エゴイスト達のティザーフィルム 自我主义者们的预告片
「作られていない、こんなに美しくて幸せそうな誰かの顔が撮れるなんて、初めてなんだよ」
「从未见过,能捕捉到如此美丽幸福的面容,这还是第一次」
オフのお仕事でどこかのハイブラのアンバサダーとしてプロモーション撮影をするseisの話
关于 seis 在休息日作为某高端品牌的代言人进行宣传拍摄的工作
※注意事項 ※注意事项
・何でも許せる方向けです。閲覧は自己責任にてお願いします。
・内容可能包含敏感话题,请谨慎阅读。阅读责任自负。
・レ・アールにて冴潔が同チームに所属しています。 ・冴潔在レ・アール队中与同队成员互动。
・濃い目のモブががっつり出演&よくしゃべります。 ・有较多戏份的配角频繁登场并活跃对话。
閲覧いただきありがとうございます。いいねやコメント・スタンプなどいつも嬉しく見ています。お返事できておりませんが、励みになります。ありがとうございます。
感谢您的浏览。点赞、评论、表情等总是让我感到开心。虽然未能一一回复,但这些都是我的动力。非常感谢。
穏やかで距離は近くて、でもまだサッカーだけでいい、みたいなseisを書いてみたい人生だった……。
我曾想过一种平静而亲近,但仍只专注于足球的生活,就像写一个 seis 那样……。
- 347
- 485
- 4,888
ある時気づくと、潔世一は冴の傍らに自身の居場所を生み出していた。
某一刻回过神来,洁世一已在冴的身旁找到了自己的位置。
最初は弟の最良のパートナーであり、冴からすれば敵として、少し遠い場所にいた。
最初是弟弟的最佳搭档,对冴来说,是作为敌人,稍稍远离的存在。
その次は日本代表のフォワードとしてだ。U-20戦後の英雄大戦で目覚ましい成長をとげた潔は、凛とともにU-20W杯代表にフォワードとして選ばれ、日本サッカーの変革を象徴する存在となる。当然のごとく冴の感情も揺さぶられた。
接下来是以日本代表前锋的身份。在 U-20 战后的英雄大战中取得惊人成长的洁,与凛一同被选为 U-20 世界杯代表前锋,成为象征日本足球变革的存在。理所当然地,冴的情感也被动摇了。
青い監獄プロジェクトが完遂されると、潔はいくつかの有名クラブからオファーを受け、結果的にはドイツに渡る。所属したのはノエル・ノアもいるバスタード・ミュンヘン。彼はそこでプロとしてのキャリアを開始し3年を過ごした。最後の1シーズンではノアやカイザーからブンデスリーガ得点王の称号も掻っ攫っている。
青色监狱计划完成后,洁收到了几家知名俱乐部的邀请,最终前往德国。他所属的是诺埃尔·诺亚也在的巴斯塔德·慕尼黑。他在那里开始了职业生涯,度过了三年。在最后一个赛季,他还从诺亚和凯撒手中夺得了德甲联赛得分王的称号。
その成長は目を見張るもので、ブルーロックの申し子の称号が伊達でないことは、その頃には既に世界でも周知のこととなっていた。
他的成长令人瞩目,蓝锁之子的称号绝非虚名,那时已在全球广为人知。
潔が世界も認めるフォワードとして名を上げる頃、レ・アールはレオナルド・ルナの移籍に伴い新たなフォワードを探していた。
当洁在世界舞台上崭露头角,成为公认的前锋时,Le・Aul 已因莱昂纳多・露娜的转会而寻找新的前锋。
補強候補には凛や士道、ジュリアン・ロキやミヒャエル・カイザーの名前もあった。冴もチームの司令塔として、フロント陣に意見を求められた記憶がある。
补强候选名单中,凛、士道、朱利安・洛基和米夏埃尔・凯撒的名字也在其中。冴作为球队的指挥官,记得曾被前线征询意见。
――組みたい奴はいるか。 ――想组队的家伙有吗?
