Hakuchu Romantic Night 白昼浪漫之夜
webオンリーイベント『健全で歪なふたり2』で展示させて頂いていたもの、2つ目です。
网络限定活动『健全而扭曲的两人 2』中展示的第二件作品。
主催者様、そしてスペースに遊びに来てくださった皆様、ありがとうございました!あたたかいご感想もいただきまして、とても幸せでした。楽しかったです~!
主办方大人,以及前来空间游玩的各位,非常感谢!还收到了温暖的感想,感到非常幸福。非常开心~!
確定両思いの告白待ちバトルに終止符を打つべく、rnを(酒で)潰して(恋愛的に)落とそうとするisgの話
为了给这场双向暗恋的告白等待战画上句号,rn 决定(用酒)灌醉(恋爱上)拿下 isg 的故事
ご注意ください 请注意
!捏造海外プロ設定(それぞれ仏独)/付き合ってない/かっこいい2人はいません
!捏造海外职业设定(分别设定为法国和德国)/尚未交往/没有酷酷的两个人
お借りしました:かんたん表紙メーカー さん 借用自:かんたん表紙メーカー さん
- 266
- 328
- 3,386
ー —
『糸師凛ってストイックすぎ。童貞でもおかしくないよな』
『糸师凛这家伙太禁欲了,简直像个处男一样。』
「ぐっ」 「咕」
ハードなトレーニングからのストレッチを終えて、スマホを片手にお気に入りの甘いプロテインでぐびぐびと喉を潤していた俺は、そんなSNSの呟きを見て喉を詰まらせた。器官を逆流してくるミルク味で大きく咳き込む。ロッカールームには自分自身の大袈裟な咳き込む声が響き渡ったが、幸いにももう誰も残っていなかった。
结束了艰苦训练后的拉伸,我一手拿着手机,用最喜欢的甜味蛋白粉咕咚咕咚地滋润着喉咙,却看到了那样的社交媒体上的呻吟,喉咙不禁哽住了。牛奶味的液体逆流而上,我剧烈地咳嗽起来。更衣室里回荡着自己夸张的咳嗽声,但幸运的是,已经没有人留下了。
「何だよこれ……」 「这是什么鬼……」
今日は凛の出る試合があったから、SNSでの声を見ようと"糸師凛"でキーワード検索した時に、1番上に出てきたのがあの呟きだ。
今天有凛的比赛,所以想看看 SNS 上的声音,用'糸师凛'作为关键词搜索时,第一条出现的就是那条推文。
普段は専門メディアの記事を見るけれど、BLTV時代の経験から、たまにSNSで色んな人の意見を見る時がある。自分のことを調べることもあれば、気になる選手について検索することもあるけれど、まあ結構見てられないような内容が出てくることがある。
平时主要看专业媒体的报道,但因为 BLTV 时代的经验,偶尔也会在 SNS 上看各种人的意见。有时会搜索自己的事情,有时也会搜索感兴趣的选手,但有时会出现一些让人看不下去的内容。
ヘタクソとか調子乗ってるとかは、数字で証明すればいいのであまり気にならない。未だに微妙な気持ちになるのは、抱かれたいとか抱きたいとか、ちょっと生々しい感じの内容だ。でもこんなに直球な呟きは初めて見たかもしれない。有名税とはよく言うものの、普通に人権侵害である。自分も書かれているかもしれないと思うとゾッとした。
像'笨拙'或'得意忘形'之类的,用数据证明就好了,不太在意。至今仍感到微妙的是,'想被拥抱'或'想拥抱'之类,有点露骨的内容。但这么直白的推文可能是第一次看到。虽说有名就要付出代价,但这确实是侵犯人权。想到自己也可能被写进去,不禁打了个寒颤。
例のつぶやきをタップすれば、"ワイもあり得ると思う。"と誰かが返信していた。誰なんだお前らは。言っていいことと悪いことがある。
点击那条熟悉的推文,有人回复道:“我也觉得有可能。”你们这帮人啊,有些话能说,有些话不能说。
すっかり気分が削がれていつものメディアサイトを見れば、鮮やかな写真と共に、凛の活躍が英語で綴られていた。やっぱあいつはすげえなあ、と笑みが漏れる。今シーズンは俺自身も思い描いたプレーが出来て満足していたけど、競るように凛も絶好調みたいだ。
心情彻底被破坏,打开平时常看的社交媒体,映入眼帘的是一张张鲜艳的照片,凛的活跃事迹被英语详细记录着。果然那家伙真厉害啊,笑容不由自主地流露出来。这个赛季我自己也打出了理想中的表现,感到很满足,但凛似乎也在竞争中状态绝佳。
スマホを持ったまま、汗を流すためにシャワールームに向かうことにする。
拿着手机,决定去淋浴间冲个澡,流流汗。
凛といえば。あと何日かしたら久しぶりに少し長めのオフで、こちらに遊びに来る予定になっている。この間20歳になった凛と、初めて一緒に宅飲みをする約束だ。
说到凛。再过几天,他就要久违地来这里玩,计划是稍长一点的休假。这是我和刚满 20 岁的凛第一次约好一起在家喝酒。
