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勿忘草/あか的小说

勿忘草

23,319字46分钟

【記憶喪失になる三さんの三リョ】 三先生的三丽世界中的记忆丧失

《簡単な説明》 《简单的说明》
▼捏造プロ軸 ▼捏造プロ軸 → ▼捏造职业轴

※三さんのことが好きなモブ出てきます 会出现喜欢三的配角角色
※キャラの嘔吐表現あり ※有角色呕吐的表现
※r-18
※受から攻に対するフェラあり ※受けから攻めに対するフェラあり ※对于受攻的情况有反击的意思
※結腸責めあり ※有结肠责备
※捏造あり(渡米後のことなど) ※有捏造(包括在去美国后的事情等)
※なんでもいい方どうぞ 请随便选择任何一种

【感想】
おふぃすぱろたくさん見ていただいてありがとうございます!この小説をあげた後に流行病にかかりました。たぶんすけべに貪欲すぎたせいです。
非常感谢您对我的支持!在我发布这本小说之后,我感染了一种流行病。可能是因为我太贪婪地追求了色情。

n番煎じものが三リョすごい似合います。 这种重复的东西非常适合三两次。
8月中に間に合ってよかった。 好在赶在了8月中旬。

【お知らせ】 【通知】
1月7日インテの三リョプチでますー! 1月7日,在三丽鸥的三丽鸥购物中心开业!
よろしくお願いします! 请多关照!

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「やるよ」 我会做的

三井から唐突に渡されたのは、紺色の小さいボックス。
三井突然递给我的是一个深蓝色的小盒子。

「何? なんかした? 浮気?」 "什么?你做了什么吗?出轨了吗?"
「恋人にプレゼントしたらいけねぇのかよ」 给恋人送礼物不行吗?
「いや、悪くはねぇけど、ガラじゃねぇじゃん」 不,不是说不好,只是不太合适吧
「うるせぇな、開けろよ早く」 “闭嘴,赶快开门。”

別に記念日というわけでもない。宮城が欲しいと言ったわけでもない。中を開けると予想はできていたが、リングが入っていた。シンプルなシルバーのリング。何やら裏面に書いてある。宮城はその文字を読んで眉を歪めた。
并不是什么纪念日。也不是说想要宫城。打开后我已经猜到了,里面有一个戒指。一个简单的银戒指。上面好像写着什么。宫城看着那些字,皱起了眉头。

「げぇ……」 "咕噜……"
「んだよ」 是的

リングにははっきりとした日本語で【三井 寿】と書かれている。
戒指上清晰地写着用日语写成的【三井寿】。

「これじゃあこれ、あんたの指輪みたいじゃん」 这个就是这个,就像你的戒指一样嘛
「あ? お前は俺のもんってことだよ」 嗯?这是说你是我的东西
「話が通じねえな」 "沟通不了啊"
「こう言うのってさ、普通は俺の名前も入れんじゃねえの?」
这样说的话,一般不是也要加上我的名字吗?

「大事なものには名前を書いておけって言うだろうが、流石にお前の身体にずっと俺の名前書いておくわけにはいかねえし」
「虽然说对于重要的东西要写上名字,但是我可没法一直在你的身体上写上我的名字啊。」

「ものじゃねぇんだけど、つーかなんで漢字フルネーム……」
虽然不是那种东西,但为什么要用汉字的全名呢……

そう口では文句を言いながらも、宮城は初めて三井からもらった指輪に心臓はわかりやすくバクバクと激しく鼓動していた。
尽管嘴上抱怨着,但宫城的心脏却明显地怦怦跳动,因为这是她第一次收到三井送的戒指。

リングをはめるとぴったりのサイズ。思わず「おお」なんて感心したような声をあげてしまう。
戴上戒指时正好合适的尺寸。不禁发出了像是惊叹的声音。

「俺の指輪のサイズなんてよく知ってたね」 你真了解我的戒指尺寸呢
「お前の普段使ってる指輪こっそり持ってって測ってもらった」
我偷偷拿走了你平时戴的戒指去测量了

「珍しく頭いいじゃん」 "真是罕见,你好聪明啊"
「馬鹿にしてんのか?」 你在嘲笑我吗?

「ちぇーもっとこう泣いて喜ぶとかあるだろ……」なんてぶつぶつ言いながら、三井はムッとした顔をした。ついには、宮城に背を向けてしまう。そんな拗ねてしまった三井が可愛くて、宮城はふっと微笑んだ後、飛びつくように自分よりも広い背中に抱きつく。
「为什么不多哭一点、开心一点呢……」三井一边嘟囔着,一边板起了脸。最终,他转过身背对着宫城。看到三井生气的样子,宫城觉得他很可爱,微笑着,紧紧地抱住了比自己宽广的背脊。

「うぉい! 危ねぇだろ!」 「喂!太危险了吧!」
「ありあと、三井サン」 「有了,三井太阳」

きゅうっと少し力を入れて抱きしめれば、遅れて「おうよ」なんて声が返ってきた。腹に巻きつけていた腕を取られて、向かい合わせになる。
紧紧地用一点力气拥抱,然后迟迟地传来了“嗯”这样的声音。我的手臂被解开了,我们面对面地坐着。

「宮城」 宫城

手は握られたまま、見つめ合う。なんだかどこかで見たことがある光景。あ、こないだ親戚の結婚式で見た誓いのキスの時のようなシチュエーションだ。そう思った時にはもう三井の唇は自分のそれに重なっていた。
手牵着手,相互凝视着。这个场景好像在某个地方见过。啊,就像上次在亲戚的婚礼上看到的誓言之吻的情景。当我这样想的时候,三井的嘴唇已经与我的重叠在一起了。

宮城は目を閉じて恋人とのキスを堪能した。少しカサついてるな、後でリップクリーム塗ってあげなきゃと思いながら、短いキスを時間も忘れて、何度も何度も重ね合ったのが、ほんの数週間前の話。
宫城闭上眼睛,尽情享受与恋人的亲吻。虽然有点干燥,但我想着等会儿要给他涂上唇膏,我们忘记了时间,一次又一次地重叠在一起,这是几周前的故事。

******

自分たちの関係は、かなりの遅咲きだった。 我们的关系是相当晚开花的。

宮城が渡米後、日本に戻ってきた時、何故か空港に三井がいた。宮城が日本に戻ることは安田か彩子辺りから教えてもらったのだろうが、まさか空港にいるとは思わず、宮城は眉を歪める。
宫城在去美国后回到日本时,不知为何三井出现在机场。宫城可能是从安田或彩子那里得知他要回日本的消息,但他没想到会在机场见到三井,宫城皱起了眉头。

2人にも便までは教えてなかったはずなのに、何故か三井は空港に降り立った宮城の目の前に立っている。
虽然应该没有告诉两个人厕所的位置,但不知为何,三井却站在宫城面前的机场。

「なんでいんの?」 为什么呢?
「久しぶりに会う先輩に対しての態度ではねえな」 对于很久没见的前辈的态度可不是这样的
「……ストーカー?」 "......追踪者?"
「アンナから教えてもらったんだよ」 是安娜教给我的
「アンナ?」 "安娜?"

アンナも母親も仕事があるからと迎えには来ていない。確かに三井は数度宮城の家を訪れており、アンナとは顔見知りだった。連絡を交換し合う仲だとは思わなかった。
安娜和她的母亲都有工作,所以她们没有来接我。确实,三井几次来过宫城的家,和安娜是面熟的。我没有想到我们之间会有联系交流的关系。

「まさかアンナにも手を出した?」 "难道你也对安娜动手了吗?"
「なわけねぇだろ!」 当然不可能!

宮城がそう聞くと三井は焦ったように否定する。その態度さらに怪しいんですけどと思いながら、宮城は差し出される手にしたがってスーツケースを渡す。
宫城听到这句话后,三井焦急地否认了。宫城心里觉得他的态度更加可疑,但还是按照伸出来的手递上了行李箱。

「やだよ、俺アンナと穴兄妹になるの」 "不要啦,我不想成为安娜的兄弟姐妹关系"
「だからしてねぇって……」 所以就是不做嘛……

ゴロゴロとキャスターが床を滑る。宮城は少しガタイが良くなった三井の身体を見つめる。
滚滚的轮子在地板上滑动。宫城注视着身材变得更好的三井。

******

魔がさしたのだ。最初に抱かれたのは三井の家に訪れた時だった。そもそも三井に対する宮城の評価は地に落ちていたし、これ以上下がることはなかった。むしろ直向きにバスケに向かうその姿は初めてあのバスケコートで出会った時のことを思い出させて、一気に宮城の中で三井に対する好感度は急激に上がった。
这是个意外。第一次抱有这种感觉是在去三井家的时候。本来对宫城来说,对三井的评价已经跌到谷底,再也没有更低的了。然而,他那直面篮球的姿态让我想起了我们第一次在那个篮球场相遇的时候,宫城对三井的好感度一下子急剧上升了。

恋愛において、マイナスの印象から好感度が上がる方が、効果的だとどこかで聞いたことがある。そんな中で、“ちょっといいな”と思っていた時に突然口付けられた。
在恋爱中,我曾经听说过从负面印象中提高好感度更加有效。在这种情况下,当我稍微对他有好感时,他突然吻了我。

早く突き飛ばせばよかったのに、それができなかったのはきっとマイナス印象のスタートだったせいだと宮城は今でも思っている。
宫城现在仍然认为,如果当时能够迅速推开,那一定是因为无法做到这一点,给人留下了负面印象的开始。

「みつ……いさん」 "三井……先生"

名前を呼ぶと、まるで慈しむように三井は宮城の頭を撫でてきた。ふとソーちゃんが重なって、涙が出そうになったのを堪える。そのままゆっくりと押し倒されて、身体を暴かれるまで宮城はグッと拳を握りしめて唇をかみしめていた。
当三井叫出名字时,他像是慈爱地抚摸了宫城的头。突然索尔也靠了过来,宫城忍住了要流泪的感觉。然后他慢慢地被推倒,一直紧握着拳头,咬紧了嘴唇,直到身体被暴露出来。

*******

「セフレを迎えに来るなんて、三井さんも律儀だね」 三井先生真是个细心的人,竟然亲自来接情人

最近、車の免許を取ったのだと言う三井に連れられ、車に乗り込む。当たり前のように助手席に座り、シートベルトをしようとした手を掴まれる。
最近,被三井说他拿到了驾照,然后被带着上了车。我像理所当然一样坐在副驾驶座上,正准备系安全带的时候,我的手被抓住了。

「宮城」 宫城

あ、あの目だと思った。最初に抱かれた時の目。慈しむようで奥に熱がこもった目。
啊,我觉得那双眼睛。初次拥抱时的眼神。充满慈爱,却又蕴藏着热情的眼神。

「なに、セックスしたいの? ちょっと疲れてるから別日が……ッ」
什么,你想要做爱吗?我有点累了,改天吧……

そうふざけたフリをして返せば、引き寄せられた。ふわりと変わらない、懐かしい三井の香りが肺いっぱいにこもった。
如此开玩笑般地回应,我被吸引了过去。那熟悉的三井香味轻轻地填满了我的肺。

「好きだ」 「喜欢你」
「は……?」 「嗯……?」
「お前が帰ってきたら、一番に言おうと思ってた、だからアンナにお前が帰ってくる便を聞いた」
「我本打算等你回来后第一个告诉你,所以问了安娜你回来的航班。」

「…アンナに全部言ったの?」 "你把全部都告诉安娜了吗?"
「さすがにセフレまでは言ってねぇけど、好きなことは言った」
虽然没有说到性伴侣,但是我说了喜欢的事情

「まじかよ…」 "真的吗..."

ぽわりと耳が熱くなった。三井さんはさらに強く抱きしめてきて、アメリカでまぁまぁ鍛えてきたのに振り解くことができない。
突然耳朵变得热了起来。三井先生更加紧紧地抱住我,尽管我在美国锻炼过一段时间,但我无法挣脱他的怀抱。

「好きだから、どうすんの」 因为喜欢,所以怎么办呢
「…どうすんのって」 "怎么办呢"
「好きだから、俺をどうしたいの」 因为喜欢,你想要怎么样对待我呢?

いまいち想像ができなかった。学生の頃、確かに三井に抱かれてる時は2人のその後を宮城も想像したことがある。2人でデートなんかして、同棲なんかして、たまにセックスして、喧嘩して。日常を過ごして、どちらかが死ぬまで一緒にいる姿を想像した。それでも、三井から確定的な言葉はもらえず、そのまま宮城は渡米した。
我无法完全想象出来。在学生时代,确实有过想象过宫城和三井在一起的未来的时候。他们一起约会,一起同居,偶尔发生性关系,也会吵架。想象着他们过着平凡的日常,直到其中一人去世。然而,三井从来没有给出明确的承诺,宫城最终还是去了美国。

アメリカと日本は遠かった。時間も全く反転していた。本場のバスケは、覚悟してたとはいえ、他のことを考える余裕がないくらいに必死で食らいつかないといけなかった。
美国和日本相距甚远。时间也完全颠倒了。虽然我已经做好了准备,但在正宗的篮球比赛中,我必须全力以赴,没有时间考虑其他事情。

次第に三井と過ごした記憶は過去のものへと変わっていった。想像していた未来も幻のもので、昔読み聞かせてもらった御伽噺のように記憶の底へと沈んでいった。
渐渐地,与三井度过的记忆变成了过去的事情。曾经想象的未来也成了幻影,像是被人讲过的童话故事一样沉入记忆的深处。

もう2度と自分の人生には関わってこないだろうと思っていたのに、三井は目の前に現れた。現れた時に、全ての記憶が、想像して今未来が宮城の脳内を駆け巡った。それでも出会って数分では処理しきれず、宮城は三井に思わず聞いてしまった。昔欲しかった言葉を言われて、宮城は今どうすればいいのだと。
虽然我曾经认为他再也不会涉及我的生活,但三井却出现在我的面前。他出现的瞬间,所有的记忆都在我脑海中闪现,想象着现在和未来。然而,仅仅几分钟的相遇无法完全处理,我不由自主地问了三井。当听到他说出我曾经渴望听到的话时,我不知道现在该怎么办。

「俺のものにしたい」 "我想要把它变成我的"
「え?」 "什么?"
「好きだから、お前を俺のものにしたい」 因为喜欢你,所以想让你成为我的

馬鹿正直にそう言う三井に思わず宮城が目を丸くさせる。普通は付き合ってくださいとかではないのだろうか。ひどく傲慢な回答が三井らしくて、ああそうだったこの人はそういう人だと思い出させてくれる。
宫城听到三井如此直率地说出这番话,不禁瞪大了眼睛。一般来说,应该是说“请和我交往”之类的吧。三井那种极其傲慢的回答,正是他的风格,让我想起了他就是这样的人。

「なにそれ」 那是什么?

