結婚が決まっている世一をモブからNTRカイザーの話
被路人横刀夺爱的凯撒:与现役世界第一的婚约争夺战
モブ男性との結婚を1ヶ月後に控えたアラサーの41のところに、元恋人のkisから「たまには昔話に付き合え」というメールが届く。kisのことが忘れられない41は飲みに出かけ…から始まるkiisのNTR話。モブisからのkiis。
距离与路人男性婚期仅剩一个月的 31 岁洁世一,突然收到前任恋人 Itoshi Rin"偶尔也该陪我叙叙旧"的邮件。始终无法忘怀 Rin 的洁应邀前往居酒屋...由此展开的 Rin×洁横刀夺爱故事。来自路人 Isagi 的 Rin×洁。
⚠️モブ男性は回想でちょこっと出てくる程度ですが肉体関係はあります(婚約者なので)。kiisは両思いではあるものの、倫理観はゼロです。最後はハピエンですが、途中で世一くんが逆境に立たされしんどい思いをしているので、苦手な方はご注意ください。キャラヘイトの意図はございません。
⚠️路人男性仅在回忆中短暂出场但存在肉体关系(毕竟是未婚夫)。Rin×洁虽两情相悦却毫无道德底线。结局虽 HE,但中途世一君将遭遇逆境承受煎熬,不擅此道者请注意。绝无角色抹黑意图。
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まだ日が高いうちから始まった前夜祭は、日付が変わるころになっても続いていた。結婚式を翌朝に控えた新郎新婦と、年配の親族や招待客などはさすがに退散していたが、オフシーズンで体力を持て余しているフットボーラーたちはまだまだ飲み足りないらしかった。夏の始まる夜だ。会場が屋外というのも、開放的な気分を盛り上げるのに一役買っているのだろう。
从日头尚高就开始的前夜祭,直到日期更替时分仍在继续。虽然婚礼定在次日清晨的新郎新娘、年长的亲属和受邀宾客们早已离场,但正值休赛期精力过剩的足球选手们显然还未尽兴。这是夏夜伊始。露天会场的设置,想必也为这份无拘无束的氛围添了一把火。
今は、チームの盛り上げ役であるサネがバスタード・ミュンヘンのアンセムに合わせてテーブルの上で踊りながら一気飲みをしている。だいぶ酔いが回っているのか、足元がふらついて皿やカトラリーを蹴っ飛ばしていた。もうめちゃくちゃだ。
此刻,作为团队气氛担当的佐奈正随着拜仁慕尼黑队歌在桌上跳舞豪饮。醉意渐浓的她脚步踉跄,踢翻了盘子和餐具,场面一片狼藉。
いちばん盛り上がっているテーブルから少し離れたところに座っていた世一は、酔い覚ましの水を飲みながら、ときどきちょっかいをかけにやってくるチームメイトを適当にあしらっていた。
在远离最喧闹酒桌的位置,世一啜饮着醒酒水,敷衍应付着不时来闹他的队友们。
祭りはまだまだ終わりそうな気配ない。明日もあるし先に失礼させてもらおうか、とそれほど酒に強くない世一は席を立った。下部組織時代からの仲間にしつこく絡まれていたカイザーがちょうどテーブルに戻ってきたので、そろそろ帰るわ、と声をかける。
狂欢似乎远未结束。不胜酒力的世一想着明天还有训练,便起身准备告辞。正巧被青训时期就纠缠不休的凯撒逮个正着,他刚回到桌前就听见世一说"我先走了"。
「俺も帰る」 "我也回去"
相当飲まされたのか、頬が少しだけ赤くなっていた。いつもと変わらない取り澄ました顔だが、そこそこ酔っているらしい。
看来被灌了不少酒,脸颊微微泛着红晕。虽然依旧保持着平日的端庄表情,但显然已有几分醉意。
前夜祭の会場は、マルクスの祖母が所有する別荘の庭だった。ミュンヘン市内から車で1時間ほどのところにある、テーガルン湖畔の鄙びた街だ。前夜祭から招かれている客のほとんどは翌日の式にも出席するため、マルクスが近くの宿を手配してくれていた。
婚前派对的场地选在马克斯祖母名下的别墅庭院。这座坐落在泰根湖畔的幽静小镇,距离慕尼黑市区约一小时车程。受邀参加婚前派对的宾客大多也会出席次日婚礼,马克斯便为众人在附近安排了住宿。
パーティ会場の喧騒が嘘のように街は寝静まっている。早々に脱いでしまったジャケットを腕にひっかけて、世一はのんびりと歩いた。湖の上を渡る風が気持ちいいので、少し遠回りしていくことにする。カイザーは犬を散歩させる飼い主のように、後からついてきた。
派对会场的喧嚣仿佛谎言般消散,小镇已沉入梦乡。世一早早脱下的外套搭在臂弯,悠闲地踱着步。湖面拂来的晚风令人舒畅,他决定绕些远路。凯撒像遛狗的主人般慢悠悠跟在后面。
湖畔沿いの道にほとんど街灯はなかったが、月の明るい晩で歩くのに苦労はしなかった。心地のいい風を浴びながら歩みを進める。岸に寄せる水の音が涼しげで気持ちよかった。マルクスは子供の頃、この湖で練習をして泳ぎを覚えたのだそうだ。
沿湖小径几乎不见路灯,所幸明月当空并不妨碍行走。沐浴在惬意的晚风中前行,岸边轻拍的水声透着沁凉舒爽。听说马克斯童年就是在这片湖里学会游泳的。
「あんまり端を歩くなよ。落ちるぞ」 “别靠边走那么近,会掉下去的”
「落ちねーよ。子供じゃねえんだから」 “掉不下去的,我又不是小孩子”
「酒が飲める年になったってだけで中身はガキだろ」 “不过是到了能喝酒的年纪,骨子里还是小鬼吧”
カイザーは見下すようにフンと鼻で笑った。〝青い監獄〟で出会ったときと同じ、高慢さを丁寧に下処理してフルコースに仕立てたような顔だ。でも、それは思っていたほどに悪くなかった。
凯撒从鼻腔里发出一声居高临下的嗤笑。那张脸和当初在“蓝色监狱”相遇时如出一辙——将傲慢精心烹制成全套料理般的表情。但意外地,这并没有想象中那么令人讨厌。
「……5年経ってもその性格の悪さが変わってねえの、なんかむしろホッとするわ」
“……五年过去了你这臭脾气还是没改,反倒让我有点安心了”
世一が言うと男はまんざらでもないような顔をして、「俺がいなくて寂しかっただろ?」などと甘い声を出して抜かしてくる。前言撤回。普通にムカつく。世一は道に転がっていた石ころを蹴っ飛ばした。
世一这么一说,男人反倒露出受用的表情,用甜腻的声线说着“没我在很寂寞吧?”之类的话。收回前言。果然还是火大。世一把路边的石子一脚踢飞。
「うぜぇ……。勝手にほざいてろ。つーか、見とけよ。おまえのことキャンプでギッタンギッタンにしてやるかんな」
“烦死了……爱怎么吠随你便。话说你给我等着,看我在集训时把你干得哭爹喊娘”
「あいあい。雑魚フィジカルの世一くんがどこまで成長したか見ものだな」
“好好好,我倒要看看体能弱鸡的世一君能进步到什么程度呢”
「ぎぃ〜〜〜……なんかだんだんムカついてきた。おまえこっち寄ってくんな、あっち行けよ」
“呜呃呃呃……越看你越来气。别往我这边靠,滚那边去”
「あいにく宿が同じなんでね。おら、しっかり前向いて歩け。同僚の結婚式で湖に落ちて溺れたフットボーラーなんて洒落になんねえぞ」
“不巧我们住同一家旅馆。喂,给我挺直腰板走好了。在同事婚礼上掉进湖里淹死的足球运动员可一点都不好笑”
「だから落ちねえっつってんだろ!」 “都说了不会掉下去啊!”