シャワーユニットに入って、いつもより少し熱めのお湯を浴びながらぼうっとする。サッカーモードがだんだん流されていくとともに、凛のことを考えていた。
走进淋浴间,用比平时稍热一点的水冲洗,呆呆地想着。随着足球模式逐渐消散,我开始思考凛的事情。
凛が童貞でもおかしくないという呟きは、多分的外れでは無い。別の国にいるから全部見ている訳では無いけど、同じチームにいる顔なじみのメンバーからも、全く遊んでなさそうだと聞いている。飲み会には当然来ないし、家から練習場まで恐らく直行直帰じゃないかと。実際、連絡を取っていても休みは映画を見ているか、1人で出かけているかのどちらだ。
有人说凛可能是处男,这或许并非完全离谱。虽然我不在他所在的国家,无法全盘了解,但从同队的熟人口中得知,他似乎完全没有玩乐的迹象。他当然不会参加聚会,从家到训练场恐怕都是直来直往。实际上,即使联系他,休息时也只是在看电影或一个人外出。
とはいえ、あまりにイケメンで、あまりにサッカーが上手くて、実際めちゃくちゃモテるであろうことから、多くの人は、糸師凛という名前と、童貞という言葉が決して結びつかないだろう。そんな中で、あの呟きは奇しくも的を得ていた。渡仏して2〜3年、ずっとそんな感じのようなので、もし中高生のうちに済ませておらず、最近フランス美女に食べられたりしていなければ、ほぼ確実に童貞だ。
尽管如此,由于他过于英俊、足球技艺超群,实际上肯定非常受欢迎,许多人认为糸师凛这个名字与童贞这个词绝不会联系在一起。在这样的背景下,那句低语却意外地切中了要害。渡法留学两三年,一直保持着这种状态,如果他在中学和高中期间没有解决这个问题,最近也没有被法国美女吃掉的话,几乎可以肯定他还是童贞。
身体をゴシゴシと洗いながら、もやもやとした思考を続ける。何故、凛と童貞というワードの組み合わせにこんなに執着しているかというと、何を隠そう、俺と凛は、絶賛"告白待ちバトル"状態だからである。
一边用力搓洗身体,一边继续着模糊的思考。为什么我对凛和童贞这个组合如此执着呢?说来惭愧,我和凛正处于“告白待战”状态。
こんなことを、俺たちを応援してくれる人達に知られてしまったら、あのエゴイスト達が、告白待ちなんて……と失望されるかもしれない。俺だって、そもそもエゴイストの前に男だし、男らしく好きな人に告白したいと思っている時期もあった。
如果这种事情被支持我们的人知道了,那些自大狂可能会失望地说,告白待战什么的……我也是,毕竟在自大狂面前也是个男人,有时也想像个男人一样向喜欢的人告白。
しかし、"あ、多分こいつも俺のこと好きだな"と気づいた辺りから、どうしようもなく凛が可愛く思えてきて、プライドの高い凛に好きと言わせたいと思うようになってしまった。
然而,从意识到“啊,这家伙大概也喜欢我吧”开始,凛变得无比可爱,我竟然产生了想让高傲的凛亲口说出喜欢的心情。
ただ、俺たちはプライベートでも最良のパートナーだったのか、凛も同じぐらいの時期に、同じことを考えているような言動が多くなった。プライドを折ってやろうと考えているかまでは分からないが、俺が年上ぶるのは嫌いなくせに、言うならお前が言え!みたいな雰囲気が出ているのだ。いや、自惚れとかじゃなくて本当に。あくまで雰囲気だけれど。
只是,我们是否在私下也是最佳搭档呢?凛似乎也在同一时期,表现出许多类似的想法。虽然不清楚她是否真的打算放下自尊,但那种“虽然讨厌我装年长,但要说的话你先说啊!”的氛围确实存在。不,这并非自恋,真的只是氛围而已。
サッカーが絡めば、恥ずかしいセリフをポンポン吐くくせに、絡まなくなった途端に言葉でのコミュニケーションはてんでダメらしい。好かれている雰囲気は感じるけど、俺に向けられた言葉は、おい、時間あけろ、手短に話せ、ムカつく、アホ面、ザコ。そんなものばっかりだ。
一旦涉及足球,尽管会说出令人害羞的台词,但一旦不涉及,言语交流就完全不行了。虽然能感受到被喜欢的氛围,但对我说的尽是些“喂,别浪费时间,简短点说,真让人火大,蠢脸,弱鸡”之类的话。
それでも、俺が青い監獄メンバーの飲み会に凛を引きずって連れて行って、勝手に酔いつぶれて頬にキスしまくっている時も、凛は怒りもせず好きにさせていたらしい。「あれはLIKEを通り越してLOVEだ」と、千切と蜂楽が言っていたから、多分、本当にそうなんだろう。
尽管如此,当我硬拉着凛参加蓝色监狱成员的酒会,任性地喝得烂醉如泥,不停地亲吻他的脸颊时,凛似乎也没有生气,任由我胡闹。千切和蜂乐说:「那已经超越了 LIKE,是 LOVE 了。」所以,大概真的是那样吧。