思わず吹き出した宮城に三井は「お前が聞いてきたんだろ」と赤面している。ひとしきり涙が出るまで笑って顔を見上げると少し拗ねた表情をしてぶつぶつと文句を言っている三井の横顔が目に入る。
宫城不禁笑出声来,三井红着脸说:“你是听到了吧。”宫城笑个不停,抬头看着他的脸,直到眼泪流出来,然后看到三井有点生气的侧脸,他嘟囔着抱怨着。

「いいよ」 “没问题”
「は?」 「什么?」
「三井さんのものになってあげる」 我会让三井先生拥有这个
「いいのか?」 可以吗?
「自分が言ったんじゃん」 "我说的啊"

「そうたけどよ…」とあれだけ真剣な表情で傲慢なことを言っていたのに尻込みしている三井の襟首を掴んで無理矢理引き寄せた。体勢を崩した三井の唇と宮城のそれが重なる。
尽管他以那么认真的表情说了傲慢的话,但我还是抓住了三井退缩的领子,强行拉近了距离。三井失去平衡,他的嘴唇与宫城的嘴唇重叠在一起。

「よろしく、三井さん」 「请多关照,三井先生。」

それが自分たちの始まりだった。 那是他们的开始。
もうあれから何年が経つだろう。 从那时起已经过了多少年呢。

******

「じゃあ、行ってくる」 那好,我去了
「行ってらっしゃい」 一路顺风
「あ、やべぇ、忘れ物」 啊,糟糕,忘记带东西了
「え? とってく……」 "嗯?要拿走吗……"

引き寄せられて短いキスをされる。「少女漫画かよ」と吐き捨てるように言えば「いいだろ、たまには」と言って耳を赤くさせたまま三井は宮城の家を出ていく。
被吸引过来,给了一个短暂的吻。三井说:“像少女漫画一样啊”,然后宫城说:“没关系,偶尔也可以啊”,说着脸红着离开了宫城的家。

もうすぐで契約が切れる宮城の家は、まもなく三井と同じ住所に変わる。三井を見送った後、宮城はそろそろ掃除をしなくてはと三井が家によくくるからと買った大きめなソファーに座る。
宫城的合同即将到期,他的住所将很快变成三井的地址。送走了三井之后,宫城坐在他买来的大号沙发上,意识到他得开始打扫了,因为三井经常来他家。

三井は思った以上に愛情深く、それでいて宮城を大切に扱った。それはむず痒くなるくらいだった。
三井对宫城的爱意超乎想象,同时又非常珍视他。这种感情让人感到难以忍受。

抱かれた後、身体はだるくて仕方がないのに、多幸感に包まれて目の前の男しかいらないと思ってしまう。
被拥抱之后,身体感到无比疲倦,却被幸福感所包围,只觉得眼前的男人是唯一需要的。

失ってしまうのを考えて、勝手に怖くなってしまうくらいに幸せだと感じてしまう。
考虑到会失去,我会自己变得害怕,感到非常幸福。

ここまでの自分は運がいいなぁと思う。ここまでうまくなってこれたのも。そろそろ幸せすぎて運が尽きてしまうかもしれないとソファーで微睡みながら、考えていた。
我觉得到现在为止的自己真是太幸运了。能够变得这么好也是幸运。我躺在沙发上微睡着,同时想着也许幸福过头了,运气可能会耗尽。

*******

全てがスローモーションに見えた。受話器を当てた耳から聞こえる必死な声がやに遠く聞こえる。
一切都像慢动作一样。从贴在耳朵上的听筒里传来的绝望的声音听起来遥远。

「ルーズボールを追いかけて頭から突っ込んだんです……。頭を強く打ったもので脳震盪で失神してしまい、病院に運ばれました」
「我追着一个乱球,结果头先撞了进去……因为头部受到了强烈的撞击,导致脑震荡晕倒了,被送往医院了。」

「……け、怪我は? 膝は……」 「……我、我受伤了吗?膝盖……」
「外傷は大したことないんですが……なにしろぶつけたのが頭なもので……」
"虽然外伤不算严重......毕竟是撞到了头部......"

宮城が試合を終えた後、チームメイトの言葉に時が止まった。
宫城在比赛结束后,队友的话让时间停止了。

「おい、今日あっちの試合で救急車に運ばれた選手いるって」
嘿,听说今天那场比赛有一名选手被救护车送走了

「あー誰が運ばれたんだ?」 "啊,是谁被送走了呢?"
「あのー……3ポイントめっちゃ入る人……だれだっけ……み……み」
嗯……那个……三分球投得很准的人……是谁来着……看……看……

「三井選手」 三井选手
「そう、その人」 是的,那个人

心臓が跳ねる。狭い国内バスケットボールでの出来事は、違う会場で行われている試合のことでも、すぐに他チームに話がまわりやすい。だからこそ宮城は、チームメイトに三井と交際関係にあることは話していなかった。
心脏跳动。在狭小的国内篮球比赛中发生的事情,即使是在不同的场馆进行的比赛,消息也很容易传到其他队伍那里。正因为如此,宫城没有告诉队友们他和三井的交往关系。

言っていたのは、高校の時に先輩・後輩同士だったということだけだった。宮城はその話をしていた2人のチームメイトに近づく。
他说的只是在高中时是前辈和后辈的关系。宫城走近那两个谈论这件事的队友。

「それって本当……っすか」 那件事是真的吗?

声はどうしても震えてしまっていた。突然、宮城から話しかけられて驚いたような表情をした2人は、「わかんないっすけど、さっき、そうスタッフが言ってました」と返した。
声音不由自主地颤抖着。突然,被宫城搭话的两人露出了惊讶的表情,回答道:“虽然不太清楚,但刚才工作人员是这么说的。”

宮城は軽くお礼を言うと、携帯電話だけをつかんで控え室から離れた誰もいない休憩所で電話をかける。三井の番号に電話をかける。嘘であってくれと思う宮城の期待はいつものあの低い声ではなく、女の少し高い声が電話に出たことで裏切られた。
宫城轻轻道谢后,只拿着手机离开了休息室,找了一个空无一人的休息处打电话。他拨通了三井的号码。宫城原本期待的不是那个常常出现的低沉声音,而是一个女性稍微高亢的声音接了电话,这让他感到失望。

「あ……えっと……」 「啊...... 呃......」
「宮城選手ですか?」 宫城选手吗?
「あ、はい」 「啊,是的」
「すみません、三井さん少し電話に出れる状況ではなくて……」
对不起,三井先生现在不方便接电话……

「あの、頭打ったって、本当ですか?」 “那个,你被打头了,是真的吗?”

宮城が単刀直入にそう言うと、相手は少し黙った後、「ええ」と声をかけた。
宫城直截了当地说完后,对方稍微沉默了一下,然后说了声"是的"。

「でも命には別状はないんです」 "但是没有生命危险"

そこからは断片的にしか記憶がない。電話を切った後、飛び乗ったタクシーで病院名を伝えたところで少し冷静になってきた。先ほどの会話を思い出す。
从那之后,我只有零碎的记忆。在挂断电话后,我坐上出租车并告诉司机医院的名字,这时我稍微冷静了一些。我回想起刚才的对话。

怪我がなかったのはよかった。ただ頭を強く打ってると言う。まだ目を覚まさないのだろうか。打ちどころが悪くて、どこか麻痺とかしていたら。
幸好我没有受伤。只是说头部受了重击。还没有醒过来吗?如果打到了不好的地方,可能会有些麻痹。

いつもならあっという間に着いてしまうタクシーも今日だけはやに遅く感じてイライラとしてしまう。イライラを隠すように帽子で顔を覆った。自分の運をいくら使ってくれても構わないから、三井にだけは、どうかあの人からどうかバスケを2度も奪わないでくださいと震える手で祈るしか今の宮城にはできなかった。
平时只需要一会儿就能到达的出租车,今天却感觉特别慢,让人感到烦躁不安。为了掩饰烦躁,我用帽子遮住了脸。无论我付出多少运气都没关系,只希望三井不要再让那个人两次夺走篮球,宫城只能用颤抖的手祈祷。

*******

三井の代わりに電話に出てくれたのはだいぶ小柄な女性だった。入り口できょろきょろとしていた女性は宮城の姿を見ると小さく会釈をした。ふんわりと香る香水はキツイものではなく、いかにも男性が好きそうな女性と言った容姿をしている。
代替三井接电话的是一个相当娇小的女性。在入口处四处张望的女性看到宫城后微微点头致意。她身上散发出的淡淡香水并不浓烈,外表看起来确实符合男性喜欢的女性形象。

「宮城さん」 "宫城先生"
「すみません、電話ありがとうございました」 对不起,谢谢您的来电
「いえ、その……三井さんと仲がよろしいんですね」 "嗯,那个……你和三井先生关系很好呢"

探るような瞳。宮城は「ええ、高校時代からの腐れ縁です」と返した。女性は一言、「そうですか」と答えて病院内へと宮城を連れて入っていく。
探索般的眼神。宫城回答说:“是的,我们是从高中时代就有的不好的缘分。”女性只说了一句话:“是吗?”然后带着宫城进入了医院。

「まだ目を覚まさなくて」 还没有醒来
「だいぶ時間経ってますか?」 已经过了很长时间了吗?
「ええ、もう3時間程度は……お医者様はそろそろ目が覚めてもいい頃だとおっしゃってるんですけど」
是的,已经大约3个小时了......医生说现在差不多可以醒过来了

宮城の胸にざわりと黒い波が立つ。最悪なことを勝手に想像する頭を横に振って、「寝不足だったんですかね」なんてふざけて平気なふりをした。
宫城的心中涌起了一股黑色的波澜。我摇了摇头,对自己胡思乱想的脑袋嘲笑地说:“是不是睡眠不足呢”,装作若无其事的样子。

「こちらです」 「这边」

女性が病室の扉を開ける。ふわりと風が吹いた。病室の奥、1つだけカーテンが閉まったベッドがある。宮城は恐る恐る近づいて、カーテンに手をかける。
女性推开病房的门。微风吹过。病房深处有一张拉上了窗帘的床。宫城小心翼翼地走近,伸手触摸窗帘。

シャッと勢いよく開いたそこには目を固く閉ざした三井さんがいた。頭を切ったのだろうか、額にはガーゼが当てられている。
那里迅速地打开,三井先生紧闭着双眼。他是不是剪了头发,额头上贴着纱布。

「三井サン」 三井山

名前を呼ぶ。それでも返事はなかった。女性が後ろから入ってくる。宮城はその前で三井の手を繋ぐことも泣きつくこともできなかった。きっと三井だったら宮城に縋り付いて泣くくらいするかもしれない。でも、今の宮城にはそんな勇気はなかった。
叫名字。但没有回应。一个女人从后面走进来。宫城既不能牵着三井的手,也不能向他哭诉。如果是三井的话,他可能会紧紧依靠宫城哭泣。但是,现在的宫城没有那样的勇气。

「座られます?」 请坐下吗?
「あ、すみません」 哎呀,对不起

女性は三井の横に2つ丸椅子を置く。随分と気配りができる女性だ。確か三井さんのチームには何人か女性のスタッフがいたはずだ。そのうちの1人だろう。
女性在三井的旁边放了两把圆椅子。她是一个非常体贴的女性。我记得三井先生的团队里应该有几个女性员工。她可能是其中之一。

「目を覚ますまで、見張ってろって言われたんですけど、なかなか目を覚まさなくて」
直到我醒来之前,被告知要保持警戒,但是我一直没有醒过来

「……俺代わりに見てましょうか?」 "……要我来代替你看吗?"
「いえ、仕事なので」 不,这是工作

きっぱりとそう言い切った女性の耳はほのかに赤くなっている。眠った三井に向ける視線はどことなく自分のことを見つめる三井の視線に似ていた。宮城は、あぁ、この人は三井に恋をしているのだと気づいてしまった。
那位坚定地说出这句话的女性的耳朵微微泛红。她注视着睡着的三井的目光,有些类似于三井注视着自己的目光。宫城意识到,啊,这个人爱上了三井。

「……いいですよ、俺どうせ明日休みだし」 "没关系,反正明天我也放假。"
「でも……」 "但是……"
「ほら、もう暗くなりますし、目覚めた後、女性一人を夜中に帰すなんて俺が三井さんに怒られちゃうかも」
“快看,已经快要天黑了,而且我怕醒来后把一个女性一个人送回家会被三井小姐生气。”

