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成人男性による真夜中の悪事(塩味)/夢路に誘う手になりて/星枕的小说

成人男性による真夜中の悪事(塩味)/夢路に誘う手になりて

5,799字11分钟

ツイッターに投稿した2作です。
①『成人男性による真夜中の悪事(塩味)』
 未来捏造。同棲しているrnisがちょっと悪いこと(平和)をする話です。
未来捏造。同居中的 rmis 做了点坏事(和平)的故事。

②『夢路に誘う手になりて』 ②『梦路に诱う手になりて』
 rnisワンドロ&ワンライ様(@rnis _1dw)提供のお題「甘やかす」をお借りしました。
借用了 rmis_1dw 提供的主题“宠溺”。

 ↓20戦前のある夜のお話です。 20 场比赛前的一个夜晚的故事。

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テディベアシリーズがなかなか更新できずに申し訳ございません。絶賛執筆中です。
非常抱歉,泰迪熊系列一直未能更新。正在全力写作中。

箸休めに楽しんでいただければ幸いです。 若能作为休息时的消遣享受,我将感到非常荣幸。

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【夢路へ誘う手になりて】 【成为引领你进入梦境的手】
※rnisワンドロ &ワンライ様提供お題『甘やかす』をお借りしています。
※感谢 rnisワンドロ &ワンライ提供的主题“宠爱”。

↓20戦前のある夜のお話です。 以下是 20 场战斗前某个夜晚的故事。

 眠れない夜、というものが誰にでもあると知ったのはこの監獄に来てからだ。昼間は陽気でお調子者な奴が、夢が潰えてしまうかもしれない夜より深い闇に飲み込まれそうになったり、未熟が悔しくて今日が終わることを許せなかったり。理由は様々だが、そういう夜は一様にじっとりと湿って不快で、そして苦しくて心細いのだ。
知道每个人都有难以入眠的夜晚,是从我来到这座监狱之后。白天开朗活泼的家伙,在梦想可能破灭的深夜,仿佛要被更深的黑暗吞噬,或者因为自己的不成熟而悔恨,无法接受今天的结束。理由各不相同,但那样的夜晚总是湿漉漉的、令人不快,而且痛苦、孤独。

 潔も幾度も経験がある。そのたびに蜂楽や千切、國神たち仲間に叱咤激励され乗り越えてきた。
洁也有过多次这样的经历。每次都是靠着蜂乐、千切、国神等伙伴们的斥责和鼓励才得以克服。

 周囲に恵まれている、潔は自覚していた。世界一になるのはひとりだけなのに、他人の足を引っ張ろうとする者は殆どおらず、むしろ並走することで高みを目指し合える、ありがたい関係を築けていた。
洁深知自己周围环境的优越。尽管成为世界第一的人只有一个,但几乎没有人试图拖后腿,反而通过并肩前行,共同追求更高目标,建立了一种珍贵的关系。

 潔は他人の存在に救われてきた――でも、ひとつ年下のエゴイストは、どうだろうか。
洁一直被他人的存在所拯救——但是,比他小一岁的自我主义者,又会如何呢?

 隣のベッドで辛そうに寝返りを繰り返す気配に、潔は悩んでいた。
隔壁床铺传来阵阵痛苦翻身的动静,这让洁感到十分苦恼。

 監獄におけるNo. 1プレイヤー、凛。誰よりも高い技術力と克己心と自尊心を持つ、最年少。普段から自主的に瞑想を取り入れ、潔よりよほどメンタルコントロールに長けているように思えた。けれど冷徹な見た目に反し、その巨躯に納めきれない激情の一端を、潔は先日トレーニングルームで垣間見た。実兄に対する複雑な事情――その中身は知らないが、兄の名前を口にした凛が、潔の目には酷く脆そうに映った。
监狱中的 No. 1 玩家,凛。拥有比任何人都高的技术力、克己心和自尊心,是最年轻的。平时就自主地引入冥想,似乎在心理控制方面比洁要擅长得多。然而,与冷酷的外表相反,洁在前几天的训练室里窥见了凛那巨大身躯无法完全容纳的激情的一角。对兄长的复杂情感——虽然不知道具体内容,但凛提到兄长的名字时,在洁的眼中显得异常脆弱。

 ……だから、なんか、放っておけないんだよなぁ。 ……所以,总觉得不能置之不理啊。
 潔はなるべく物音を立てぬよう注意を払い、寝台か 洁尽量注意不发出声音,从床上
ら抜け出した。そして潔の気配を探っているらしく、寝返りを止めた凛の元へそっと近づく。
她悄悄地溜了出来。然后似乎在寻找洁的气息,轻轻地靠近停止翻身的小凛。