そもそもストイックで人との交流が皆無なあの男が、国境を跨いでまで定期的に2人で会っている時点で、そういうことだろう。これで、ぜーんぶが俺の勘違いで、凛は告白待ちもしてなければ、俺のことを好きでもないなんて言われた日には、特級のトラウマが残ると思う。
原本那个自律到几乎不与人交往的家伙,跨越国境定期与凛见面,这本身就说明了一切。如果有一天,有人告诉我这一切都是我的误解,凛既没有在等待告白,也不喜欢我,那我一定会留下特级的心理创伤。
凛と初めて外で会ったのは、青い監獄を出た後、比較的すぐだったとおもう。どうしてもプレーの関係で凛に聞きたいことがあった俺がフランスに突撃したのがきっかけだ。それから、まとまったオフが被る度に定期的に顔を合わせるようになった。周りにもびっくりされるけど、この関係はそれからずっと続いている。
我和凛第一次在外面见面,是在离开蓝色监狱后不久。当时我因为比赛中的问题,迫切想向凛请教,于是冲到了法国。从那以后,每当我们有共同的休息时间,就会定期见面。虽然周围的人都感到惊讶,但这种关系一直持续到现在。
きっかけはそんななので、初めから下心があった訳では無い。でも、ある日にいつものように向かいでご飯を食べている凛の顔を眺めながら、あー、好きかもしれないと思った。この男を独り占め出来たらどれだけ良いだろうと。凛と会う予定が楽しみで、会ったら楽しくて、別れるときは少し寂しかった。何気ない連絡に返信が来れば嬉しくて、次の予定が決まれば自然と笑顔が漏れた。
契机就是这样的,一开始并没有什么不良企图。但是,有一天像往常一样看着对面吃饭的凛的脸时,我突然想,啊,也许我喜欢上他了。如果能独占这个男人,那该有多好啊。和凛见面的计划让我期待,见面时很开心,分别时又有些寂寞。对那些不经意的联系,收到回复就会很高兴,决定下次的计划时,自然地露出了笑容。
惚れた方が負け。もしそんな言葉が本当なら、俺はとうの昔に大敗北している。
先动心的人就输了。如果这句话是真的,那我早就惨败了。
きゅ、とシャワーを止めて、火照った身体をタオルで拭う。脱衣場から出ればスマホの画面が光っていて、数日後の約束に関するメッセージが凛から届いていた。何時着の飛行機に乗る、とかそんなぶっきらぼうなものだけど、自然とニヤけてしまう。
我关掉淋浴,用毛巾擦拭着发热的身体。从更衣室出来时,手机屏幕亮了起来,是凛发来的几天后的约定信息。只是简单地写着几点坐飞机之类的生硬内容,但我不由自主地露出了微笑。
何はともあれ、俺は凛のことが好きだし、凛も多分俺のことが好きなので、いい加減普通に付き合いたい。何年も宿敵やら最良のパートナーやら言われながら切磋琢磨してきたけど、いよいよこの気持ちに逃げ場がなくなってきた。ついでに余裕も。
总之,我喜欢凛,凛大概也喜欢我,所以想差不多该正常交往了。虽然多年来一直被说是宿敌或最佳搭档,互相切磋,但这份感情已经无处可逃,顺便也失去了从容。
サッカーに夢中すぎてしばらくは恋愛と無縁だろうと思っていたし、初めてこんなに好きになった相手が男だということも、何年か前は想像もしなかった。人生は分からないものだ。
我曾以为自己会因为沉迷足球而暂时与恋爱无缘,也从未想过第一次如此喜欢的人会是男性。几年前根本无法想象。人生真是难以预料。
多少返り討ちにあったとしても、もう勝負とか抜きにして、凛に、俺のことが好きだって言わせたい。さらに欲を言えば、メロメロにさせたい。どうすればいい、と着替えに袖を通しながら脳内のパズルを組み立てる。
即使可能会被反击,我也想让凛说出喜欢我。更进一步的话,还想让他为我神魂颠倒。换衣服时,我一边穿袖子一边在脑海中拼凑这个难题。
「童貞を、殺す……?」 「童贞,要被杀掉了……?」
守りに守って恋人がいない歴21年。好きな人を落とすために、童貞の俺に突然降りてきた作戦はこれだった。
守护了 21 年的单身历史。为了追到喜欢的人,突然降临到我这个童贞身上的作战计划就是这个。
――
「凛、お疲れ!」 「凛,辛苦了!」
約束の日が来て、凛が我が家にやってきた。最近選手寮から引っ越したばかりで、凛がここに来るのは初めてだった。久しぶりに見る整った顔に嬉しくなる。相変わらず大人っぽくて、質の良さそうな服を着ている。
约定的日子到来,凛来到了我家。她最近刚从选手宿舍搬出来,这是我第一次在这里见到她。看到她久违的整洁面容,我感到高兴。她依旧显得成熟,穿着看起来质量很好的衣服。
いつものように挨拶のひとつもない凛は、無言で大きな茶色い紙袋をどすんと俺の胸に押し付けた。