引き下がらない女性に少しムキになって宮城はそう伝える。女性は「そうですか……」と三井の顔を一瞥すると名残惜しそうに「お言葉に甘えて」と一礼してカーテンから出ていく。
宫城有点生气地对那个不肯退让的女性说。女性瞥了一眼三井的脸,略带依依不舍地说:“好的……就照您的话办。”然后向宫城鞠了一躬,从窗帘后走了出去。

病室の扉が閉まった音がする。しばらくして、宮城は大きなため息と共にずりずりと崩れ落ちるように丸椅子に座り込む。
病房的门关上的声音响起。过了一会儿,宫城带着沉重的叹息,像是崩塌一样坐在圆椅子上。

「本当……ッ」 "真的……"

布団に隠れていた三井の手を探して、握りしめる。あたたかな体温に少しホッとした。宮城は自分の額に手を当てて、祈るように三井の手を握りしめる。
躲在被子里寻找三井的手,握紧它。感受到温暖的体温,稍感安心。宫城将自己的手放在额头上,像祈祷一样紧握着三井的手。

高校時代、自分も母親と妹にこうして迷惑をかけたことがある。命に別状はない、大丈夫だと思っていても、いつ起きるかわからない人の横にいるのはこうも不安なものなのだと、改めて反省する。それが大切な人であればあるほど、心臓は大きく鼓動して、嫌な想像ばかりが浮かんでくる。
在高中时代,我也给母亲和妹妹带来了麻烦。即使我认为他们没有生命危险,但站在不知道什么时候会发生的事情旁边,我感到非常不安,再次反省自己。尤其是对于重要的人来说,心脏会急速跳动,脑海中只会浮现出不好的想象。

「早く目を覚ましてよ、三井サン」 快点醒来吧,三井桑

宮城の言葉は、2人以外誰もいない病室で響き、ゆっくりと消えていった。
在只有两个人的病房里,宫城的话语回响着,慢慢地消失了。

*******

丸椅子に座りながら、手持ち無沙汰な宮城は三井の顔をなぞる。すっかり薄くなってしまった三井の顎の傷をなぞり、輪郭をなぞり、唇をなぞる。
宫城坐在圆椅子上,无聊地用手触摸着三井的脸。他轻轻地触摸着三井下巴上已经消瘦的伤疤,轮廓线条,还有嘴唇。

ふと、御伽噺が思い浮かぶ。王子様にキスをされて、目覚めるプリンセスの話。ませていた宮城はその御伽噺を読んでもらった時、“そんなことあるかよ”なんて捻くれたことを言ったのを思い出す。
突然,我想起了童话故事。有一位公主被王子吻醒的故事。想起了当时宫城听到这个童话故事时,说了一些扭曲的话,像是在说“这种事情真的存在吗”。

三井はプリンセスなんて柄でもない。ましてや王子様なんて柄でもない。それでも、早く目覚めて欲しくて、宮城は椅子から立ち上がってそっと三井の頰に手を寄せる。
三井并不是公主的类型,更不是王子的类型。尽管如此,宫城还是希望她能早点醒来,于是他从椅子上站起来,轻轻地抚摸了一下三井的脸颊。

ゆっくりと寄せた唇はひやりと冷たかった。この冷たさに少し身体を反応させ、すぐに離す。当たり前に三井の目は閉じられたままで、宮城は自嘲するように笑うと頭を冷やそうとカーテンに手をかける。
慢慢贴上的嘴唇感觉冰凉。这种寒冷让身体有些反应,我立刻离开了。三井的眼睛一如既往地闭着,宫城自嘲地笑了笑,然后把手放在窗帘上冷静一下。

「……ん」 「……嗯」

シーツが擦れる音が聞こえる。音がする方を向くと、三井が身じろぎ、ゆっくりと瞼を開けた。まさかそんなファンタジーなことがあるのかと驚く。
听到床单摩擦的声音。转向声音的方向,三井动了一下身体,慢慢地睁开了眼睛。真没想到会有这样的幻想事情,感到惊讶。

「……どこだここ」 "这是哪里啊"

掠れた声で目を覚ました三井が言う。宮城は慌てて三井に駆け寄ると、「三井サン」と声をかける。
三井用沙哑的声音醒来后说道。宫城慌忙跑向三井,喊道:“三井先生”。

「寝すぎじゃない?」 你睡得太多了吧?
「は?」 「什么?」
「心配したんだけど」 我很担心

やっと目覚めて安堵していると言うのに、どうしても可愛げもなく言ってしまう。じっと宮城を捉える三井の視線に違和感を感じながらも、宮城はナースコールを押す。
虽然我终于醒来并感到安心,但还是无法掩饰地说出了没有可爱之处的话。虽然感到三井注视着自己的目光有些不自然,宫城还是按下了护士呼叫按钮。

「痛いところはない?」 有哪里疼吗?
「え、ああ」 "嗯,啊啊"
「何その反応、まだ寝ぼけてんの?」 那种反应是什么,你还在睡迷糊吗?

宮城が最初に感じた違和感の正体は、三井の言葉で明らかになる。
宫城最初感到的不适感的本质,在三井的话中变得明确。

「お前、誰だ?」 你是谁?

*******

「頭を強く打ったことにより一時的に記憶障害が起きてるんだと思います」
我认为这是因为头部受到了强烈的撞击,导致暂时性的记忆障碍

「記憶障害……」 记忆障碍……
「名前や住所、あとお仕事のことなどはわかるようですから、日常生活を送る分には問題ないと思います。本当一部の記憶だけが抜け落ちてしまっているのかと」
「根据您的名字、地址以及工作情况,我认为在日常生活中没有问题。只是似乎有一部分记忆丢失了。」

三井が大人しく医者に診断されているのを後ろで見守っていた宮城は医者の言葉をなんとか頭に入れる。
宫城在后面静静地看着三井被医生诊断,努力将医生的话记在心里。

「いつ戻るんですか」 "你什么时候回来呢?"
「個人差がありますからね、すぐ3日ほどで戻る方もいれば、一生戻らない方もいらっしゃいます」
因为每个人都不同,有些人可能会在短短三天内就回来,而有些人可能一辈子都不会回来

医者はそう言うと、カルテに何やら書き込み、胸ポケットにボールペンをしまった。
医生这样说着,然后在病历上写了些东西,把钢笔放进了胸口口袋里。

「こればっかりは明確な治療法はありませんので、経過を見届けるしかありません」
这个问题没有明确的治疗方法,只能观察其进展

*******

三井が忘れているのは見事に宮城のことだけであった。同じ高校に通っていた桜木のことも、流川のことも、木暮や赤木のことだって覚えているのに、ぽっかりと穴が空いたように宮城のことだけが抜け落ちている。
三井忘记的只是宫城这个人。他还记得同一个高中的樱木、流川、木暮和赤木,但宫城的事情却像一个洞一样空了出来。

「直前に考えていたことがぽっかり抜け落ちることがあるみたいだ、きっと宮城のことを考えていたんだろうな」
好像有时候会突然忘记刚刚在想什么,肯定是在想宫城的事情吧

相変わらず優しい木暮はそう宮城に言い、肩に手を置いた。宮城は「三井さんの事だから、きっとすぐ“忘れてた”とか言って思い出しますよ」なんて返した。木暮は何も言わずに、ただ笑うだけだった。
木暮依旧温柔地对宫城说着,把手放在他的肩上。宫城回答道:“三井先生的话,肯定会马上说‘忘了’之类的,然后回忆起来。”木暮没有说什么,只是微笑着。

三井は記憶以外に身体に異常がなく、経過も良好だったため、すぐに退院した。宮城は“誰だ”と言われた以降、三井とは連絡も取っていない。
三井除了记忆以外,身体没有异常,康复情况也很好,所以很快就出院了。自从被问到“你是谁”之后,宫城就再也没有和三井联系过。

「三井サンが謝ってくるまで、会ってやんねぇ」 直到三井先生道歉为止,我都不会见他

そう1人で呟く。本当はまた三井に怪訝な視線を向けられて、“誰だ”と言われるのが怖かっただけだった。三井に忘れられたのはこれが初めてではない。中学生の頃、バスケットコートで声をかけてきたくせに、高校に上がったら、すっかり忘れて屋上で宮城をリンチしたことだってある。
那个人独自自言自语。其实只是害怕再次被三井怀疑地盯着看,问“你是谁”。被三井忘记并不是第一次了。初中时,他还在篮球场上搭话,但上了高中后,就完全被忘记了,还曾在屋顶上欺负宫城。

「本当、許してやらねぇから」 “我不会原谅你的。”

だから、早く土下座してでも謝ってこいよと思う宮城の願いは、1週間経っても、2週間経っても、叶うことはなかった。
所以,宫城的愿望是希望你能早点跪地道歉,但无论过了一周还是两周,这个愿望都没有实现。

*******

日常生活は変わらない。宮城と三井は同棲をしていたわけでもなかったし、世間にその仲を公表していたわけではなかったので、特に支障はなかった。
日常生活没有改变。宫城和三井并没有同居,也没有公开他们的关系,所以没有特别的问题。

なにも変わらない。強いて言うなら、三井が自分も半分出すからと宮城の家に置かせた広すぎるベッドで寝るのがなんだか落ち着かず、ソファーで寝るようになったことくらいだった。ソファーも大男が2人ゆったりと並べるくらいの大きさのため、宮城一人が寝転んだところで狭くはなかった。
什么都没有改变。如果非要说的话,只是因为三井说他也出一半的钱,所以把宫城家里的床摆得太大了,睡起来感觉不舒服,于是开始在沙发上睡觉。沙发也足够大,可以容纳两个大个子男人并排坐下,所以宫城一个人躺下来也不显得狭窄。

三井はもう練習に復帰しているらしい。相変わらず宮城のことは忘れたままで連絡すら来ない。三井もきっと宮城がいないというだけで、日常生活に支障はないのだろう。あれだけ互いの家に行き来をして、抱き合って寝ていたのに、案外相手がいなくても平気なのだという事実に少し虚しくなった。
三井似乎已经恢复了训练。他似乎仍然忘记了宫城,甚至连联络都没有。三井肯定是因为没有宫城而对日常生活没有影响。虽然我们曾经互相去对方家里,拥抱着一起睡觉,但事实上,对方不在身边也没关系,这让我感到有些空虚。

宮城は寝転び、そっといつも三井が座っていたソファーを撫でる。少しけばだったそこは冷たかった。
宫城躺下来,轻轻地抚摸着三井经常坐的沙发。那里有点凉,有点冷。

********

三井が宮城を忘れて1ヶ月が経つ。 三井已经忘记了宫城已经过去一个月了。
相変わらず三井からの連絡はなく、まだ宮城のことを忘れたままなのだろう。宮城自身もようやく三井がいない生活にも慣れてきて、たまにベッドで1人で眠れるくらいにはなっていた。
三井还是没有联系,可能还是忘记了宫城的事情。宫城自己也终于逐渐习惯了没有三井的生活,偶尔能够一个人在床上入睡。

そんな中、告げられたのは三井が所属するチームとの練習試合。気が重い。どんな顔をして三井に会えばいいのかわからない。そもそも三井とはあの一件以来、顔を合わせていない。なんて言葉をかければいいのか、そもそも言葉をかけていいのかさえもわからない。
在这种情况下,收到了与三井所属的球队进行练习比赛的通知。感到很沉重。我不知道该怎么面对三井。毕竟自从那件事之后,我就没有见过三井。我不知道应该说什么话,甚至不知道是否要说话。

そんな悶々とした気持ちを抱えたまま、宮城は練習試合当日を迎えた。会場に入るとすでに三井のチームはコート内で練習をしていた。
怀着那种郁闷的心情,宫城迎来了练习赛的当天。当他进入场馆时,三井的队伍已经在球场内训练了。

どうしても視線は三井に向かってしまう。綺麗なシュートフォームは相変わらず健在で、敵チームでも見惚れてしまう。アップが終わり、タオルを手渡したマネージャーになにやら耳打ちをされている。あのマネージャーは確か病室にいた女性だと、宮城はツキンと痛む心臓の痛みを感じながら見つめる。三井は自分よりも随分低い女性の身長に合わせて耳を寄せると、宮城に目を向ける。久しぶりに、視線があった。それだけで浅ましく心臓は跳ねて、ほんのりと頰には熱がこもった。
无论如何,视线总是不由自主地朝向三井。他那优美的投篮姿势依然如故,即使是对方队伍也会被他迷住。训练结束后,经理递给他毛巾时,对他耳语了一些话。那个经理,宫城记得她曾经在病房里,他感到心脏一阵刺痛,同时注视着她。三井低下头,与那个比他矮很多的女性耳语,然后转向宫城。久违地,他们的目光相遇了。仅仅这样,宫城的心脏就不由自主地跳动起来,脸颊微微发烫。

三井は宮城を捉えると、マネージャーにタオルを渡し、こちらへと向かって歩いてくる。宮城は動くことができなかった。ほんの少し、記憶が戻っているのではないかという期待は、三井の口から出た第一声で裏切られる。
三井抓住了宫城,递给经理一条毛巾,然后朝这边走来。宫城无法动弹。对于稍微有些记忆恢复的期望,在三井的第一句话中被背叛了。

「あの……」 「那个……」

よそよそしく三井が宮城に声をかける。いつも偉そうに「おい」なんていうくせに、宮城はそこで三井がまだ記憶が戻っていないことを察する。
三井冷淡地向宫城搭话。平时总是傲慢地喊着“喂”,但宫城察觉到三井还没有恢复记忆。

