着一个座位。
「はぁ?」 「哈?」
「つかれたろ、俺が無駄に連れ回しちゃったしさ」 「累了吧,我带你瞎转悠了一圈。」
さすがお人好しというべきか、ゴール以外で潔はひとつしかないものを他人に譲りがちだ。
真是个老好人啊,除了目标,洁总是容易把仅有的东西让给别人。
これが千切や凪だったら当然のように自分が座っていただろう。
如果是千切或凪的话,肯定会理所当然地自己坐下吧。
「別に疲れてねぇし」 「我又不累」
「こ、こういう時はさ、凛の方が座るもんなんだって!」
「这、这种时候啊,凛应该坐下的嘛!」
潔はまわりを気にしながら、少し慌てたように言った。
洁一边环顾四周,一边有些慌张地说道。
意味はわからないが、奪われるよりは譲られる方がいいに決まっている。
虽然不明白意思,但比起被夺走,还是被让与更好,这是肯定的。
凛はおとなしく席に座った。 凛乖乖地坐到了座位上。
潔は凛の向かいに立って、満足そうに笑っている。 洁站在凛的对面,满意地笑着。
「凛見下ろすの、なんか新鮮」 「俯视凛,感觉挺新鲜的」
「見下ろすな」 「别俯视我」
「無理言うなって」 「别胡说」
凛に無茶な文句をつけられても潔は平然とかわすから、ケンカにもならない。
即使凛说出无理的话,洁也能泰然自若地应对,所以也不会吵架。
「凛は電車で学校通ってた?」 「凛是坐电车去学校的吗?」
「3駅向こう」 「3 站远」
「じゃあ結構近いんだ!?制服は学ラン?ブレザー?」
「那不是很近吗!?制服是学兰?还是西装外套?」
「学ラン…みてぇなやつ」 「学兰那种的…」
「そうなんだ。俺んとこはブレザー」 「这样啊。我们学校是穿西装外套」
凛は潔の出身校すら知らない。 凛连洁的母校都不知道。
全国に届かない県外の高校なんて、凛の眼中にはなかったからだ。
因为那种连全国大赛都进不了的县外高中,根本不在凛的眼里。
でも、ブレザー姿の潔は少し見てみたいと思う。 但是,我还是有点想看看穿西装的洁。
「ほら、こんな感じ」 「看,就像这样」
潔がスマホをスクロールして、凛に一枚の写真を見せた。
洁滚动着手机,给凛看了一张照片。
そこには制服姿の潔が写っている。 照片中映出穿着制服的洁。
紺色のブレザーは襟が白く縁取られていて、黒とネイビーのタイが結ばれている。
深蓝色的西装外套领口镶着白色边,黑色与海军蓝的领带系得整齐。
ブレザーの下は、グレーのスラックスだ。 西装外套下是灰色的西裤。
普通の高校二年生、潔世一。 普通的高中二年级学生,洁世一。
なんでもない瞬間に撮られたといった感じで、教室の椅子に座っている潔がピースしていた。
仿佛是在某个平凡瞬间被捕捉到的一幕,洁坐在教室的椅子上,比着剪刀手。
机の上にはノートが開かれていて、その横には青いPUMAのペンケースが置いてある。
桌子上摊开着笔记本,旁边放着一个蓝色的 PUMA 笔袋。
勉強会に飽きた友達に撮られたのだろうか、日常風景といった感じだ。
大概是厌倦了学习会的朋友随手拍下的吧,充满了日常风景的感觉。
凛にはそんなものを撮ってくれる友達はいないし、そもそも欲しいとも思わない。
凛没有那种会为她拍照的朋友,而且她自己也并不想要。
凛は潔のスマホを奪って、勝手にアルバムをスクロールする。
凛抢过洁的手机,擅自翻看相册。
「うわっ、勝手に見んなって!」 「哇,别擅自看啊!」
潔が慌ててスマホを取り返そうとしてきたが、凛は片手で制してそれを阻んだ。
洁慌忙想要夺回手机,但凛单手制住她,阻止了她的动作。
「見られちゃいけないもんでも入ってんのか」 「有什么不能被看到的秘密吗?」
「いや恥ずかしいじゃん、普通に」 「不,只是很害羞啊,正常情况下。」
潔がそれ以上抵抗してこなかったので、これは許可されたということだろう。
洁没有再反抗,这应该是被允许了吧。
前後の写真に映っていたのは、友人とマクドナルドで食事をしている写真だったり、部活動の集合写真、外食した際の食べ物の写真等だった。
前后照片中出现的,有和朋友在麦当劳吃饭的照片,有社团活动的集体照,还有外出吃饭时的食物照片等。
これで元カノらしき人物でも出てこようものなら速攻で削除してやろうと思ったが、そんなものは一向に出てこなかった。
如果这时候出现前女友之类的人物,我打算立刻删除,但那种东西根本没出现。
そもそも女子が出てこない。 原本就没有女生出现。
この人たらしがモテないはずがないと思うが、持ち前の鈍感さでのらりくらりと交わしてきたのだろう。
这个人不可能不受欢迎,但大概是因为他天生的迟钝,才这样若无其事地交往过来吧。
ブルーロックの人気者である潔は、きっと友人関係に不自由なく過ごしてきたはずだ。
作为 Blue Lock 的人气王,洁一定一直过着不缺朋友的生活。
凛は勝手に潔の高校生活に思いを馳せる。 凛擅自想象着洁的高中生活。
過去の写真から見ていたので、だんだん時系列が現在に近づいてきた。
从过去的照片中看,时间线逐渐接近现在。
ブルーロックに入ってからはスマホが使えなくなったため、当然ながら練習中の写真は一切ない。
进入 Blue Lock 后手机被没收,因此当然没有练习中的照片。
「俺ばっかりじゃねーか」 「怎么都是我啊」
「うわぁぁっ!!」 「哇啊啊啊!!」
ある時期に入ってから、カメラロールが凛でいっぱいになっていた。
某个时期开始,相册里全是凛的照片。
凛と潔が付き合いはじめた頃だ。 那是凛和洁刚开始交往的时候。
「電車ででけぇ声出すな」 「在电车上别发出那么大的声音」
ツーショットはほぼないが、凛がカフェラテを持っているところだっり、浜辺を歩く後ろ姿だったりした。
几乎没有两人的合照,只有凛拿着卡布奇诺的瞬间,或是他们在海边漫步的背影。
今日の写真だと、フクロウと凛が多い。 今天的照片里,猫头鹰和凛的出镜率很高。
「いーじゃん、凛だとなんでも絵になるんだから。この美人が」
「挺好的嘛,凛的话,什么都能成为画中景。这个美人儿」
褒められているのか、貶されているのか。 是夸奖呢,还是贬低呢。
「け、消さないからな」 「别、别删掉啊」
「別にいい」 「无所谓」
「そ、そっか」 「这、这样啊」
凛の許可を得て、潔がホッとしたようにスマホを握りしめる。
得到凛的许可后,洁如释重负地紧握着手机。
写真を撮られるのは嫌いだが、潔のカメラロールを自分が埋め尽くすのは悪くないような気がした。
虽然不喜欢被拍照,但感觉自己填满洁的相册也并不坏。
潔には言わないが、凛のカメラロールも同じようなものだ。
虽然不会告诉洁,但凛的相册里也是同样的光景。
「普通に制服見せたかっただけなのに…」 「只是想普通地展示一下制服而已…」
恥ずかしいものを見られたと、潔は唇を尖らせた。 被看到了羞耻的东西,洁撅起了嘴唇。
「凛の制服は?写真ないの?」 「凛的制服呢?没有照片吗?」
「ない」 「没有」
「ないことはないだろー。ほら、入学式とかさ」 「也不是完全没有吧。比如入学典礼之类的」
「そんなん親が撮るもんだろ。俺のスマホにはない」 「那种东西应该是父母拍的吧。我的手机里没有」
「えー」 「诶——」
つまらなそうにしながらも、潔が引き下がる。 虽然显得有些无聊,但洁还是退下了。
少しの沈黙。 短暂的沉默。
カタン、カタンと電車が揺れて、窓から入る夕陽が、正面に立つ潔を照らす。
咔嗒咔嗒,电车摇晃着,从窗户透进的夕阳,照亮了站在正面的洁。
もしも、潔と地元が同じだったのなら。 如果,洁和我的家乡是同一个地方的话。
「なぁ、もし凛と同じ学校だったら、どんな感じかな」
