
※ゲッコウガの喋り口調が出てきます。 ※会出现盖欧卡的口癖语气
「さっきのバトル。サトシゲッコウガすごくかっこよかったよ!」
"「刚才的战斗。小智版甲贺忍蛙真是太帅了!」"
興奮した口調ではしゃぐユリーカは、楽しげにゲッコウガの周りをぐるぐる走る。先ほどのバトルへの興奮がまだ忘れられないらしい。ゲッコウガはそんな彼女を微笑ましく見守っていた。
尤莉卡用兴奋的语气欢闹着,快乐地绕着甲贺忍蛙转圈跑。似乎还沉浸在刚才战斗的激动中。甲贺忍蛙则温柔地注视着这样的她。
「それにしても本当にそっくりだよね。サトシとサトシゲッコウガ!」
"「不过真的超像呢。小智和小智版甲贺忍蛙!」"
「コウガ」 "“甲贺”"
大好きなトレーナーとそっくりと言われ、ゲッコウガは満更でもなさそうに頷く。そんなゲッコウガの気持ちを知ってか、「二人は仲良しだよね」とユリーカが嬉しそうに飛び跳ねた。
被说成与最爱的训练家一模一样时,泪眼蜥看似满不在乎地点了点头。似乎读懂了它的心思,尤莉卡欢快地蹦跳着说:'你们俩关系超好的对吧!'
「ユリーカ。そのサトシゲッコウガというネーミングは少し安直……というか安直、いやかなり安直……ストレート過ぎる」
"'尤莉卡。那个'小智泪眼蜥'的名字有点太直白……或者说直白,不、是相当直白……过于简单粗暴了'"
サトシゲッコウガという名を連呼するユリーカー。その声に呆れたように待ったをかけたのはシトロンだ。眼鏡を指で押し上げ、ぶつぶつと安直を連呼する。そんな兄にユリーカは不満ありげな顔をする。
反复呼唤'小智泪眼蜥'之名的尤莉卡。对此目瞪口呆扶额的是西托二人。用指尖推了推眼镜,连连嘟哝着'太直白'。面对这样的哥哥,尤莉卡露出了不满的表情。
「えー何言ってるの。凄くいい名前だよ!」 "「诶——你在说什么呀。这名字超棒的!」"
「凄くって、まんまじゃないですか! もっとこうカッコいい名前が探せばある筈!」
"「超棒什么的,不就是原样照搬嘛!肯定能找到更帅气的名字!」"
「むーじゃあ、お兄ちゃんはどういう名前ならいいの?」
"「唔——那哥哥觉得什么样的名字才好呢?」"
「それは……」 "「那个……」"
シトロンは顎に手を当て唸る。そうは言ったものの、名前など直ぐに思い浮かばない。発明品を考える時は次から次へと案が浮かぶのに。
希特隆托着下巴沉吟。话虽如此,名字却一时想不出来。明明构思发明时总是灵感源源不断。
そんなシトロンを見てユリーカはにやりと笑う。 看到这样的希特隆,柚莉嘉咧嘴一笑。
「ほーら、お兄ちゃんだって一緒じゃない。やっぱりサトシゲッコウガだよ」
"「哎呀,哥哥明明也在一起嘛。果然还是小智的杰尼龟呀」"
「いやいや、だからそれは少し安直過ぎだって……君もそう思いません、ゲッコウガ?」
"「不不,所以说那样想未免太武断了……你也是这么觉得的吧,杰尼龟?」"
「コウ?」 "「小豪?」"
二、三度目を瞬かせ、それからようやくゲッコウガは自分に話題が振られたのだと悟った。まさか話しかけられるとは思っていなかったので、少し反応が遅れてしまった。
眨了两三下眼睛后,杰尼龟才终于意识到话题抛到了自己身上。完全没料到会被搭话,反应不由得慢了半拍。
「あのゲッコウガの不思議な姿のことですよ。バトル中に波長が合った時になるサトシそっくりのあの姿です! 確かにサトシそっくりですが、だからサトシゲッコウガ! なんて名前、安直過ぎません? いくらサトシそっくりだからって、ストレート過ぎるというか……やっぱり安直かなと。僕としてはもっと格好良くてセンス抜群な名前があると思うんですよ」
"「说的是那只甲贺忍蛙的奇特形态啊!战斗中波长吻合时就会变成和小智一模一样的样子!确实和小智如出一辙,所以就叫小智甲贺忍蛙!这名字是不是太随便了点?就算再像小智,未免也太直白了吧……果然还是太草率了。我觉得应该有个更帅气又独具匠心的名字才对」"
「コ、コーガ……」 "「甲、甲贺……」"
シトロンは一息に言い放つ。ぜえぜえと息を尽きながらシト
希特隆一口气说完。他气喘吁吁地
一息に言い放つとシトロンはゲッコウガを睨みつける。
一口气说完后,希特隆瞪视着甲贺忍蛙。
力説するシトロンに少し気圧されながらも、ゲッコウガは首を横に振る。
虽然被希特隆的强烈主张稍微震慑,甲贺忍蛙还是摇了摇头。
「あの名前でいいんですか!」 "“用那个名字真的可以吗!”"