「……なんすか」 "……是什么啊"

宮城はなんだか悔しくて、冷たく返してしまう。三井の眉間が寄る。なんだか高校時代に屋上で対峙した時に似ている気がする。そんな懐かしい思い出さえ、目の前の男は忘れてしまっているが。
宫城感到很沮丧,冷酷地回答了。三井皱起了眉头。他感觉有点像高中时在屋顶上对峙的时候。即使是那样的怀念的回忆,眼前的男人也已经忘记了。

「いや、マネージャーからお前が俺が目覚めるまで世話してくれてたって聞いたから、一応お礼を言っとかないとと思って」
"不,我听说经理说你一直照顾我直到我醒来,所以我觉得还是要说声谢谢。"

「……別に」 "……没什么"
「後輩? なんだろ? なんで病室にいたんだ」 "后辈?是什么呢?为什么在病房里呢?"
「偶々です、偶々」
「偶々ってことあるかよ」 有这种偶然的事吗?
「あるでしょ」 「应该有吧」

宮城はチームメイトの後を追い、コート内へと入っていく。三井は何故かその姿にもやりとしながらも、その原因がわからず、ただのその背中を見つめるしかできなかった。
宫城紧随队友的脚步,走进球场。三井对此感到有些困惑,不知道其中的原因,只能默默地注视着他的背影。

********

日常生活に支障はないと思っていたのに、次第に綻びが出てくる。
虽然我认为日常生活没有问题,但渐渐地出现了问题。

「あ……やべ」 「啊……糟糕」

もうしばらくは必要ないのに、三井さんが好きなお酒やお菓子を買ってしまう。
三井先生虽然不再需要,却还是买了他喜欢的酒和点心。

さらに性欲処理をしようとしてもうまく一人でできなくなっていた。気持ち悪い達せない感覚がぐるぐると周り、疲労だけが溜まった。後ろに手を伸ばしても自分の指では長さも太さも足りなかった。仕方がないからと虚しくなるが、三井のことを思い出し、三井の名前を呼ぶと時間はかかるがなんとか達することができる。
进一步尝试满足性欲,但无法独自完成。令人不快的无法达到的感觉在周围旋转,只有疲劳积累。即使伸出手去,自己的手指长度和粗细都不够。无可奈何地感到虚空,但想起了三井,虽然需要一些时间,但还是能够达到目的。

「くっそ……」 该词是一个日语粗话,可以翻译成中文的脏话

三井さんが記憶を無くして、3ヶ月が経つ。同棲するはずだったのに、もう間も無く更新が切れる宮城の住居は仕方がないからとまた更新の手続きをとった。
三井先生失去了记忆,已经过去了三个月。本来应该一起同居的宫城的住所即将到期,只好再次办理续约手续。

「記憶戻ったら、三井サン沈むだろうな」 如果记忆恢复了,三井太阳会沉下去吧

しゅんとしている三井を想像するだけで少し気が楽になった。こないだは少し冷たくしてしまった。今度会った時は、優しくしてあげようと宮城はソファーで目を瞑る。
想象着沉默寡言的三井,我感到稍微放心了一些。上次我对他有点冷淡。下次见面时,宫城决定要对他温柔一些,闭上眼睛躺在沙发上。

その翌日、三井が週刊誌に撮られた。 第二天,三井被周刊杂志拍到了。

*******

「フライデーされても、試合は出るんだな」 即使被曝光在《星期五》杂志上,我还是会参加比赛
「当たり前だろ、仕事だろ」 当然啦,这是工作嘛

チームメイトのそんな会話を聞きながら、宮城は態とらしく大きく音を立てながらロッカーを閉める。チラリとこちらを見られたような気がしたが、どうでもいい。
听着队友们的对话,宫城大声地关上了储物柜,显得有些不自然。虽然感觉他瞥了一眼这边,但无所谓。

「まぁ、もう三井だっていい年だろ、彼女の一人や二人くらいいるだろ」
嗯,三井已经是个成年人了,应该有一两个女朋友吧

「怪我した時に献身的に支えてくれた美人スタッフと……なんで羨ましすぎる、世の中顔だよ顔」
「在我犯错时无私地支持我的美丽员工……为什么这么羡慕,世界上就是长相啊长相」

「俺らにはバスケしかねぇ」 我们只会打篮球

宮城はそんな会話をするチームメイトを置いて、先にコートへと向かう。いい加減、早く思い出してもいいんじゃないかと思う。暇な時によく冷やかしで見ていたアンナの部屋にあった漫画雑誌には同じような衝撃を喰らった登場人物が都合よく記憶を取り戻すものがあった。三井も宮城が頭突きの一つでもしたら思い出すだろうか。そんなことを思いながらバスケットパンツに両手を突っ込み、顰めっ面でコートに向かう。
宫城留下了那些在交谈中的队友,先去球场了。我觉得他应该早点想起来了。在安娜的房间里,我经常看到的漫画杂志上,有一个登场人物正巧记起了记忆,给我带来了相似的冲击。三井如果宫城给他来个头槌,他会不会想起来呢。我一边想着这些事情,一边把双手插进篮球裤里,皱着眉头朝球场走去。

「おい」 「喂」

背後から聞こえたのは、今の宮城の苛々の原因。睨みつけるように後ろを振り向くと、ほんの少し相手の肩がぴくりと跳ねた。
从背后传来的声音,是宫城现在烦躁的原因。我转过身来,瞪着对方,对方的肩膀微微颤动了一下。

「なんだその顔は」 那个表情是怎么回事?
「……なんすか」 "……是什么啊"
「なんすかって……普通に挨拶だよ」 “是什么啊……只是普通的问候而已。”
「“おい”が?」 "哎呀"?
「なんか怒ってる?」 "你生气了吗?"

三井は宮城の思いなんて知らずに、距離を詰めてくる。宮城は後ろに飛んで距離を取る。
三井不知道宫城的心意,却一直靠近。宫城飞向后方,保持距离。

「なんで離れんだよ」 为什么要离开呢
「バスケよりも色恋沙汰にうつつ抜かしてる先輩に近づきたくないんで」
因为不想接近那个总是对恋爱事务充满兴趣而忽略篮球的前辈

三井は宮城が言っていることがわかったのか、罰が悪そうに頭を掻く。何か都合が悪いことがあったときに三井がする癖のようなものだった。
三井听明白了宫城说的话,他不悦地挠了挠头。这是三井在遇到什么不顺心的事情时的习惯动作。

「あれは……その……誤解だよ、遅くなったから家に送ってっただけで」
那个……那个……是误会,只是因为晚了所以送你回家而已

「なんで俺に弁明してんの」 为什么你要向我解释?
「お前が色恋沙汰にうつつ抜かしてるとか言うからだろ」
是因为你说我对恋爱事务毫不在意吧

三井はムッとして、「んだよ……」と言う。面倒な奴だと思ってるんだろうなと思い、宮城はため息をつく。
三井生气地说:“真是麻烦啊……”宫城心想他一定觉得我很烦人,于是叹了口气。

「あのスタッフの人、美人だもんね」 那个员工,真是个美人呢
「あ?」 「啊?」
「三井さんが倒れたとき、俺が来るまであんたのこと見ててくれてたし、いい人なんじゃない」
"三井先生倒下时,你一直照顾着他直到我来,你是个好人"

思ってもみないことを言ってしまう。この話に触れたくなかったのに。宮城はこれ以上、何も言うなと祈る。
说出了意想不到的话。明明不想碰这个话题的。宫城祈祷着不要再说任何话。

しかし三井の言葉は宮城のその祈りを裏切った。 然而,三井的话背叛了宫城的祈祷。

「あぁ、すげぇ、いい子だよな」 啊,真厉害,真是个好孩子呢

それまで、気づかないふりをしていた心のキズがずくんと疼く。バラバラと一度崩れたものは次々に床に散らばっていく。宮城は何かが崩れ落ちたように、全てがどうでも良くなった。
之前,心中一直装作没有察觉的伤痛突然刺痛起来。一度崩溃的东西纷纷散落在地板上。宫城感觉好像有什么东西崩塌了,对一切都变得无所谓了。

「……そう、お幸せに」 "......那么,请幸福吧。"

宮城はそう言うと、コートとは反対側に走っていく。三井の「おいそっちコートじゃねえぞ!」という言葉を無視して。
宫城这样说着,径直跑向球场的另一边,无视三井喊着“不是那边的球场!”的话。

涙は出なかった。いずれこうなるとは思っていたのかもしれない。三井だって、普通に女と恋愛して、普通に家庭を築いた方がいいに決まっている。宮城はもうコートに向かったのだろう誰もいない楽屋に一人で逃げるように滑り込む。
我没有流泪。或许我早就预料到会变成这样了。三井也应该像普通人一样谈恋爱,建立一个正常的家庭才是最好的选择。宫城应该已经去球场了,我一个人悄悄地溜进了空无一人的更衣室。

興奮したように息が上がって、震える手で自分のロッカーを開けた。大事に布に包んでしまっていた指輪を取り出す。それは【三井 寿】と書かれたあの指輪。宮城はその指輪をギュッと握りしめると、楽屋を出て、三井のチームの楽屋にこっそりと入り込む。
兴奋地喘着气,用颤抖的手打开自己的储物柜。小心翼翼地取出了用布包裹着的戒指。那是那枚写着【三井寿】的戒指。宫城紧紧握住那枚戒指,离开了化妆室,悄悄地进入了三井的团队的化妆室。

三井はいくら言っても、ロッカーの鍵をかけないので、すぐに場所はわかった。宮城は三井のロッカーのわかりやすい位置にその指輪を置く。幸い宮城の名前は書いていない。誰が置いたなんて、きっとわからない。
无论三井怎么说,他都不锁储物柜,所以很快就知道了地点。宫城把戒指放在了三井储物柜明显的位置上。幸运的是,宫城没有写上自己的名字。谁放的,肯定不会知道。

「さよなら、三井サン」 再见,三井太阳

最後まで、涙は出なかった。 直到最后,没有流泪。

*******

三井は試合が終わり、ロッカーを開けると、ちょこんと一つだけ置かれた指輪が一番に目に入ってきた。
三井比赛结束后打开更衣室的时候,第一眼就看到了一个小巧的戒指放在那里。

「なんだこれ」 「这是什么东西啊?」

「指輪誰か間違えて入れてねえか?」と声をかける。「指輪?」と尋ねてきたチームメイトはそれを受け取ると、「お前の名前が書いてあんじゃん、お前のだろ」と手渡してきた。
"有人把戒指放错了吗?"他喊道。队友问道:"戒指?"然后接过戒指,说:"上面写着你的名字,肯定是你的吧",然后递给他。

「あー?こんな指輪見たことねぇけど」 "啊?我从来没见过这样的戒指呢"
「ガッツリ三井寿って書いてあるじゃねぇか」 “写着‘三井寿’这个名字呢。”
「そうだけどよぉ」 是这样的呢
「三井寿なんてお前くらいしかいねぇだろ」 三井寿这种人就只有你这样的存在吧
「……おー」 "......哦"

三井は指輪をまじまじと見つめる。何か思い出せそうで、思い出せない。最近、この気持ち悪い感覚がよく三井を襲っていた。特にあの後輩、宮城に会うとこうなる。
三井凝视着戒指,似乎想起了什么,却又想不起来。最近,这种令人不舒服的感觉经常袭击着三井。尤其是在见到那个后辈,宫城之后。

もっと宮城と話した方がいいことはわかっていた。だけど宮城が三井を避けるのだ。どうしようもなかった。
我明白更多地与宫城交谈是好的。但宫城却避开了三井。无可奈何。

この指輪を見ても、宮城にあった時と同じようにモヤが頭にかかったように何か大事なことを忘れているような気がして気持ちが悪い。
看着这个戒指,就像在宫城时一样,脑子里笼罩着一层迷雾,感觉忘记了什么重要的事情,感觉很不舒服。

そんな上の空のまま、三井は楽屋を出る。 三井心不在焉地离开了化妆室。

「三井さん」 "三井先生"

横から声をかけられる。それは三井がフライデーを撮られたスタッフで。
从侧面有人喊我。那是三井被《Friday》杂志的工作人员拍到的。

本当に三井はその女性に対する好意は一切抱いていなかった。抱かなかった。もっと自分には、他に大切な誰かがいた気がする。確証はないが、そんな気がしていた。
三井对那个女性没有任何好感。他没有抱有任何感情。他觉得自己还有其他更重要的人。虽然没有确凿的证据,但他有这样的感觉。

「あー……」 「啊……」
「今朝、驚きましたね、なんかすみません」 今天早上,你吓了我一跳,不好意思
「いや、俺のほうこそ」 不,正好相反是我
「……指輪ですか?」 "……是戒指吗?"
「あ……あぁ、俺の名前が書いてあって」 啊……啊,我的名字写在上面
「え?どこですか?」 "嗯?在哪里?"

三井は指輪に刻まれた名前を見せるためにそのスタッフに指輪を渡した。「あー本当だ」なんてそのスタッフが指輪をかざしながら、「自分で名前入れたんですか?」と笑う。
三井把戒指交给工作人员,为了展示上面刻着的名字。工作人员拿着戒指说:“啊,真的啊”,笑着问:“是你自己刻的名字吗?”