止まっていた5年の時間がなかったかのように、言葉が次から次へと湧いてきた。いつでもあのときの続きに戻れるような関係は、どこかくすぐったい。
停滞五年的时光仿佛从未存在,话语如泉水般不断涌出。这种随时能接续当年对话的关系,莫名令人心跳加速。
夜空に浮かぶ月は冴え冴えとして、水面に青い光を投げかけている。ほとんど満月のような欠けていない月だった。
夜空中高悬的明月清辉凛冽,将青白的光芒洒向水面。那几乎是轮毫无缺损的满月。
——大きなお月さまだねえ。 ——好大的月亮啊。
耳の奥で、若かりしころの父の声が蘇る。同時に彼が歌ってくれたメロディーも。頭の中の歌声をなぞるように世一はサビのフレーズを一、二度口ずさんだ。
耳畔仿佛响起父亲年轻时的声音。连同他曾经哼唱的旋律一起。世一追随着脑海中的歌声,轻轻哼唱了两三遍副歌部分。
遠い昔の、日本がまだ貧しかった時代の歌謡曲。一生が子供だったころに、彼の父親に肩車をして歌ってもらった曲らしい。口から先に生まれたような男は、珍しく黙って世一の歌声を聞いていた。
这是日本尚处于贫困年代的古老歌谣。据说在他还是孩童时,父亲总爱让他骑在肩头哼唱。此刻这个平日喋喋不休的男人却罕见地沉默着,静静聆听世一的歌声。
「……それは日本の歌か」 “……这是日本的歌吗?”
「そーだよ。でもすげぇ昔のやつな。月がとてもきれいだから遠回りして帰ろうかっていう歌。今みたいだなって思ってさ」
“对啊。不过是很久以前的歌了。歌词说月色太美了所以绕远路回家吧。感觉和现在很像呢。”
顔を上げれば、月と目が合う。肩車をしてもらって見上げたかつての月は、手に届きそうなほど近くに見えるのにつかむことは叶わなかった。お月さま取ってと父親にねだって困らせたのは、世一があらゆるものから守られていたころのやさしい記憶だ。
抬头望去,目光与月亮相遇。小时候被父亲扛在肩头仰望的月亮,明明近得仿佛触手可及,却终究无法真正触碰。缠着父亲说“帮我摘月亮”而让他为难的往事,是世一被全世界温柔守护时期的珍贵记忆。
〝青い監獄〟に入って初めて、世一は自分の中に眠っていた渇望に気がついた。自分の知らない自分と出会って戸惑い、葛藤し、最後にはすべて呑みこんで恐ろしいスピードで進化を遂げた。そうして生まれ育った国を飛び出し、誰かではなく己の手で夢をつかもうとしている途上にいる。
直到进入“蓝色监狱”,世一才意识到自己内心深处沉睡的渴望。遇见未知的自己而困惑挣扎,最终吞噬所有矛盾,以惊人的速度完成进化。如今他正飞离这片养育他的国土,踏上不依靠任何人、亲手追逐梦想的征程。
「——なんで連絡を寄越さなかった」 "——为什么不联系我"
記憶を撫でながら月を見上げていると、隣にいた男がボソリと言った。ミスを咎めるような口調。思ってもみない角度から飛んできたボールに世一は眉を寄せた。
一边轻抚着记忆一边仰望月亮时,身旁的男人突然低声说道。那语气仿佛在责备我的过失。面对这个从意想不到角度抛来的质问,世一皱起了眉头。
「おまえだって寄越さなかっただろ」 "你不也没联系我吗"
「俺は——連絡先を教えただろ」 "我可是——给过你联系方式的"
カイザーが即座に言い返す。つっけんどんな言い方の向こうに拗ねた子供の気配を感じ、世一は面食らった。
凯撒立刻回嘴。那冷淡语气背后透着一股闹别扭的孩子气,让世一有些措手不及。
「……もしかして、おまえ、俺から連絡来んの待ってたの?」
"……该不会,你一直在等我联系你吧?"
思わず尋ねれば、「待ってなどいないが?」と、語尾を食う勢いで否定してくるのでつい笑ってしまった。なんだ。俺たちは同じことを考えていたのか。ぎこちない文面のメッセージを何度も書いては消すを繰り返していたあのころの自分に教えてやりたい。画面の向こうにいる相手が自分からの連絡を待っていると知っていたら、送信ボタンを押すことができたのに。
世一忍不住这么一问,"谁等你了?",对方几乎要咬掉话尾般急速否认的模样让他不禁笑出声。什么嘛。原来我们想着同样的事。好想告诉当年那个反复编辑又删除生硬信息的自己——如果知道屏幕对面的人也在等着自己的消息,肯定就能按下发送键了。
「……だってさ。俺らは友達じゃねーじゃん。俺はおまえのことをライバルだって思ってるけど、おまえは……って何その顔すげえ腹立つんだけど。もうこの話やめる?」
"……因为啊。我们又不是朋友。虽然我把你当对手,但你……喂你那什么表情超级火大啊。要不这话题到此为止?"
「——いい。続けろ」 "——很好。继续"
「それはともかく、俺らはサッカーのないところで待ち合わせしてお茶するような仲じゃ絶対にないだろ。それより俺は、一日でも早くトップに上がっておまえとフィールドで戦いたいって思ってた。俺にしかない武器を磨いて、おまえを跪かせてやりたいって。こっちでプロになっていろんな選手と戦ったけど、正直、おまえ以上に俺を駆り立てるヤツはいなかった」
"先不说那个,我们绝对不是那种会在没有足球的地方约着喝茶的关系吧。我更想早点登上顶峰,在球场上和你一决高下。我要磨练只有我才拥有的武器,让你跪倒在我面前。虽然在这里成为职业球员和许多选手较量过,但说实话,没有人比你更能激发我的斗志"
アルコールの力は偉大だ。素面だったら絶対に言えていないであろう言葉がスルスルと出てくる。せっかくこちらが譲歩して素直になってやっているというのにだんまりを貫き通している男が小憎らしくなって、ヒョイと顔を覗きこんでやる。
酒精的力量真是伟大。清醒时绝对说不出口的话语此刻正流畅地倾泻而出。明明我都难得让步坦率起来了,这个男人却始终保持着沉默,让人不由得来气,我猛地凑近他的脸。
「だからさ——、って、ウワッ」 "所以说啊——,喂、哇啊"
後ろ向きに歩いていた世一は、地面のくぼみに足を取られてバランスを崩した。ひっくり返りかけた身体を、素早く手が伸びてきた手が支える。言うはずだった「あっぶねえ」という言葉は、カイザーの口の中に吸いこまれた。うっとりするような感覚に、脳の内側のやわらかいところがビリビリと痺れる。感覚のすべてを一瞬にして持って行かれた世一は、必死に頭を働かせた。
背对着走路的世一被地面的凹陷绊住,失去了平衡。眼看就要摔倒的身体,被一只迅速伸来的手扶住。本该脱口而出的"好险"二字,却被凯撒的唇舌尽数吞没。令人眩晕的触感让脑内最柔软的部分阵阵发麻。所有感官都在瞬间被掠夺的世一,拼命转动着混沌的思绪。
俺、キスされてんの——カイザーに? 我、正在被亲吻——被凯撒?