はっきりと否定を示したゲッコウガにシトロンは驚いた顔をする。
面对耿鬼斩钉截铁的否定,西托隆露出了惊讶的表情。
「コウ」 "「吼」"
「えー、だってまんまですよ。サトシそっくりだからサトシゲッコウガなんて二人の名前を繋げただけじゃないですか……」
"“诶——但明明就是啊。因为和小智一模一样才把小智和耿鬼的名字连起来叫‘小智耿鬼’不是吗……”"
「コウガ」 "“甲贺”"
「それがいいって……そんなー」 "“这样挺好的啊……怎么会——”"
「コッ?」 “嗯?”
がっくりと肩を落とすシトロンに、ゲッコウガは首を傾げた。何をそんなに残念そうなのだろうか。
看到西特隆失落地垂下肩膀,甲贺忍蛙歪了歪头。究竟在为什么事情如此遗憾呢。
サトシゲッコウガ。 小智甲贺忍蛙。
確かに少し恥ずかしい。だがそれはシトロンが言う恥ずかしさとは違う。サトシの名前が自分の名前にくっついていることが嬉しくて、でもまだ慣れなくて気恥ずかしいだけ。
确实有点害羞。但那和西特隆所说的羞耻感不同。只是因为在名字前加上小智的称呼而感到开心,却又尚未习惯这份亲昵带来的羞涩罢了。
大好きな主であるサトシの名前を頂戴できるとは、この上ない喜び。名誉なことだ。
能被赐予最敬爱的主人小智的名字,是无上的喜悦。真是莫大的荣誉。
仲間達からそっくりだと言われる度に心の底から喜びが湧き出る。サトシに一緒だなと言われた時は、うっかり頰がゆるみそうになってしまったのは内緒だ。舌をマフラー代わりにして、口元を隠していて良かった。あの時程思ったことはない。
每当被同伴们说长得一模一样时,心底就会涌出由衷的欢喜。被小智说'我们真像'的时候,差点忍不住嘴角上扬这件事可要保密。幸好用舌头代替围巾遮住了嘴。再没有比那时更让我感慨万千的时刻了。
サトシと二人、ゼロからのスタートを決意し、サトシゲッコウガの力を自在にこなせるようになったのはつい先日のこと。
小智和二人决定从零开始,就在前几天,他已经能够自如地运用小智版甲贺忍蛙的力量了。
似ていると言われていた姿をようやくゲッコウガは己の目でじっくりと確認することができた。
终于,甲贺忍蛙能够亲眼仔细确认那被说与自己相似的身影。
湖に映るその姿は言われた通りサトシそっくりで、驚きのあまり湖に落ちかけたのは誰にも内緒だ。何度も姿を確認し、ようやく現実だと受け入れられたとき、感極まってついガッツポーズをしてしまった。舞い上がり過ぎていたと反省している。誰にも見られなくてよかった。
倒映在湖中的身影正如传言所说与小智一模一样,惊讶之余差点跌入湖中的事是谁也不知道的秘密。多次确认身影后,终于接受这是现实时,感动至极不由得摆出了胜利姿势。现在正反省着当时兴奋过头手舞足蹈的样子。幸好没被任何人看见。
(嬉しいでござる……サトシと同じ姿。同じ色) (真高兴……和小智一样的姿态。一样的颜色)
しかもサトシと心が通じ合い、互いの考えがわかるとはまるで夢のようだ。サトシの愛を全身で感じられる。これがきっと奇跡というものなのだろう。