像往常一样,凛没有打招呼,默默地将一个大大的棕色纸袋重重地推到我胸前。
「何?これ」 「这是什么?」
「つまみ」 「小吃」
初めて来ると言うのに、凛は遠慮もなく家の中に入っていく。袋の中を覗き込めば、美味しそうなチーズやバケットがたんまりと入っていた。俺が、お酒はこっちで用意していい?と聞いたから、気を使っておつまみの方を用意してくれたのだろう。無愛想に見えて、凛はこういうところがある。
明明是第一次来,凛却毫不客气地走进了屋里。往袋子里一看,里面满满地装着美味的奶酪和法棍面包。我问她,酒这边准备可以吗?她大概是考虑到这一点,特意准备了小吃。虽然看起来冷淡,但凛有这样的细心之处。
「うまそー!ありがとな、凛!」 「看起来好好吃!谢谢你,凛!」
慌てて追いかけて、後ろから体当たりの如く抱きつく。試合中はひょいと避けてくる凛は、今日は迷惑そうにしつつも振り払わなかった。うーん、脈を感じる。
慌忙追赶上去,从后面如冲撞般抱住。平时比赛中会轻松避开的凛,今天虽然显得有些困扰,却没有甩开。嗯,有戏。
「酒飲むの、何回目?」 「这是第几次喝酒了?」
「2回目」
もう夜も更けていたので、早速宅飲みの準備を始めつつ問いかければ、そんな返事が返ってきた。白々しく聞いたが、知っている。これも既に冴にリサーチ済だ。
夜已深,便立即开始准备宅饮,同时问道,得到的却是这样的回答。明知故问,但我知道。这早已被冴调查清楚了。
本日決行中の、童貞(の凛)を殺す作戦の中で、酒は最も大切なアイテムとなる。あらかじめ酒を飲んだ凛がどんな感じになるか、凛には内緒にしてほしいと念を押しつつ、冴にメッセージで聞いておいた。
在今日执行的、消灭童贞(凛)作战中,酒成为了最重要的道具。我事先叮嘱冴,不要让凛知道他喝了酒会变成什么样子,同时通过消息询问了冴。
『死ぬほど弱い』 『弱得要死』
しめたーー! 太好了——!
冴からの返信を見て、思わずガッツポーズを決めた。これを持って、具体的な作戦内容は"酒を飲んで前後不覚になった、恋愛耐性の低い凛にイチャイチャ行為をはたらき、その気にさせてメロメロにする。"という頭の悪そうなものに決定した。そして好きと言わせる算段だ。去年同窓会で会った同級生の女の子たちも、気になる男にこんな感じの作戦をしかけて、見事告白させたと言っていた。それに、ベロベロに酔っ払った凛も年下感が強そうで見てみたい。完璧な策だ。
看到冴的回复,我不禁握拳庆祝。以此为基础,具体的作战内容定为“让酒醉后意识不清、恋爱抵抗力低的凛陷入亲密行为,使其心动不已”,这种看似愚蠢的计划。然后就是让他表白的策略。去年同窗会上遇到的同级女生们也说过,她们对心仪的男生采取了类似策略,成功让对方告白。而且,喝得烂醉如泥的凛看起来年下感十足,真想看看。这简直是完美的计策。
「じゃあ、凛、20歳おめでとー!乾杯!」 「那么,凛,二十岁生日快乐!干杯!」
凛は乾杯の言葉すらもなしに、でも品良くグラスはぶつけてくれる。葡萄色の濃い液体が白い喉を落ちていく様を見ながら、よしよしと心の中で頷いた。
凛没有回应干杯的话语,却优雅地碰杯。看着深紫色的液体滑过他白皙的喉咙,我在心中暗自点头,好极了。
この日のために、お酒に詳しいチームメイトに聞いて、凛の生まれ年のお高いワインを用意しておいた。度数はそこそこ高いけど、お値段も高いだけあってキツさや飲みづらさは感じない。
为了这一天,我向对酒颇有研究的队友请教,准备了凛出生年份的高档葡萄酒。虽然酒精度数不低,但价格高昂果然有其道理,喝起来并不觉得辛辣或难以下咽。
「ん、美味い!どう?」 「嗯,好喝!你觉得呢?」
「……まあまあだ」 「……还算可以吧」
お、これは結構高評価だ。凛は続けざまに何度かグラスを傾けている。気に入ってくれたらしい。凛の買ってきてくれた多種多様なおつまみもセンスがよく、初めての宅飲みはスピード早めに進んでいく。テレビも音楽も流れていない静かな部屋で、俺と凛はいつものようにサッカーのことをダラダラと話し始めた。やばい、会うの結構久しぶりだしめっちゃ楽しい。やっぱ凛といると楽しいな、サッカーの話だけでも全然尽きないし。とご機嫌に時を過ごし……これが悪かった。アルコールが入ったのと、はしゃぎすぎたせいで、凛を落とすという本来の目的が俺の頭から抜けおちてしまった。
哦,这评价挺高的。凛接连几次倾斜酒杯,似乎很满意。她带来的各种下酒菜也很有品味,第一次在家喝酒进展得很快。房间里没有电视和音乐的安静氛围中,我和凛像往常一样开始漫无边际地聊起足球。糟糕,好久没见面了,真是太开心了。果然和凛在一起很愉快,光是聊足球也完全不会厌倦。就这样愉快地度过时光……这成了个错误。酒精的作用和过于兴奋,让我原本要追凛的目的从脑海中消失了。