「ちょっ、カイ……んむっ」 「等、凯......嗯唔」
胸を押して手を強く突っ張ったのに、唇が離れたのはわずかな間だけ。カイザーは肩を抱くように顔を傾けた。キスが深くなる。息継ぎが許されたのは、結局その一度きりだった。
明明用力抵住对方胸膛试图推开,双唇分离却只有短短一瞬。凯撒揽住他的肩膀偏过头。亲吻变得更加深入。最终被允许换气的机会,仅有最初那一次而已。
うっすらと開いた唇の隙間から舌が滑りこんでくる。おろおろと逃げ惑う舌先をからめとられ、頭の中がゆるやかに溶けていく。夜の湖に落ちる代わりに、世一はカイザーのキスに溺れた。
从微微张开的唇间,他的舌头滑了进来。慌乱躲闪的舌尖被缠绕住,脑海渐渐融化。未能坠入夜湖,世一反而沉溺在凯撒的吻中。
——俺、こいつとずっとこうしたかったのかも。 ——或许,我一直都想和他这样。
あまりにも気持ちよくて、気がついてしまえばこれ以上にふさわしい行為はないように思えた。
过于舒服的感受让人恍然觉得,再没有比这更相称的行为了。
翌朝、甘ったるい雰囲気を漂わせてカイザーの部屋から出てきたふたりを見て、二日酔いでげっそりとしていたバスタードのチームメイトたちはドッと沸き、祝杯を挙げるために酒を取りに走った。
翌日清晨,当两人带着甜腻氛围从凯撒房间走出时,宿醉萎靡的混蛋队友们顿时沸腾,欢呼着跑去取酒庆贺。
◇ ◇ ◇
「——うん、うん。母さんもね。何かあればすぐに連絡して。うん、わかってる。こっちは大丈夫だから」
"嗯,嗯。妈妈也是。有什么事随时联系。嗯,我知道的。这边一切都好"
最後まで息子を気遣う言葉にうなずいて、世一は電話を切った。
世一点头回应着母亲直到最后都充满关切的叮嘱,挂断了电话。
3日前の深夜とは打って変わって伊世は落ち着いていた。「この前の電話では取り乱しちゃってごめんね」と、いつものおっとりとした声で恥ずかしそうに母は詫びた。これからのことを考えると不安でいっぱいだろうに、それを見せまいとする。離れて暮らす息子に心配をかけたくないと気持ちを抑える母の姿に、喉の奥が詰まったような気持ちになった。
与三天前深夜判若两人,伊世此刻显得十分平静。"上次电话里我太失态了,对不起啊"母亲用一贯温吞的嗓音难为情地道歉。明明心里应该充满对未来的不安,却努力不表现出来。看着这位强忍情绪、不愿让独居儿子担心的母亲,世一觉得喉咙深处像被什么堵住了似的。
父親の一生が倒れたのは、通勤途中の駅のホームだった。ミュンヘンと日本には8時間の時差がある。伊世から電話がかかってきたのは真夜中だった。鳴らないはずの電話を半分眠りながら受けた世一は、絞り出すような母の声に一気に覚醒した。
父亲一生倒在通勤途中的车站月台上。慕尼黑与日本有八小时时差。伊世打来电话时正值深夜。被本不该响起的电话惊醒的世一,听见母亲哽咽的声音瞬间清醒过来。
「……世っちゃん、お父さん死んじゃったらどうしよう……」
"……小世...要是爸爸就这么走了怎么办......"
一生が倒れて病院に運ばれたこと、脳梗塞で緊急手術に入ったことを告げた後で、少女のように声を震わせて母は泣いていた。頭から血の気が引いて、手足が冷たくなる。すぐそばに行くよと言えない距離。電話の向こうで泣いている母の肩を抱いてやることともできない。もどかしくてやるせなくて、けれども世一には父の無事を祈ることしかできなかった。幸いにも手術は成功し、半日ほどで父は意識を取り戻した。
告知父亲病倒送医、因脑梗塞紧急手术后,母亲像少女般颤抖着声音哭泣。世一感到血液从头顶褪去,手脚冰凉。相隔太远无法立刻赶去,甚至不能搂住电话那头哭泣母亲的肩膀。焦躁与无力感交织,但世一能做的只有祈祷父亲平安。所幸手术成功,半天后父亲恢复了意识。
リビングに戻ってソファに座ると、キッチンにいたカイザーがマグカップをふたつ持ってやってきた。淹れたてのコーヒーのいい香りがした。手渡されたカップには、なみなみとミルクコーヒーが注がれている。
回到客厅沙发坐下时,正在厨房的凯泽端着两个马克杯走来。现煮咖啡香气扑鼻。递来的杯子里盛着满满当当的牛奶咖啡。
「……ありがと」 “……谢谢”
カップを傾けると、甘くてほろ苦いコーヒーが喉を滑り落ちて行った。いつもよりミルク多め、おそらくは砂糖も少しだけ多め。カイザーは何も言わなかったけれど、自分はつくづくこの男に甘やかされていると世一は思う。
倾斜杯子,甘甜中带着微苦的咖啡滑过喉咙。比平时多加了些牛奶,或许糖也稍微多放了些。凯撒虽然什么都没说,但世一深切地感受到自己被这个男人宠溺着。
「俺さ、日本に帰ろうと思う」 “我啊,想回日本了”
隣に腰掛けてブラックコーヒーを啜っているカイザーは、黙ったまま先を促すようにうなずいた。
坐在旁边啜饮黑咖啡的凯撒沉默着点了点头,示意他继续说下去。
手術は無事に済んだが、左半身に麻痺が出た。若いので回復の見こみは十分にあるものの、元の生活に戻るまでには時間がかかるだろうという話だった。世一は一人っ子で、親戚はみな遠方に住んでいる。
手术虽然顺利完成,但左半身出现了麻痹症状。医生说因为年轻所以康复希望很大,不过要恢复到原来的生活状态还需要时间。世一是独生子,亲戚们都住在远方。
「母さんと父さんのそばについていてやりたいんだ。今の俺があるのは、あの人たちのおかげだから」
"我想留在爸妈身边照顾他们。我能有今天,都是多亏了他们"
「……それがいいと思う」 "......我觉得这样很好"
「ありがと。カイザー」 "谢谢你,凯撒"
「俺は別に何もしていない」 “我其实什么都没做”
世一がカイザーの肩にもたれかかると、背中に腕を回されて抱きしめられた。力強い腕に、思わず目を閉じる。日本に戻ることを決めたのは自分自身だ。恋人であるカイザーも了承してくれている。それでも、この腕から離れてしまうのは寂しかった。キングサイズのベッドの真ん中、余白をたくさん残してカイザーにくっついて眠るのに世一はすっかり慣れてしまった。