「呐,如果和凛上同一所学校,会是什么感觉呢」
凛が同じことを考えていたタイミングで、潔がそれを口にした。
就在凛也在思考同样的事情时,洁说出了那句话。
潔は照れもせず、凛からは言えないもしもの話ができるのだ。
洁毫不害羞,能够说出凛无法启齿的假设话题。
「同じ学校で、同じサッカー部だったら。凛は相当生意気な1年なんだろうなぁ。手がつけられそうにないや」
「如果在同一所学校,同一个足球队的话。凛大概会是个相当自大的新生吧。简直无法无天呢。」
凛はユースに所属していたから、学校の部活は経験していない。
凛因为属于 YUS,所以没有经历过学校的社团活动。
潔は部活で学生らしく、上下関係のあるチームにいたのだろう。
洁可能在社团里体验过学生应有的团队生活,有上下级关系。
もしそこに凛がいたのなら、どうだっただろう。 如果凛也在那里,会是怎样的情景呢。
絶対に浮いている。 绝对在飘着。
「先輩ヅラすんな」 「前辈别装了」
潔はことあるごとに年上であることをアピールしたがった。
洁总是想方设法地强调自己年长的事实。
運動部の性なのだろうか、でもそれは凛には通用しない。
或许是运动部的特性吧,但这套对凛可不管用。
「実際学年は俺の方が上だもんね」 「实际上年级我比你高嘛」
べぇ、と潔は舌を出す。 洁吐了吐舌头,发出一声轻蔑的‘切’。
そんな子どものような仕草をする潔は、やはりどう見ても年上だとは思えなかった。
做出那样孩子气举动的洁,怎么看都不像是年长者。
万が一、いや億が一、自分が潔の後輩だったなら。 万一,不,亿一,如果自己是洁的后辈的话。
凛は想像して、つぶやいた。 凛想象着,低声呢喃。
「……お前が先輩なんて……、ウザそう」 「……你居然是前辈……,感觉好烦」
「ウザイってなんだよ」 「烦是什么意思啊」
潔は不満そうに片眉をあげる。 洁不满地挑起一边眉毛。
「ウザイって言ってんのに構ってきそうだし、先輩ヅラして、あーしろこーしろ言うだろ」
「明明说了很烦人,却还凑过来,前辈架子摆得十足,这个那个地指手画脚吧」
潔はなんだかんだ言って面倒見がいい。 洁虽然嘴上说个不停,但其实很会照顾人。
チームホワイトでは、馬狼と揃って凪と千切の世話係になっていたと聞いている。
听说在白队里,他和马狼一起成了凪和千切的保姆。
きっとしつこく構ってきて面倒くさいだろうが、潔はサッカーIQが高くて話が通じる分、厄介さが増すだろう。
肯定会纠缠不休地搭话,很烦人吧,但洁的足球智商高,能沟通,反而更麻烦。
しかし凛の意見に対して、潔は困ったように眉を下げた。
然而对于凛的意见,洁却困扰地皱起了眉头。
「言わないと思うよ、学校の俺なら」 「我想不会说的,如果是学校的我。」
「はぁ?なんで」 「哈?为什么?」
「凛の知ってる今の俺とは、違うっていうか」 「凛所知道的现在的我,和以前不一样了」
凛は再びあの写真の潔を思い返す。 凛再次回想起那张照片中的洁。
ブレザー姿の潔世一。 身着西装的洁世一。
一難高校と印刷された、白いユニフォーム姿の潔世一。
印有一难高校字样的白色队服装扮的洁世一。
それは凛と出会った頃の自分とは違うと、本人は言う。
他本人说,那与遇见凛时的自己不同。
「自分の意見を言えなかったんだよね、俺。違うって思っても言えなくて、言ったとしても否定されて。学校の方針もブルーロックとは正反対だった。あそこに行くまで俺はエゴもなんにもなくて、自分を貫けない奴だった」
「我无法表达自己的意见,对吧。即使心里不认同也说不出口,就算说了也会被否定。学校的方针与 Blue Lock 完全相反。在去那里之前,我什么都没有,没有自我,无法坚持自己。」
「………」
凛はブルーロック以前の潔を知らない。 凛并不了解 Blue Lock 之前的洁。
サッカーにおいて意見が言えない潔なんて、想像もつかない。
在足球中无法表达意见的洁,简直难以想象。
夕陽に照らされた潔は、凛に微笑んだ。 夕阳下的洁,对着凛微笑了。
「だからさ、やっぱり俺は、ブルーロックでお前と出会えてよかった」
「所以啊,果然我还是觉得,能在 Blue Lock 遇到你真是太好了」
潔は凛が言えないことを、簡単に言ってのけるのだ。 洁总是能轻易地说出凛难以启齿的话。
X
紆余曲折あったが、無事予定していた場所に辿り着いた。
虽然经历了曲折,但总算顺利到达了预定的地方。
あちこち寄り道した結果降りた場所は、凛の最寄駅だった。
四处绕路的结果,下车的地方是凛的最近车站。
「凛、辛いの苦手?セットメニューはどっちにする?パンとご飯選べるって」
「凛,不擅长吃辣吗?套餐选哪个?可以选择面包和米饭哦」
「飯。サラダもつける」 「饭。还要沙拉」
「おっけ。食後のドリンクもあるって。凛甘いの苦手だもんな。コーヒーでいい?もう夜だからカフェインはやめとく?」
「好嘞。饭后还有饮料呢。凛不擅长甜和苦的东西吧。咖啡可以吗?已经是晚上了,要不要避免咖啡因?」
「すみませーん、このAセットお願いします」 「不好意思,请给我这个 A 套餐」
潔が店員を呼んで、簡単に注文を済ませた。 洁叫来店员,迅速完成了点单。
にこにことメニューを指差す潔はどう見ても好青年といった感じで、向かいに座って無愛想に黙っている凛とはまるで空気感が違う。
洁笑眯眯地指着菜单,怎么看都是个好青年的样子,而对面坐着的爱答不理、沉默寡言的凛,两人之间的氛围完全不同。
ピッチでは鎬を削り合う関係だが、プライベートで潔が近くにいると凛はとても息がしやすい。
在赛场上是针锋相对的关系,但在私下里,洁在身边时,凛感到非常自在。
潔が話して、凛が相槌をうつ。 洁在说话,凛在附和。
サッカーの話題では凛も積極的に意見を述べて議論は白熱し、気づけば20時になっていた。
在足球的话题上,凛也积极发表意见,讨论热烈,回过神来已经 20 点了。
朝から集合してずっと一緒にいるのに、時間が経つのがあっという間に感じてしまう。
从早上集合开始就一直在一起,时间却感觉过得飞快。
「もうこんな時間か。遅くなったら悪いし、もう行こっか」
「已经这么晚了。再晚就不好了,我们走吧。」
潔が伝票をもって立ち上がった。 洁拿起单据站了起来。
いつも潔は夕方には帰ってしまう。 洁总是傍晚就回家了。
夜になるまで一緒にいたのは初めてだった。 这是第一次一起待到晚上。
最初に落ち合ったときに、潔はコインロッカーに荷物を預けているから、泊まるつもりでいるのだろうと凛は思った。
第一次碰面时,洁把行李寄存在投币储物柜里,凛心想他大概是打算过夜的。
潔がまとめて会計を済ませてしまおうとしたので、凛は慌てて止めた。
洁试图一起结账,凛慌忙阻止了她。
「なんで奢られなきゃいけねーんだ、おかしいだろ」 「为什么非要请客不可啊,这不奇怪吗?」
「え、だってそういうもんだって」 「诶,但大家不都是这样的吗?」
「お前の方が交通費かかってんだからな」 「你那边交通费更贵吧」
潔に交通費をかけて地元まで来させておいて、食事代まで払わせてしまったら凛の立つ瀬がない。
让洁花交通费回老家,还要她付饭钱,凛可没脸见人。
いくら普段ワガママだろうと、格好がつかないのは許せなかった。
无论平时多么任性,这种丢脸的事绝对不能容忍。
凛は潔を引っ込めて五千円札を出す。 凛将洁拉到一旁,掏出一张五千日元的钞票。
押し問答をするのも迷惑だろうと判断した潔は、すぐに引き下がった。
洁判断继续争执只会添麻烦,便立刻退让了。