「おお……」 「哦……」
これは、別の意味で落ちかけている。ワインが1本すっからかんになった頃には、向かいのテーブルに突っ伏して動かなくなった凛がいた。俺もそこそこ酔っていたけれど、完全に酔いつぶれた人間を前にすると、自然に介抱しなくてはという気持ちになる。
这是,在另一种意义上快要倒下了。当一瓶红酒喝得精光时,对面桌上的凛已经趴下不动了。虽然我也喝得相当醉,但面对一个完全醉倒的人,自然会产生要照顾她的心情。
「凛、ここで寝るな。ベッド行け、ベッド」 「凛,别在这儿睡。去床上,去床上」
「んん……」 「嗯嗯……」
凛の横に行って、自分より大きい図体に何とか肩を貸して無理やり立たせる。リビングからずるずると重たい身体を引きずってベッドまで運ぶのは、物理的に骨が折れそうだ。それでも、んん、とかあーとか、普段なら絶対見れない無防備な声が聞こえるのが可愛くてちょっと笑ってしまう。
走到凛的旁边,勉强借出自己的肩膀,硬是让比自己大块头的她站起来。从客厅拖着沉重的身体一路到床边,真是费劲得骨头都要断了。尽管如此,听到她发出「嗯嗯」、「啊」之类的声音,平时绝对看不到的毫无防备的样子,真是可爱得让人忍不住笑了出来。
「お、重!!」 「哇,好重!!」
ドスン、と一人暮らしにしては大きなベッドにアスリートの身体が沈んだ。危なかった。自分もアスリートじゃなければ、リビングから寝室の僅かな距離で力尽きていた。力の抜けた人間というのは、本当に重たい。
咚的一声,一个运动员的身体沉入了对于独居来说显得过大的床上。好险。如果不是运动员的话,恐怕在从客厅到卧室的短短距离中就已经力竭了。疲惫的人类,真的非常沉重。
重力に従うようにシーツに沈んだ凛の顔は赤らんでおり、明らかに酒が回っているのが見て取れた。その物珍しさに、思わずベッドサイドにしゃがみこんでマジマジと凝視する。寝顔を眺めるのも、ここまで無防備な表情を見るのも初めてだった。人形みたいに端正な顔は、幸い苦しそうではない。ただ、明日に残ったら可哀想だと思い、一応水を飲ませようと冷蔵庫から未開封のミネラルウォーターを持って凛のほうへ戻った。
凛的脸随着重力沉入床单中,泛着红晕,显然是酒劲上来了。这一罕见的情况让我不由自主地蹲在床边,目不转睛地凝视着。看着她的睡颜,看到如此毫无防备的表情,这还是第一次。她那如人偶般端正的脸庞,幸好没有显得痛苦。只是,想到明天可能会难受,我便从冰箱里拿出未开封的矿泉水,打算让她喝点水。
「りーん」 「铃」
再びベッドサイドにしゃがみこみ、肩を揺さぶって起こそうとして留まる。はた、と今日実行するはずだった作戦を思い出した。凛が物理的に落ちている時点で、もう作戦は破綻しているけれど。イチャイチャのイの字も、メロメロのメの字もないかもしれないけれど!
再次蹲在床边,想要摇晃肩膀叫醒她,却又停住了。突然,她想起了今天本该执行的计划。凛在物理上倒下的那一刻,计划就已经失败了,但即便如此,或许连亲昵的“亲”字和甜蜜的“甜”字都还没开始呢!
手を伸ばして、凛の赤い顔に掛かった黒い髪を払う。ちょっと、ちょっとだけ……。作戦というよりは、今はどちらかと言えば自分の理性が殺されかけていた。整った唇に吸い込まれるように自分の口を近づける。
伸手拨开凛红扑扑的脸上的黑发。稍微,只是稍微……与其说是计划,不如说现在自己的理性正濒临崩溃。她的嘴唇整齐,仿佛要将我的唇吸进去一般,我靠近了她的唇。
「っ」
唇がくっついたかくっつかないかくらいの瞬間で、長い下まつげに縁取られた目が開いた。至近距離でガッツリと目が合う。驚きよりもその眼力に射抜かれた恐怖で、尻もちの体勢で勢いよく後ずさって、後ろの壁に勢いよく頭をぶつけた。ごちん、と頭蓋骨が悲鳴をあげて、いだ!!と反射的な悲鳴も飛び出した。情けなすぎる。
在唇瓣几乎要碰上的一瞬间,那双被长长下睫毛勾勒的眼睛猛然睁开。近在咫尺的目光狠狠相撞。恐惧被那眼神射穿,我以坐地的姿势猛然后退,头重重撞在身后的墙上。咚的一声,头骨发出悲鸣,我不由自主地惊呼:“哎呀!”真是太丢人了。
「ま、ま、まちがえた!悪い!!」 「啊,啊,搞错了!对不起!!」
間髪入れずに、己の口からそんな言葉が飛び出す。我ながら、何と、誰と間違えたというのだろう。いや、間違いは現在進行形で犯しているけど、もっとマシな言い訳は無かったのだろうか。ていうか、キスしたのバレてる?もしかしたら顔を近づけただけだと思ってるかも!?