「いや……俺のじゃない……」 "不是我的……"

絶対にこれは自分のものではないと、三井はそれだけはしっかりとわかっていた。だけど、これが誰のなのかは思い出せない。「そんなわけないじゃないですか」とスタッフは笑った。
三井清楚地知道这绝对不是他的东西。但是,他却想不起这是谁的东西。“怎么可能呢?”工作人员笑着说道。

「そう……だよな」 是的……没错

三井はスタッフに微笑みかける。これは本当に自分のもので、何かの拍子に出てきたのかもしれないと思い込むことにした。
三井向员工微笑。他决定相信这是真的属于自己的,可能是在某个机会中出现的。

その姿を、指輪の本当の持ち主であった宮城に見られてたとは思わず。
我没有想到宫城会看到那个样子,他是真正的戒指所有者。

*******

プライベートはコートに持ち込まない。それは宮城がこの世界に入った時から心に決めていたことだった。
私人事务不要带到工作中。这是宫城从进入这个世界的时候就下定决心的事情。

試合は僅差で宮城のチームの勝利だった。宮城は試合が終わって早々にコートから出ていく。
比赛以微弱差距宫城队获胜。宫城队在比赛结束后很快离开了球场。

もう早くこの会場から出て行きたくて仕方がなかった。三井から離れたくて仕方がなかった。なのに、楽屋から出て、出口に向かうときに、見てしまったのだ。宮城が返した指輪を、あのスタッフに渡している三井を。
我非常想尽快离开这个会场。我非常想离开三井。然而,当我走出化妆室,朝着出口走去时,我看到了那个场景。宫城把还给他的戒指交给了那个工作人员的三井。

「……ッ!」 「……啊!」

思わず叫び出しそうになった口を塞いで、トイレに逃げ込んだ。ぐるぐると思考が巡って、気持ち悪くなって便座に思いっきり吐き出す。胃液しか出なくて、苦しくて仕方がなかった。
不禁捂住快要尖叫出来的嘴巴,逃进了厕所。思绪纷乱地盘旋着,感觉恶心得厉害,猛地吐在马桶上。只有胃液涌出来,痛苦得无法忍受。

「きもちわる……」 感觉不舒服……

宮城はズルズルと床に座り込む。苦しくなった呼吸を落ち着かせながら、目を瞑った。
宫城坐在地板上,呼吸变得困难,他努力平静下来,闭上了眼睛。

「忘れねぇから」 因为不会忘记
「何が」 「何が」的中文意思是「什么」

付き合ってから、初めて身体を繋げた後、宮城の身体を濡れたタオルで拭きながら三井がそういう。
在我们开始交往后,第一次亲密接触之后,三井用湿毛巾擦拭宫城的身体时这样说道。

「今日のこと」 今天的事情
「忘れてよ」 忘记吧
「忘れねぇよ」 不会忘记的
「恥ずかしいじゃん、その……めっちゃぐちゃぐちゃだったし、顔」
"好尴尬啊,那个……太乱了,脸"

宮城が恥ずかしそうに、腕で顔を隠すと、三井は無理矢理に腕を取り、顔を近づけてくる。
宫城害羞地用手臂遮住脸,三井强行抓住宫城的手臂,把脸靠近。

「ちょ……ッ!」 「喂……!」
「目に焼きつくまで見てやる」 我会一直看到你记忆深刻
「やめろって……!」 "停下来……!"
「大人しくしろって」 “乖乖地做吧。”
「やぁ〜!けだもの!」 嗨~!野兽!

宮城はくすくすと笑いながら、三井に抱きつく。「おい抱きついたら顔が見えねえだろい!」と三井が怒る。
宫城笑着抱住三井,三井生气地说:“喂,你抱住我脸都看不见了!”

「じゃあ、俺は三井さんの心臓の音覚えてよ」 那么,我记住了三井先生的心脏声音
「心臓の音?」 「心脏的声音?」
「めっちゃ早い、ドキドキしてる?」 "好快啊,心跳加速吗?"

そう抱きつきながら、顔を見上げる宮城に三井はごくりと唾を飲み込んだ。
三井看着宫城,他咽了口唾沫,同时紧紧地拥抱着宫城。

「ドキドキしてる」 心跳加速
「初めてじゃないのにね」 虽然不是第一次了呢
「うるせぇよ」 "闭嘴"

三井は「もう黙ってろ」なんて言って、宮城の口を塞ぐ。宮城はこの唇の熱も覚えておこうと目を瞑った。
三井说着"闭嘴吧",将宫城的嘴堵住。宫城闭上眼睛,记住了这双唇的温度。

宮城が目を開けるとそこは暗くなったトイレ。眠ってしまっていたのか、宮城はフラフラとおぼつかない足取りで会場を出ていく。辺りはすっかり夕暮れで、遠方ではなく、現地解散の家の近くの会場でよかったと思う。
当宫城睁开眼睛时,他发现自己身处一个变暗的厕所。他是不是睡着了呢?宫城摇摇晃晃地走出会场。周围已经完全是黄昏了,他庆幸这个会场离他解散的家很近。

今までのことは全て夢だったのではないかと思った。しかし、いつもあったはずの左手の薬指に何もないのを感じて、夢ではなく現実なのだと宮城は思い知った。
我开始怀疑过去的一切是否都只是梦境。然而,当宫城感觉到一直存在的左手无名指上没有任何东西时,他意识到这不是梦,而是现实。

「本当、馬鹿みてぇだな」 真是个蠢货啊

宮城の目から雫が落ちた。 宫城的眼中滴下了泪珠。

*******

久しぶりに湘北バスケ部で飲み会が開かれることとなり、宮城は足取り重く、お店へと向かう。
很久没有在湘北篮球部举办聚会了,宫城心情沉重地朝着店铺走去。

きっとそこには三井は当たり前のようにいるだろう。キャンセルは可能だろうかと思いつつ、キャプテンがいないのはまずいだろうと渋々向かっていく。
我想他们肯定会在那里,就像三井一样理所当然地存在着。虽然我在考虑是否可以取消,但没有队长是不好的,所以我勉强前往。

既に飲み会は始まっていた。「遅れですんません」なんて言いながら、席に座る。席は不運にも三井の横しか空いていない。木暮が気を使って「宮城、変わるか?」と聞いてくる。
已经开始了宴会。我一边说着"对不起迟到了",一边坐在座位上。不幸的是,只有三井旁边有空位。木暮关心地问我:"宫城,你要换座位吗?"

「いや、大丈夫っす」 不,没事的

そう答えて、三井の横に大人しく座る。三井は「……おう」なんて気まずそうに声をかけてくる。
我这样回答后,就乖乖地坐在三井的旁边。三井有些尴尬地说了声“嗯……”。

「どうも」 你好
「先週の試合以来だな」 自上周的比赛以来啊
「以来ってほどでもないじゃん」 并不是到那个程度吧

そう言って宮城が笑うと三井は安心したような表情をして、「それもそうか」と返す。三井は人見知りをせず、人の輪に入っていく能力がある。それはあんな事件を起こしたと言うのに、スッとバスケ部に馴染んでいった三井を見ていたら、わかることだった。
宫城笑着说出这句话,三井露出了一副安心的表情,回答道:“也是呢。”三井并不害羞,有能力融入他人的圈子。尽管发生了那样的事件,但看着三井能够轻松地融入篮球部,我明白了这一点。

しばらくして、会もそろそろお開きになるというところで、宮城はお手洗いに立つ。用をたして、外に出ると、そこには腕を組んで壁にもたれかかる三井がいた。宮城は眉を歪める。
过了一会儿,正当会议即将结束时,宫城去洗手间了。办完事后,他走出去,发现三井双臂交叉倚在墙上。宫城皱起了眉头。

無視して、手を洗い、席に戻ろうとすると、「無視すんな」と声をかけられる。
忽略,洗手后回到座位时,被人喊道:“别无视。”

「何?呼び出し?」 "什么?有人叫我吗?"
「ちげぇよ」 "太糟糕了"
「じゃあ何」 那么,怎么了?
「お前とはずっと二人で話したかったんだよ」 我一直想和你独处谈话

宮城は嫌でも少し期待をしてしまう。記憶が少しでも戻ったのではないかと。しかし、三井の宮城を見つめる目は変わらない。宮城は「もうすぐお開きだから手短にお願いします」と三井に言う。
在看到宫城的时候,即使不情愿也会有一点点期待。期待着记忆是否能够稍稍回来。但是,三井盯着宫城的眼神却没有改变。宫城对三井说:“因为快要结束了,所以请你简短地说一下。”

「なぁ、俺らって、本当に先輩後輩だったのか」 “嘿,我们真的是前辈和后辈吗?”
「そうだよ」 是的

三井が納得できないといった顔をする。宮城は「それだけ?じゃあ戻るから」と席に戻ろうとするが、三井に腕を掴まれる。それだけで、自分の心臓は容易に跳ねた。久しぶりに触れられたことが嬉しいのだろう。もう終わったのだと割り切ったはずなのに、指輪だって返して決心したのに、自分の単純さに宮城は呆れる。
三井露出出不满的表情。宫城说:“就这样?那我就回去了。”但被三井抓住了手臂。仅仅这样,自己的心脏就跳动不已。久违地被触碰到,宫城感到高兴。明明已经决定结束了,甚至决定把戒指还回去,宫城对自己的单纯感到惊讶。

「離してください」 请离开一下
「なぁ、もっと話さなきゃいけないんじゃないのか、俺ら」
“嘿,我们不应该多聊一些吗?”

宮城の背中に注がれる三井の視線が痛い。宮城は三井の腕を振り解く。これ以上、この人に振り回されるのはごめんだった。宮城を忘れてしまった三井に振り回されるのは。
宫城感到三井投射在他背上的目光很痛。宫城挣脱了三井的手臂。再也不想被这个人摆布了。被已经忘记了宫城的三井摆布着。

「……帰ります」 "我回家了"
「おい待てって」 “等一下。”
「なに?これ以上話すことない」 什么?没什么可说的了
「俺はなんでお前だけ忘れてるんだ」 为什么只有你被我忘记了呢
「知らないよ、今度こそ自分で思い出しな」 我不知道,这次你自己回忆一下吧
「今度こそってなんだよ」 这次到底是什么意思啊

宮城はしまったと思った。三井が宮城のことを忘れたのはこれが初めてではない。まぁ初めのは三井は宮城のことを小学生だと思っていたし、何年か経って容姿も成長して髪型も変わった後の再会だったので仕方はないが。
我觉得宫城很吃惊。三井忘记宫城并不是第一次了。嗯,最开始三井以为宫城还是小学生,几年过去了,再次见面时宫城的外貌和发型都变了,所以也没办法。

「さようなら、三井サン」 再见,三井太阳

そう宮城に言い捨てられて、何故か三井は泣きそうになった。心の奥底で、何かが、誰かが叫んでいる。宮城は彩子にお金だけを渡すと、そのまま店を出ていってしまう。
宫城这样说完,三井不知为何忍不住要哭出来。在内心深处,有什么东西,有人在呼喊。宫城把钱只给了彩子,然后就离开了店。

「宮城帰ったのか?」 "你回宫城了吗?"
「木暮……」
「三井? どうした? ひどい顔だぞ」 "三井?怎么了?你的表情很糟糕啊。"

木暮が三井を心配し、顔を覗く。三井は「俺も帰る」と言って、木暮にお金を渡す。
木暮担心着三井,探出头来。三井说着"我也回去了",并把钱递给了木暮。

三井は宮城の背中を追った。幸いにもまだ遠くには行っておらず、すぐに見つかった。
三井紧随宫城的背后。幸运的是,他还没有走得太远,很快就被发现了。

なんだか追いかけなければいけない気がして、三井は宮城の後をつける。ストーカーみたいだと思いながらも、一定の距離を保ちながら、歩いていく。家に帰ると思っていた宮城は、海へと続く階段を降りていく。こんな真夜中に海に何のようがあると言うのだろうか。
不知为何,三井觉得自己必须追着宫城。虽然觉得像是在跟踪一样,但他保持着一定的距离,继续走着。原本以为宫城会回家,但他却走下通往海边的楼梯。这样深夜去海边有什么事呢?

宮城は海に入っても歩みを止めなかった。三井は思わず、「宮城!」と声をかけてしまう。宮城は驚いたように振り向いたが、まるで聞こえなかったかのように無視して再度歩き始める。
宫城即使走进海里也没有停下脚步。三井不由自主地喊道:“宫城!”宫城吃惊地转过头来,但仿佛没有听见一样,无视了他的喊声,继续走着。

「宮城! 止まれって」 "宫城!停下来!"
「うるさいなぁ! ついてこないでよ!」 "好吵啊!别跟着我!"
「わかった! ついていかねぇから! 止まれって!」
“明白了!因为我跟不上!停下来!”

宮城が歩みを止める。三井はついていかないと言ったのに、海の中へと自分も入る。
宫城停下了脚步。明明三井说不要跟着他,可他还是跳进了海里。

「なぁ、宮城」 嘿,宫城

宮城はただ、じっと何も言わずに、三井を見つめる。 宫城默默地凝视着三井,没有说一句话。

「お前にとって、俺って何だったんだ」 对于你来说,我到底是什么呢?

風が強く吹く。自分の声は波と風に消されたかもしれない。三井は風の強さに思わず、目を瞑る。
风吹得很强。我的声音可能被波浪和风吹散了。三井不由自主地闭上了眼睛。

「なぁ、宮城! おれ、お前とちゃんと話したい……ッ!」
“嘿,宫城!我想和你好好谈谈……!”

波が強くなっていく、踏みしめていないとすぐに足を取られてしまいそうだった。三井よりも先にいる宮城も同じだろう。宮城の方が深いところにいる。早く上がってこないと、溺れてしまう。
波浪越来越强,如果不踩实脚步,很快就会被冲倒。宫城比三井更早到达,他也是一样的。宫城在更深的地方。如果不快点上来,就会淹死。

「宮城!!!! 頼むから……ッ!!!」 "宫城!!!!拜托了……!!!"