店から出ると、潔は凛に「ごめんな、ありがとな」としきりに言う。
走出店门,洁不停地对凛说:“对不起,谢谢你。”
潔は図太いようで普段は気遣い屋だ。 洁看似大胆,平日里却是个体贴的人。
「お前の方が金も手間もかかってんだからいい」 「你那边花费的时间和金钱更多,所以没关系」
社会に出るのは潔の方が一年早いが、凛が稼げるようになったら潔にいいものをたくさん食べさせてやれるはずだ。
洁比凛早一年步入社会,但等凛能赚钱了,应该能让洁吃上很多好东西。
「凛、家どこ?もう遅いし送ってくよ」 「凛,你家在哪儿?已经很晚了,我送你回去吧。」
気を取り直したのか、潔は意気込むように言った。 或许是重新振作了精神,洁充满干劲地说道。
泊まるとばかり思っていた凛は、その言葉に目を丸くした。
原本以为会留宿的凛,听到这话瞪大了眼睛。
「は?お前帰んのか?」 「什么?你要回去吗?」
いつもは夕方に駅で解散している。 通常是在傍晚时分在车站解散。
今日は遅いから家に泊まるのだろうと思っていたのに、潔は違うようだった。
本以为今天他会因为太晚而住家里,但洁似乎另有打算。
「ううん、今日はいっぱい一緒にいたいから、俺はホテル泊まろっかなって。安いとこあったし」
「不,今天我想和你多待一会儿,所以打算去住个便宜的酒店。」
いっぱい一緒にいたい。 想和你多待一会儿。
さらりと言える潔には毎回驚かされるが、今回の焦点はそこじゃない。
每次听到他轻描淡写地说出这些,我都会感到惊讶,但这次的重点不在这里。
「なんでだよ。ウチ泊まればいいだろ」 「为什么啊。住我家不就好了嘛」
凛の家があるのに、潔が一人でホテルに泊まる意味がわからない。
明明凛家有地方住,却不懂洁为什么要一个人住酒店。
凛が文句を言うと、潔はぱちくりと瞬きをした。 凛一抱怨,洁就眨了眨眼。
わかっていない顔が腹立たしい。 那副不懂的表情真让人生气。
「行くぞ」 「走吧」
「だって、突然だし、親御さんにも迷惑になっちゃう」
「因为,突然这样,会给父母添麻烦的」
「親はどっちも泊まりでいない。俺だけだから気にする必要ない」
「父母都不在家,只有我一个人,不用担心」
「えっ、余計に大丈夫なの、それ」 「诶,那样反而更没问题吗?」
潔は急に慌てた。 洁突然慌了神。
凛にはなぜ潔が戸惑っているのかわからない。 凛不明白洁为何会感到困惑。
「なんにも問題ねぇよ」 「没什么问题啊」
もしも潔がどうしてホテルに泊まるのだと言えば、送っていかねばならないのは凛の方だ。
如果洁说他为什么要住酒店,那必须送他去的反而是凛。
潔が凛を送る意味がわからない。 洁不明白送凛的意义。
どうせまた迷子になるに決まっているし。 反正她肯定又会迷路的。
コインロッカーの荷物を回収して、凛の自宅へ向かう。
取回储物柜里的行李,前往凛的家。
駅にはジブリ展の宣伝ポスターが貼ってあった。 车站里贴着吉卜力展览的宣传海报。
潔がそれを指差して言う。 洁指着它说道。
「俺、ジブリだとトトロが好きなんだよね」 「我啊,最喜欢吉卜力的《龙猫》了。」
「ガキかよ」 「你还是个孩子吗?」
「え〜、いーじゃん。あれ観ると、兄弟欲しかったなぁって思うよ。俺ひとりっ子だし。凛はなんの映画が好き?」
「诶~有什么不好的嘛。每次看那个,我都会想,要是有个兄弟姐妹就好了。我是独生子嘛。凛你喜欢什么电影?」
「……シャイニングとか」 「……闪耀什么的」
「シャイニングってあれだろ!隙間からヤベェ顔のオッサンが覗いてるやつ…!」
「闪耀就是那个吧!从缝隙里露出可怕脸的大叔…!」
「間違ってはねえな」 「倒也没错」
潔はファミリー向けの王道のものが好きで、映画そのものには詳しくない。
洁喜欢面向家庭的王道作品,对电影本身并不太了解。
凛はホラー映画が好きだった。 凛喜欢恐怖电影。
有名なジャパニーズホラーから、マニアックな海外ホラーまで網羅している。
从著名的日本恐怖片到小众的海外恐怖片,她都有涉猎。
「家にDVDある。今から観るか?」 「家里有 DVD。现在要看吗?」
「ささささすがにホラーはアレじゃない?凛はもっと健全なやつ観た方がいいよ。ディズニーとかマーベルとかさ」
「果然恐怖片还是算了吧?凛还是看点更健康的比较好。迪士尼啊,漫威之类的。」
「興味ねぇ」 「没兴趣」
潔があからさまに怖がるものだから、凛はそれ以上無理強いはしなかった。
洁明显害怕的样子,凛也就没有再勉强他。
ホラー映画にビビる潔を見たかったのは本心だが、せっかく潔が泊まることになったのに、怖い思いをさせてもう二度と凛の家には泊まらないと言われたら困ってしまう。
虽然真心想看看洁被恐怖电影吓到的样子,但难得洁答应留宿,要是让他吓得再也不肯来凛家过夜,那就头疼了。
「客用の布団どこにあんだっけ……」 「客用的被褥放哪儿来着……」
「俺ソファでもいーよ!」 「坐我沙发上也行啊!」
「いいわけあるか」 「有什么好说的」
実家で家族に任せきりだった凛は、来客用の寝具がどこにしまわれているのかわからなかった。
在老家被家人完全照顾的凛,不知道客人用的寝具放在哪里。
入浴後のほかほかした潔が、心配そうについてくる。 洗完澡后暖呼呼的洁,担心地跟了过来。
ブルーロック支給のスウェット姿は見慣れているが、潔はプライベートではパジャマ派らしい。
虽然已经习惯了 Blue Lock 发放的运动服,但洁似乎私下里是睡衣派。
紺の開衿パジャマから覗く鎖骨に、雫が滴った。 从深蓝色的开襟睡衣中露出的锁骨上,水滴滑落。
「お前はまず髪乾かしてこい」 「你先去把头发吹干」
潔を再び脱衣所に押し込んでドライヤーを押し付けると、凛は自室に戻った。
凛再次将洁推入更衣室,塞给他吹风机,然后回到了自己的房间。
布団は見つからないし、もう自分のベッドで良いのではないかと思い始めている。
找不到被子,已经开始觉得在自己的床上也挺好了。
凛のベッドはその図体に合わせて大きいものを買ってもらった。
凛的床是为他那庞大的身躯特意买的大号床。
男二人でも十分に眠れると思う。 两个人也足够睡得下了。
すぐに眠るかどうかはさて置いて。 姑且不论是否能立刻入睡。
「え…、凛こそ大丈夫なの、それ」 「诶…、凛你才没事吧、那个」
パーソナルスペースが広い凛が、同じベッドで寝ろと言ったことに驚いたのか、潔はすぐに頷かなかった。
凛的私人空间感很强,听到她要求同床共枕,洁世一并没有立刻点头。
しかもなぜか凛の身をを案じている。 而且不知为何在担心凛的身体。
寝相が悪いのかと訊ねれば、そういうわけじゃないと言う。
问是不是睡相不好,回答说并不是那样。
「別にそこまで狭くねーだろ。文句あんのか」 「哪里有那么窄啊。你有意见吗?」
「いや、ないよ!けど、凛はほんとにいーの?」 「不,没有啦!不过,凛你真的没事吗?」
「くどい」 「啰嗦」
そう言って凛は潔をベッドに引っ張り込んだ。 说完,凛把洁拉进了床上。
戸惑っていた潔だったが、凛と隣同士で横になると、嬉しそうにくふくふと笑っている。
困惑的洁躺下后,与凛并排而卧,开心地咯咯笑了起来。
風呂上がりの恋人が、自分のベッドに。 刚出浴的恋人,躺在了自己的床上。
なんだかムラムラしてきた凛は、欲求のまま潔に手を伸ばした。
不知为何,凛感到一阵躁动,顺从欲望伸出了手。
潔の頬はしっとりと柔らかくて、手に吸い付くように心地いい。
洁的脸颊湿润柔软,手感如被吸附般舒适。
小顔の潔は凛の手で簡単に覆い尽くせてしまう。 小颜的洁轻易就被凛的手完全覆盖了。
「りん」 「凛」