而且与小智心灵相通,能理解彼此的想法简直如同梦境一般。全身都能感受到小智的爱。这一定就是所谓的奇迹吧。
なぜゲッコウガにだけこんなことができるのかまだわからない。
为什么只有甲贺忍蛙能做到这一点,目前还不清楚。
けれども、誰にもこんな不思議な体験はできない。自分だけ。自分にしか起こせない奇跡。それがゲッコウガに少しだけ優越感を抱かせる。
然而,谁都无法拥有这般不可思议的经历。唯独自己。只发生在自己身上的奇迹。这让甲贺忍蛙心中涌起一丝优越感。
(そう……あの、ピカチュウでも無理なこと) (没错……就连那只皮卡丘也办不到的事)
サトシの初めてのポケモン。ずっと一緒に旅をしている唯一無二の相棒。
小智最初的宝可梦。始终相伴旅行的独一无二的搭档。
その話を聞いたとき、ゲッコウガの心に沸いたのは羨望と、わずかな妬み。
听到那番话时,甲贺忍蛙心中涌起的是羡慕,以及一丝嫉妒。
ずるいと思った。ずっと自分が一人悩んで、何度も何度もトレーナーとぶつかり合い、出会いと別れを繰り返していた時、ピカチュウはサトシの腕の中安らぎを得ていたなんて。
这太狡猾了。当我独自烦恼,一次次与训练师碰撞交锋,经历着相遇与别离时,皮卡丘却在小智的臂弯里获得了安宁。
サトシとピカチュウのことは何でも知っている。出会いは最悪だったと聞いている。
关于小智和皮卡丘的事我全都知道。听说他们的相遇糟糕透顶。
(それでも、ずるいでござる) 即便如此,这也太狡猾了
だって二人はそれを乗り越え、今こうやって二人だけの関係を築いている。
因为两人跨越了那些困难,如今才得以建立起只属于彼此的关系。
ゲッコウガが喉から手が出る程欲しかった関係だ。 这是甲贺忍蛙梦寐以求的关系。
(でも、それを拙者も手に入れた。しかもピカチュウも経験したこともない奇跡とともに)
(但,在下也获得了这份关系。而且还是连同皮卡丘都未曾体验过的奇迹一起)
ずっと願ってきたことが現実となった。それは今でもまだ夢じゃないかと思うほど。サトシゲッコウガという姿はゲッコウガにとって奇跡の塊であった。
长久以来的心愿终成现实。至今仍觉恍如梦境。甲贺忍蛙以智挥猩形态存在,对它而言简直是奇迹的结晶。
(だから少しくらい優越感を感じていてもバチはあたらないでござる)
(所以稍微产生点优越感也不会遭报应的说)
サトシゲッコウガ。この名前で呼ばれる度、自分がサトシのポケモンなんだと胸を張れるのだ。
小智的甲贺忍蛙。每当被这个名字呼唤时,它都能挺起胸膛自豪地确信——自己就是小智的宝可梦。
这是我在推特和五月发表的论文中收录的甲贺忍蛙与小智君的温馨小故事合集。部分内容含有女性向表达,但整体健康向上。
チャレではスペースにお立ち寄り頂き有り難うございました!
感谢各位在挑战活动期间光临我的空间!
本を手に取って頂けてとても嬉しかったです。 能承蒙您拿起这本书,我感到无比欣喜。
また次回も参加予定です。 下次我也计划参加。