「……眠れないのか」 “……睡不着吗?”
 ベッドの横に腰を下ろした潔の囁きに、無理矢理閉ざしていたのであろう凛の瞼が不服そうに開かれる。案の定、現れた凛の双眸は機嫌が悪そうだ。そして同時に、入眠できない困惑に瞳が揺らいでいた。平生の鋭い目と比べ、随分と幼い印象を覚えた。
洁坐在床边轻声细语,强行闭上的凛的眼睑不情愿地张开。果然,出现的凛的双眸显得很不高兴。同时,因无法入睡的困惑,她的眼神也摇摆不定。与平时的锐利目光相比,给人一种相当稚嫩的印象。

「……」 “……”
 凛は、言葉では答えない。けれど、無視もしない。じっと潔を見つめ、こちらがなにをしてくるのか、様子を伺っている。その姿が人慣れしていない野生動物を彷彿とさせ、潔は笑いそうになってしまった。他の三人を起こさぬよう、なにより眼前の末っ子が拗ねさせないために内頬を噛み、痛みで笑声を殺す。
凛没有用言语回答,但也没有忽视。她静静地凝视着洁,观察着对方会做出什么举动。她的姿态让人联想到不习惯人类的野生动物,洁差点笑出声来。为了不吵醒其他三人,更重要的是不让眼前的幺女生气,洁咬住内颊,用疼痛抑制笑声。

「眠気はある?」 「困吗?」
「……」凛の顎が僅かに引かれる。 凛的下巴微微后缩。
 ……さて、どうしたものか。 ……那么,该怎么办才好呢。
 潔は思考を巡らせる。ここには入眠を促す音楽を奏でてくれる機械もなければ、暗澹を慰める娯楽もない。
洁在思考。这里既没有能奏出助眠音乐的机器,也没有能慰藉阴郁的娱乐。

 潔は記憶を巡る。幼い頃、眠れなくてぐずる自分を母はどのように夢の中へ誘ってくれたのか――気分が落ち着くようホットミルクを作って、手を繋いでくれた。または、穏やかに語りかけ、心細さごとぎゅっと抱きしめてもらったこともあったっけ――想起しながら、再現性の難しさに潔は頭を抱えたくなった。とにかく、ここには"物"がないのだ。
洁在回忆。小时候,睡不着而闹脾气的自己,母亲是如何将自己引入梦乡的呢——为了让自己心情平静,她做了热牛奶,牵着自己的手。又或者,她温柔地说话,紧紧地拥抱自己,让自己不再感到孤单——在回忆的同时,洁感到再现这些情景的困难,几乎想要抱头沉思。总之,这里没有“实物”。

 ……あ、そうだ。アレがあるな。 ……啊,对了。还有那个呢。
 ふとあることを思い出した潔は一度凛から離れ、部屋に備え付けられた給水機へ向かう。そして備品のカップに"アレ"を加え、お湯を注いだ。
洁突然想起某事,便暂时离开凛,走向房间内备有的饮水机。他在备品杯中加入"那个",然后注入热水。

 背後に、凛が身を起こした気配を覚える。ここに存在するはずがない、甘い香りが鼻腔をくすぐったせいだろう。驚きの吐息が漏れている。
背后,我感觉到凛似乎坐起身来。或许是因为那本不该存在于这里的甜美香气刺激了我的鼻腔,我不禁泄露出惊讶的叹息。

 忍び足で戻った潔は、甘い湯気が揺蕩うカップを差し出す。
悄悄返回的洁递出了冒着热气的杯子。

「……ほら、熱いから気をつけて飲めよ」 “……你看,很烫的,小心喝啊。”
「……なんで」 “……为什么”
 凛は受け取ったものの、喫驚に混乱しているのかすぐに口へ含まなかった。
凛虽然接过了,但似乎因为惊讶而感到困惑,没有立即放入口中。

 そんな凛に、潔は己の唇に人差し指を当てた。真夜中の内緒話。
洁将食指放在自己的唇上,示意凛保持安静。这是深夜的悄悄话。

「この前、帝襟さんの手伝いをしたときに、こっそり貰ったんだ」
“之前帮帝襟同学忙的时候,偷偷拿到的。”

 潔が作ったのは、粉末のミルクココアだ。先日、アンリが大荷物を抱えていたところに遭遇したため手伝いを買って出たところ、謝礼に忍ばせてくれたのである。
洁制作的是粉末的牛奶可可。前几天,因为遇到了抱着大包裹的安利,所以主动帮忙,作为感谢,他偷偷地给了我一些作为回报。

