
エピローグ 尾声
「大丈夫だって、ゲッコウガ。自分で巻ける!」 "“没问题的,甲贺忍蛙!我自己能包扎好!”"
清潔な白に覆われた空間で、サトシは声を荒げた。 在洁白无瑕的空间里,小智提高了嗓门。
顔を真っ赤にしながらゲッコウガの手から包帯を奪い取る。
他涨红着脸从甲贺忍蛙手中夺过绷带。
「コウ……」 "「甲贺……」"
「お前だって怪我してるんだから無理するなって」 "「你自己也受伤了就别逞强啊」"
ポケモンセンターで傷を癒したといえ、ゲッコウガも重傷だったのだ。「安静にしてくださいね」とジョーイさんからは口を酸っぱくして言われている。
虽说在宝可梦中心治愈了伤势,但甲贺忍蛙也受了重伤。\"请好好静养\",乔伊小姐再三叮嘱道。
「コウガ」 "“甲贺”"
「だから大人しくしてろって。オレだって包帯くらい巻けるよ。お前よりずっと旅してるんだからな。経験値が違うんだ」
"\"所以给我老实待着。我好歹也会包扎绷带。毕竟我旅行的时间可比你长多了。经验值不一样啊\""
不満げな声を漏らすゲッコウガを無視して、サトシは包帯を広げる。広げて、考える。
无视甲贺忍蛙不满的嘟囔声,小智摊开绷带。摊开,思考。
「背中にどうやって巻けばいいんだ?」 "「背上的伤要怎么包扎才好?」"
「コーガ!」 "「呱嘎!」"
だから言ったではないかと、今度はゲッコウガがサトシの手から包帯をひったくる。
所以我不是说过了吗——这次甲贺忍蛙直接从智手里抢过了绷带。
「あ……ちょっと待てよ」 "「啊……等等啦」"
慌てて取り戻そうと腕を伸ばすが、ゲッコウガは知らぬ顔で包帯を後ろに隠す。
慌忙伸手想夺回来,可甲贺忍蛙却若无其事地把绷带藏到身后。
「ゲッコウガ!」 “甲贺忍蛙!”
「やあ、君たち。病室では静かにしないと駄目だろ」 "“喂,你们。病房里要保持安静啊。”"
「プラターヌ博士」 "“布拉塔诺博士”"
「久しぶりだね。サトシ君。怪我の方は?」 "「好久不见啊,小智。伤势怎么样了?」"
「はい、もうばっちり……痛い、痛いってゲッコウガ」
"「嗯,已经没事了……疼疼疼,呱呱泡蛙说」"
プラターヌは二人を見て笑う。 布拉塔诺博士看着两人笑了起来。
「巻かせてあげればいいじゃないか。背中は流石に僕も自分では巻けないな」
"「让我帮你包扎不就好了。后背的伤你自己也够不着吧」"
そう言われてしまえば、従うしかない。ガーゼと塗り薬をゲッコウガの手に渡すと、サトシは後ろを向く。ゲッコウガが喜びの声を上げた。妙に人間臭いなと思いながらも、その仕草がおかしくてプラターヌは吹き出した。
既然被这么说了,也只能照做。小智将纱布和药膏递给呱头蛙后便转过身去。呱头蛙发出欢快的叫声。虽然觉得它意外地有人情味,但这副模样实在滑稽,布拉塔诺博士忍不住笑出了声。
「プラターヌ博士?」 "「布拉塔诺博士?」"
「いや、何でもないよ。そうだサトシ君。実家には連絡を入れておいたよ。安心するといい」
"“不,没什么。对了小智,我已经联系过你老家了。你可以放心了。”"
「ありがとうございます」 "“谢谢您。”"
言われてサトシは気付いた。急に行方不明になって、恐らく皆心配しているだろう。雷を落とされることは覚悟しなければならない。帰宅後のことを考えると、少し体が震えた。下手したら軟禁されるかもしれない。
被这么一说,小智才意识到。突然失踪,大家一定都很担心吧。他已经做好了被狠狠训斥的心理准备。一想到回家后可能面临的状况,身体不禁微微发抖。搞不好还会被禁足。
「お前との旅は暫く後になりそうだな」 "「看来和你一起旅行得再等一阵子了」"
「コウガ……」 "「小刚……」"
「気にするなって。オレも悪かったし。まあ、結果がよければよし」
"「别在意。我也有不对的地方。嘛,结果好就一切都好」"
「それだけを伝えたかったんだ。じゃ、僕は失礼するよ」
"「我只是想告诉你这件事。那么,我先告辞了」"