問われた冴は、"俺が読めない奴が良い"と、かなり曖昧なことを答えた。あげられていたのは、冴がフォワードとして認めてやれなくもない名前ばかりだったからだ。誰であっても組むことにそこまでの不満はない。それなりに使いこなすこともできる。なお、全員大なり小なり性格に難があると思い至ったのは、そう返事をして3日ほど経った後のことである。
被问到的凛回答道:“我不太想读的比较好。”给出的名单上,都是凛作为前锋勉强能认可的名字。无论是谁,组队这件事本身并没有太大不满。也能相对熟练地运用。不过,意识到全员或多或少性格上都有问题,是在这样回答后大约三天的事情。
あの時、冴の意見が考慮されたのか否かはいまだに不明だ。ただ、最終的にレ・アールが獲得を発表したのは潔世一だった。そこを境に、冴と潔の距離は否応なしに近づくことになる。
那时,凛的意见是否被考虑过,至今仍不明朗。只是,最终雷·阿尔宣布获得的是洁世一。以此为界,凛与洁的距离无可避免地拉近了。
彼が来ると決まった時、冴は監督やコーチ陣から同じ日本人として気にかけてやって欲しいと求められた。冴も最小限でいいならと、その要求を承諾した。その当初は、彼の本領を早く発揮させるためにも、それが最善に違いないと思っていただけだった。
当他决定来的时候,冴被教练和教练组要求作为同一个日本人关心他。冴也认为如果只是最低限度的关心,就答应了这个请求。起初,他只是认为为了让他尽快发挥出真正的实力,这样做是最好的。
*
夕食のシーンはホテル4階のレストランで撮影される。レストランには屋内席と屋外席が存在し、今回は天気も良いと言うことで屋外が選択された。
晚餐场景在酒店四楼的餐厅拍摄。餐厅有室内和室外座位,这次因为天气很好,选择了室外。
冴と潔はスタッフに促され、バルコニーに用意されたテーブルにつく。柵近くにセットされた席からはホテルの中庭がよく見渡せた。
冴和洁被工作人员引导,坐在阳台上准备的桌子旁。从靠近栏杆的座位可以很好地俯瞰酒店的中庭。
このレストランに明確なドレスコードはないが、そこはファッションブランドのプロモーションだ。衣装は夕焼けや周りの照明、店の雰囲気に合わせたカジュアルフォーマル。腕時計や靴、メイクに至るまで丁寧に丁寧に磨き上げられ、2人は撮影にのぞんでいた。
这家餐厅没有明确的着装要求,但毕竟是时尚品牌的宣传活动。服装是根据夕阳、周围的灯光和店内氛围搭配的休闲正式风格。从手表到鞋子,再到妆容,都精心打磨,两人准备迎接拍摄。
「じゃあ、乾杯な」 「那么,干杯吧」
チンっと、澄んだガラスの音がする。夕暮れの日差しに目を細める潔を見ながら、冴は食前酒を口に運んだ。シュワっとしたアルコールが舌をほのかに刺激する。カシャカシャとたまにシャッター音がするのは耳障りだったが、青い瞳を庭に向けて微笑む潔の表情は、冴からしても良いと思えた。
清脆的玻璃碰撞声响起。冴一边眯着眼睛看着在夕阳下眯起眼睛的洁,一边将餐前酒送入口中。酒精的气泡轻轻刺激着舌头。偶尔响起的快门声有些刺耳,但洁面向庭院微笑的表情,在冴看来也很不错。
このレストランで提供されるのはスペインの味を生かしたフルコースだ。はじめは生ハムや貝などの魚介を使った前菜。美しく飾られた料理の数々は、過去にミシュランも獲得したシェフによって監修されている。
这家餐厅提供的是展现西班牙风味的全套菜单。首先是使用生火腿、贝类等海鲜的前菜。这些装饰精美的菜肴,由曾获得米其林星级的主厨监制。
「そういえば、俺が最初チームに来た時も、冴がご飯奢ってくれたよな」
「这么说来,我刚加入团队时,冴也请我吃过饭呢。」
サーブされた料理を前に、潔はフォークとナイフを手にし口を開く。
面对端上的料理,洁拿起刀叉,开口说道。
彼がチームに合流してすぐに、冴と潔は2人でマドリード市内のレストランに食事に出かけたことがある。
他刚加入队伍不久,冴和洁就曾两人一起去马德里市内的餐厅吃饭。
元々チームでの歓迎会は予定されていたが、賑やかなスペインの野郎どもが集まればどんちゃん騒ぎは確実だ。主役の潔とは碌に話もできないことくらい予想はできた。だからその前に2人で行こうと、珍しく冴が誘いをかけたのだ。
原本队伍里安排了欢迎会,但想到那些热闹的西班牙家伙们聚在一起肯定会闹翻天,估计连和主角洁好好说话的机会都没有。所以冴难得主动提出,在那之前两人先去吧。