真顔で潔の頬を触っていた凛の手をとって、潔が顔を近づける。
洁抓住凛正抚摸自己脸颊的手,将脸凑近。
ちゅ、と可愛らしいリップ音を残して、潔は凛の唇にそっと触れた。
洁轻轻地触碰凛的唇,留下一声可爱的亲吻声。
「へへ、なんかきんちょうするな」 「嘿嘿,感觉有点紧张呢」
そう言って潔は照れ笑いする。 说着,洁露出了害羞的笑容。
「てめえ」 「你这家伙」
今日すぐに手を出そうと決めていたわけではないのに、凛の理性は一気に傾いた。
虽然并非今天一早就决定要出手,但凛的理性瞬间崩溃了。
「んぅっ」 「嗯……」
凛は噛み付くように潔の唇を塞いだ。 凛如咬噬般紧紧封住了洁的唇。
潔は一瞬驚いたようだが、凛の意図に気づいてゆっくりと唇を開く。
洁似乎一瞬间有些惊讶,但察觉到凛的意图后,缓缓地张开了唇。
凛の舌を一生懸命追いかけてくる小さな舌が可愛い。 凛的小舌头拼命追着我的舌头,真是可爱。
凛は潔のパジャマのボタンに手をかけた。 凛的手搭在了洁的睡衣纽扣上。
「えっ」 「诶?」
そこまでされるとは思っていなかったのか、潔は上擦った声をあげる。
没想到你会做到这种地步,洁发出惊讶的声音。
しかし凛にはもう止まってやる気持ちがなかった。 然而凛已经没有停下来的意思了。
「え、待って凛、本当にいいの?」 「诶,等等凛,真的可以吗?」
キスしようとする凛を止めて、潔は心配そうに、真剣に訊ねる。
洁阻止了想要接吻的凛,担心地、认真地问道。
「やりてぇからやってる」 「因为想做所以就做了」
この問いで潔が満更でもないことはわかった。 从这个提问中,洁明白了自己并非完全不愿意。
勝ちも同然、と凛は思った。 胜利在望,凛这样想着。
すると、潔は覚悟を決めたように頷いた。 于是,洁像是下定决心般点了点头。
「わかった……。優しく、するから」 「明白了……。我会温柔点的。」
なんだか不自然だな、と思ったが、凛は構わず潔の上にのし掛かった。
总觉得有些不自然,但凛毫不在意地压在了洁的身上。
「偉そうなこと言うな」 「别那么自大。」
潔の素肌に触れる。 触及洁的素肌。
腹筋がついていても薄い腹だ。 腹肌虽有,腹部却很单薄。
「えっ、なんで俺がこっちなの!?」 「诶,为什么是我这边!?」
ベッドに転がされた潔は、自分にのし掛かる男を見上げ、目を丸くした。
被推倒在床上的洁,抬头看着压在自己身上的男人,瞪大了眼睛。
「はぁ?」 「哈?」
ようやく始まるというタイミングで静止され、凛は呆れた声を出した。
就在即将开始的关键时刻被静止,凛发出了无奈的声音。
「だから、なんで俺こっち側なの?おかしいだろ」 「所以说,为什么我会在这一边?这不合理吧。」
「お前、俺に突っ込もうとしてたのか」 「你刚才想顶撞我吗?」
「つっ…!?そ、そうだけど……」 「唔…!?是、是没错……」
潔はいそいそと凛の腕から抜け出し、ベッドの上に座り直した。
洁急忙从凛的臂弯中挣脱,重新坐回床上。
じっと見つめる青い瞳は対話を求めており、凛は仕方なく胡座をかいた。
那双凝视着的青色眼眸渴望着对话,凛无奈地盘腿坐下。
凛としては、話し合うことなんて何もない。 凛觉得没什么好谈的。
凛が上、潔が下なんて初めから決まりきったことを、今更「初耳です」と言わんばかりに慌てるのは卑怯ではないかとすら思う。
凛在上、洁在下,这种从一开始就定好的事情,现在却慌张得像是第一次听说,未免也太卑鄙了吧。
潔はこの状況が想定外だったのか、明らかにテンパっている。
洁似乎没料到这种情况,明显慌了神。
そもそも潔が凛に突っ込もうという心づもりだったことが、凛にとっては失笑ものだった。
原本洁打算冲向凛的举动,对凛来说简直是可笑至极。
図々しい奴だとは思っていたが、まさかそこまで呑気だったとは。
虽然觉得他很厚脸皮,但没想到竟然如此悠哉。
「何が気にいらねぇんだよ」 「有什么不满意的啊」
凛は潔をレイプしたいわけではないし、そんなことをしたら潔との関係はここまでで終わってしまうこともわかっている。
凛并不想强暴洁,她也明白如果真那么做了,她和洁的关系也就到此为止了。
男同士が付き合いというのは、かなりデリケートなものだと聞いている。
听说男人之间的交往是相当微妙的。
しかし凛は気が長い方ではない。 然而凛并不是个有耐心的人。
早くこんなくだらない会話を終えて、セックスに臨みたいのだ。
她只想快点结束这无聊的对话,投入到性爱中去。
「だって普通、凛が抱かれる側なのかなって思うだろ」
「因为一般都会觉得,凛是被抱的那一方吧」
「はぁ?それこそおかしいだろ。どういう感性だ」 「哈?那才奇怪吧。什么感觉啊」
怖気付いて時間稼ぎをするつもりかと一瞬疑ったが、潔は本気で戸惑っているようだった。
我一瞬间怀疑他是不是想用恐惧来拖延时间,但洁似乎真的感到困惑。
そんな様子に凛まで困惑してしまう。 凛也被这情况弄得不知所措。
「だ、だって俺が彼氏じゃん!」 「可、可是我是你男朋友啊!」
「………?」
「………?」
意を決したように潔が叫んだが、凛はハテナマークを浮かべて固まった。
洁像是下定决心般大喊,凛却一脸困惑地愣住了。
彼氏。そりゃあどちらも女ではないのだから、彼女ではないのだろうけど。
男友。虽然两人都不是女生,所以不是女朋友吧。
だとしたら凛も彼氏だ。 那样的话凛也是男友了。
「はぁ?」 「哈?」
「だ、だって、先に好きになって、アプローチしたのは俺じゃん。告白したのも俺。デートする場所を決めてきたのも俺だろ。それに…き、キスしたのだって、俺からじゃん」
「可是,先喜欢上、主动接近的不都是我吗?告白也是我先的。连约会地点都是我定的。而且……亲、亲吻也是我主动的啊」
「…………」
言葉にすれば、確かに行動を起こしてきたのは潔だった。
如果说出口,确实采取行动的是洁。
しかし潔が意識するように行動し、アプローチしていたのは凛の方が先だし、告白するように仕向けたのも凛だ。
但洁有意识地行动、接近,是凛先开始的,引导告白的也是凛。
サッカーでは頭脳派で戦略的な思考をもつ潔だが、恋愛ではマニュアル通り、ストレート一本の実直な男だった。
足球场上,洁是头脑派,擅长战略性思考,但在恋爱中却是个按部就班、直来直去的实诚男人。
ここまで言われて、凛はようやく思い至る。 被说到这个份上,凛终于恍然大悟。
潔がわざわざ凛の地元まで足を運び、凛の好きそうな場所を選んでエスコートしたのも、電車で凛を座らせたのも、食事を奢ろうとしたのも、家まで送ろうとしたのも、凛の家に泊まることに遠慮していたのも。
洁特意跑到凛的家乡,精心挑选她可能喜欢的地方陪同游览,在电车上让凛坐下,提议请她吃饭,甚至想送她回家,以及对在凛家过夜的犹豫不决。
潔は凛に『彼氏』として振る舞っていたわけだ。 洁是以凛的“男朋友”身份行事的。
凛にとっては戦略だった『待ち』の姿勢と、兄にアドバイスされた『弟力』が仇となったようだ。
对凛而言,那本应是策略的“等待”姿态,以及兄长所赐予的“弟弟之力”,似乎反倒成了他的致命伤。
図々しいくせに同じベッドを遠慮していたのは、自分が抱く側だと思っていたからか。
明明厚脸皮却对同一张床有所顾忌,是因为自以为是抱着的那一方吗。
凛を怖がらせないように、紳士的に振る舞おうとしていたらしい潔が腹立たしい。
洁似乎因为试图表现得绅士以不让凛感到害怕而感到恼火。
「お前………、彼氏気取りだったのか」 「你………、是想当我男朋友吗?」
凛は頭を抱えた。 凛抱住了头。
「なんだよ!事実じゃん!」 「什么嘛!这不是事实嘛!」