当世一靠在凯撒肩上时,那双有力的手臂立刻环住后背将他拥入怀中。他不禁闭上眼睛。决定回日本的是他自己,恋人凯撒也表示了理解。可即便如此,想到要离开这个怀抱还是令人寂寞。如今他早已习惯在 king size 大床中央,贴着凯撒留出大片空余位置入睡的夜晚。
「あっちに帰ったら、おまえの等身大の抱き枕とか作ろっかな」
“等回去之后,要不要给你做个等身抱枕啊”
思わず言えば、カイザーは腕をちょっと動かして鼻を鳴らす。
话音刚落,凯撒的手臂微微动了动,鼻腔里发出轻哼。
「俺の代わりがクソ綿に務まってたまるか」 "让个垃圾棉花替代我?门都没有"
「抱き枕に対抗意識燃やすなっての」 "别跟抱枕较劲啊"
ははっと思わず声を出して笑えば、さらに信じられない言葉が上から降って来た。
我不由得"哈"地笑出声,头顶又砸下来更离谱的话。
「なら、俺もいっしょに日本に行こうか」 "那我也跟你一起去日本好了"
世一は思わず目を見開く。 世一不由得瞪大了眼睛。
——俺はおまえに逢いに来たんだ。〝青い監獄〟のエースストライカー、潔世一。
——我是来见你的。"蓝色监狱"的王牌前锋,洁世一。
ふたりが初めて出会った日の記憶が、洪水のように押し寄せる。自分の名声を確かなものにするために、はるばるドイツから日本へとやって来た男が口にすると、ただの夢物語がにわかに現実味を帯びる。
两人初次相遇那天的记忆如洪水般涌来。当这个为了巩固自己名声而不远万里从德国来到日本的男人说出那句话时,原本虚幻的梦想突然变得真实起来。
「はは、それ、すげえいいな。ミヒャエル・カイザーがJリーガーとかめちゃくちゃ夢があるじゃん」
"哈哈,那也太棒了吧。米歇尔·凯撒去踢 J 联赛什么的,简直梦幻到不行啊"
「だろ?」 “对吧?”
「また絵心さんにこき使われそうだけど」 “虽然可能又要被绘心先生使唤得团团转”
「獄中生活はお断りする」 “监狱生活我可敬谢不敏”
「んだよケチだな。そう遠くない将来、おまえの寝首を掻きに来る天才フットボーラーの卵かもしんじゃん」
“小气鬼。说不定在不久的将来,我就是那个会来取你首级的天才足球新星呢”
「——俺にはおまえがいれば十分だ」 "——有你在身边就够了"
世一の額の真ん中を、カイザーは指先でやわらかく突いた。
凯撒用指尖轻轻戳了世一的眉心中央。
◇ ◇ ◇
歩いても音がしない。ふたりぶんの革靴が立てる音は、歩くそばから廊下に敷き詰められた絨毯に吸いこまれて消えていく。エレベーターを降りてから一度も世一のほうを見なかったカイザーは、部屋の前に来て初めて何かを確認するように振り返った。
脚步声完全被吸收。两人份的皮鞋声响刚踏出就被走廊铺设的地毯吞噬殆尽。自从电梯下来后就没再看世一一眼的凯撒,直到房门前才像确认什么似的回过头来。
サファイアブルーの瞳は澄んで、世一を部屋に誘ったときに見せた動揺は消えている。カイザーを見上げ、世一は自分の決意を知らせるように小さく顎を引いた。平静を装ってみても、今にも心臓が口から飛び出しそうだ。これから始まることの予感に胸が騒いで仕方がなかった。
那双蓝宝石般的眼眸清澈见底,邀请世一进房时显露的动摇已荡然无存。世一仰望着凯撒,如同宣告决心般微微颔首。即便强装镇定,此刻心脏仍几欲破膛而出。对即将发生之事的预感,令胸膛躁动难抑。
カードキーを翳すと、かすかな電子音と共にドアが開錠される。カイザーに続いて中へ踏みこんだ世一は強く手を引かれ抱き寄せられた。足がもつれ、しがみつくように胸に顔を寄せる。シャツ越しに香る忘れようもない彼の匂いに、記憶が過去へと遡った。
房卡轻触感应区,随着微弱电子音门锁应声而开。跟随凯撒踏入室内的世一突然被拽住手腕拉入怀中。踉跄间将脸庞紧贴对方胸膛,隔着衬衫传来的熟悉气息让记忆溯流至往昔。
背中に回された腕が下り、世一はおもむろに高く抱き上げられる。ぐらりと視界が傾き、ゴールパフォーマンスのときのように正面から抱えられた。世一は慌ててカイザーの肩に両腕を回す。
环在背后的手臂突然下滑,世一被缓缓托举至高处。视野天旋地转间,如同进球庆祝时那般被正面抱起。世一慌忙用双臂环住凯撒的肩膀。
元々恵まれた体格だったというアドバンテージはあれど、5年会わない間にもカイザーの身体はさらに大きくなっていて、逞しい肩の筋肉はフィジカルを重視するセリエAで磨き上げられたものかもしれなかった。
虽本就具备先天体格优势,但五年未见使凯撒的身形更为魁梧,那健硕的肩肌或许是在注重身体对抗的意甲联赛中淬炼而成。
世一の身体を慎重にベッドの縁に下ろし、カイザーはその足元に跪いた。太腿の上に投げ出されたままの手を取られ、手のひらにキスをひとつ落とされる。
凯撒小心翼翼地将世一的身体放在床沿,跪伏在他脚边。他捧起那双随意搭在大腿上的手,在掌心落下一个轻吻。
ベッドサイドランプの放つはちみつ色の光がカイザーの右目を濡らしていた。いつも見上げている男に、焦がれるような目で下から見つめ上げられ、心臓が狂おしいほどに脈打つ。許しを乞うように黙って自分を見つめるカイザーへのいとおしさが胸からあふれて、世一は震える手で愛する男のすべらかな頬を撫でた。年齢を重ねたというのにほとんど変わらない手触りに驚く。
床头灯流淌的蜜色光芒浸湿了凯撒的右眼。被向来仰望的男人用灼热目光自下而上地凝视,世一的心脏疯狂鼓动。看着沉默祈求宽恕的凯撒,满溢胸口的怜爱让他用颤抖的手抚上爱人光滑的脸颊——历经岁月却几乎未变的触感令他讶异。
いたずらに動く手を咎めるようにカイザーの左手が重なり、世一はその手を取って応えるように腕を引っ張った。膝立ちになったカイザーがゆっくりと顔を近づける。額がぶつかり、鼻先が触れ合う。