 本当はとっておきの時に飲もうとひっそり保管していたのだが、これは今、凛に必要だろう。……ちょっと、否、かなり惜しいが。
其实这是我想留到特别时刻再喝的,悄悄地保存着,但现在看来,凛可能需要它。……虽然有点,不,是相当舍不得。

 しかし年嵩の矜持でそんな心境を見透かされぬようニッコリと笑みを深め、潔は凛を急かす――決して、甘い匂いに決心が揺らぎそうになるからではない。
然而,为了不被年长的自尊看穿这种心境,他加深了微笑,催促洁快些行动——绝不是因为甜美的气息让决心动摇。

「ほら、他の奴らが気づかない内にさっさと飲んじゃえ」
“瞧,趁其他人没发现,赶紧喝掉。”

「……お前は」 “……你”
 再び促すが、凛はなぜか逡巡したふうにカップと潔を見比べている。その視線に、潔は心底驚いた。凛の辞書に"遠慮"という言葉が載っているとは――!
再次催促,凛却不知为何犹豫不决地比较着杯子和洁。看到她的视线,洁打心底里感到惊讶。凛的字典里竟然有“客气”这个词——!

「ん? ああ、俺はいいよ。お腹いっぱいだし」 “嗯?啊,我没事,已经吃饱了。”
「……わりぃ」 “……对不起”
「凛、お前……! 感謝って言葉知ってたのか……っ」
“凛,你……!你知道‘感谢’这个词吗……!”

「殺すぞ」 “我要杀了你”
「ははは」 哈哈哈
 半ば本気で感心した潔へ、凛の鋭い眼光が刺さる。瞳に戻りつつある普段の力強さに、潔は安堵した。
半认真地佩服的洁,凛的锐利目光刺了过来。眼睛里逐渐恢复了平时的坚强,洁感到安心。

 潔は凛のベッドに腰を下ろし、頭をポンポンと撫でる。口も態度も滅法悪いが、心根は善い奴なのだろう。なんだかんだ英語の勉強を見てくれるし、食い下がれば一緒に練習やクールダウンもさせてくれる。良い子の頭は撫でてやるに然るべき、だ。
洁坐在凛的床上,轻轻地拍着她的头。虽然他说话和态度都很恶劣,但内心应该是善良的。不管怎样,他会帮忙辅导英语,如果坚持不懈,还会一起练习和放松。抚摸好孩子的头是应该的。

 頭をなぞる手に凛は肩を跳ねさせた。けれど、潔を振り払わずに身を任せ、ココアを啜っている。まだ、完全には心を建て直せていないらしい。
凛在抚摸她头的手下耸了耸肩。然而,她没有推开洁,任由他摆布,啜饮着可可。看来,她的心还没有完全重建起来。

「……通学路に、よく散歩してる野良猫がいるんだけど」
“……上学路上,经常有一只野猫在散步。”

「……あ?」 “……啊?”
 潔の唐突な話題に、凛が首を傾げた。 洁突然提出的话题,让凛歪了歪头。
「野良だけど毛並みが良くて、きっと通りすがりの人たちに可愛がられてるんだな」
“虽然是流浪猫,但毛色很好,肯定被路过的行人喜爱着呢。”

「……で?」 “……然后呢?”
「いや、元気にしてるかなって思ってさ」 “哎,我在想你是不是过得挺好的。”
「……」 “……”
「……」 “……”
 潔は悟った。世間話に失敗したことに。 洁明白了。他在闲聊中失败了。
 毛並みが良い野良猫――口には出さなかったが仏頂面と濡れたような黒毛が眼前の男とちょっと似ていたから、思い出してしまったので……。はい、自分と猫を重ねられたことに気がついていますね。悪気はなかったからそう睨まないでくれ。
毛色很好的野猫——虽然没有说出口,但那张佛顶面和湿漉漉的黑毛与眼前的男子有些相似,所以不禁想起来了……是的,我意识到自己被比作猫了。我没有恶意,请不要那样瞪我。

 潔は気まずくなり、凛から視線を逸らした。ついでに、撫でていた手も戻す。
洁感到尴尬,移开了从凛身上投来的视线。顺便也将抚摸的手收了回来。

「……」 “……”
「……」 “……”
 ココアに免じて、視線を緩めてくれないだろうか。潔はそう切実に願った。それほど不服だったのか。謝るから、そんな射殺さんばかりに睨めつけないでほしい。
请允许我因为可可而放松一下视线吧。洁真心地这样祈求着。他是有多么不满啊。我会道歉的,所以请不要一直用那种要射杀人的眼神瞪着我。