瞬間、風も波も止まった。まるで2人だけの世界になったように音が止み、宮城が口を開き、言葉を発する。
瞬间,风和波都停止了。就像变成了只有两个人的世界一样,声音停了下来,宫城张开嘴,说出了话。

「三井さんは大切な人だったよ、俺は好きだった」 三井先生是我重要的人,我喜欢他

それまでやんでいはずの風がふき、波が高く上がる。まるで宮城を飲み込んでしまいそうなくらいに。それでも宮城は浜辺から遠ざかっていく。
风本应该停下来,但却吹得更猛,海浪也变得更高。就像要把宫城吞没一样。尽管如此,宫城还是离海滩越来越远。

風の強さに思わず目を瞑った。 不由自主地闭上了眼睛,感受到了风的强劲。
三井の瞼の裏に見えたのは、ベッドの上で幸せそうに眠る宮城の顔。手が勝手に伸びて、薬指のリングを指で擦ると嬉しそうに笑う。ゆっくりと開いた瞳は三井の姿をうつす。
三井的眼皮下面看到的是,在床上幸福地睡着的宫城的脸。手不由自主地伸出去,用手指擦拭无名指上的戒指,他开心地笑了起来。慢慢睁开的眼睛映出了三井的身影。

「三井サン」 三井山

全てが線になって繋がる。 一切都变成线条相连。

あぁ、そうだ。 啊,是的。

俺がずっと探してたのは。 我一直在寻找的是。

「宮城!!!!!」 宫城!!!!!

三井は抵抗してくる水に抗いながら必死に宮城の元へと歩いていく。宮城は三井から逃げるように海を歩く。
三井顽强地与阻挡他的水抗争着,拼命地向宫城走去。宫城则像逃离三井一样,步行在海上。

「宮城!!!! 行くな!!! 宮城!!!」 "宫城!!!! 不要去!!! 宫城!!!"

宮城は一切三井の方を向かない。このまま逃してしまえば一生会えなくなるそんな気がした。
宫城不会再朝向三井。如果就这样逃走了,感觉就再也见不到了。

「宮城!!!! ッ!!!!」 宫城!!!!!

三井が足を滑らす。どぶん、と音がして海に沈む。聞こえなくなった三井の声に宮城が振り向いた。
三井滑倒了。咚地一声掉入海中。宫城听不见三井的声音,转过头去。

「…ッ! 三井さん!!!!」 "...!三井先生!!!!"

宮城は焦ったように大声を上げると、海をかき分けるように三井がいた場所へと向かう。
宫城焦急地大声喊道,然后朝着三井所在的地方翻过海去。

「うそでしょ、三井さん! 三井さん!!!!」 真的假的,三井先生!三井先生!!!!

大声を出しても三井はどこにもいない。深さは宮城の腰くらいの位置だ。それでも水は簡単に三井くらいの身長であれば飲み込んでしまうだろう。
大声喊叫,但三井却不在任何地方。水的深度大约到了宫城的腰部位置。即使如此,水也很容易将身高与三井相当的人吞没。

息がうまく吸えない。頭の中は錯綜して最早正常に思考することはできなかった。このまま、三井が見当たらなかったら。最悪な想像が頭をよぎる。自分はまた、大切な人を。
呼吸不顺畅。脑海中一片混乱,已无法正常思考。如果三井再也找不到的话,最糟糕的想象涌上心头。我又会失去一个重要的人。

「三井さん!!!! 三井さ……ッ!!!!」 三井先生!!!! 三井先生……!!!!

ざばりと背後に何かが起き上がる音がして、振り向く前に拘束された。その腕の中には覚えがあった。忘れるはずがない。
突然背后传来一阵嘈杂的声音,还没来得及回头,我就被束缚住了。那双手中的触感让我感到熟悉,我不会忘记的。

「宮城、ごめん」 "宫城,对不起"
「みつ…い…さ……」 「三...一...咲...」
「宮城、好きだったなんて言わないでくれ、なぁ頼むから、今も好きだって言ってくれ、許してほしい、じゃないと俺……俺……」
"请不要说出你喜欢宫城这样的话,拜托了,现在也请告诉我你还喜欢我,希望你能原谅我,否则我……我……"

鼻を啜る音が聞こえる。溺れてたふりをしてたのか、そう普段の宮城なら三井を怒鳴りつけただろう。
听到了鼻子哽咽的声音。是在假装溺水吗?如果是平时的宫城的话,他一定会对三井大声喊叫的。

「宮城」 宫城

その三井の声にはきちんと熱がこもっていた。宮城は震える手で三井の腕を握る。
宫城用颤抖的手紧紧握住三井的胳膊,能够感受到他的声音中充满了热情。

「みつい……さん?」 "三井……先生?"
「おう」 「嗯」
「戻ったの……?」 「回来了吗……?」

声が勝手に震える。三井は一拍置き、「ごめんな」と言った。
声音不由自主地颤抖起来。三井稍稍停顿了一下,说道:“对不起。”

「……許さないから」 "因为我不会原谅"
「うん」 "是的"
「もう許さない」 "不再原谅"

宮城は三井の腕をゆっくりと解くと、正面を向く。三井はひどい顔をしていた。海に使っていたせいで目なんか充血してしまっている。
宫城慢慢地松开三井的手臂,转过身来。三井的表情很糟糕。可能是因为长时间在海里,他的眼睛充血了。

「一生、許さないから……ッ!」 "一生都不会原谅你……!"

宮城が三井に縋るように抱きついた。もう涙なのか海水なのかわからない。大の大人が海で泣きながら抱き合ってる姿なんて側から見たら滑稽の何者でもない。
宫城紧紧地依偎在三井身上。已经分不清是眼泪还是海水了。成年人在海边抱在一起哭泣的样子,从旁边看起来简直是滑稽至极。

「わかった、一生、許さなくていい」 明白了,一辈子都不需要原谅
「……ッ」 「……嗯」
「一生、償うから」 "我会一生赎罪的"

三井はそういうと、宮城の顎をすくう。鼻も真っ赤で顔面はびしゃびしゃに濡れてしまっている。
三井这样说着,惊讶地捂住了宫城的下巴。他的鼻子也红红的,脸上湿漉漉的。

「ひっでぇ顔」 "可怕的表情"
「うっせぇ」 "嘴巴真吵"

三井はそう言うと、宮城の冷たくなった唇にキスをした。宮城は目を閉じて、久しぶりの三井を味わう。呼吸も場所も忘れて何度も何度も口づけ合う。
三井这样说着,吻了宫城冰冷的嘴唇。宫城闭上眼睛,尽情享受着久违的三井。他们忘记了呼吸和周围的环境,一次又一次地亲吻着。

涙は止まっていた。代わりに、「あぁ、三井が戻ってきた」という実感が、ようやく湧いてきた。
眼泪停止了。取而代之的是,终于涌起了“啊,三井回来了”的实感。

******

その後、黙って三井は宮城の手を引っ張っていく。宮城は先ほどまで海に浸かっていたせいでズボンが濡れている上に、フラフラとおぼつかない足取りで必死に三井についていく。
之后,三井默默地拉着宫城的手。由于宫城刚才一直泡在海里,裤子湿透了,而且他摇摇晃晃地跟着三井,拼命地跟上他。

連れて行かれた場所は、三井の家。ガチャガチャと落ち着かない様子で鍵を鍵穴に差し込み、ぐるりと回すとそのまま勢いでドアを開き、宮城は忙しくしまった扉に押しつけられて唇を奪われる。
被带到的地方是三井家。他们焦躁不安地把钥匙插入锁孔,转动一圈后迅速打开门,宫城被推到忙碌的门上,他的嘴唇被夺走了。

「アッ…ねぇっ…!」 "啊...嘿...!"

酸素を奪うように何度も何度も口づけられる。久しぶりの三井の家に喜ぶ暇もなかった。衣服は海に入ったせいで濡れていて、潮のせいでベタベタするから早くお風呂に入りたいのに、がっしりと掴まれた後頭部と何度も角度を変えて与えられるキスのせいで身動きが取れない。
一次又一次地被夺去氧气般地亲吻着。一到三井家就没有时间高兴。衣服因为进了海而湿透了,因为海水而黏糊糊的,所以很想快点洗个澡,但是被牢牢抓住的后脑勺和一次又一次改变角度给予的吻让我无法动弹。

「待っ……」 「等一下……」
「待たねぇ、余裕ない」 "不等了,没时间了"

唇が離れた隙を狙って待てと声をかけると、三井は余裕なくそう返してきた。ギラギラと獲物を狙うような肉食獣の瞳に、思わず宮城は固まってしまう。
当我喊着“等待时机,等嘴唇分开”的时候,三井没有镇定地回答。宫城不禁被他那像猎食动物一样锐利的眼神所吸引,不由自主地呆住了。

「ぁ……」 「啊……」

着ていたシャツを引きちぎらんばかりに引っ張られて首元に強く吸い付かれる。跡はつけるなと言っているのにと思いながらも、三井同様、宮城にも余裕がなくなっていく。
被人用力拉扯着,几乎要把穿着的衬衫撕破,紧紧贴在颈部。虽然心里想着不要留下痕迹,但和三井一样,宫城也变得没有余裕了。

「ねぇ……靴ッ……」 嘿……鞋子……
「あ?」 「啊?」

靴だけでも脱がせてくれと言えば、身体を反転させられて、玄関の床に倒れ込むように押し倒される。キスを重ねながら、器用に三井は宮城の靴を脱がせていく。もう一瞬でも離すつもりはないらしい。
如果说让他只帮我脱掉靴子,他会把我身体翻转过来,然后强行按倒在门口的地板上。一边亲吻,三井熟练地帮宫城脱下靴子。看起来他没有任何离开的意思。

「なぁ」 「嗯」
「なに……」 「什么……」

さすがに絶え間なくキスをしていたせいで、酸素が足りないのか息をあげながら三井は宮城の顔をじっと見つめてくる。宮城は真っ赤で虚な視線をなんとか三井に向けた。
由于不断接吻,三井感到呼吸困难,喘着气凝视着宫城的脸。宫城勉强将虚弱的目光投向了三井。

「……ッ!」 「……啊!」

ぐちゅり、三井の指がいつのまにか自分のパンツの中へと入っていた。後孔を触られる。宮城はそれまで酸欠でぼんやりとしていた頭を覚醒させる。
咕噜噜,三井的手指不知何时已经进入了自己的裤子里。触碰到了后孔。宫城的头脑在缺氧中若有所悟。

「ねぇ、まだ準備してない……!」 嘿,我还没准备好呢!
「我慢できねぇって言ったよな」 你说过「我忍不住了」吧

じっと見つめられる。あーあ、もったいない。こんなかっこいい顔、いくらだって相手はいるのに。遺伝子だってちゃんと残した方がいいのに決まってる。なのになんで、自分なんかにハマっちゃったかなぁと宮城は思わず至近距離で見る三井の端正な顔を見て思う。
盯着宫城看。啊啊,真的可惜。即使这样帅气的脸,对手也不会少。毕竟留下遗传基因也是非常重要的。但是为什么我会陷入这种境地呢?宫城不禁在近距离注视着三井端正的面容时这样想道。

「おい、何考えてんだ」 喂,你在想什么呢?
「…ぅぇ?」 "嗯...咦?"
「お前は今俺とセックスしてんだから俺とのセックスのことだけ考えろ」
你现在正在和我发生性关系,所以只考虑和我之间的性事

拗ねるようにそう言う三井。宮城が三井のことを考えていたなんて知らないのだろう。宮城は「ぁい……」なんて気の抜けた返事をしながら、三井の顔の傷にキスをする。宮城からのキスに三井はわかりやすく顔を綻ばせた。
三井生气地说道。他不知道宫城在为他考虑。宫城一边无精打采地回答着“啊……”,一边亲吻着三井脸上的伤疤。宫城的吻让三井的脸上露出了明显的笑容。

「んぅ……」 嗯……
「なぁ、もういれていいか」 “嘿,可以进来了吗?”
「でも準備……ッ」 "但是准备好了……"
「いいから」 "没关系"

宮城の返事なんて最初から聞くつもりなんてなかったのだろう。三井はあっという間に宮城のズボンをパンツごと引き抜くと期待をするように勝手に濡れているそこにゆっくりと自身を差し込む。ゴムはどうすんだよ、まだ慣らし足りなくてキツイんだけど、発情期の犬かよ、なんて文句は宮城もいうことができなかった。宮城も早く三井と繋がりたかったからだ。
宫城并没有打算从一开始就问返事。三井迅速地把宫城的裤子连同内裤一起脱下来,期待着那里已经湿润的地方,然后慢慢地将自己插入其中。宫城无法说出什么抱怨,因为他还没有完全适应,感觉很紧,就像发情期的狗一样。宫城也希望尽快与三井联系在一起。

「宮城……」 "宫城……" 的中文翻译是 "宫城……"
「あ…ッぐぅ………ぇ…ぉ…お…ぐっ……!」 啊...嗯......额...哦...哦...嗯...!

久しぶりのせいか最初はお腹の圧迫感で吐きそうだったが、三井の形をどんどん思い出してきたのか順応し、身体は脳に快楽を伝えていく。ぱちゅぱちゅと玄関に水音が響き、時折そっと余裕なく三井の口から吐き出される自分の名前に反応して後孔がしまった。
由于很久没有见面,一开始感到胃部有压迫感,差点吐出来。但是渐渐地想起了三井的形象,适应了过来,身体向大脑传递着快感。门口传来水声哗啦啦地响着,偶尔听到三井轻轻地从嘴里吐出自己的名字,我的后孔就闭上了。

「なぁ……ッ」 「嗯……」
「んぅ……?」 "嗯……?"