潔はムキになる。 洁变得激动起来。
「……出掛けた先で毎回迷子になる彼氏だって?」 「……每次出门都会迷路的男朋友?」
ふん、と凛は鼻であしらった。 哼,凛用鼻子轻蔑地哼了一声。
「そ、それは!多少方向音痴だけどさ!」 「那、那是因为!虽然有点路痴啦!」
潔も自身の方向音痴には自覚があった。 洁也对自己的路痴有自知之明。
それでも行きたい場所を調べて凛に提案し、案内しようとマップを見ながら凛の手を引いて歩き、リードしようと努めていた。
尽管如此,他还是查好了想去的地方,向凛提出建议,一边看地图一边牵着凛的手带路,努力引领着前行。
立派かはわからないが、彼氏として振る舞ってきたつもりだった。
虽然不知道算不算合格,但自认为一直是以男朋友的身份在行动。
年上の、彼氏として。 作为年长的、男朋友。
「多少なのか、あれは」 「那到底有多少啊?」
これまでのデートでは、潔が迷った結果目的地に辿り着かなかったり、迷った先で意外と楽しめる穴場スポットを見つけたりしてきた。
以往的约会中,洁有时会因犹豫不决而未能到达目的地,有时则在迷途中意外发现令人愉快的隐秘景点。
何もなくとも一緒に歩いて会話するだけで、潔は楽しそうだった。
即使什么都没有,只是并肩行走和交谈,洁也显得非常开心。
予約していたり、潔が本気で行きたいと思っているらしい場所には、実際凛が誘導していた。
实际上,凛引导着前往那些洁似乎真心想去的地方,或是已经预约好的场所。
今回の食事が遠回りになってしまったのは、会話が楽しくて、方向音痴の潔に案内を任せた凛のせいだ。
这次吃饭绕了远路,都是因为对话太愉快,让路痴的洁带路的凛的错。
「俺はそれでも結構楽しかったけど。……」 「不过我还是挺开心的。……」
潔が口籠る。 洁闭上了嘴。
「別に、つまんねーとは言ってない」 「并没有说无聊啊」
凛は間髪入れずに否定した。 凛毫不犹豫地否认了。
潔のように素直な言葉には表せなかったが、本気でつまらないのなら凛は潔に会っていないし、付き合おうとも思わない。
虽然无法像洁那样坦率地表达,但如果真的觉得无聊,凛是不会去见洁的,也不会想要交往。
しかし潔にはそれが伝わっていなかったようで。 然而,洁似乎并没有理解这一点。
「そ、そういうところが、ダサいって思ったの?」 「你、你觉得那种地方很土吗?」
潔が萎れた声を絞り出した。 洁用萎靡的声音挤出了话。
「は?」 「啊?」
想像もしていなかった角度から疑問が投げられ、凛はポカンとした。
从意想不到的角度抛来的疑问,让凛愣住了。
フィールド上では相手を射抜く青い瞳が、自信なさげに揺れている。
在赛场上能射穿对手的蓝色眼眸,此刻却显得有些不安地摇曳着。
「俺がリードしてきたじゃん、今まで。ま、まぁ道に迷ったりもしたけどさ、そ、そういうダサい彼氏じゃダメってこと?かっこ悪いから?」
「我一直都在引领你,不是吗?虽然偶尔也会迷路,但、但就是因为这样,我就不能当个笨拙的男朋友吗?是因为我不够酷吗?」
「そういう話はしてねぇだろ」 「我们没在讨论这个吧」
一生懸命『彼氏』を頑張ってきた潔には悪いが、凛にも譲れないものはある。
虽然对一直拼命努力寻找男友的洁感到抱歉,但也有一些东西是绝对不能让给凛的。
サッカーでの世界一だとか、潔の上だとか。 足球界的世界第一,或是洁的巅峰。
道に迷うダサい奴に抱かれたくない、とかそういう次元の話ではないのだ。
并不是那种不想被迷路的傻瓜抱住之类的问题。
「じゃあなんで?凛のが綺麗だし、美人だし」 「那为什么?凛的更漂亮,而且很美」
「なんだそれ。お前いつもそれ言うけど、関係あんのか?」
「那是什么啊。你总是这么说,有关系吗?」
「あるだろ。絶対美人な方がそっちだって」 「当然有啊。绝对漂亮的那边才是你。」
「偏見だろ」 「偏见吧」
「スポーツ選手だから、身体が大事だってのはちゃんとわかってるよ。痛くさせないように頑張るし、大事に抱くよ、怪我も絶対させない。ほら、爪だって整えてきたし」
「因为是运动员,身体的重要性我当然明白。我会努力不让你感到疼痛,会小心翼翼地抱你,绝对不会让你受伤。你看,连指甲都修剪好了。」
潔は勝手に不要な決意をかためてきたらしい。 洁似乎擅自下定了不必要的决心。
フィールド外では温厚で優しくて、誠実な男だ。 在赛场外,他是个温和、善良且诚实的人。
それに絆される女は、きっといる。 一定有被他吸引的女子。
だが、それはそれ、これはこれ。 但那是那,这是这。
「俺もスポーツ選手だし、ケツの経験がねぇのもお互い様。俺だって爪に問題ねぇだろ」
「我也是运动员,屁股没经验大家彼此彼此。我指甲也没问题吧」
「………」
潔は難癖をつけようと、凛の手を取った。 洁试图挑刺,拉住了凛的手。
どちらも短く綺麗に整えられたスクエアの爪。 两人的指甲都修剪得短短的,整齐漂亮。
凛の手は大きくて、指が長くて、潔よりも少しゴツゴツしていた。
凛的手很大,手指修长,比洁的手稍微粗糙一些。
潔が反論を考えようと凛の手をにぎにぎと触っていると、焦れた凛の方が先に口を開いた。
正当洁想要反驳,握着凛的手轻轻摩挲时,焦急的凛先开口了。
「それにこういうのは、体格がでかい方が抱くのは相場だろ」
「而且这种事,体格大的人抱起来才合适吧」
「はぁ?」 「哈?」
フィジカルは潔の地雷だった。 菲吉卡是洁的地雷。
潔はそれを指摘されて、噛み付くように反論する。 洁被指出这一点后,咬牙切齿地反驳。
「それこそ偏見なんじゃねぇの!?カマキリはメスの方がでかいんだぜ!?」
「那不就是偏见吗!?螳螂是雌性更大啊!?」
「今虫の話はしてねぇだろ。お前カマキリか?」 「现在不是在说虫子的事吧。你是螳螂吗?」
「ぐっ、でも、やっぱり俺の方が年上だしさ」 「呃,不过,果然我还是年长一些嘛」
「たった数ヶ月で年上ヅラすんな」 「才几个月就想装成熟,别闹了」
話し合いは平行線だった。 讨论陷入了僵局。
「じゃあサッカーで決めるか!?多くゴールとった方が入れる側で!」
「那用足球来决定吧!进球多的那方就加入!」
「俺が負けるわけねぇし。そもそも今何時だと思ってんだ。次会えるのもいつになるかわかんねーのに」
「我怎么可能会输。你也不看看现在几点了。下次见面还不知道是什么时候呢。」
「それはそうだけど……」 「虽然确实是这样……」
凛の正論に、潔がたじろぐ。 凛的正论,让洁有些动摇。
その一方で「いや俺が勝つけど」なんて訂正も忘れないのが潔らしい。
另一方面,他不忘纠正说“不,我会赢的”,这种坦率真是令人钦佩。
「なんで凛は下じゃだめなの」 「为什么凛不行呢」
もにょもにょと口ごもり、潔がしゅんとする。 潔支支吾吾,显得有些沮丧。
頭のてっぺんの双葉も、心なしか萎れている。 头顶的双叶,似乎也有些萎靡不振。
凛はこんな押し問答をさっさと終わらせて、潔とセックスがしたかった。
凛想尽快结束这种争论,和洁做爱。
もちろん入れる側で。 当然是在加入的一方。
だから凛は勝負に出た。 所以凛决定放手一搏。
「……俺が潔を抱きたいから」 「……因为我想拥抱洁」
「………!」
「だめなのか」 「不行吗」
凛は潔のシャツの裾をくいと引いた。 凛轻轻拽了拽洁的衬衫下摆。
先程半分外されていたボタンのせいで、潔の肌がちらりと見えた。
因为刚才被解开了一半的纽扣,洁的肌肤若隐若现。
凛は潔が甘えられることに弱いことを知っている。 凛知道洁对撒娇毫无抵抗力。
今は下手に出てOKをもぎ取らなければならないタイミングだ。