凯撒的左手覆上来制止他不安分的手指,世一便反握住那只手牵引臂膀。屈膝前倾的凯撒缓缓靠近,额头相抵,鼻尖相触。
恋人同士だったときには、ほとんど挨拶代わりにしていたキスがこんなにも遠い。じれったくてもどかしくて、浅瀬で溺れているように呼吸が短くなる。ほとんど距離なく顔を寄せておきながら、再びの躊躇いを見せるので世一から唇を重ねた。
曾是恋人时如同问候般寻常的亲吻,此刻竟如此遥远。焦灼难耐的渴望让呼吸变得像浅滩溺水般急促。明明近在咫尺却再度踌躇,世一主动覆上了双唇。
これからしようとしていることが、誰の目から見てもよくないことであるというのはわかっていた。それでも、どうしようもなくこの男が欲しかった。
我清楚地知道接下来要做的事,在任何人眼里都绝非善举。即便如此,我还是无可救药地渴求着这个男人。
はっ、と短い息を漏らしたカイザーの手が世一のうなじにまわる。粘膜のやわらかさを確かめるようについばみ、丹念に唇を吸った。こちらがやめてくれと頼めばすぐにでもブレーキを踏めるような、そんなキスだった。ふたりが離れていた時間の長さがまざまざと胸に迫り、軋んだ音を立てる。
凯撒轻"哈"地短促吐息,手指缠绕上世一的后颈。像确认黏膜柔软度般啄吻,而后细细吮吸唇瓣。这是个仿佛只要这边喊停就能立刻刹住的吻。两人分离时光的长度鲜明地压迫着胸口,发出嘎吱作响的声音。
緩んだ隙間から様子を伺うように舌を挿し入れられ、ゆっくりと掻き混ぜられる。アルコールの残る舌に応えるように、腹の奥が熱を帯びた。熱い。身体が燃えているみたいだ。むずがるような声を漏らすと、カイザーは世一のジャケットを脱がせ、シャツのボタンをひとつずつ外した。
趁松懈的空隙,试探般的舌头侵入腔体缓缓搅动。回应着残留酒精气味的舌,腹腔深处开始发烫。好热。身体像在燃烧似的。当世一漏出焦躁的呜咽,凯撒便剥下他的外套,一颗颗解开衬衫纽扣。
丁寧なその所作は体温をさらに上げるような行為でしかなく、世一は命綱につかまる溺れた人のように、かつての恋人の舌を必死に追い求めた。いやらしい水音が鼓膜を揺らし、緑色をしたハーブの香りが鼻に抜ける。五感がどうしようもなく昂って腰のあたりがずん、と重くなった。
这般郑重的举止只会让体温升得更高,世一如溺水者抓住救命绳索般,拼命追逐昔日恋人的舌。淫靡水声震荡鼓膜,绿色草本香气窜过鼻腔。五感无可抑制地亢奋起来,腰际沉甸甸地发胀。
きもちいい。頭がばかになる。もう何も考えられない。なあ、カイザー。——おまえのことしか考えられないようにして。
舒服得让人发疯。脑子一片空白。什么都思考不了。呐,凯撒。——让我只能想着你的事吧。
力が抜けた身体をシーツに沈みこませると、カイザーもベッドの上に乗り上げた。世一が身につけているものをひとつずつ剥ぎ取り、遺失物を取り戻した持ち主のように身体の隅々にまで触れ、キスを落とした。脇のくぼみを舐められ、肩に齧りつかれる。
瘫软的身体陷入床单时,凯撒也跨上了床。他一件件剥去世一身上的衣物,像寻回失物的主人般抚遍全身每个角落,落下细密的吻。舔舐腋窝的凹陷,啃咬肩膀的嫩肉。
「っ、ん、……ん、……ふ、ぁ」 "嗯、……哈、……啊"
噛み締めた歯の隙間から甘ったるい声がこぼれる。キスだけで火のついた身体はどこを触られてもダメで、肌のひとつひとつに過去が紐づけられているようだった。まだ直接触れられてもいないのに、世一の陰茎は勃ち上がって腹を濡らしている。献身的な奉仕に、自分だけが乱されていくのがひどく恥ずかしい。
甜腻的呻吟从紧咬的齿间溢出。仅凭亲吻就点燃的身体经不起任何触碰,每寸肌肤都仿佛串联着过往记忆。尚未被直接爱抚,世一的性器却早已挺立着打湿了小腹。面对这般虔诚的侍奉,唯有自己意乱情迷的模样实在羞耻难当。
「ッ、おればっか、やだ。……俺だっておまえに触りたいよ」
"呜、只有你...不要...我也想碰你啊..."
熱くなった顔を片手で隠すように言えば、冷静さを保っていたカイザーのまなざしがグッと重くなった。世一の腰の上に跨った美しい獣は、身につけたものを引きちぎるように脱ぎ去る。
他单手掩住发烫的脸颊低语时,始终保持冷静的凯撒眼神骤然变得深沉。跨坐在世一腰间的美丽野兽,粗暴地撕扯着彼此身上的衣物。
最後まで身につけていた下着を床に放ると、鎧のような筋肉に覆われた肢体が姿をあらわになる。腹の前で赤黒くそそり立っているカイザーのものを見て、世一ははしたなく喉を鳴らした。きゅう、と後ろがねだるように蠢く。
当最后一件内衣被抛落地面,铠甲般肌肉覆盖的躯体完全显露。望着凯撒那根在腹前昂然挺立的紫红性器,世一发出羞耻的呜咽。后穴饥渴地蠕动着发出邀请。
ふたりで向かい合うように横向きに寝転がり、今度は迷いなく相手のものに手を伸ばした。カイザーに触られるのは気持ちよかった。筒状に握った手で互いの弱いところを攻めたてるうちに、性急さのないキスが深くなって、呼吸すら奪うような激しいものになる。踵をカイザーのふくらはぎに絡めると、カイザーは世一の腰を引き寄せた。硬い腹筋にペニスの先端を擦り付け合うように手の動きを早めて、高みを目指す。
两人侧身相对而卧,这次毫不犹豫地伸手握住对方的昂扬。被凯撒抚摸的感觉太过美妙。当彼此用筒状手掌攻击敏感带时,原本从容的亲吻逐渐加深,演变成连呼吸都要夺走的激烈交缠。世一将脚跟勾住凯撒的小腿肚,对方立刻揽紧他的腰肢。加速套弄的动作让硬挺前端在腹肌上相互摩擦,共同攀登快感的巅峰。
「ッ! ん……、ぁ、あぁッ、」 「啊!嗯……、啊、啊啊啊!」
「……っ、クソ、」 「……靠、」
「そこだめ、……や、ぁ、きもちいい、……あっあっ、」
「那里不行、……呀、啊、好舒服、……啊啊、」
