二人だけの小さな部屋 两人的小房间

バチュバチュと水音が響く。 水声哗啦啦地响着。
画面いっぱいに映るのはあへあへとよだれを垂らす俺の顔。俺はそれを見て顔を顰めた。
画面上满满映出的是我那傻笑流着口水的脸。我看着它皱起了眉头。
浅ましい。浅まし過ぎる。本当に凛はこんなのを見て抜けるのか？
真是卑鄙。卑鄙至极。凛真的会看到这种东西就放弃吗？
フランスの凛の自宅。俺はそこで凛のタブレットをいじっていた。ちなみにこのタブレットの持ち主である凛はいまシャワーを浴びている。
法国凛的家中。我在摆弄凛的平板电脑。顺便一提，这台平板的主人凛现在正在洗澡。
あの日から凛はハメ撮りにハマってしまい、俺は多種多様な動画を凛に撮られた。騎乗位、後背位、立ちバック。フェラチオをしてる顔や、オナニーをしてるところ。オモチャを使って攻め立てられたりしてるところなど、まあよくもこんなにバリエーションを思いつくものだ、と感嘆するくらいだ。
从那天起，凛就迷上了偷拍，我被她拍下了各种各样的视频。骑乘位、后背位、站立后入。含着阴茎的脸、自慰的样子。还有使用玩具攻击的样子等等，真是佩服她能想到这么多花样。
最初は恥じらいがあった俺だが、こんなに撮られたら流石にもう慣れた。最近は撮られててもカメラなんて全く意識しないでいつも通りのセックスが出来る。なんせ適応力だけは自信があるので。
起初我还感到羞涩，但被拍了这么多次，我确实已经习惯了。最近即使被拍，我也完全不在意摄像机，能像平时一样做爱。毕竟我的适应能力还是很有自信的。
いま見ている動画は、凛が後背位で俺を攻め立てているところだ。カメラ越しなら凛の腰使いがよく分かる。普段バックから突かれている時、俺は凛の動きなんて見えない。いま、この動画を見て「こんなに激しいのかよ……」ってちょっと引く。激しく打ち突かれる腰つきに、画面の中の俺は快感に咽び泣いている。
现在看的视频是凛在后背位攻击我的场景。透过镜头能清楚看到凛的腰部动作。平时从背后被插入时，我根本看不到凛的动作。现在看着这个视频，我不禁感叹：“原来这么激烈啊……”有点被吓到。画面中的我被猛烈撞击的腰部动作弄得在快感中呜咽。
ハメ撮り映像は、凛の主導で撮られるから俺の顔や身体がメインで写ってるけど、凛の顔や身体だってもちろん映っている。万が一、この映像が流出した際、ダメージを受けるのは俺だけじゃなくて凛も同じだ。
偷拍视频虽然是在凛的主导下拍摄的，我的脸和身体是主要拍摄对象，但凛的脸和身体当然也会被拍到。万一这些视频流出，受到伤害的不只是我，凛也会同样受到打击。
不思議な話なんだけど、こんな動画を撮るようになって、俺と凛の仲はまた一段と良くなった。
说来也奇怪，自从开始拍这种视频，我和凛的关系反而更加亲密了。
普段、外で凛と食事をしている時に俺の脳裏にチラつくのは「コイツ、外ではこんなにすました顔をしてるけど、俺のいやらしい動画を死ぬほど持ってるし、それでしか抜かないんだよな……」ってこと。
平时在外面和凛一起吃饭时，我的脑海中总会闪过这样的念头：‘这家伙，在外面装得这么正经，其实手里有我那些不堪入目的视频，而且只能靠那些来发泄……’。
凛は凛で「コイツ、外ではこんなにすました顔をしてるが、俺のちんこで死ぬほどアンアン言ってるし、そんな顔を俺に撮影されて興奮してるんだよな……」みたいな感じのことを思っているだろう。きっと。
凛大概在想「这家伙在外面装得这么正经，但在我面前却会因为我的鸡巴而叫得死去活来，还被我拍下那种表情而兴奋不已……」之类的事情吧。一定是这样。
昔、何かで読んだけど、カップルが手っ取り早く仲良くなる方法は、お互いしか知らない秘密を共有することだと聞いた。そしてそれを決して外に漏らさないこと。それが関係性をまた一段と強くするとのことだった。
以前读到过，情侣快速增进感情的方法是分享彼此才知道的秘密，并且绝不外泄。据说这样能让关系更加牢固。
秘密って言うと大仰だけど、カップルだったら性行為がまさしくそれだと思う。快感に呑まれている時の顔や声だったり、相手に奉仕している姿だったり。親や友達や職場の人間は決して見せられない恥ずかしい姿。
说秘密可能有点夸张，但我觉得对于情侣来说，性行为正是如此。沉浸在快感中的表情和声音，为对方服务的姿态。这些都是绝不能让父母、朋友或同事看到的羞耻模样。

ハメ撮りした動画は俺のスマホにも何個か転送してある。
偷拍的视频我也转存了几段到我的手机里。
他人には決して見せれない、個人の尊厳を脅かすような動画。
绝对不能给别人看的、威胁到个人尊严的视频。
これが手元にある限り、俺は凛から離れられないし、凛も俺から離れられない。
只要这些在我手里，我就离不开凛，凛也离不开我。

「あがった」 「上来了」

シャワーから戻ってきた凛が俺に声を掛ける。 洗完澡回来的凛向我搭话。
凛はソファの俺の隣に座り、タブレットを見つめたままの俺の肩に腕を回す。
凛在沙发上坐在我旁边，手臂环过盯着平板的我肩膀。

「……次、撮る時はどんなのが良い？」 「……下次、拍什么样的好呢？」

凛が低い声で聞く。お前、そんな綺麗な顔しといて俺とエロい動画を撮ることしか考えてねぇの、ファンの子たちが知ったら悲しむぞ、と思う。
凛用低沉的声音问道。你这家伙，明明长着这么漂亮的脸，脑子里却只想着和我拍色情视频，要是被粉丝们知道了，他们会伤心的哦。
俺はタブレットをテーブルの上に置いて、凛の首に腕を巻き付けながら囁いた。
我把平板放在桌上，一边将手臂缠绕在凛的脖子上，一边低声耳语。

「この前さ、すっげぇエロい下着見つけたの。ネットで。あれ買おうかな」
「之前啊，在网上找到了超色情的内衣。要不要买呢」

瞬間、凛が目を細めた。悪くない、と思っているのが伝わってきて思わず笑ってしまう。
瞬间，凛眯起了眼睛。她似乎觉得不错，这让我忍不住笑了出来。

「次、凛と会う時までに買っとくわ」 「下次和凛见面之前就买下来吧」
「ああ」 「啊」

そう言って凛と唇を合わせる。 说着，凛轻轻吻上了她的唇。
こうして今日も俺と凛は秘密を重ねるのだ。 就这样，今天我和凛也继续着我们的秘密。