 痛い沈黙に潔が息を潜めていると、凛がココアを一気に呷りだした。
在痛苦的沉默中,洁屏住了呼吸,而凛则一口气喝起了可可。

「……ねみぃ」 “……好累啊”
 ――今がチャンスだ! この流れに乗れ! ——现在正是机会!乘上这股势头!
「お、いい感じに暖まったみたいだな! 寝ろ寝ろ。カップは片しておくからさ」
“哦,看起来暖和多了!快睡吧,快睡吧。杯子我来收拾。”

 空になったカップを強奪しようとした潔の手を、凛は何故か掴んで制した。そしてサイドテーブルにカップを置くと、シーツに身を沈め――捕まえた潔の手を、自らの頭へ導き、押し付ける。
凛不知为何抓住了试图抢夺空杯的洁的手,将其制住。随后,她将杯子放在边桌上,身体沉入床单中——引导并按住被抓住的洁的手,将其压向自己的头部。

「り、凛さん……?」 “凛,是凛吗……?”
 突然の挙動に、潔は大量の疑問符を頭上に浮かべた。当惑する潔を不本意そうに……本当に不本意そうに、凛は枕元から睨み上げた。
突然的举动让洁的头顶浮现出大量问号。困惑的洁不情愿地……真的不情愿地,凛从枕边抬头瞪视着他。

「……もう寝る」 “……已经睡了”
「お、おう」 “哦,哦。”
「……」 “……”
「……」 “……”
「…………え、寝るまで撫でてほしいってこと?」 “……诶,你是说希望我陪你到睡着吗?”
「……」 “……”
 いつまでも解放されない手に、潔はある推論を提示する。すると答えは沈黙――つまり、否定ではない。
在永远无法解脱的手中,洁提出了一个推理。于是答案是沉默——也就是说,并非否定。

 おずおずと黒髪を撫で始める。潔が自分の要望に応えたことに満足したのか、凛は掴んでいた手を緩め、するりと額を寄せてきた。それこそ、猫のように。
小心翼翼地开始抚摸着黑发。洁满足于回应了自己的要求,凛松开了紧握的手,轻轻地将额头靠了过来。那模样,简直像只猫一样。

 ……なんてやつだ。なんて可愛いやつなんだ、この男……! 
……这家伙真是的。多么可爱啊,这个男人……!

 無言の甘えに、潔の左胸のカンパネラが騒ぎ出す。夜中じゃなければ叫んでいただろう。なけなしの理性が働いてくれて助かった。こいつは、プロの甘えん坊だったのか。知らなかった。
无言的撒娇让洁的左胸坎帕内拉开始骚动。如果不是深夜,他可能会大叫出来。幸亏仅存的理性起了作用,真是帮了大忙。这家伙,难道是个专业的撒娇鬼吗?我之前竟然不知道。

 潔はリクエストに応えるため、全世界の優しさを手のひらに集め、凛の髪に編み込む。
洁为了回应请求,将全世界的温柔汇聚于掌心,编织进凛的发丝中。

 しばらくすると、凛の寝息が耳に届いた。寝台に横たわる四肢に緊張はなく、穏やかに夢の旅路へ導かれたようだ。
过了一会儿,凛的呼吸声传到了耳边。躺在床上的四肢没有紧张,仿佛平静地被引向了梦的旅途。

 それでも、暫し。潔は凛を撫で続けた。冬の夜は長く、痛い。だからもう少しの間だけ、守り人を務めさせてほしい。
尽管如此,暂且。洁继续抚摸着凛。冬夜漫长且痛苦。所以只希望再让我担任一会儿守护者的角色。

 おそらく翌朝には普段通り、傍若無人で可愛くない後輩に戻っているだろうから。抱えている闇の深さと重さを、潔は知らない。だから今夜だけ、あとちょっとだけ、甘えさせて、甘やかしてやりたかったのだ。
恐怕到了第二天早上,她又会变回平时那样旁若无人、不可爱的后辈吧。潔并不知道她所背负的黑暗有多深多重。所以今晚,只想再让她撒撒娇,再宠她一会儿。

 


评论

  • ぐらららら

    ぐおおおおおこの凛潔好きです

    2023年7月11日回信
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  • 藻助
    2023年5月7日回信
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  • 佳芝
    2023年5月6日回信
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