「あの時も、今日みたいにかなりちゃんとしたレストランだったよな。スペイン料理のフルコース。俺そんなとこ行くと思ってなくてびっくりした」
「那时候也是,像今天这样相当正式的餐厅呢。西班牙料理的全套菜单。我没想到会去那种地方,真是吓了一跳。」
「アレはお前がレ・アールに来た祝いを兼ねてたからな。それに」
「那是为你来到雷・阿尔庆祝的。而且」
冴はグラスを見つめてから中身をぐっと飲み干す。潔はこてんと首を傾げた。
冴盯着杯子,然后一口气喝干了里面的酒。洁疑惑地歪了歪头。
「それに?」 「而且?」
「俺は家族以外との外食に慣れてない」 「我不太习惯和家人以外的人在外面吃饭」
冴は夕焼けに目をやりポツリと呟く。 冴望着夕阳,喃喃自语。
人付き合いはそれなり、酒もそこまで多くは飲まない。幼い頃からスペインに住んではいるが、冴は元々、あまり好んで外食をするタイプではなかった。
与人交往还算得体,酒也不怎么多喝。虽然从小住在西班牙,但冴原本就不是那种喜欢在外面吃饭的人。
下部に所属していた時は寮住まいで、食事は用意されたもので済んでいたし、寮を出たあとは自炊やテイクアウトで済ませていた。馴染みのバルもあるといえばあるのだが、そこも元々、以前チームに所属していた笑顔で毒を吐くありがた〜い先輩に挑発され、半ば強制に近い形で連れて行かれていただけだったりする。
在下部所属时,我住在宿舍,吃饭都是准备好的,离开宿舍后也是自己做饭或点外卖解决。虽然也有熟悉的酒吧,但那也是因为以前在团队里的那位总是笑眯眯却毒舌的前辈挑衅,几乎是被半强迫地带去的。
最初に潔を食事に誘った時も、“練習場の近くで個室があり、人目を気にせず静かに食事ができる"、という条件で、一番最初に検索に引っかかった場所を選んだにすぎない。もちろん値段も見なかった。
第一次邀请洁去吃饭时,也是因为“练习场附近有包间,可以不被人打扰安静地吃饭”这个条件,随便选了第一个搜索到的地点。当然,价格也没看。
かいつまんでそう伝えれば、潔はへへっと笑う。 简略地这么一说,洁便嘿嘿地笑了。
「それなのに、誘ってくれてたんだな」 「尽管如此,你还是邀请了我啊」
「嬉しいよ」と満面の笑みで彼が言うから、冴は無言で視線を逸らした。
「我很高兴」他满面笑容地说道,冴则默默地移开了视线。
2人で食事に行ったのはそれが最初だ。そのあとはもっと敷居の低い店を潔が見繕ってくれたり、あるいはチームメイトと行って良かった店に気まぐれでもう一度顔を出したり。
两人一起去吃饭,那是第一次。之后,洁会挑选一些门槛更低的店,或者心血来潮再去一次和队友一起去过的好店。
また行こう、なんて言葉を冴が断らず頷く相手はほぼ1人に限られている。
再一起去吧,这种话冴不会拒绝并点头的人几乎只有一个。
潔と過ごすようになって、冴の外食の回数は確実に増えた。彼と外に出るその中で、たまたま店でチームメイトと鉢合わせたり、ある時は酔った冴が幼い頃の凛との思い出をポロリと話してしまったり。
自从和洁一起生活后,冴外出就餐的次数确实增加了。和他一起外出时,偶尔会在店里遇到队友,有时喝醉的冴会不经意间说起小时候和凛的回忆。
思い出話に花を咲かせながら、2人は運ばれてくる料理をせっせと平らげて行った。牡蠣を使ったアヒージョにバゲット、エビのクリームソースに、メインは牛肉のヒレステーキ。パエリアの後は潔お待ちかねの甘いデザートだ。
在回忆的谈话中,两人忙着将端上来的料理一扫而空。牡蛎做的阿希奥、法式长棍面包、虾奶油酱,主菜是牛里脊牛排。吃完海鲜饭后,就是洁期待已久的甜点。
「ん〜っ! うまっ!」 「嗯~!好吃!」
ご満悦な顔でジェラートを口にする潔を見て、冴はついつい目を細める。
看着洁一脸满足地吃着冰淇淋,冴不禁眯起了眼睛。
シャッターの音はいつの間にかしなくなっていた。 快门的声响不知何时已经消失了。
スタッフもバゲットが出る頃には退散して、次の撮影場所であるバーでの準備に向かったらしい。
工作人员似乎也在法棍面包出炉时撤离,前往下一个拍摄地点——酒吧做准备了。
「どれも美味しかったな〜」 「每样都很好吃啊~」
「ああ、悪くなかった」 「啊,确实不错。」
潔の笑みに冴も頷く。 洁的笑容让冴也点头。
細部まで美しく、ソースの一滴に至るまで丁寧に作られた料理の数々は手放しに美味しいものだった。食事も強みとして売り出しているホテルの看板に偽りはない。冴は食後のコーヒーを口にして肩を竦める。
