
熱いバトルも暑い日差しも大好きだ。しかしこうもかんかん照りだと流石に気力が削がれる。今年一番の暑さを更新したと告げるニュースを聞きながら、サトシはぐったりと床に寝そべった。となりでピカチュウが同じように寝そべっている。
激烈的对战和炎炎烈日我都喜欢。但被这样毒辣的阳光直射,精力难免被消磨殆尽。听着新闻报道今年最高气温再次刷新的消息,小智筋疲力尽地瘫倒在地板上。身旁的皮卡丘也以同样的姿势瘫着。
「あっちー」 "「好热——」"
「ピカー」 “皮卡”
ゲッコウガはどうなのだとちらりと横を見れば、さすがの彼もこの暑さはこたえるらしい。自身の太ももから捻出した体液でクナイを作り、それを頬にあてている。どうやらそれで暑さを凌ごうとしているらしい。
杰尼龟侧目瞥向隔壁,饶是它这般耐热的家伙似乎也扛不住这酷暑。正用从自己大腿挤出的体液制作苦无,贴在脸颊上降温。看样子是想借此抵御炎热。
「なんでこんな日にクーラーが壊れてるんだよ」 "「为什么偏偏这种日子空调会坏啊」"
部屋の中なのに外と変わらない気温。窓を全開にしてはいるが、風は一向に吹かない。「すぐに直すから」と苦笑いを浮かべた修理業者。彼らが必死に空調を修理してくれているとはいえ、いつ終わるのか。
明明是室内却和外面一样的气温。虽然窗户全都大开着,但一丝风也没有。维修工苦笑着保证'马上就能修好'。尽管他们正拼命修理着空调,但不知何时才能结束。
このままでは熱中症になってしまう。サトシは考える。修理が終わるまで、何とか暑さを凌ぎたい。
再这样下去会中暑的。小智想着。在修好之前,得想办法熬过这酷暑。
「ピカピ! ピカピカ」 "「皮卡皮!皮卡皮卡」"
閃いたとピカチュウが声を上げる。 皮卡丘突然发出叫声。
「なんだよ……ピカチュウ」 "“怎么了……皮卡丘”"
「ピカ」 "“皮卡”"
「ん、んん……」 "「嗯、嗯嗯……」"
ピカチュウが指差す方を見れば、テレビの中で美味しそうにアイスを頬張る芸能人の姿。
顺着皮卡丘所指的方向望去,电视里正播放着艺人津津有味大口吃冰淇淋的画面。
「そうか! 暑い日には冷たいものだ! ピカチュウ! ゲッコウガ、かき氷食べに行こうぜ」
"「原来如此!大热天就该吃冰的!皮卡丘!甲贺忍蛙,咱们去吃刨冰吧」"
「ピッカ!」 "「皮卡!」"
「コウ?」 「光?」
手を叩きはしゃぐピカチュウと、首を傾げるゲッコウガ。サトシは飛び起きると帽子を被る。そうと決まれば善は急げだ。時計を確認する。大丈夫、この時間ならまだ空いている。
皮卡丘兴奋地拍手雀跃,甲贺忍蛙则歪着头一脸困惑。小智一跃而起戴上帽子。既然决定了就事不宜迟。他看了眼时钟——没问题,这个点应该还有空位。
ピカチュウが素早くサトシの肩に飛び乗った。何が何だかわからないと固まるゲッコウガの手を掴むと、サトシは外へ飛び出した。
皮卡丘敏捷地跳上小智肩头。小智拽住还在发愣的甲贺忍蛙的手,风一般冲出了门外。
サトシが二人を連れて訪れたのはひっそりと佇むこじんまりした店だった。のれんをくぐると、サトシはカウンターに佇む店主と思われる女性に挨拶した。
小智带着两人来到的是一家安静伫立的小店。掀开门帘后,小智向站在柜台后看似店主的女性打了招呼。
「おばちゃん久しぶり!」 “阿姨好久不见!”
「おや、サトシ君。帰って来たのかい? ピカチュウ久しぶりだね」
“哎呀,小智。你回来了吗?皮卡丘好久不见了呢。”
「ピカ!」 "“皮卡!”"
「こいつはゲッコウガっていうんだ。なあ、おばちゃんかき氷いい?」
“这家伙叫甲贺忍蛙。喂,阿姨,来份刨冰怎么样?”