「世一……ッ、……く、ッ」 「世一……、……呜、呃」
親指を鈴口に当てたまま強く下に押し下げられ、目の前が白く霞んだ。世一の絶頂から少し遅れて、カイザーも白濁を迸らせる。精液を世一の腹に塗りこめるように彼は二、三度腰を使った。濃密なセックスの匂いにどうしようもなく腹の底が疼く。
拇指抵住铃口被狠狠向下按压时,眼前顿时泛起白雾。比世一稍迟片刻,凯撒也迸射出白浊。他摆动腰肢两三下,仿佛要把精液全都涂抹在世一腹部。浓郁的情欲气味让下腹止不住地发烫。
出したというのに気持ちは余計に急いて、世一はカイザーの下唇に噛み付いた。じゃれるようにキスを繰り返すと引き寄せられ、汗と精液でまみれた下腹部が重なり合う。お互いにほとんど萎えておらず硬いままだ。ふたりの腹の間で、ぬる、ぬるとこすれるのがきもちよくて頭の芯が溶けそうになる。
明明已经释放过,情绪却愈发焦灼,世一咬住了凯撒的下唇。嬉戏般反复接吻时被拉近,两人沾满汗水与精液的下腹紧密相贴。彼此都尚未完全疲软,依然硬挺。在两人腹部之间,黏腻的摩擦感舒服得让人脑髓都要融化。
カイザーは並んだ腰椎を指先で数え上げ、双丘の上にあるくぼみで手を止めた。体勢をずらし、ベッドサイドのチェストから何かを取り上げる。パチン、と蓋を開けるような音がして、潤滑剤よりも粘度の低いものを後孔に塗りこめられた。硬く閉じたそこを爪の先で念入りに揉みほぐし、つぷりと指を挿し入れてくる。
凯撒用指尖逐一数过并排的腰椎,在双丘上方的凹陷处停手。他变换姿势从床头柜取出某物,"啪"地响起开盖声,比润滑剂更稀薄的液体被涂抹在后穴。他用指甲仔细揉开紧闭的皱褶,噗嗤一声将手指插了进去。
「辛くないか」 "会疼吗"
「ん…………、っ、へいき」 「嗯…………、唔、没事的」
「痛くないようにする」 「我会让你不痛的」
「これ、なに」 「这个,是什么」
ローションとは違う、華やかなローズの香りが立ち上る。ハンドクリームだとカイザーは答えた。女と違って、男の入り口は自然には濡れないようにできている。セックスの前にはアナルが裂けないように時間をかけてほぐす必要があった。手元に何の用意もないことを彼は詫びた。
不同于润滑液的馥郁玫瑰香气弥漫开来。凯撒回答说是护手霜。与女性不同,男性的入口天生不会自然湿润。为了避免肛裂,性交前需要花时间慢慢放松。他为手边没有任何准备而道歉。
この一夜の邂逅が世一にとってイレギュラーであったように、カイザーにとってもまた不測の事態だったのだと思い至る。もしも彼に下心があったのなら、ここにはセックスを行うための道具が用意周到にそろえられていたはずだ。
这一夜的邂逅对世一而言是场意外,而凯撒也同样遭遇了始料未及的变故。倘若他真有什么不良企图,这里本该备齐了全套行欢作乐的工具才对。
世一は罠にかけられたわけではなかった。暗闇の中でカイザーと手を取り合って、頭から穴に落ちたのだ。格好がつかなくて、けれども衝動のままにこうして身体を重ね合わさずはいられないでいる。
世一并非落入陷阱。只是在黑暗中与凯撒十指相扣,便一头栽进了欲念的深渊。虽然姿态狼狈,却仍被冲动驱使着不得不与他肢体交缠。
「俺から誘ったのに手際が悪くてすまない。スキンもないから、もし世一が嫌なら——」
"明明是我主动邀约却笨手笨脚的...没准备安全套,要是世一不愿意的话——"
「いい、そんなのいらない」 "不用...那种东西不需要"
首を振ると、カイザーは憂いと喜びを混ぜこんだような目で世一を見つめた。そうして、探し物をするように世一の中を丹念に探った。骨張った長い指で浅いところを抜き差しされ、ぞくぞくとした期待が耳の後ろを走る。
当世一摇头时,凯撒用混杂着忧郁与欢愉的目光凝视着他。随后如同寻找失物般,细致地在世一体内探索起来。骨节分明的修长手指在浅处抽插,酥麻的期待感顺着耳后蔓延开来。
どこに触れたら世一が甘く鳴くのかをカイザーは知っていた。それが5年のうちに上書きされなかったことにも気づいている。指を動かされるたびに内側がやわらかく溶けて、潤滑剤代わりの腸液をあふれさせる。いいところに当たるように腰を浮かせて、もっともっとと奥に指を欲しがってしまう。
凯撒清楚地知道触碰哪里会让世一发出甜腻的呻吟。他也注意到这五年来这份记忆从未被覆盖。每当手指动作,内里便柔软地融化,溢出代替润滑剂的肠液。世一不自觉地抬高腰肢渴求更多,想让那手指更深更准地抵住敏感点。
「あ、あ、あ……っぅ、あ、……はぁ、ん、んんーっ…………!」
「啊、啊、啊……嗯、啊、……哈啊、嗯、嗯嗯——……!」
弱いところをあますところなく暴き立てられ、浅ましい声が止められなかった。2本、3本と増やされた指が世一の後ろを掻き混ぜる。カイザーの指を覚えているそこは従順に慣らされ、ひくひくと収縮した。
脆弱处被毫不留情地发掘,下流的呜咽再也无法抑制。两根、三根逐渐增加的手指在后穴搅动。那处仍记得凯撒手指的形状,顺从地适应着律动,不断收缩颤抖。
「……挿れるぞ」 "……要进去了"
獣のような熱い息を吐きながら紡がれた言葉に、世一は必死でうなずいた。胸につくほどに膝裏を折り畳まれ、後ろに熱いものを押し当てられた。弾力のある切っ先が、十分に躾けられた襞を割り開く。ずるりと滑った先端が性感帯を叩き、眼裏がチカチカと白くなった。は、は、は、と呼吸の先が詰まるようにどんどん短くなっていき、ビリビリと腹の奥が痺れた。
野兽般灼热的吐息中挤出这句话时,世一拼命点头。膝盖被折到几乎贴上胸口,后方抵着滚烫的硬物。富有弹性的尖端撬开早已驯服的褶皱。滑溜溜的前端碾过敏感带,视野里炸开一片雪白。哈、哈、哈——呼吸越来越急促,仿佛被掐住咽喉,小腹深处窜过阵阵麻痹的快感。
「っ、あ、ま、待って、」 "等、等一下..."
「……っ、キツいか」 "……很疼?"