从细节到每一滴酱汁都精心制作的菜肴,美味得让人无法挑剔。作为以餐饮为卖点的酒店招牌,名副其实。冴品尝着餐后的咖啡,耸了耸肩。
「お前の顔も、いつにも増して美味そうだったな」 「你的脸,比以往任何时候都看起来更美味了。」
「そりゃしょうがないって。実際どれも絶品だったもん」
「那也没办法啊。实际上每样都是绝品呢」
潔はふふんと鼻を鳴らし、ジェラートの最後の一口を食べきった。
洁哼了一声,吃完了最后一口冰淇淋。
「けどさ、撮影ってなるとやっぱちょっと緊張したかも。俺こういう店慣れてないし」
「不过啊,一想到要拍摄果然还是有点紧张。我不太习惯这种店」
潔は億単位の年俸をもらっているが、興味の対象がほぼサッカーのみに向いているために金銭感覚は庶民のままだ。
洁的年薪以亿为单位,但由于兴趣几乎只集中在足球上,金钱观念仍保持着平民水准。
「衣装汚さないかとか気になってたけど、撮影コンセプト的に下手な振る舞いできないじゃん? 美味しかったけど、今度はもっと気楽に食べたいかも」
「担心弄脏衣服之类的,但拍摄概念上不能表现得笨拙吧?虽然很好吃,但下次可能想更轻松地享用。」
「なら明日も来るか?」 「那明天也来吗?」
冴は軽い調子で尋ねた。潔はう~んと少し唸ったが、やがて首を横に振る。
冴以轻松的语气问道。洁嗯~地稍微沉吟了一下,随即摇了摇头。
「それはもうしばらく後にしよう。明日はラフなとこが良い。こういうのもたまには良いけど、バルとかで楽に食べるのが俺には合ってる」
「那个还是再等等吧。明天去个轻松点的地方就好。虽然偶尔这样也不错,但对我来说,还是在酒吧之类的地方轻松享用更合适。」
「俺はお前と家で食う方が好きだが」 「我倒是更喜欢和你在家一起吃。」
「えー……、それは話が別じゃない……?」 「诶……,这不是两码事吗……?」
「俺だってお前と家で過ごすの好きだよ」、と潔は妙に照れくさそうな顔で言う。
「我也喜欢和你在家一起度过啊」,洁说着,脸上露出奇妙的害羞表情。
はじめは夕焼け色に染まっていた空も今はすっかり暮れていた。冴は夜の闇の中でぽつりぽつりと明りの灯った中庭を見下ろし、流れる時間に息を吐く。
起初被晚霞染红的天空,如今已完全暗了下来。冴在夜幕中俯视着中庭里零星亮起的灯光,对着流逝的时间轻轻叹息。
風が木々を揺らしていく。潔はコーヒーを口にすると上目遣いに冴を見た。
风轻轻摇曳着树木。洁喝了一口咖啡,抬眼望向冴。
「明日、泊まらずに帰る?」 「明天,不留下过夜就回去吗?」
心なしか頭の双葉がしょげて見える。彼としてはもう少し、この非日常を味わっていたいのかもしれない。察した冴はゆるゆると首を振ると、ジャケットの襟を軽く正した。
不知为何,感觉他头顶的双叶有些垂头丧气。或许对他来说,还想再多享受一会儿这种非日常的时光。察觉到这一点的冴缓缓摇了摇头,轻轻整理了一下夹克的领子。
「いや、泊まるぞ。店もこの辺で探す。元々そういうスケジュールだ」
「不,我要住下。顺便在这附近找家店。原本就是这样的行程安排。」
焦って帰る必要もない。こういう機会でもなければ、潔と2人だけで旅行気分を味わうこともないだろう。
没必要急着回去。如果不是这样的机会,恐怕也不会有机会和洁两个人单独享受旅行的氛围吧。
今回は、本当に運が良かった。 这次,真的是运气很好。
表情を緩める冴に、潔はパッと明るい声で話し出す。
冴放松了表情,洁突然用明快的声音开口说道。
「じゃあ、店はホテルの人とかに聞いてみようぜ。来る時も美味しそうな店いっぱい見えたし。へへ、何食べよっかな〜」
「那么,我们去问问酒店的人吧。来的路上看到很多看起来很好吃的店。嘿嘿,吃什么好呢~」
「食ったそばからまた食い気か。シーズン前にはちゃんと絞れよ」
「刚吃完又想吃了。赛季前可要好好控制啊」
「んなっ! そんな太ってねぇし! 全部筋肉に変えるし!」
「什么嘛!我才没那么胖呢!全都会变成肌肉的!」
潔はぷくりと頬を膨らませる。拗ねた顔に目を細めつつ、冴はナプキンで口を拭った。
洁鼓起脸颊,一脸不高兴。冴一边眯起眼睛看着他,一边用纸巾擦了擦嘴。
明日はもっとしっかりした量が食べたい。なんとなく、そんなことを考えながら。
明天想吃更丰盛的量。不知为何,他一边想着这样的事情。