「あ、アランにもよろしくって伝えて下さい」 "“啊,也请代我向阿兰问好。”"
ひらりと手を振り、プラターヌが出て行く。扉を閉める時ちらりとサトシの背中を見て、ゆっくりと退室した。
布拉塔诺轻轻挥手告别,转身离去。关门时他瞥了一眼小智的背影,随后缓缓退出房间。
プラターヌがいなくなると、ゲッコウガはゆっくりとサトシの傷の手当をしようと背中を見る。
布拉塔诺离开后,甲贺忍蛙慢慢转向小智,试图为他处理背上的伤口。
背中に残された深い傷跡。交差する刃の痕。見るからに痛々しいそれにゲッコウガは目を細めた。
背上残留着深深的伤痕。交错纵横的刃痕。光是看着就令人疼痛不已,而呱呱泡蛙却眯起了眼睛。
「ゲッコウガ?」 「甲贺忍蛙?」
ゲッコウガの様子に気がついたサトシが声をかける。ゲッコウガが項垂れている理由をすぐに察して笑う。
注意到呱呱泡蛙异样的小智出声呼唤。他立刻察觉到呱呱泡蛙垂着脖子的原因,不禁笑了起来。
「気にすんなって」 "「别放在心上啦」"
「……コウ」 "「……甲贺」"
そうは言ってもやはり気になるものは気になる。サトシの体に一生残る傷をつけてしまったのだ。
话虽如此,在意的事情终究还是会在意。毕竟在小智身上留下了伴随一生的伤痕。
「オレ、思ったんだけど」 "「我啊,突然想到」"
サトシの声は楽しそうだ。 小智的声音听起来很欢快。
「お前は怒るかもしれないけどさ。これ、お前がサトシゲッコウガになった時に、現れる背中のマーク。ほらあのドバーって水手裏剣生み出す場所! あれに似てるなって思って……だから」
"「你可能会生气吧。这个,是你成为甲贺忍蛙时,出现在背上的标记。看啊,就是那个能唰地生出水手里剑的地方!我觉得它很像……所以」"
サトシは俯き、はにかむ。 小智低下头,腼腆地笑了。
「だからちょっと嬉しいんだ」 "「所以有点开心呢」"
「コウガ……」 "「小刚……」"
「お前とお揃い……って、ゲッコウガ痛い!」 "「和你一样的……喂,甲贺忍蛙疼啊!」"
へへっと笑うサトシが愛おしくて、ゲッコウガは、包帯を放り投げ、背中の傷も忘れて彼に抱きついた。
小智嘿嘿傻笑的样子可爱极了,甲贺忍蛙甩开绷带,连背上的伤都忘了,一把抱住了他。
「コウガ」 "“甲贺”"
「ああ、オレも大好きだぜ」 "「啊,我也最喜欢你了」"
こんなにも間近に体温を感じられる幸せに目を瞑る。暖かい。
如此近距离感受体温的幸福让我闭上眼睛。温暖。
「帰ったらいっぱい話そうな」 "「回去后我们好好聊聊吧」"
答える代わりに、労りを込めて背中の傷を舐める。うっすらとそこには自分と同じ水手裏剣の印が浮かんで見えた。
没有回答,只是怜爱地舔舐着背上的伤痕。隐约可见那里浮现出与自己相同的水手里剑印记。
終
現シリーズが終わってしまうということでUPいたしました。
因当前系列即将完结,故上传此文。
ゲッコウガと別れた後のお話。 与甲贺忍蛙分别后的故事。
サトシくん…終わってほしくない…!! 小智…真希望这一切不要结束…!!
pkmnに再度ハマるきっかけになったのがXYZなので思い入れが強い本です。
让我重新沉迷宝可梦的契机正是 XYZ,所以这是一本充满感情的作品。
そしてあまりにもゲコサトのお別れが悲しすぎて書いてしまった本であり、好き勝手やってた本ですが、感想頂けて嬉しかった思い出。
因为与ゲコサト的离别太过悲伤而写下的书,虽然随心所欲地乱来了一番,但收到感想的回忆令人开心。
闇堕ちメリバEDの妄想も今なお脳内でフィーバーしてるくらいゲコサト大好きです。
至今仍对暗堕メリバ结局的妄想在大脑中狂热不已,我超爱ゲコサト。
23.3.26 追記 23.3.26 追加
延々とスクロールすると大変かなと思いページ分割しました。
考虑到无限滚动可能造成困扰,已进行分页处理。
こちらの方が読みやすいかと思いまして。 我想这样或许更便于阅读。