「ちが、……よすぎる、よすぎて、」 “不……太棒了,太棒了……”
カイザーは背中を丸めて喉仏にキスを落とし、屹立を埋めていく。ゴム越しではない肉の熱さに眩暈がする。身体が内側からドロドロに溶け落ちてしまいそうだ。じわじわと中を切り開いた先端が、行き止まりを叩く。根元まで埋めこんだのを確かめるようにカイザーは腰を揺すった。くちゅくちゅと奥で肉がぶつかって、たまらない。
凯撒弓着背,将吻落在喉结上,缓缓挺进深处。隔着橡胶都能感受到的肉体热度令人眩晕。身体仿佛要从内部融化般瘫软。缓缓开拓的顶端终于抵到尽头。像是要确认是否完全埋入根部,凯撒轻轻摆动腰肢。深处传来黏腻的肉体碰撞声,令人难以自持。
もう二度と手に入らないと思っていた男のものを中に収めて、身体全体で彼を感じている。死ぬほどきもちよかった。
本以为再也无法得到的男人之物此刻正充盈体内,用全身感受着他的存在。舒服得快要死掉了。
——まっさらな白にすべきだよ。 ——本该保持纯白的。
ふいに、婚約者の声が耳奥で蘇る。張り詰めた屹立を中ほどまで引き抜き、カイザーは腸壁を慣らすように一定のリズムで腰を振った。透明なコップに水が溜まっていくように快感が身体の底で渦巻いている。
突然,未婚夫的声音在耳畔复苏。凯撒将紧绷的硬挺抽至半途,以固定节奏摆动腰肢,仿佛在驯服肠壁。快感如同透明水杯不断蓄积的清水,在身体深处盘旋翻涌。
白いタキシードを身につけて試着室から出てきた世一を見て、婚約者は満足そうに笑って言ったのだ。ヨイチ、いくつになっても純粋でピュアな君にぴったりの色だよ、と。
看着身穿白色礼服从试衣间走出来的世一,未婚夫曾满意地笑着说:世一啊,这颜色最适合永远纯粹又纯洁的你了。
どこが、と世一は思う。恋人でもない男に足を開いて、よがり狂っている。こんなことはしたらダメだってわかっていても、したくてたまらなかった。世一は純粋でもなければ、ピュアでもない。
哪里配得上呢——世一心想。此刻他正为不是恋人的男人张开双腿,放浪形骸。明知不该却情难自禁。他既不纯粹,也不纯洁。
べったりと胸の内側を塗りつぶす罪の意識を、悦楽が揺さぶりをかけてめちゃくちゃになる。気持いいのに苦しくて、苦しいのが気持よかった。律動の動きが早くなる。あ、やば、そこ、俺の好きなとこ。臍の裏側をこそげるような動きに、世一は喉を反らしてはしたなく喘いだ。
黏稠的负罪感涂满胸腔,却被欢愉摇晃得支离破碎。舒服得痛苦,痛苦得舒服。律动逐渐加速。啊、不行、那里、我最喜欢...当动作开始刮蹭肚脐内侧时,世一仰起脖颈发出淫靡的喘息。
「っ、ふ、ぅ……ん、うぅ〜〜〜…………」 “呜、嗯、啊……唔、嗯嗯~~~…………”
快感と罪悪感にもみくちゃにされて、世一はしゃくりあげるように泣いた。深い快楽に引きずり込まれ、息ができない。見上げる水面は遥か遠くに揺蕩っている。過呼吸寸前のきれぎれの息を繰り返していると、軽く頬を叩かれた。
被快感与负罪感反复撕扯着,世一抽抽搭搭地哭了起来。他被拖入深不见底的欢愉之中,几乎无法呼吸。抬头望去,水面在遥不可及的地方摇曳着。就在他因过度换气而断断续续喘息时,脸颊被轻轻拍了一下。
「——よいち、世一」 “——喂,世一”
ぼんやりと焦点の合わない視界の向こうに、自分を気遣う男の姿がある。
在模糊失焦的视野尽头,有个正担忧地望着自己的男人身影。
「あまり自分を追いこむな」 "别太逼迫自己了"
額に汗を浮かべたカイザーはシーツの上に投げ出されていた両手に自分のそれを絡めた。ぎゅっと力強く握り締められ、新しい涙があふれる。
额头上沁出汗水的凯撒,将自己双手覆在对方摊开于床单的手上。十指紧紧交缠的力道让新的泪水夺眶而出。
「……ッ、だって、」 "……可是、"
「過去も未来も関係ない。今、溺れかけのおまえがつかまっているのはこの俺だ」
"过去未来都无所谓。此刻快要溺毙的你,抓住的只有我"
「…………うん」 "…………嗯"
「愛している——離れていても愛してた」 "我爱你——即使分开也一直爱着你"
「……俺も。俺もだよ」 "……我也是。我也是啊"
「おまえのことが忘れられなかった」 "我始终无法忘记你"
「うん…………うん」 "嗯…………嗯"
緩やかに再開された抽挿に、熱い吐息がこぼれ落ちた。カイザーは時おり苦しそうな声を漏らし、迫り上がる快感をこらえている。繋がり合ったところが水音を立てた。奥を強く攻め立てられるたびに、彼と別れてから心の底に溜めていた言葉がポロポロとこぼれていく。
随着缓慢重启的抽插,炙热的喘息声不断溢出。凯撒时而发出痛苦的呻吟,强忍着不断攀升的快感。交合处传来阵阵水声。每当被深深顶入时,那些自与他分别后积压在心底的话语便如珠玉般零落而出。
好きだった。 曾经爱过你。
忘れられなかった。 始终无法忘怀。
いっぱい傷つけてごめん。 对不起,让你受了这么多伤。
——今でも愛してる。 ——至今依然爱着你。
目もくらむような大きな官能の波にざばりと頭から呑まれ、世一は中だけで達した。自分が自分でなくなる感覚。足元が抜け落ちるような恐怖と、頭からまっさかさまに落下していくときの無重力の心地よさ。言葉もなく絶頂を迎えた世一を追いかけるように、カイザーもまた中で果てた。
世一被令人目眩的巨大官能浪潮从头到脚彻底吞没,在体内达到了高潮。那种自我意识消散的错觉。如同立足之地崩塌般的恐惧,与倒栽葱坠落时无重力的快感交织。当失语的世一攀上顶峰之际,凯撒也紧跟着在体内迎来了绝顶。
バルコニーの向こうで、夜が明けていく。穏やかな初夏の光に包まれたミュンヘンの街を見て、世一は抱えた膝の上に顎を乗せた。小鳥のさえずりと、街中のキオスクに新聞を運ぶトラックの音だけが聞こえる。いつもの朝の日常。ちっぽけな人間が道から外れても世界は何も変わらない。身体の中の空気を入れ替えるように深く息を吐く。
阳台外的天色渐渐亮起。望着被柔和初夏晨光包裹的慕尼黑街道,世一把下巴搁在抱膝而坐的膝盖上。只有小鸟的啁啾与运送报纸的卡车穿梭街巷的声音。一如往常的清晨日常。渺小人类即便偏离正轨,世界也不会因此改变。他深深呼出一口气,仿佛要置换掉体内所有空气。
「……眠れなかったのか」 “……没睡好吗?”
世一がベッドを抜け出すときにはまだ眠りの中にいたはずの男が後ろから声をかけてくる。カイザーは世一の座るガーデンチェアの端に腰を下ろした。
世一从床上起身时,本该还在睡梦中的男人从背后搭话。凯撒在世一坐着的花园长椅边缘坐下。
「少しは寝たよ。自分のベッドじゃないから、早く目が覚めただけ」
“稍微睡了一会儿。毕竟不是自己的床,只是醒得早了些。”
——昨日のこと、後悔してるか。 ——对昨天的事,后悔了吗?