三井が短くキスをした後、半分飛びかけている宮城に声をかける。宮城は薄めを開けて、三井を見つめた。
三井短暂地亲吻后,向宫城喊了声。宫城微微张开嘴唇,凝视着三井。

「名前……ッ呼べよ」 请叫出名字来
「なまえ……?」 「名字……?」
「俺のなまえっ……」 「我的名字是……」
「ぅん……」 嗯.....
「宮城……ッ」 "宫城……"
「三井サン……?」 三井公司……?
「ッ……!」 「嗯……!」

わかりやすく三井のモノがドクンと脈打つ。さらに硬さと大きさを増して、宮城のナカを蹂躙していく。
三井的东西清晰地跳动着。它变得更加坚硬和庞大,蹂躏着宫城的内部。

「三井サン」 三井山
「…ぐぅ……ッ」 「...咕噜...」
「三井……ッ」 三井……
「ぁ……ぅ……がっ…」 「啊……呜……咕……」
「ひさし……ぁ……!」 屋檐……啊……!

下の名前を呼んだ途端、ごぽりと何かが自分のナカに流れ出た。三井が余裕なく顔を顰めてた姿を見て、あぁ、この人は自分のナカで達したのだと気づいた。
当我叫出下面的名字时,一股东西流进了我的内心。看到三井紧皱着脸的样子,我意识到他在我的内心达到了某种境地。

「イッた……?」 「达到了……?」
「お前が下の名前で呼ぶから……ッ」 因为你用我的名字称呼我……
「それだけ……で?」 "只是那样吗?"
「あぁ!?」 「啊!?」

真っ赤な顔をしながら「仕方ねぇだろ!」「下の名前で呼ばれるなんて思ってなかったんだよ!」「好きなやつに下の名前で呼ばれたら興奮するだろうが!」「悪いか!?」と捲し立てている。自分のナカに入ったままの三井のモノが大きくなってきて、この人なんでまたおっきくなっているんだろうとさっきまで余裕がなくて肉食獣並みに怖いくらいだったのに、次は可愛く見えてきてしまう。
满脸通红地说着:“没办法啊!”“没想到会被称呼名字下面的那个!”“喜欢的人称呼自己名字下面的那个,肯定会兴奋吧!”“有问题吗!?”三井一直在自己的内心中变得越来越大,刚才还紧张得像肉食动物一样可怕,现在却开始显得可爱起来。

「……好きなやつ」 "......喜欢的人/东西"
「おお、好きなやつ」 哦,喜欢的东西
「おれ?」 「我?」
「他に誰がいんだよ」 "他还有谁在呢"
「なんで怒ってんの、今まで忘れてたくせに」 为什么生气,明明之前你都忘了
「それは……そうだけど……」 那个……是这样的……

宮城は相変わらずぷりぷりと怒っている三井にへらと笑いながら、ベタ惚れされてるなぁと思いながら、宮城は三井のいない日々を思い出していた。あんなに苦しくて寂しい日々はソーちゃんを失った以来だった。あんなに胸が張り裂けるような思いはもう2度としないと思っていたのに。今自分を抱こうとしている男が、本当に三井なのか信じられなくなってきた。宮城は三井を確認するように、震える手で三井の顔を触る。眉に目、傷をなぞり、唇。三井は突然の宮城の行動に「なんだよ」と目を丸くさせている。
宫城一边笑着拿着铲子,一边看着生气的三井,心里想着他对自己的倾慕,回忆起三井不在身边的日子。那段痛苦而寂寞的日子,自从失去了小宇以来再也没有过。本以为再也不会有那种让人心如刀绞的感觉了。现在,那个正要拥抱自己的男人,真的是三井吗?宫城用颤抖的手触摸着三井的脸,眉毛、眼睛、伤疤,还有嘴唇。三井对宫城突然的举动感到惊讶地问道:“怎么了?”

「本物の三井さんだぁ……」 "真正的三井先生啊……"

視界が滲む。少しだって長く三井の顔をしっかりと忘れないように視界に刻みたいのに、ぼんやりと涙で滲んでいく。それから、子供みたいにわんわんと大声をあげて泣いた。ぎゅうっと、三井の腰に自分の足を巻きつけて母親に抱きつく赤子のように身体を密着させれば、三井は宮城の身を思ってか、背中を支えるように手を当てた。
视线模糊了。虽然想要将三井的脸牢牢地刻在视线中,但泪水却模糊了视线。然后,像个孩子一样大声哭泣起来。紧紧地将自己的腿缠绕在三井的腰上,像一个抱着母亲的婴儿一样紧贴着身体,三井似乎在想着宫城,用手支撑着背部。

「…何で早く思い出させてくれなかったんだ」 「为什么你不早点让我想起来呢?」
「え…?」 「嗯...?」
「取り返しがつかないことになってたらどうするつもりだったんだ」
如果事情变得无法挽回,你打算怎么办?

三井からそう言われて宮城は大きく目を見開く。三井の取り返しのつかないこと、はきっと宮城が覚悟を決めたことで間違いないだろう。三井が誰かのものになるその日を宮城は覚悟したつもりだった。だけど、今自分は三井が自分の元に帰ってきて、こうして抱きしめてくれていることが嬉しくてたまらない。
三井说这番话后,宫城睁大了眼睛。宫城一定已经做好了无法挽回的决定,三井的归属将会改变,宫城已经做好了准备。但是,现在三井回到了宫城身边,紧紧地拥抱着他,这让宫城感到非常开心,简直欣喜若狂。

覚悟も何もできていなかった。三井が言う取り返しのつかないことになっていたらきっと自分は耐えきれなかったのではないか。そんな仮想の未来を想像するだけで、じわりと視界が滲む。宮城の様子に気づいた三井が焦り始めた。
我没有做好觉悟。如果三井说的事情变得无法挽回,我肯定无法忍受。仅仅想象这样的虚拟未来,我的视野就开始模糊起来。三井注意到了宫城的情况,开始感到焦虑。

「ごめん、悪かった宮城、宮城のせいじゃない」 对不起,宫城,不是宫城的错
「……三井サンの……ッ……馬鹿……ッ!」 "......三井太阳的......呜......笨蛋......呜!"
「ごめん、俺はいつもお前に許してもらってばっかだ」
对不起,我总是让你原谅我

「もうダメかと思っ……た…ぁ……なんでまた忘れんだよ!」
「我以为已经没救了……啊……为什么又忘记了呢!」

「また…?また…なんかまだ俺忘れてるか?」 「又是...?又...有什么我还忘记了吗?」

宮城に三井の声は届いていないらしい。わんわんと泣くばかりで言葉が返ってこない。三井は一回宮城を落ち着かせるために抜こうと、腰を引くも、すぐに強く巻き付かれて元に戻される。
似乎三井的声音没有传到宫城。他只是哭啊哭,却没有回应。三井试图平息宫城的情绪,但很快就被紧紧缠住,被拉回原点。

「お、おい宮城」 「喂,宫城」
「なんで離れてくの……?」 为什么要离开呢……?

水分を帯びた瞳で宮城が恨めしそうに三井を見つめる。「ぅぐ……」なんで耐えるような声を出して三井は宮城を抱きしめる。
宫城用含着泪水的眼神怨恨地盯着三井。「呜呜……」三井发出像是在忍耐的声音,紧紧地拥抱着宫城。

「離れねぇよ、もう二度と」 “不会离开,再也不会。”

宮城はその言葉が嬉しかったのか、あんなに泣いてたのに「ふふ」と声を漏らした。笑顔が戻ってきたことにホッとした三井は宮城のナカに入ったまま、彼を持ち上げて、またキスを与えると恋人を寝室へと運ぶ。
宫城似乎很高兴听到那句话,尽管一开始哭得那么厉害,但他笑着发出了“呵呵”的声音。三井松了一口气,因为宫城的笑容回来了,他抱着宫城,再次亲吻他,将恋人带进了卧室。

「んっ……ふ……」 "嗯……呼……"
「本当お前フェラ下手くそな…ッ」 "你真是个糟糕的口交技巧啊..."
「うるへ……」 「我要走了……」

普段の宮城だったら、絶対にフェラなんてしてくれないのに、何度も繋がり、そろそろ休憩かと思ってナカから自分のモノを抜くと、宮城が、すり、と下半身に擦り寄ってきた。そう思っていたら急に咥えられたのだ。
三井は宮城の突然の行動に戸惑いながらも、欲望に抗えず、咥えてもらう。三井から宮城にすることはあっても、宮城から三井にすることはあまりなく、慣れない様子で葉を立てないと必死なあまりに舌遣いが拙い。
三井虽然对宫城的突然举动感到困惑,但无法抗拒欲望,让宫城咬住了。虽然三井对宫城有所要求,但宫城对三井的要求并不多,他不习惯地不敢发出声音,舌头的动作显得笨拙而拼命。

「おい出るからっ……!」 "快出来啊……!"
「だひていいよ」 可以大胆地做
「おい、離せって……ッ!」 “喂,放开我……!”
「んぶっ……!」 「嗯嗯……!」

どぷんと宮城の口内に三井の欲が溢れる。生臭さに、グッと喉が締まったが、なんとか目を瞑って耐え、ごくりと喉を鳴らす。
宫城的口腔里涌出了三井的欲望。尽管有着刺鼻的气味,喉咙紧紧收缩,但我努力闭上眼睛忍耐着,咽下一口口水。

「飲むなって……!」 "不要喝......!"

三井はベッド横にあるティッシュを急いで手に取ると、宮城の口元へと持っていく。宮城はふるふると横に首を振った後、こくりと喉を再度動かして「あ」と声をあげながら、何もない構内を三井に見せる。
三井急忙拿起床边的纸巾,递给宫城。宫城摇了摇头,然后咽了一下口水,发出“啊”的声音,向三井展示了空无一物的内部。

「あーあ、腹壊してもしらねぇからな」 啊啊,我可不知道你肚子疼
「嬉しいくせに」 虽然开心,但是
「……」
「図星じゃん、変態」 "中肯的评价,变态"

三井はセットが完全に取れ、ふんわりとした宮城の髪の毛を指ですく。それまで生理的な涙が溢れていたのに、気持ちよさそうに目を閉じたせいで、遂に頰に涙が伝う。流れた涙を指で拭うと、「くすぐったい」なんて声が上がる。
三井拿起了完整的套装,用手指轻轻地抓住了宫城柔软的头发。之前还流着生理性的眼泪,但是因为闭上了眼睛感到舒服,最终泪水滑落到了脸颊上。他用手指擦去了流下的泪水,听到了一声“痒痒”的声音。

「なんで忘れられたかなぁ」 为什么会被遗忘呢
「え?」 "什么?"
「なんでもねぇ」 "什么都没有"

ゆっくりと三井がベッドに宮城を倒すと、宮城は大人しく足が開く。それだけで先ほど宮城の口内で達したばかりだと言うのに、三井のモノはむくりと勃ちあがる。
三井慢慢地将宫城推倒在床上,宫城乖乖地张开双腿。尽管刚才宫城的口中刚刚达到高潮,三井的东西却迅速勃起。

先ほどまで玄関で何度も何度も繋がりあったそこは、もう完全に三井の形になり、先端を埋め込んだだけでもきゅうきゅうとしまった。
刚才在门口多次多次交织在一起的那里,已经完全变成了三井的形状,即使只是嵌入了尖端,也感到了紧紧的压迫感。

「ん……ッくぅ……」 嗯……咕噜……

宮城は呼吸を荒げて、下腹部を上下させる。引っ込めるたびに、一部分だけが歪に膨らみ、三井のモノが入っているのがわかる。圧迫しない程度に軽く押すと、「あ……」と甲高い声が上がり、じわりと宮城の自身から押し出されるように欲が溢れる。
宫城喘着粗气,下腹部上下起伏。每次收回时,只有一部分会扭曲膨胀,可以看出里面装着三井的东西。轻轻地按压而不压迫,宫城发出尖锐的声音,渐渐地,欲望从宫城的内心涌出。

「押すなって……!」 "不要推我……!"
「お前好きだろ」 "你喜欢我吧"
「うぅ……グッ………ん〜ッ!!」 嗯……嗯……嗯〜!!

バタバタと足をバタつかせる宮城。少し空いた瞳からはまた涙が流れる。ごくりとまた三井は唾を飲み込んで、ゆっくりと腰の律動を始める。ちゅくちゅくと淫音が部屋に響く。宮城は何度もビクビク身体を跳ねさせた。何度もナカイキをしているのか呼吸が浅くなって、肩まで真っ赤になっている。こつん、こつんと壁あたるまで宮城のナカを蹂躙していると、宮城がはふと息を吐いた後、言葉を吐き出す。
宫城焦躁不安地踢腿,眼中泪水再次流淌。三井咽了口唾沫,缓缓开始腰部的律动。淫音嘭嘭地在房间里回荡。宫城身体不停地颤抖着。由于多次高潮,呼吸变得浅促,肩膀也变得通红。当宫城的内部被蹂躏到撞击墙壁的时候,宫城呼出一口气后,吐出了一些话语。

「おく……」 「放心吧……」
「あ?」 「啊?」
「奥……いいよ」 "哦……好的"

三井は宮城の言葉に目を見開く。宮城とは何度も体を重ね合わせ、ある程度彼の身体については知ってきたつもりだったが、唯一、宮城が三井が入ってくるところを許さない場所があった。
三井睁大了眼睛,对宫城的话语感到惊讶。虽然他们已经多次亲密接触,对宫城的身体也有一定了解,但唯独有一个地方,宫城不允许三井进入。

それが宮城の言う『奥』、結腸のことであった。 那是宫城所说的『深处』,指的是结肠。

「いいっつったってお前身体震えてんじゃねえか、もう限界なんだろ?」
“就算你说没事,但你的身体还是在颤抖,已经到极限了吧?”

