とある日


○○の家はいつもより賑やかだった。

実家からそう遠くない場所で一人暮らしをしている僕のもとに、三姉妹の面倒を見てほしいとご夫婦から親経由で連絡があり、数日間面倒を見ることに。


久しぶりに三姉妹と顔を合わせ、あの頃のような懐かしさを感じた。

と同時に彼女たちが大人になって、以前のように自然に接するのが少し難しくなったように感じた。


「どう?久しぶりに会ってみて」

蓮加がニヤリと笑いながら尋ねてくる。

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「なんだか、ちょっと大人になった気がするね」


「ふふ、だって、もう私たちも大人だもん」

あやめが少し照れたように言う。

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その言葉が、○○の心にふと何かを引っかかせる。

それは、3姉妹がまだ「子ども」で、昔のように甘えてきていた時の姿とは違う、少し大人びた雰囲気だった。



➖そんな初日の夜➖


リビングのソファで膝を抱えて座っている蓮加が、じっとこっちを見つめている。


「ねぇ、○○くん……。隣…座ってもいい?」


上目遣い。紅潮してる頬。

少し色っぽすぎる仕草に、思わず息を飲む。


「やったぁ」

蓮加はすぐに隣に座ったと思いきや、肩に頭を預けてきた。ふわっとシャンプーの香りが鼻をくすぐる。


(ち、近い……)


「○○ってさ、昔から私のこと可愛いって言ってくれてたじゃん?」

耳元で囁くように言う蓮加。

耳がゾクッとする感覚に襲われた。


「……今でも、可愛い?」


真っ直ぐに潤んだ瞳で見上げてくる蓮加。

胸が高鳴った。

何かを期待しているような目。

ただの妹じゃない。明らかに女の子の目だ。


「……可愛いよ」


答えた瞬間、

「ふふっ」

蓮加は僕の膝の上にスッと座ってきた。  蓮華坐在我的腿上。


「○○……。ちょっとだけ、いいでしょ?」  「○○……就一小會兒,可以嗎?」


体を寄せてくる蓮加にドクンと心臓が跳ねる。  當 Renka 靠近我時,我的心突然漏跳了一下。


(やばい……これ、距離感……)  (這很糟糕...距離...)


○○の顔に指先を伸ばして、蓮加がそっと頬に触れる。
蓮華將指尖伸到○○的臉上,輕輕觸摸她的臉頰。

見つめ合う距離で、何かが起こりそうになった  當我們互相凝視時,似乎有事要發生


私、甘えに来ちゃったの……迷惑だった?」
我來這裡是為了被寵壞的 …… 這很麻煩嗎? “


蓮加の瞳は艶を帯びていて、明らかにというには距離が近すぎる。
蓮華的眼睛閃閃發亮,看得出來和妹妹稱呼太親近了

……迷惑なんて、思うわけないだろ」
... 我絕對不會認為這是一種滋擾。”

そう言った瞬間、蓮加はくすっと笑って、僕の首に腕を回した。
我一說完,蓮香就笑了起來,摟住了我的脖子。


○○、優しい……。昔から、こういうの……嫌がらないよね」
○○ ,你真是太好了 ……從很久以前就沒在意過這種。”

「そういうところが…」  “就是這種事……”

囁くような声と吐息が耳元にかかり、心臓が高鳴る。  耳邊傳來低語聲和呼吸聲,讓我心跳加速。

蓮加の指が○○の胸元の服を、ぎゅっと摘まむ。  蓮華的手指緊緊抓住○○胸前的衣服。


「ん……近すぎ?」
“嗯 …… 太近了?”

わざとらしく囁く蓮加。  蓮華誇張地低聲說。

その声音は、確実に誘っている
他的語氣絕對充滿邀請


……やばい)
…… 糟糕的)


だけど拒めない。  但我無法拒絕。



—その時—  - 當時 -


「……なにしてるの?」  “...你在幹什麼?”

落ち着いた声がリビングに響く。  客廳裡迴盪著平靜的聲音。


振り返ると、キッチンからココアのマグを持ったあやめがこちらを見ていた。
我轉過身,看到綾女正拿著一杯可可,在廚房裡看著我。

その目は、明らかに何かを悟ったような、冷たいけれど少し寂しそうな表情だった。
他的目光冰冷,卻又帶著一絲落寞,彷彿清楚意識到了什麼。


「リビングで、何やってるの?」  “你在客廳裡做什麼?”