话音未落,那句话便从自己口中脱口而出。连我自己都惊讶,究竟是错认了谁。不,错误正在发生中,难道就没有更好的借口了吗?话说回来,接吻的事暴露了吗?说不定她以为只是脸凑近了而已!?
情けなく尻もちを着いたままぐるぐると目を回す俺をよそに、お化けみたいな動きで凛が起き上がった。のそりとしたその動きが、かえっておどろおどろしい。思わず、持ったままだったペットボトルを身体の前に構えてガードの姿勢を取る。
在我狼狈地跌坐在地、头晕目眩之际,凛却以幽灵般的动作站了起来。那悄无声息的动作,反而更令人毛骨悚然。我不由自主地将手中紧握的塑料瓶横在身前,摆出了防御的姿态。
「だれと、まちがえたって」 「和谁搞错了呢」
それは確かに凛の声のだが、いつもよりふわっとしていて、ちょっと舌っ足らずだ。
那确实是凛的声音,但比平时更飘忽,有点含糊不清。
思わず顔を見上げると、緩慢な動きで腕を伸ばして俺の手首を掴んだ凛が、スピードに似合わずものすごい強さで俺の体を自分のベッドの方まで引っ張り上げた。強制的に立ち上がることになった身体が勢いのまま凛のベッドの上に倒れる。正確に言えば、そのまま後ろに倒れた凛の身体の上に覆いかぶさった。手から離れたペットボトルが床に転がる音がする。
不由自主地抬起头,只见凛以缓慢的动作伸出手,以与速度不符的惊人力量抓住了我的手腕,将我的身体猛地拉向她的床。被迫站起的身体顺势倒在凛的床上。准确地说,是直接压在了向后倒下的凛的身体上。手中的水瓶脱手,滚落在地板上发出声响。
「ちょ、凛?」 「等、凛?」
「いさぎのくせに、おれをみおろしてんじゃねえぞ…」
「明明是个胆小鬼,还敢俯视我…」
「お前が引っ張ったんだろうが!」 「是你先挑起的吧!」
ああ、これはキレてるんじゃなくて、普通に酔っ払いだ。ひっく、と酔っ払いのテンプレのよう鳴き声を出しながら、下から伸びてきた大きな手に顔をがっしり掴まれる。加減無く掴まれてミシミシと軋む顔面。酔っ払ってもこの男は理不尽らしい。
啊,这不是生气,只是普通的醉鬼罢了。发出像是醉鬼模板般的“哼”声,脸被从下方伸来的大手紧紧抓住。毫不留情地被抓住,脸颊发出“吱吱”的摩擦声。即使醉了,这个男人似乎也显得不讲理。
「おれと、だれをまちがえる」 「你把我错认成谁了?」
ぱっと手を離されれば、眼前に凛の顔が見える。舌っ足らずな様子からもう少しマイルドな表情を想像していたけど、いつも通りのしかめっ面で普通に怖い。
一松开手,凛的脸就出现在眼前。本以为他会露出稍微温和一些的表情,但从他那言不尽意的模样来看,依旧是那副皱眉的凶相,一如既往地可怕。
「間違えたって言うか……」 「说是搞错了……」
相手は間違えていないんですけど……。 对方并没有搞错……。
凛は先程の発言を誰かと間違えられたと言葉のままに受け取っているらしく、それをとことん詰める様子だった。というか、これはキスをしたことを踏まえて詰められているのだろうか。
凛似乎把刚才的发言误认为是别人说的,一副要彻底追究的样子。或者说,这是基于接吻的事实而被追问的吧。
「あれは相手とかの話じゃなくて」 「那不是关于对手的事」
とりあえず、一般的に男同士としては気まずい体勢を抜けるべく起き上がれば、凛も不機嫌そうな顔はそのままに体を起こして、俺たちはベッドの上で向き合う形になった。
总之,作为男人,为了摆脱这种尴尬的姿势,我坐起身来,凛也一脸不悦地跟着坐起,我们俩就这样在床上面对面坐着。
「相手とか、じゃなくて……」 「不是对手什么的……」
まずい。切り出したものの、良い言い訳が思いつかない。元々今日はイチャコラで凛を落とすつもりでやらせてもらってて!先程は無防備な顔を見ていたら、思わずキスしてしまいました!なんて、とてもじゃないけど言えない。でもキスされたという事実に怒っていないということは、凛はやっぱり俺のことを好きなんだな。……いやどうだろう、顔めっちゃ怖い、急に自信なくなってきた。色んな意味で直視できずに視線を下げてしまう。
糟了。虽然已经开口了,却想不出什么好的借口。原本今天就是打算借着打情骂俏来攻略凛的!刚才看到她毫无防备的表情,就不由自主地吻了上去!这种话,怎么可能说得出口。不过,她并没有因为被吻而生气,看来凛果然还是喜欢我的吧。……不,不对,她脸色超可怕的,突然间又没自信了。各种意义上都不敢直视,视线不由得往下移。
「いさぎ、こっちむけ」 「五十木,看这边」
「はい……」 「是……」