现在是必须毫不犹豫地争取同意的关键时刻。
突然弟力に全振りした凛に、潔はぐるぐると目を回す。
突然全力展现弟控之力的凛,让洁头晕目眩。
でも凛の提案に、潔はひとつの懸念があった。 但对于凛的提议,洁心中有一个顾虑。
「おま…え、本当に、俺にたつの」 「你…真的、要和我一起吗?」
抱くとなったら、それは必須で。 如果要说拥抱的话,那是必须的。
「たつ」 「立」
凛は恥じらいもなく即答した。 凛毫不羞涩地立即回答了。
潔は大きなため息をついて、顔を覆った。 洁叹了口气,捂住了脸。
「っ、もおおお、ずるいなぁ…、わかったよ」 「唔、真是的,太狡猾了……我知道了啦」
潔の陥落は呆気なかった。 洁的沦陷来得猝不及防。
凛より潔の方がずっと度量が広く、凛はそれに甘えてわがままと可愛さで押し切っている。
与凛相比,洁的度量要大得多,凛正是依仗这一点,用任性与可爱来强行取胜。
この立場を渡す気は毛頭ない。 丝毫没有转让这个职位的意思。
「で、でも!今回だけな!?交代っていうか…、とりあえず今回はお試しってことで!」
「但、但是!就这一次吧!?算是轮换……总之这次就当是试一试!」
などと往生際悪くのたまわっているが、凛にはもうまるで関係のないことだった。
尽管如此不情愿地嘟囔着,但对凛来说,这已经完全无关紧要了。
了承さえさせればこちらのものだ。 只要让他承了情,就是我们的了。
X
「うぎゃー!いたいいたい!裂けるってそれは!」 「呜哇!好痛好痛!裂开是指那个吗!」
ようやく交渉成立したかと思えば、合体への道のりは遠かった。
好不容易谈判达成,但通往合体的道路依然遥远。
尻を明け渡すことを了承した潔だったが、だからと言ってそこは受け入れる構造にはなっていない。
虽然洁已经同意了让出后庭,但并不意味着那里已经具备了接纳的结构。
凛に足首を掴まれ、暴れるのを押さえつけられている状態だった。
被凛抓住脚踝,挣扎被压制住的状态。
「お前はそれを俺にしようとしてただろうが」 「你原本是想让我来做的吧」
「ううっ、それはごめんだけど!こんな…っ、怖すぎだろ!」
「呜呜,那个,对不起!这种…太,太可怕了吧!」
潔は年上のプライドをかなぐり捨て、情けなく叫んだ。
洁不顾年长的自尊,可怜地大叫起来。
それでも凛の手が止まる様子はなかった。 即便如此,凛的手也没有停下来的迹象。
ローションを纏わせた指が、じわりじわりと潔の穴を広げていく。
涂满润滑剂的手指,缓缓地撑开洁的穴口。
ローションとゴムは、潔の持ち物の中に入っていた。 润滑剂和避孕套,都放在洁的物品中。
手を出しませんよ、という空気を出しておいて、実はチャンスを狙っていたということか。
表面上装作不会出手,实际上却在伺机而动,是这个意思吧。
潔が凛に使おうと用意していた道具は、凛がありがたく使わせてもらうことにする。
洁原本准备用来对付凛的工具,凛决定心怀感激地借用一下。
まさにカモネギだ。 正是白头翁。
「決めたなら腹括れ」 「决定了就放手去做」
X
潔は尻の穴に指を突っ込まれながら、内心大いに慌てていた。
洁在被人插入肛门的同时,内心慌乱不已。
え、え、これ夢? 欸,欸,这是梦吗?
自分が彼氏だと思っていたのに、どういうことだ。 明明以为自己是他的男朋友,这到底是怎么回事。
甘えた凛の上目遣いにやられてつい頷いてしまったが、本当にこれはどういうことだ。
被撒娇的凛用上目线攻击,忍不住点了点头,但真的,这到底是怎么回事啊。
こっちが抱かれる? 这边被抱?
地味な自分が?美人の凛に? 平凡的自己?被美丽的凛?
「うぇぇぇっ、気持ち悪い、なんだこの感覚は」 「呜哇哇,好恶心,这是什么感觉啊」
「もう黙れ」 「给我闭嘴」
「っうー」 「呜——」
潔は仕方なく抗議をやめた。 洁无奈地放弃了抗议。
初めての行為は痛くて気持ちが悪いが、今中断して凛にもう二度とやるかと匙を投げられるのは嫌だった。
第一次的行为虽然疼痛且不适,但此刻中断,被凛问及是否还要再来一次,我可不想就此放弃。
「……ッ」 「……」
指が奥に入り込み、ビリッと鋭い痛みが走った。 手指深深探入,一阵锐利的刺痛猛然袭来。
潔は自分の腕を顔に押し付けて、ふーふーと痛みをやり過ごす。
洁将手臂贴在脸上,呼哧呼哧地忍着疼痛。
ついうっかり声が出そうになってしまった、危ない。凛に怒られる。
差点就忍不住出声了,好险。会被凛骂的。
冷や汗をかきつつ我慢していると、凛がまた文句をつけてきた。
一边冒着冷汗一边忍耐着,凛又来挑刺了。
「痛ぇときはちゃんと言え。わかんねぇだろうが」 「痛的时候就老实说出来。你肯定不知道吧」
「難しいな、おまえ……」 「真是难搞啊,你……」
「おい、顔も見せろ」 「喂,让我看看你的脸」
痛いのは申告しないといけないらしい。 似乎不报告疼痛是不行的。
みっともない顔を見せたくなかったのに、潔は凛に無理矢理腕を剥がされてしまった。
明明不想让她看到自己丢脸的样子,洁却被凛强行扯开了手臂。
「ゆっくりやるから」 「慢慢来吧」
ローションを足されてぬめりが増す。 润滑油被涂抹在脚上,黏腻感逐渐增加。
じわじわと広げられているせいか、だんだん負担が少なくなってきた。
或许是逐渐被扩展的缘故,负担渐渐减轻了。
最初よりも呼吸が楽だ。 比最初时呼吸更轻松了。
「あっ!?」 「啊!?」
潔はとっさに声をあげた。 洁下意识地叫出了声。
凛の指が何か、変な場所に当たった。 凛的手指碰到了什么奇怪的地方。
痛みよりも正体不明の感覚に、潔は怖くなって凛を見上げた。
比起疼痛,那种不明所以的感觉让洁感到害怕,他抬头看向凛。
凛はようやくといった様子で息をついていた。 凛终于像是松了一口气般地喘息着。
「ここか。前立腺だろ」 「就是这儿。前列腺吧」
「ぜんりつせん……」 「全律旋……」
そこに当たると気持ちいいらしい、ということは調べて知っていたが、実際やられると非常に恐ろしい場所だった。
据说打中那里会很舒服,虽然查过资料知道,但实际体验却是非常可怕的地方。
自分の身体にこんな器官が備わっていたなんて、知らなかった。
自己体内竟然有这样的器官,真是闻所未闻。
それを今、潔は凛に暴かれている。 此刻,洁被凛揭露了那个秘密。
「えっ?あっ、あっ、そこばっか、やばい…ってぇ……っ」
「诶?啊、啊、那里一直、不行……啊……」
前立腺を見つけた途端、凛の指は集中的にそこを狙って触り、押し、揉み込んだ。
凛的手指一找到前列腺,便集中火力,精准地触碰、按压、揉捏。
長い指で捏ねられると、自然と腰が浮いてしまう。 被那修长的手指揉捏,腰身不由自主地浮起。
「あっ、あっ、あっ」 「啊、啊、啊」
怖くて足がばたつく。 恐惧得双腿发颤。
凛は暴れる足を押さえつけた。 凛按住了躁动的双腿。
刺激を逃せなくなった潔は、パニックになりながら身体をくねらせるしかなかった。
无法逃避刺激的洁,只能一边陷入恐慌一边扭动身体。
「あっ、あーっ、やばい、そこやめて……っ!」 「啊、啊——不行、那里不要……!」
「気持ちいいんだろ、たってる」 「很舒服吧,硬着呢」
「えっ?」 「诶?」
凛に指摘されて、潔は初めて気づいた。 被凛指出后,洁才第一次注意到。
痛みと気持ち悪さに萎えていた潔のそこは、しっかりとたちあがって主張していた。
因疼痛和不适而萎靡不振的洁,那里却坚定地挺立着,主张着自己的存在。
触っていないのに、なぜ。 明明没有触碰,为何。
「たっててもちっせ……、これを俺に入れようとしてたわけ」