「……あ、あやめ……別に何も……」  「……啊,綾女……沒什麼……」

蓮加が僕の膝の上からスルッと降りて、離れていく。  蓮華從我的腿上滑落並走開了。


「……ふーん」  “...唔。”

あやめはそれ以上何も言わず、無言で○○の横に座った。
綾女沒有再說什麼,只是默默地坐在○○身邊。


途端にココアを差し出される。  他們立即遞上一杯可可給我。


「熱いから、ゆっくり飲んでね」  “很燙,慢慢喝。”


(……さっきまで怒ってたはずなのに)  (……雖然他剛才很生氣)


ちょっと拍子抜けしたけれど、口をつけた瞬間  我有點失望,但當我把它放進嘴裡時


「……ふふっ」  “……呵呵。”


あやめの指先が、僕の手にそっと触れた。  綾女的指尖輕輕觸碰我的手。


「……なんか、ずるいよ。蓮加ばっかり……」  「……這也太不公平了吧。這都是蓮華的事……」

小さく呟く声は、まるで独り言のようだけど、確実に僕に届くように聞かせている。
她輕柔低語的聲音聽起來就像在自言自語,但她確信我能聽到。


「私にも……ちょっとだけ、甘えさせて」  “請讓我放縱你一下。”


ぽつりと呟くあやめ。  綾女輕聲低語道。

気づけば僕の腕に絡みつき、身体を密着させてくる。  在我還沒反應過來之前,她已經用雙臂環住了我,並將她的身體緊緊地貼在我的身上。

あやめはそっと肩に寄りかかってきた。  綾女輕輕地靠在他的肩膀上。

さっきまでのそっけない態度が嘘みたいに。  彷彿他剛才的冷淡態度都是謊言一樣。


(あやめ……)  (綾女…)


「……私だって、○○くんのこと…だもん……」  「……我也愛你,___君……」


か細く、でも確かに震えた声に、心が揺れる。  她的聲音很輕,卻帶著明顯的顫抖,讓我的心也跟著顫抖起來。


顔を見れば、耳まで真っ赤に染まっていた。  我看他的臉,連耳朵都染紅了。

そっけない態度だったあやめの、甘えた素直な仕草に、耐え切れないほどドキドキしてしまう。
一向對他冷淡的綾女,此刻卻表現得溫柔又率真,讓他心跳不已。



ーすると—  -進而-


「……あ」  “……一個”


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戸惑い混じりの小さな声。

振り向くと、彩がパジャマ姿で部屋の隅からこっちを見ていた。目はまんまる、頬をぽっと染めて、見た目は完全に子供のような、でもどこか恥ずかしそうな表情をしている。

濡れた髪がまだしずくを落としている。


「……ご、ごめん。お風呂、上がった……」

濡れた髪をタオルで拭きながら、ぎこちなく言う彩。


「……彩、おいで」


あやめがそう声をかけると、彩は少し迷いながら、遠慮がちに○○の隣にちょこんと座った。


「……○○くん、あの……」

「ん?」


「……あのね……」

彩は小さく俯きながら、

「……お風呂あがったら、ぎゅーしてほしいって……思ってた……」


頬を真っ赤にしながら、大胆にも両手で僕の袖をぎゅっと掴んだ。


(……かわいすぎる)


恥ずかしそうに、でも勇気を出したように見上げてくる彩。

その顔は、幼さを残しつつも、どこか妙に大人びた色気を含んでいた。


迷っていたその時、隣であやめが耳元でささやいた。

「○○くん、……彩にも優しくしてあげて」


あやめは彩に譲るように離れていく。


そして彩1人になったところで

「い、いいの……?」

と聞くと


「……うん!」


そう言った途端、彩はぎゅっと僕の胸に飛び込んできた。


(……やばい)