酔っぱらいのくせに人を従わせる迫力のある言葉に、従順に顔を前に向けた。白い手がもう一度伸びてきて、俺の顎を片手で掴む。え、まさかこのまま頭突きでもされるのだろうか、まさかそんな非人道的なことは無いと信じたいけど、想像にちょっと肝が冷えて反射的に目をつぶった。(物理的に)殺される童貞は、俺なのかーー。
被那股醉醺醺却充满威慑力的言辞所迫,我顺从地抬起头。一只白皙的手再次伸过来,单手抓住了我的下巴。咦,难道要这样直接用头撞我吗?虽然心里不愿相信会有如此非人道的行为,但想象中还是不禁打了个寒颤,下意识地闭上了眼睛。(物理上)被杀的处男,难道就是我吗——。
「ん」 「嗯」
襲った衝撃は痛みではなくて、さっき飲んだワインの香りと凛の体温だった。すぐにキスをされていると気づいて、口は塞がれているけど、開いた口が塞がらないみたいな顔になる。
袭来的冲击并非疼痛,而是刚才饮下的红酒香气与凛的体温。立刻意识到正在被亲吻,嘴巴被堵住,但张开的嘴却像是无法合拢似的表情。
りん、と、一瞬離れた隙に名前を呼んだけど、再びくっついてきた凛の唇に、口の中に吸い込まれて消えていった。長めの舌がぬるりと割り入ってくれば、今度は舌の上からワインの香りが立って、喉の奥でじゅわりと溶けた。
凛,在短暂分开的间隙呼唤了名字,但再次贴上来的凛的唇,将呼唤吸入口中消失。长长的舌头滑入,这次是从舌尖升起的红酒香气,在喉咙深处缓缓融化。
生ぬるい温度のそれは、何度か舌の上を不器用そうに滑って出ていった。腰が抜けて今度はこちらが舌っ足らずになってしまいそうだ。唖然として言葉も出ない俺の背中に、ひとつも表情を変えない凛が腕を回した。今度こそいよいよ首を絞められるかと身体に力が入るが、骨は軋まなかった。恋人同士がやるように、抱きしめられている。
那温吞的温度,几次笨拙地在舌尖上滑过,终于离开了。我几乎要瘫软下来,仿佛自己也变得舌拙口笨。我哑然无语,背后凛的表情依旧未变,她环住了我的手臂。我全身紧绷,以为这次真的要被勒住脖子了,但骨骼并未发出声响。我们像恋人般相拥。
「お前は、俺のだろうが」 「你,是我的吧。」
まちがえてんじゃねえ……と続いた言葉はやはり少し心許ない発音だし、重なった胸から感じる鼓動は馬鹿みたいに早くて強い。この感覚は経験上心当たりがあって、酒を飲みすぎた時の心拍の打ち方だ。凛はベロベロに酔っている。
并没有搞错……然而接下来的话语依旧带着些许不确定的发音,重叠的胸膛中感受到的心跳快得像傻瓜一样强烈。这种感觉我有经验,是饮酒过量时心跳的节奏。凛已经醉得一塌糊涂。
「そ、そうなの……?」 「诶、真的吗……?」
もう酔いは覚めているはずの自分の心臓が、負けないくらい跳ね上がってぶつかっているのを感じる。心拍が上がりすぎて、ムードもへったくれもない、否定とも取られかねない返事しかできなかった。素直なことが自分の取り柄だと思っていたのに、これも恋愛をサボってきたツケかもしれない。意気揚々と、童貞の凛を殺すぞ!と意気込んでいたのが恥ずかしくなってきた。
明明酒意应该已经消退,心脏却跳得仿佛不甘示弱般猛烈撞击。心跳过快,只能说出毫无情调、甚至可能被误解为否定的回应。本以为自己一向坦率是优点,或许这也是长久以来逃避恋爱的代价。原本斗志昂扬,打算一举攻陷童贞的凛,如今却感到羞愧难当。
「そうじゃねえなら、これからそうするだけだ」 「如果不是那样的话,接下来就那样做吧」
「わー!!ストップ、ストップ!!凛、これ絶対、明日お前が後悔するやつだぞ!?」
「哇——!!停,停下!!凛,这绝对是你明天会后悔的事啊!?」
俺のパニック状態の否定なんて聞こえていないかのように、抵抗する手をぺっぺっと払った凛がまた俺にキスをする。キスのことなんて分からないけど、エロいやつじゃなくて、イチャイチャするカップルがチュッチュッしてるやつみたいで、それがさらに恥ずかしい。え、もしかして作戦成功してる?!さすがに俺にメロメロかも!?と思わなくもないが、酒で潰した罪悪感からそんな忠告の言葉で制する。
凛仿佛没听见我恐慌的否认,轻轻拍开我抗拒的手,再次吻了上来。虽然不懂接吻,但这不是那种色情的吻,而是情侣间亲昵的啾啾,更让人羞耻。咦,难道作战成功了?!说不定我真的被迷得神魂颠倒!?虽然心里这么想,但出于被酒精冲淡的罪恶感,我还是用这样的忠告来克制自己。
「俺は、自分が選んだことに後悔はしない」 「我对自己所做的选择绝不后悔。」
「すごいカッコイイこと言ってるけど、俺には明日の朝絶望してるお前の背中が見えるよ……」
「虽然你说得很酷,但我已经看到你明天早上绝望的背影了……」