案内された席に着くと、ゲッコウガはキョロキョロとあたりを見渡した。この店には空調がない。内部は外と全く変わらない気温だ。じわりと汗が滲んでくる。汗を振り払うように首をふると、サトシがにやりと笑った。
被引导到座位后,甲贺忍蛙东张西望地环顾四周。这家店没有空调。室内的温度和外面毫无差别。汗水渐渐渗了出来。它像要甩掉汗水似的摇了摇头,小智见状咧嘴一笑。
「暑いかゲッコウガ? けどな、今から寒くなるから大丈夫だ。なんたってここのかき氷キーンでひえーだからな」
“热吗,甲贺忍蛙?不过没关系,马上就会变冷的。毕竟这里的刨冰可是冰凉透心啊。”
「コウ?」 「光?」
「オレはモモン。ピカチュウもそれでいいか」 "我是小智。皮卡丘也这样叫就行"
「ピカ!」 “皮卡!”
「ゲッコウガはどうする?」 “甲贺忍蛙怎么办?”
「コウガ?」 「小香?」
ゲッコウガは首をかしげる。先ほどからサトシ達が何を頼もうとしているのかわからない。
甲贺忍蛙歪着头。它一直不明白小智他们刚才想拜托什么。
サトシはそんなゲッコウガの様子を見て、ああと何やら納得したようにうなずいた。
小智看着甲贺忍蛙的样子,像是明白了什么似的点了点头。
「そっか。お前。初めてだもんな。わかった!」 “这样啊。你是第一次呢。明白了!”
サトシは手を挙げると店主を呼んだ。 小智举起手叫来了店主。
「モモン味とそれから……ブルーハワイ!」 “桃子味还有……蓝色夏威夷!”
「あいよ」 「好嘞」
「おばちゃん。あのさ。こいつ初めてなんだ」 “阿姨。那个啊。这家伙是第一次。”
「おや、そうなのかい?」 “哎呀,是这样吗?”
ゲッコウガを興味深そうに一瞥すると、店主は店の奥へ引っ込む。
店主饶有兴趣地瞥了一眼甲贺忍蛙,便退回了店铺深处。
数分も経たないうちに店主は戻ってきた。何やら奇妙な機械を両手に抱えている。
没过几分钟,店主就回来了。他双手抱着一个奇怪的机器。
それをカウンターに置くと、再び店の奥へ姿を消す。次に取り出したのは四角い氷の塊だ。サトシは氷と言っていた。つまり、あの氷を食べるのだろうか。
将那个放在柜台上后,他又消失在店铺深处。接着拿出来的是一块方形冰块。小智说这是冰。也就是说,是要吃那块冰吧。
店主は奇妙な機械に氷をセットする。 店主将冰块放入那台奇妙的机器中。
興味深げに成り行きを見守っていたゲッコウガの目線に気づき、店主は明快に笑った。
店主注意到盖欧卡饶有兴趣地注视着事态发展,爽朗地笑了起来。
「みてな」 “看吧”
機械の下に透明な器をおくと横に取り付けられたハンドルをゆっくりを回し始めた。
把透明的容器放在机器下面后,开始慢慢转动侧面安装的手柄。
「コウガ……!」 「小贺……!」
ハンドルを回すと刃が動き大きな氷を削り始めた。 转动把手,刀刃开始移动,削起大块的冰。
削られ小さな粒となった氷がどんどん器の中へ落ちていく。まるで雪が降り積もっていくかのような情景にゲッコウガは目を見開いた。
被削成细小颗粒的冰不断落入容器中。这宛如积雪般的光景让甲贺忍蛙瞪大了眼睛。
店主はハンドルを回し続ける。やがて器の中は氷で満たされ、雪山となる。
店主继续转动把手。不久,容器里便填满了冰,形成一座雪山。
「こいつがカントー名物。かき氷さ」 “这家伙是关东的特产。刨冰啦”
「オレこの店のかき氷大好き!」 “我超爱这家店的刨冰!”
棚の中から取り出した瓶のキャップを取ると、店主は中身を雪山にむかって振り掛ける。
从架子上取下的瓶子,店主拧开瓶盖,将里面的东西朝雪山方向撒去。
美しい氷の斜面に鮮やかな色が染み込む。甘い香りがした。
美丽的冰面上浸染着鲜艳的色彩。飘来甜美的香气。
店主はさらにもう一つの器にも氷を盛り、同じようにシロップを振り掛けた。鮮やかな色へ変わった氷にさらにとろりとした練乳を振りかける。それから手早く頂上にアイスを豪快にのせ、器の隅に木の実を盛り付けるとゲッコウガに差し出した。
店主又在另一个碗里盛上冰块,同样淋上糖浆。颜色变得鲜艳的冰块上再浇上浓稠的炼乳。然后迅速地在顶部豪迈地放上冰淇淋,碗边点缀上坚果,递给了甲贺忍蛙。
「はい、モモンとブルーハワイ」 “好的,莫莫恩和蓝色夏威夷”
我に返り慌ててゲッコウガは器を受けとる。照明の光を受け、氷が銀色に輝いた。
回过神来,甲贺忍蛙慌忙接过容器。在灯光的照射下,冰块闪耀出银色的光芒。
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