しかも、しがみつく彩の後ろからは、

蓮加とあやめがじっとこっちを見つめていた。


3人の視線に囲まれた僕は、まるで逃げ場のない状況に追い詰められていく。


甘く、少し危ない夜が始まろうとしていた。

ー夜の寝室ー


時計の針は、午前1時をまわっていた。

○○の家は無駄に大きく部屋が多いため、○○と3人は別の部屋で寝ていた。


さっきのリビングでの出来事に悶々としながらも

電気を消しベッドに入り、静かに目を閉じた○○は


「……ねぇ、起きてる?」


扉が小さく開いた音に、ハッとして目を開けた。


「……蓮加?」


薄暗い中、パジャマ姿の蓮加がベッドの横に立っていた。

白い肌、ふわっとした髪。薄手のパジャマから覗く肩が、妙に艶っぽい。


「……眠れなくて、来ちゃった」


そう言って、断りもなくベッドに潜り込んできた。


「おい、ちょ、蓮加……」


「いいじゃん、少しくらい……」


ぴったりとくっついてくる身体。

布団の中、彼女の体温が直に伝わる距離。

息が止まりそうになる。


「○○くん、あったかい……」


蓮加の手が僕の胸にそっと触れる。

指先が、じんわりと服の上を滑っていく。


「……昔から、こうやってくっつくの、好きだったよね?」


「それは子どもの頃の……」


「今もだよ?」


蓮加が顔を上げ、ほんの数センチの距離で目が合う。


「ねぇ……ちょっとだけ……キスしてもいい?」


その言葉と同時に、唇がすぐそこまで近づいてくる


「……っ」


ドアの向こうで、何かが動く音。


バッと蓮加が身を引き、布団に潜った。

直後、扉が再びゆっくりと開いた。


「……なにしてるの」


声の主は、あやめだった。


「……れんちゃんいるんでしょ、何か変なことしてない?」


「してないもーん」

蓮加は布団の中から、くすくすと笑っている。


あやめは小さくため息をつき、○○のベッドの反対側にそっと腰を下ろした。


「……ちょっとだけ、私もここにいる。……別に、○○くんが心配なだけだから」


「またまた〜」

蓮加の声がくすぐったく響く。


そして…気づけば、

片側には蓮加。反対側にはあやめ。

布団の中、どちらの体温も、明らかに“普通の距離”じゃなかった。


「ねぇ…何しようとしてたの?」


あやめが囁く


「……別に、何も…けど……」


「ふぅん……」


沈黙。

そのまま、あやめの手が、そっと○○の指に触れてくる。


(え……)


絡めた指先が、離れない。


「……○○くん、」


「……?」


「私のこと、ちゃんと見ててよ」


かすかな声で、そう言ったあやめの体が、そっと僕の腕に寄り添った。


そして


「……んぅ……○○くん……?」


小さな声。

今度は部屋の入口に、眠そうな目をこすりながら彩が立っていた。


「……一人で寝れなかった……」


目をこすりながら立っている彩。

パジャマは少し大きめで、袖が手の甲まで隠れている。

そんな彩が、恥ずかしそうに足元を見つめながら僕に近づいてくる。


「……入ってもいい?」


何かを我慢するように小さく震えた声。

断れるわけもなく…

彩は嬉しそうにベッドに潜り込み、○○の足元の方でぴったりと身体をくっつけてくる。


(や、やばい……これ……)


左には蓮加、右にはあやめ

足元では、彩が。

○○の足に絡むように、そっと寝転んでいる。


完全に逃げ場がない。


「……○○くん、ぎゅーってしてもいい?」


顔を真っ赤にしながら、彩が小さく聞いてくる。


「……」


答える間もなく、彩の細い腕がぎゅっと体にしがみついた。

幼さの中に、どこか大人びた雰囲気を感じるその表情に、心臓がドクドクと暴れ出す。


「……ふふっ」

その様子を見て、蓮加がくすっと笑う。


「○○くん、すっごい顔してる」


「う、うるさい……」

思わず顔を逸らすが、耳まで熱くなっているのが自分でも分かる。


「……バカ」


あやめも、拗ねたように○○の手をきゅっと握った。


布団の中、誰かの太ももが、脚に絡みつく。

それが誰のか分からないほど、3人が密着していた。


そんな時間を過ごした翌日の夜から禁断の関係に進んでいく



つづく…