「……俺のものじゃねえのか」 「……不是我的吗?」
またキスをされるのかと思って顔を逸らせば、行き場を失った唇は首筋に落ちて、今度は肌の上を口や舌が這いずり回るので、ひい……という情けない声と共に泣きそうになった。童貞の俺には壮絶すぎる色気に阿鼻叫喚だ。
又以为要被亲吻而别过脸去,无处可去的唇便落在颈侧,这次换作唇舌在肌肤上游走,我不禁发出一声羞耻的呻吟,几乎要哭出来。这对处男的我来说,实在是过于激烈的色气,简直让人痛不欲生。
「それってさ!凛は、俺のことが好きってこと?」 「那啥!凛,你是喜欢我吗?」
言質を取ろうなんて小賢しい思考が働いたわけではなかった。ぞわぞわと背中を変な感覚が走り、僅かに下半身が重くなってきたのを感じて、悟られまいと必死だった。身体を押し返しながら涙もちょちょ切れんばかりに叫ぶように言えば、凛は動きを止めた。
并没有动什么耍小聪明的念头去套话。背后一阵阵发毛,下半身微微沉重的感觉袭来,为了不被察觉而拼命忍耐。如果一边推开身体一边像要哭出来似的喊出声,凛就会停下动作。
「……お前が俺のこと好きなんだろ」 「……你喜欢我吧」
「いーや。あの、好きだけど。凛だって俺のこと好きだろ」
「不,那个,我喜欢你。凛也喜欢我吧」
「そんなぬるいもんじゃねえ」 「那可不够劲儿」
「それはずるいでしょうが!好きか嫌いかで言ったら好き?どう!?」
「那不就是作弊嘛!喜欢还是讨厌,说喜欢?怎么样!?」
「うるせえ」 「吵死了」
「別にわかってるけど、凛の口から聞きたいんだよ」 「我当然知道,但我更想听凛亲口说。」
告白待ちバトルはどこへやら。結局先に好きを認めたのはこちらだけど、こうなったら意地でも凛に好きと言わせたかった。薄ら赤い顔でムスッと口を一文字に閉じてしまった凛と、数秒間の無言の睨み合いが発生する。両者譲らぬ間の中で、俺が先手を打てたのは凛を酒で潰したおかげだ。
告白待机战不知去向。最终先承认喜欢的只有我这边,但既然如此,就算逞强也想让凛说出喜欢。凛脸颊微红,噘着嘴一言不发,我们之间陷入了数秒的沉默对视。在双方互不相让的僵持中,我能先发制人,全靠用酒把凛灌醉的功劳。
むっとした薄い唇に、おもむろに触れるだけのキスをする。リップ音すらもなく、子どもがするみたいになってしまったそれは、戦いの中での変化球というか、凛を少しでも驚かせたかったというか、いや、本当は顔を見ていたら反射でしてしまっただけだ。メロメロもいい所である。
轻轻地,只用嘴唇触碰了一下那微微噘起的薄唇。连亲吻的声音都没有,简直像小孩子一样,这举动,或许算是战斗中的变化球吧,又或许是想让凛稍微吃惊一下,不,其实只是看到她的脸时,反射性地就做了。这种迷恋的感觉也恰到好处。
「……クソ潔」 「……真他妈干净」
気まずそうな俺を前に固まっていた凛は、意識を取り戻すなり暴言をひとつ、乱暴に俺の胸を押した。そのまま2人してパリパリのシーツの上に倒れ込む。凛はまるで恋人にするみたいに自分の腕の中に俺の頭を抱え込んで、額から耳までしつこくキスの雨を降らした。再び始まったハイレベルなシチュエーションに、思わず目を瞑る。
面对着显得尴尬的我,凛仿佛恢复了意识,随即吐出一句粗暴的咒骂,猛地推了我的胸口。两人就这样一起倒在了嘎吱作响的床单上。凛如同对待恋人般,将自己的手臂环绕住我的头,从额头到耳边,不断落下缠绵的吻雨。再次陷入这高水准的情境中,我不由自主地闭上了眼睛。
「……お前にしか、こんなことしねえ」 「……只有你,才会做这种事。」
シラフの時みたいな声だった。目を開けてみれば、凛は極めて俺の目を真っ直ぐ見ていた。その言葉に目を丸くする。凛の顔から赤が抜けていくのと反比例して、俺の顔が真っ赤に染っているのが、鏡を見なくても分かる。結局好きって言わせることは出来なかったけど、今日どっちが落とされて、どっちが殺されたかなんて、明白だ。
声音像清醒时一样。睁开眼一看,凛正直直地盯着我的眼睛。听到那句话,我瞪大了眼睛。凛的脸色逐渐褪去红晕,而我的脸却红得发烫,不用照镜子也能感觉到。虽然最终没能让她说出“喜欢”,但今天谁被征服了,谁被杀死了,已经一目了然。
凛は目の前の反応に満足そうに鼻を鳴らすと、俺を抱き枕みたいにして再び眠りに落ちた。俺はと言えば、ちょっと見上げれば広がる絶景百選も顔負けの光景に、白旗を上げざるを得なかった。
凛满意地哼了一声,将我当作抱枕般再次沉入梦乡。而我,只需稍稍抬头,便不得不向那胜过绝景百选的壮观景象举起白旗。