宮城の身体は小刻みに震えている。本来は奥でなくても受け入れられるようにはできていない器官だ。臓器に異物を挿入されているのと変わらない。恐怖を抱いても仕方がないが、宮城はキッと三井を睨みつける。
宫城的身体微微颤抖着。本来并不是一个能够容忍外来物的器官。就像是被插入了异物一样。虽然害怕也无可奈何,但宫城紧紧地瞪着三井。

「いいから」 "没关系"
「でも」 "但是"
「いいから……ッ!!!」 好了……!!!

宮城は足を三井に巻きつける。「おいっ!」という声と共に三井が体勢を崩して、宮城の上に倒れ込む。ぐぽん、と人体からあるまじき音がして、宮城が「お゛ッ……ぐ……」と悲鳴をあげた。
宫城的脚缠绕在三井身上。伴随着一声“喂!”三井失去平衡,倒在宫城身上。咚,发出了不应该有的声音,宫城发出了“哦……咕……”的惨叫声。

「宮城ッ!!!」 "宫城!!!"
「ひっ……ふっ……っうう〜……」 呼……呼……呼哇〜

苦しいのか、宮城は息を詰める。呼吸の仕方を忘れたように、息を止め、真っ赤な顔になっていく宮城に三井は、頰を叩きながら、「おい、宮城」「戻ってこい宮城!」と声を荒げる。
宫城紧张得喘不过气来,仿佛忘记了如何呼吸一样,他停下了呼吸,脸变得通红。三井一边拍打着宫城的脸颊,一边大声喊道:“喂,宫城!回来啊!”

「み……ついさ……」 「嗯……最近……」
「なんだ、どこか痛いか? すぐ抜くから……ッ」 "怎么了,哪里疼吗?我马上拔出来……"

腰を引こうとすると、震えたままの手に腕を掴まれる。宮城はにへらと余裕なさそうに笑うと、はふ、と息をして、言葉を吐く。
当我试图后退时,我的手还在颤抖中被他紧紧抓住了手腕。宫城看起来很轻松地笑了笑,然后深吸了一口气,说出了几个字。

「俺の身体で三井さんが知らないところもうないね」 「在我的身体上,三井先生已经没有不知道的地方了呢」

宮城のその言葉は酷く三井の耳に残った。眉間を寄せて、苦しそうにする宮城がこれまで記憶を失っていた三井を想い、どれだけ苦しんで、そしてどれだけ悩んだのか。宮城の表情はいつだって平気そうなのに、ずっと手がポケットに入っていたのが気になっていた。あれは、隠していたのではないだろうか。己の本当の感情を。
宫城的话语深深地刺痛了三井的耳朵。宫城皱起眉头,看起来很痛苦,他想起了三井曾经失去记忆的时候,他曾经经历了多少痛苦,又有多少困惑。宫城的表情一直都很平静,但是一直把手放在口袋里让我很在意。那是不是他一直在隐藏自己真正的感情呢。

「宮城」 宫城
「……も……だめかも……」 "也许……也许不行……"
「宮城、ごめん、宮城、愛してる」 "宫城,对不起,宫城,我爱你"

喉につっかえて言葉がうまく出てこない。宮城は閉じていた瞳を少しだけ開く。三井の顔は酷いくらいに涙でぐちゃぐちゃで、イケメン選手なんて評されることが多い顔は跡形もなかった。
喉咙堵得说不出话来。宫城微微睁开了闭着的眼睛。三井的脸被泪水弄得一片狼藉,曾经被称为帅哥运动员的脸上已经没有一丝痕迹。

「ひっでぇ顔」 "可怕的表情"
「みやぎ……みやぎぃ……」 "宫城......宫城......"
「ん……ッもう忘れないでよ」 "嗯……别再忘记了啊"
「忘れねぇよ、ぜってぇ忘れねぇ」 “不会忘记的,绝对不会忘记。”
「信用ないなぁ」 「没信用呢」

三井が涙をぼたぼたと落としながら、鼻を啜る。 三井一边滴下泪水,一边抽鼻子。

「ぜってぇ忘れねぇから、一緒になろう、宮城」 因为我绝对不会忘记,所以让我们在一起吧,宫城

最低なシチュエーションでのプロポーズだ。三井さんは泣きすぎてブサイクだし、セックスしていてベッドの上。宮城が結婚に夢見る女の子だったら、速攻殴られているだろう。
这是一个非常糟糕的求婚场景。三井先生哭得很丑,而且还在床上发生性关系。如果宫城是一个梦想着结婚的女孩,她肯定会立刻被打的。

「仕方ないなぁ」 没办法呢
「……〜ッ!」 「……〜啊!」

もう三井は言葉も出なくなってしまったようで、ただひたすらに宮城を抱きしめる。宮城はもう限界で、だんだんと視界の端が黒ずんできた。目もしっかりと開かなくなってくる。
三井已经无法说出话来,只是一直紧紧地拥抱着宫城。宫城已经到了极限,视野的边缘渐渐变黑。眼睛也变得越来越睁不开了。

「三井さん」 "三井先生"
「なんだ?」 "什么?"
「もう俺、限界、動いて」 我已经到极限了,动起来

宮城がそう言うと、三井は「わかった」とだけ返事をして、腰にぐっと力を入れる。宮城の背骨が浮き、「ぐ……ぉ……」と呻き声が上がる。
宫城这样说后,三井只回答了“知道了”,然后用力收紧了腰部。宫城的脊椎骨凸起,发出了“咕……噢……”的呻吟声。

「大丈夫なのかよ」 你还好吗?
「大丈夫だから……ッもうとぶ……ッ!!!」 "因为我是勇敢的……我要飞起来……!!!"

ヒダに三井の先端が食い込み、ぐりんと宮城の目が回る。みっともなく舌が突き出て、「あ゛あぁ……!!」と声をあげた。
三井的尖端刺入了皮肤,宫城的眼睛转了个圈。他难堪地伸出舌头,发出了「啊啊啊……!!」的声音。

「宮城……ッ!!」 "宫城……!!"
「もうだめ゛……ッ!!いぐぅ゛……!!!!!」 "不行了……呜呜……!!!!!"

頭の中がスパークしたようにチカチカと思考が巡り、目の前が眩む。足がピンっと伸びて、宮城はゆっくりとベッドに沈む。
脑海中闪烁着思绪,眼前一片耀眼。脚伸直,宫城慢慢沉入床上。

「みつ……いさん」 "三井……先生"

気を飛ばす前に、宮城は三井の頰に手を伸ばした。三井は宮城に応えるように、そっと唇を重ねる。
在失去意识之前,宫城伸出手去触摸三井的脸颊。三井轻轻地回应宫城,亲吻了他的嘴唇。

微笑み、閉じた宮城の目から流れ出た涙はこめかみを伝って、ベッドへと落ちていった。
微笑,从紧闭的宫城眼中流出的泪水沿着太阳穴滑落到床上。

********

「お前の名前が入った指輪も作るべきだと思うんだよな」
我觉得应该制作一个带有你名字的戒指

「は?」 「什么?」

朝起きると、とてつもない腰の痛みが宮城を襲った。シーズンオフの時で助かったと思うくらいの痛み。結腸に入っていたせいか、なんだかまだ三井がいるような気がして、思わず「ぐ……ッ!?」と地の果てから出るような声を上げる宮城に、跳ね起きて、「なんだ!?」とキョロキョロ周りを見渡し始める三井の姿に宮城は腰が痛いのに爆笑をしてしまった。
早上醒来时,宫城被一阵剧痛袭击了腰部。疼痛程度足以让他觉得幸好是在休赛期。也许是因为进入了结肠,宫城感觉好像三井还在身边,不禁发出了一声像是从地狱深处传来的声音:“咕……咕!?”宫城跳了起来,看着四周,而三井也跳了起来,看着宫城,宫城虽然腰痛得厉害,却忍不住笑了出来。

今は宮城の腰を労ってやると言いながら、いやらしく摩っている三井に抱きつきながら、昨日できなかったピロートークをしている。そこで三井から言われたのは突拍子もない提案だった。
三井在摩擦着宫城的腰时,说着要好好照顾他,同时紧紧抱着他,进行着昨天没能做的枕边谈话。然后三井提出了一个突然而荒谬的建议。

「指輪、ちゃんとはめておけよ」 "戒指,记得戴好哦"
「あ……」 「啊……」

寝ている時にはめられたのだろう。宮城の左手の薬指には、三井の名前が入った指輪があった。
应该是在睡觉的时候戴上的吧。宫城的左手无名指上戴着一个刻有三井姓氏的戒指。

「俺もお前の名前が入った指輪買ってくれよ」 “我也给你买一个带有你名字的戒指吧。”
「えー」 "嗯"
「俺もお前のものだろ、ちゃんと戻ってくるように名前書いておけよ」
「我也是你的人,记得写上名字,好好回来啊」

「……ん」 「……嗯」
「あら、随分と素直」 “哎呀,真的很老实呢。”
「あらって……」 "哎呀……"

腰が痛いままなのに、宮城はくすくすとまた笑ってしまう。「もー笑わせないでよ」なんて言っても三井は「至って俺は真剣だぞ」と言う。
尽管腰还疼着,宫城还是咯咯地笑了起来。“别再逗我笑了”他说,但三井却说:“我是认真的。”

「それが結婚指輪?」 "那是结婚戒指吗?"
「結婚指輪はお前、三井リョータって入れるだろ」 「结婚戒指上应该刻上你的名字,三井涼太吧。」
「俺がそっちに入る前提なの?」 "我是在我进去那边的前提下吗?"
「宮城寿でもいいぞ」 宫城寿也可以
「語呂悪」 音韵不好

「あぁ!?」と三井が声をあげて、「じゃあお前が三井になれ!!」と宮城を抱きしめる。宮城は「腰痛いって〜」と文句を言いながらも、口元が緩んでしまっている。
「啊!?」三井大声喊道,紧紧抱住宫城说:“那你就成为三井吧!!”宫城虽然抱怨着说:“腰疼啦~”,但嘴角却微微上扬。

「今日、指輪買いに行くぞ」 "今天,我要去买戒指了"
「今日?これから?」 今天?从现在开始吗?
「早い方がいいだろ」 最好早点
「どっちも買うの?」 「要买哪个?」
「おう」 「嗯」

三井はそう言うと、微笑み、宮城の髪の毛をすく。気持ちよさそうに目をつぶってそれを甘受した宮城はお礼と言わんばかりに、三井の顎にちゅむと音を立てて吸い付く。
三井这样说着,微笑着,用手抓住了宫城的头发。宫城闭上眼睛,享受着那种舒适的感觉,仿佛在向三井表示感谢一样,用嘴发出了吸附的声音,吻住了三井的下巴。

「……」
「何その顔」 你为什么那样的表情
「唇じゃねえのかよ」 "难道不是嘴唇吗?"

拗ねたようにそう言う三井が可愛くて、「えー」と言いながらも、宮城は痛む腰を我慢して、身体を起こし、三井に口づける。
宫城忍着疼痛的腰部,勉强坐起身来,亲吻了三井,三井撅起嘴巴可爱地说着"嗯"。

「そういえば、家の契約更新しちゃった」 顺便说一下,我已经续签了房屋合同
「あ〜……まぁ仕方ねえよな……まぁ俺が来年くらいに更新だからこっち引っ越してくるか」
啊~……嗯,没办法呢……嗯,既然我明年要更新了,那我就搬过去吧

「え、部屋ないよ」 "啊,没有房间了"
「いいよ、部屋ない方がお前とくっついていられる」 没关系,没有房间反而可以和你贴得更近一些
「うげぇ……俺自分の部屋欲しい」 "呃……我想要自己的房间"
「わがまま言うな」 不要任性地说话
「どっちが?」 「哪一个?」

相変わらずな三井に、宮城はなんだか安心する。会話をしながら、足を絡めてイタズラしてくる三井の頬をつねると「いててててて」と声をあげた。宮城は少し赤くなった三井の頬を見て、くすくすと笑う。
看到一如既往的三井,宫城感到安心。在交谈的同时,宫城把脚绕在三井的腿上,捏了一下他的脸颊,三井疼得喊了起来。宫城看着有些红的三井脸颊,咯咯地笑了起来。

「おはよ、寿さん」 早上好,寿先生

名前で呼ばれたことに驚いたのか三井が目を丸くさせる。宮城はいたずらっ子のように笑うと、また三井に口付ける。
三井听到自己被称呼为名字时惊讶地瞪大了眼睛。宫城像个小淘气一样笑着,然后又亲了三井一口。

「おはよ、リョータ」 早上好,涼太

三井は微笑み返すと、宮城の頰に手を寄せて、自分からもキスを贈った。
三井微笑着回应,并把手放在宫城的脸颊上,主动亲吻了他。

end


评论

  • torav
    2023年10月12日回信
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  • K

    ううっ!よかったよ~!!三の記憶が戻って〜🥹まさに最後のタイミングだったね😖リョータ幸せにね💕

    2023年10月2日回信
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  • 清美
    2023年9月8日回信
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