静かに問いかけられ、世一は首を振った。 面对轻声的询问,世一摇了摇头。
「本当は後悔するべきなんだろうけど……そんな気持ちになれないんだ。大事にしてくれた人を裏切ってるのに平気な顔してる俺は、人間じゃなくて悪魔だったのかも」
"明明应该感到后悔才对...可我却完全没那种感觉。背叛了深爱自己的人还能面不改色,或许我根本就不是人类而是恶魔吧"
「今ごろ気づいたのか? おまえに似合う色は白なんかじゃなくて漆黒だ」
"现在才发现吗?适合你的颜色从来就不是纯白,而是漆黑啊"
「ひっでぇ、なんだよそれ」 "靠,这算什么啊"
「おまえは自分の本能に忠実な男だからな。とはいえ、俺もおまえを誘惑したんだから同罪だ」
"你是个忠于自己本能的家伙啊。不过,我也诱惑了你,算是同罪吧"
「おまえこそ、天使みたいな顔した悪魔だよ」 "你才是长着天使面孔的恶魔"
世一がカイザーの襟足を手持ち無沙汰にもてあそぶと、男は少しだけ笑みを浮かべた。
当世一无聊地把玩着凯撒后颈的发丝时,男人微微扬起了嘴角。
「元の関係に戻れたらいいと願ってた。でも、本当に叶うとは俺だって思っちゃいなかった」
"虽然祈祷过能回到原来的关系...但连我都没想到真的能实现"
「……こっちに戻ってきてから、おまえに何度も電話しようとしたんだ。でも——できなくて」
“……自从回到这边后,我无数次想给你打电话。但是——没能做到”
父親のリハビリが終わり、世一がドイツに戻ってきたのは3年前。世一と入れ違いになるように、カイザーはイタリアのクラブへと移籍していた。明日こそ電話をかけてみよう。そう思いながら、電話をかけられないまま時間だけが過ぎていった。
三年前,父亲康复训练结束后,世一从德国回来了。就在与世一擦肩而过的同时,凯撒转会去了意大利的俱乐部。明天一定要打个电话试试。虽然这么想着,电话却始终没能拨出去,只有时间在不断流逝。
かつてのほろ苦い別れが、気持ちにブレーキをかけたのだ。もしまた、ああなったら? また彼を傷つけることになったら? 思い出は思い出のまま、そっとしておいたほうがいいのかもしれない。己の意気地のなさを棚に上げて、世一はそんなふうに自分を無理矢理納得させた。
昔日苦涩的离别,给这份心意踩下了刹车。如果重蹈覆辙怎么办?如果再次伤害到他怎么办?或许让回忆停留在回忆里,不去触碰才是最好的。把自己的懦弱抛在脑后,世一就这样强行说服了自己。
「だから、おまえから連絡が来てうれしかった」 “所以,收到你的联络时我真的很开心”
「自分からアクションを起こさなければ後悔すると7年前に学んだからな。おまえからの電話を待つのはやめたんだ」
"七年前我就学会了,不主动出击就会后悔。所以我不再等你打电话来了"
「転んでもタダでは起きない男だよな、おまえって」 "你这家伙啊,摔倒了也绝不会白白爬起来"
「たとえ可能性が1パーセントに満たなくても、最後に一目会いたかった。おまえが結婚することになんの迷いもなければ、俺は祝福だけして帰るつもりだった」
"哪怕可能性连百分之一都不到,我也想最后见你一面。如果你对结婚毫无犹豫,我本打算祝福完就离开"
「……知ってるよ。わかってる。帰ったら、ちゃんと婚約者におまえとのことを話すよ。許してもらえることじゃないってわかってる。でも偽りの上に人生は築けない」
"……我知道的。我明白。回去后,我会好好向未婚妻坦白我们的事。我清楚这不是能被原谅的事。但人生不能建立在谎言之上"
「俺たちは一度うまくいかなかった。でも失敗を犯したからこそ、できることもあると思う」
"我们曾经失败过一次。但正因为犯过错,才明白有些事情可以做到"
手酷いエラーを起こしてしっぺ返しをくらい、つかみかけた勝利を逃して悔し涙を飲む。汗水を流し、ときには地面に這いつくばる。それでも人生も試合も続いてく。カイザーは世一の背中に手を回して抱き寄せた。ふいに目頭が熱くなる。力強い、この腕の中に俺はずっとずっと戻ってきたかったんだ。
犯下致命失误遭到反噬,与到手的胜利失之交臂只能含泪饮恨。挥洒汗水,有时甚至匍匐在地。即便如此人生和比赛都还在继续。凯撒伸手环住世界第一的腰际将他拉近。眼眶突然发热。在这双有力的臂弯里,我明明一直一直都想回到这里啊。
「あのときを思い出すな」 "别让我想起那时候"
「あのとき?」 "那时候?"
カイザーはニヤッと笑った。 凯撒露出了不怀好意的笑容。
「マルクスの結婚式の朝」 "马克斯婚礼的清晨"
湖のそばでキスをしたあと、世一はカイザーの部屋に転がりこんで生まれて初めてセックスをした。朝までベッドの上でもつれあって、自分でも聞いたこともないような恥ずかしい声をほとばしらせながら、激しく愛を交わした。ふたりが正気に戻ったのは、明け方のことだった。「今ここで寝たら、絶っ対に結婚式に出られないと思う」と世一が言い、眠い目をこすりながらバルコニーからふたり、朝焼けを眺めたのだ。
在湖畔接吻后,世一第一次滚进了凯撒的房间体验了人生初夜。他们在床榻缠绵至天明,迸发出连自己都未曾听过的羞人声响,激烈地交融着爱意。直到破晓时分,两人才恢复理智。"现在要是睡着的话绝对赶不上婚礼了",世一揉着惺忪睡眼说道,两人并肩倚在阳台眺望着朝霞。
「そういえば、あの壺って結局どうなったんだっけ?」
"话说回来,那个壶最后怎么处理了?"
前夜祭の皿割りの儀式で、どんなにマルクスが頑張っても割れない壺があった。片手で持てるくらい小さくて、明るい夜を釉薬にかけたような壺。
在前夜祭的砸盘子仪式上,有个无论马克思怎么使劲都砸不碎的壶。那是个单手就能握住的小巧壶器,釉色如同将明亮的夜色封存其中。
「最後の最後まで割れなくて、今は幸運のお守りとしてマルクスの家に飾られている」
"直到最后都没能砸碎,现在作为幸运护身符被供奉在马克思家里"
「うっそだろ、マジ?」 "真的假的,没开玩笑?"
世一が吹き出すと、カイザーはモバイルを操作してSNSの画面を開いて見せた。去年のクリスマスに投稿された、クローゼ一家の家族写真だ。サンタ帽を被ったマルクスと奥さん、2人の子供が大きなリースが飾られた暖炉の前でポーズを取っている。その暖炉の上には、あのときのブルーの壺が大切に飾られていた。
世一噗嗤笑出声时,凯撒划开手机展示了 SNS 界面。那是去年圣诞节上传的克洛泽家全家福:戴着圣诞帽的马克思和夫人,两个孩子在装饰着巨大花环的壁炉前摆姿势。而壁炉上方,那个蓝色陶壶正被郑重其事地供奉着。
どこにでもあるようなありふれた陶器の壺がなぜ割れないのか。それは誰にも分からない。科学では証明しようがない、どうしても壊せないものがこの世には存在している。それだけで世一を勇気づけるのには十分だった。
这个随处可见的普通陶壶为何不会碎裂。无人知晓其中缘由。世上确实存在着科学无法解释、无论如何都无法破坏的事物。仅凭这一点,就足以给世界第一带来莫大勇气。
note 注
手のひらへのキス……〝懇願〟 掌心之吻……〝恳求〟