「就算你这么说……,你刚才想把这东西塞给我吧」
「な……!」 「什……!」
あっさりと潔のプライドを抉りつつ、凛はアナルに指を入れたまま、もう片方の手で立ち上がって震える性器を包み込んだ。
凛毫不留情地刺痛了洁的自尊,一边将手指插入他的肛门,一边用另一只手包裹住他颤抖的性器,站起身来。
親指が先端を擦ると、電気が走ったように腰が痺れる。
拇指摩擦尖端,仿佛电流窜过,腰部一阵酥麻。
「ふぁっ」 「啊哈」
鼻から抜けるように甘い声がもれて、潔は慌てて口を押さえた。
甜美的声音从鼻腔中溢出,洁慌忙捂住了嘴。
「おさえんな」 「别忍着」
「うっ、でも、っぁ、声でちゃうぅ……」 「呜、但是、啊、会发出声音的……」
「出しゃいーだろ」 「发出声音才好啊」
凛を抱くつもりが、潔はすっかり女の子のように喘いでいた。
本想抱住凛,洁却完全像女孩子一样喘息着。
「やめ、ちんこやめて、強いぃ」 「住手,别弄了,太强了」
凛の力加減では刺激が強すぎたのか、潔は恐怖と痛みを訴える。
或许是凛的力度过于强烈,洁诉说着恐惧与疼痛。
凛よりずっと幼げなピンクの性器は、強い刺激に慣れていなかった。
比起凛,那粉嫩的性器显得更为稚嫩,对强烈的刺激尚未适应。
凛があっさり手を引いたので、潔はこの隙にと思ってはふはふと息を整えようとする。
凛轻易地松开了手,洁趁机想着,呼哧呼哧地调整呼吸。
完全に主導権を奪われてしまい、悔しかった。 完全被夺走了主导权,真是懊悔不已。
「あっ、またそこぉ……!」 「啊,又来了……!」
「どこ触っても文句言いやがる」 「哪里碰都不满意」
突っ込まれた指で、くぱぁと穴を広げられる。 被戳进来的手指,强行撑开了洞口。
凛の指が中でピースサインをして広げると、空気が入ってごぷっと音が鳴った。
凛的手指在里面比出 V 字形撑开时,空气进入发出咕噗的声音。
あまりにいたたまれなくて、潔が顔を隠すとまた凛に怒られた。
太过分了,洁刚想遮住脸,又被凛骂了。
どれだけ辱めれば気が済むんだと、潔は恥ずかしくて腹が立った。
要羞辱到什么程度你才满意,洁感到羞耻又愤怒。
それでも凛はどこ吹く風だ。 即便如此,凛依旧是随风飘摇的存在。
「だいぶ緩くなったな」 「已经放松很多了」
凛と潔の頑張りによって柔らかく慣らされたそこは、呼吸をするようにきゅうきゅうと蠢いている。
在凛和洁的努力下,那里变得柔软而顺从,仿佛在呼吸般紧紧地蠕动着。
凛は無意識にごくりと唾を飲んだ。 凛无意识地咽了口唾沫。
「………?」
凛の手が引いたので、潔は不思議に思って凛を見上げる。
凛的手突然一拉,洁疑惑地抬头看向凛。
凛は手早くベルトを抜き去り、下着をずらしていた。 凛迅速地解开腰带,拉下了内裤。
「ひっ」 「咿」
凛がゴムをつける様子を見て、潔はさっと青くなった。
看到凛戴上橡胶手套的样子,洁的脸色瞬间变得苍白。
凛は体格がいいからそれなりにあるのだろうとは予想していたが、勃起した凛のそれは凶悪なほどの大きさだ。
凛的体格好,所以预想中应该不小,但勃起的凛的那玩意儿大得凶恶。
潔の子どもっぽいそれとは違い、血管が浮き出たそれは赤黒いモンスターのように思える。
与洁那孩子气的模样截然不同,青筋暴起的它宛如一只赤黑色的怪物。
まだ触ってもいないのに、凛の陰茎は腹筋につきそうなほど反り返っていた。
还没触碰,凛的阴茎就已经勃起到几乎要顶到腹肌的程度。
これが、年下? 这是,年下?
「な、なぁ、りん、それはさすがに入んねぇって……!」
「那、那个,凛,那个实在是进不去啊……!」
「いれる」 「能进去」
慌てて起きあがろうとする潔を押さえ脚を開かせた凛は、たちあがったそれを潔のアナルに押し付けた。
慌忙想要起身的洁被凛按住双腿分开,凛将那挺立之物直抵洁的肛门。
ひくひくと戦慄く穴に、ぴっとりと切先が添えられる。
微微颤抖的洞穴中,刀尖紧紧贴合。
「や、こわ、あぐ……っ」 「呀,好可怕,啊咕……」
硬い先端が入り込み、潔の穴はこじ開けられていく。 坚硬的尖端侵入,洁的穴被强行撑开。
ぬめったそこは異物を排除しようと蠢いて、凛の性器にしゃぶりついた。
那滑腻的部位蠕动着试图排斥异物,却反而紧紧吸吮着凛的性器。
「っ」 「唔」
凛は眉をひそめ、声を押し殺した。 凛皱起眉头,压低了声音。
凛の汗がぽたりと潔の腹に落ちる。 凛的汗水滴落在洁的腹部。
潔はそれにさえ感じてしまった。 洁甚至感受到了那滴汗水。
腹が震える。 腹部在颤抖。
太い場所を埋め込むと、凛はふぅと息をついた。 凛深深地叹了口气,仿佛要将心中的沉重一并吐出。
「ぁ、あぁ……っ!」 「啊、啊……!」
潔は初めての感覚に翻弄され、涙を流している。 洁初次体验到这种感觉,被弄得泪流满面。
苦しそうに息を乱す潔に、ぞくぞくとしたものが凛の背中を流れた。
洁痛苦地喘息着,一股战栗感流过凛的脊背。
逃げようと動く潔の腰を離さず、凛はもっと奥へと腰を進める。
凛不放开试图逃跑的洁的腰,反而更进一步将腰身推进深处。
「あ、りん、深、ふかいぃ…っ」 「啊,凛,深,好深…」
「まだだ」 「还没完呢」
たっぷりと慣らされたそこは、潔の意思に反して凛の剛直をずぶずぶと飲み込んでいく。
被充分开拓的那处,违背了洁的意愿,深深地吞噬着凛的刚直。
「あっ、あっ、そこっ、」 「啊、啊、那里、」
前立腺を突かれ、潔は途端に跳ね上がった。 前列腺被触碰,洁瞬间弹跳起来。
指とは比べ物にならない質量が、自分の中に収まっている。
那股质量远超指尖的力量,正深藏于我体内。
凛が動けば嫌でも前立腺に当たってしまい、その刺激に潔は頭を振った。
凛一动,前列腺就不可避免地被触碰到,这种刺激让洁不禁摇头。
シーツに黒髪が擦れるだけで、凛に貫かれた潔は逃げられない。
仅仅是黑发在床单上摩擦,被凛贯穿的洁就无处可逃。
「あっあっ、りん……っ」 「啊、啊、凛……」
泣きながら潔は凛を見上げる。 泪水盈眶,洁仰望着凛。
自分に跨って腰を振る男の瞳には、捕食者のような獰猛な光が宿っていた。
跨坐在自己身上、扭动腰肢的男人的眼中,闪烁着捕食者般的凶猛光芒。
「あ、あぁっ、も、いきた、りん、前触って……っ」 「啊、啊啊、不、不要、阿麟、别碰前面……」
後ろの刺激だけでは達することが出来なくて、潔は凛にねだった。
仅靠身后的刺激无法达到顶峰,洁向凛央求道。
「くそ……っ」 「可恶……」
凛が潔の性器を扱くと、とぷとぷと先走りが凛の手を汚した。
凛一摆弄洁的性器,先走液便咕嘟咕嘟地弄脏了凛的手。
手加減ができない。 无法手下留情。
「うぁぁ…っ」 「呜啊…」
潔が甘く苦しげな声で身悶える。 洁以甜美而略带苦涩的声音呻吟着。
潔は前も後ろもぐちゃぐちゃで、涙と涎にまみれ、ひどい有様だ。
洁浑身狼狈,前后皆是一片凌乱,泪水与口水交织,模样惨不忍睹。
凛は腰を振り息を乱しながら、笑みを浮かべた。 凛扭动着腰肢,气息紊乱,脸上却浮现出笑容。
潔の快感は凛の興奮に直結する。 洁的快感直接激发了凛的兴奋。
凛は捕食者のごとく舌舐めずりをして、潔を更に追い込んだ。
凛如捕食者般舔舐着,进一步逼迫洁。
「く、ふぅ……っ」 「呼、呼……」
手のひらの中でびくびくと震えているそれに、潔の限界が近いことを知る。
洁的手掌中,那颤抖不已的存在,让他意识到自己的极限已近。
凛はその隙を逃さず、限界を迎えた潔の根本をぎゅっと握り込んだ。
凛毫不放过这个机会,紧紧握住了即将达到极限的洁的根本。
「あぅっ!?」 「啊!?」
無理矢理堰き止められて、射精感を押し込められた潔は、苦しそうに声をあげた。
被强行阻止,压抑着射精感的洁,痛苦地发出了声音。
イキそうだったのに、ひどい。 明明快要高潮了,真是过分。
悔しそうに睨む潔に、凛は言った。 凛悔恨地瞪着洁,说道。
「もう二度と俺に突っ込もうなんて、アホなこと考えんなよ」
「别再想着对我出手了,真是蠢透了。」
「え……?あぅっ」 「诶……?啊呜……」
根本を握ったまま優しく先端を引っ掻くと、潔は眉を寄せて涙を溢した。
握住根部,温柔地轻挠尖端,洁皱起眉头,泪水盈眶。
くんくんとしゃくりあげる様子は、虐められた子犬のようだ。
他抽泣的样子,就像一只被欺负的小狗。
「ひっ、んっ」 「呜、嗯」
そのまま先っぽをぐりぐりと押すと、潔はきゅうと喉を鳴らして身を捩った。
就这样用力按住他的尾巴尖,洁发出一声急促的喉音,身体扭动起来。
「や、いきたいぃ……っ」 「呀,想去啊……」
「じゃあ約束しろ」 「那就约定好了」
潔にはもう判断能力なんてほとんど残っていなかった。
洁已经几乎没有判断能力了。
イキたいのに凛がイかせてくれなくて、タマが迫り上がっては落ちて、苦しくて涙が出る。
想高潮却凛不让我如愿,蛋蛋涨得难受又落下,痛苦得眼泪都出来了。
「わ、…わかった、から…っ」 「我、我明白了,所以…」
「何がわかったんだ」 「你明白了什么?」
「ふぅぅっ」 「呼——」
堰き止めながらも、凛は腰を揺すってくる。 尽管被阻挡,凛还是扭动着腰肢。
快感を逃す場所がなくて、目の前がチカチカと瞬く。 快感无处可逃,眼前闪烁着刺眼的光芒。
考えられない。 难以置信。
「も、凛を抱くっ、言わ、ない……っ」 「不、不会抱凛的,别、别说……」
潔が声を振り絞る。 洁竭力喊出声。
「そうだよな?」 「是吧?」
それでも満点の正解ではないらしく、凛の手は緩まない。
尽管如此,这答案似乎仍未达到满分,凛的手并未松开。
「ケツにちんこ突っ込まれて、アンアン泣いてるメスなのはお前だろ?」
「被插着鸡巴哭唧唧的母狗不就是你吗?」
「ぅっ、そ、そうですっ」 「呃、是、是的」
最初は全くそんな気配がなかったのに、凛に突っ込まれてからの潔はぐちゃぐちゃに乱れ狂っている。
最初完全没有那种迹象,但被凛一挑衅,洁就彻底乱了方寸,狂乱不已。
初めてなのにこんなに感じてしまうなんて、最初から自分はこっちだったのだと錯覚してしまうほど。
明明是第一次,却感觉如此强烈,仿佛从一开始自己就属于这里,产生了错觉。
「りん、りん、俺のこと抱いて、俺だけ、ずっと」 「凛,凛,抱紧我,只抱我,一直」
「クソッ、当たり前だろうが……!」 「可恶,这不是理所当然的吗……!」
「ふっ、うぁぁ……っ」 「呼、呃啊……」
凛が手を放し、後ろを突かれた潔がイッた。 凛松开手,被顶到背后的洁射了。
その瞬間後ろが収縮して、締め付けられた凛は奥に打ち込むと、そのまま射精した。
那一瞬间,后背紧缩,凛被深深贯穿,随即射精了。
ゴム越しに温かいものを感じ、潔はクラクラして目を閉じる。
隔着橡胶手套感受到的温暖,让洁头晕目眩地闭上了眼睛。
凛がきつく潔を抱きしめると、潔の手がそろそろと凛の背中に回された。
凛紧紧抱住洁时,洁的手也缓缓环上了凛的背。
それが、ふたりの初めてのセックスだった。 那是两人的初次性爱。
X
翌朝、まだしばらく立てないと言った潔は、昼頃になってようやく起き上がった。
次日清晨,洁还说着暂时起不来,直到中午时分才终于起身。
その目元が赤くなっていて、凛はなんとなくばつが悪くなる。
眼眶泛红,凛不由得感到一阵尴尬。
「あ、自分で持てるよ!」 「啊,我自己能拿的!」
凛に荷物を引ったくられ、潔は慌てて手を伸ばす。 凛抢走了行李,洁慌忙伸手去夺。
しかし凛は潔のバッグを奪ったまま歩き出した。 但凛夺过洁的包后,径自走了。
潔がついてこられるよう、いつもより少しだけペースを落として。
为了让洁能跟上,稍微放慢了一点速度。
「うるせぇ、ひょこひょこ歩いてるくせに」 「吵死了,明明自己还一蹦一跳的。」
「だってまだ入ってるような違和感が…いでっ」 「可是那种违和感还没消失…哎呀。」
凛に小突かれて、潔がよろめいた。 被凛轻轻一戳,洁踉跄了一下。
サッカーとセックスでは、使う筋肉が全然違うらしい。
足球和性爱,似乎使用的肌肉完全不同。
体力はそれなりにあると自負していた潔だったが、最後は意識が朦朧としてしまった。
洁虽然自信有一定的体力,但最终还是意识模糊了。
もっと走り込みをしよう、筋トレをしよう、と潔は決意を固め、凛の隣を歩いた。
再多跑跑步吧,多做些力量训练吧,洁坚定了决心,走在凛的身旁。
「さすがにここからは迷わねぇよな?」 「从这里开始应该不会迷路了吧?」
鎌倉駅まで送ってもらい、潔は別れ際にようやく荷物を返してもらえた。
在镰仓站被送行时,洁终于得以拿回了自己的行李。
「帰れるよ!何回も来てるんだし」 「能回去的!都来过好多次了」
本人の言う通り、潔は何度も鎌倉に通っている。 正如我所说,洁多次前往镰仓。
凛に会うために。 为了见凛。
「あーあ、あっという間だったなぁ。それじゃあ凛、またね」
「啊啊,真是转瞬即逝啊。那么凛,再见啦」
潔は軽く手をあげて、改札口に向かおうと歩き出す。 洁轻轻举起手,朝检票口走去。
その背中に向かって、凛が言った。 凛对着那背影说道。
「次は俺が埼玉に行く」 「下次轮到我去埼玉了」
その声に、潔は立ち止まって振り返った。 听到那声音,洁停下脚步,回头望去。
その目は驚きに瞬いている。 那双眼睛因惊讶而闪烁。
「凛が?来てくれんの?」 「凛?会来吗?」
「どうせ海もねぇクソ田舎だろうけど、俺が行ってやってもいい」
「反正也是个没有海的烂乡下吧,我去一趟也无妨」
「もー、いちいち偉そうな奴だなぁ」 「真是的,每次都这么自大」
潔はどれだけ凛が尊大な態度をとろうと怒らない。 洁对凛的高傲态度毫不动怒。
出来の悪い弟を見守るような柔らかい視線に、凛は顔をそらした。
凛避开了那道宛如注视着不成器弟弟般的温柔目光。
潔はどんな気持ちで、電車に乗って鎌倉までやって来たのだろう。何度も。
洁是以怎样的心情,一次次乘上电车来到镰仓的呢。
凛の好きなものにアンテナを張って、慣れない場所で、苦手なくせに地図と睨めっこして歩き、凛を楽しませようとして。
为凛喜欢的东西张开天线,在不熟悉的地方,明明不擅长却对着地图瞪眼走路,试图让凛开心。
挙句、本意じゃなかったのに凛に抱かれてくれた。 结果,虽然不是本意,却被凛抱住了。
いつも潔が譲りっぱなしで、凛はその優しさをもらってばかりだ。
总是洁在让步,凛一直在接受他的温柔。
他の奴にそれを譲ろうなんて微塵も思わないけれど、潔に歩み寄ることなら必要だとも思うし、凛自身がそうしたいと思った。
虽然从未想过要把这份感情让给别人,但凛也觉得有必要向洁靠近,他自己也想这么做。
「埼玉じゃなくてもいい。お前の好きな場所に連れてってやるし、やりたいことに付き合ってやる。仕方ないから俺が調べてやってもいい」
「不一定要去埼玉。我可以带你去你喜欢的地方,陪你做你想做的事。没办法,我也可以帮你查清楚。」
凛の意図を汲み取った潔は、うれしそうにくしゃりと笑って。
察觉到凛意图的洁,开心地扑哧一笑。
揶揄うように、いたずらっぽく言葉を返した。 揶揄般地,带着几分调皮地回话。
「なんだよ凛、彼氏気取り?」 「什么啊凛,你这是在装男朋友吗?」
気取りじゃない。 不是装模作样。
正真正銘彼氏なんだよ。 真真正正的男朋友啊。
【終】 【终】